政策と活動

2020年04月16日

新型コロナウイルス感染拡大防止にかかわる要望書

市議団は16日、新型コロナウイルス感染拡大により市民から寄せられた実態をもとに、経済局と健康福祉局に対し、緊急に申し入れをしました。4回目の申し入れです。


広島市長 松井 一實 様
日本共産党広島市会議員団 

新型コロナウイルス感染拡大防止にかかわる要望書

 新型コロナウイルス感染拡大防止に関して、これまで3度の要望書を提出していましたが、新たな問題、急ぐ問題がありますので、以下要望します。しっかり受け止めていただいて、必要な対応を実施されるよう強く求めます。

1.医療体制で、新型コロナ問題だけでなく、日常の診療のあり方も問題になってきていて、市民の命と健康を守るために以下のとりくみが必要である。

① 現在、厚生労働省が示す基準に基づいて、PCR検査が本市衛生研究所で行われているが、医師が検査の必要を認めて検査を依頼しても受け付けない事例が現実にあり、どれだけ感染が拡大しているかについての市民や医療機関の不信感の原因となっている。少なくとも医療機関からの不信感は問題があり、医師の所見に基いて行われる検査依頼にはすべて応じる必要がある。この数日の感染拡大の状況をみると、すでに1日60件の検査能力では、追いつかない状況になってきており、抜本的な検査体制の強化がどうしても必要になっている。
 行政検査に限るという壁を突破することが必要で、急速な検査体制の強化に取り組むこと。

② 普通の風邪症状の患者が、どこでも敬遠されている。念のためにと電話で連絡するといくつもの医療機関から次々と舟入病院に行くように勧められ、たらいまわし状態になっている。
 新型コロナウイルスではないかと敬遠されるような風邪症状などの患者を受け入れる医療機関が舟入病院だけでなく、身近な地域にどうしても必要になっており、たとえば中学校区ごとに、特定の医療機関を指定して、発熱外来などが設置されていれば、各医療機関にとっても市民にとっても安心となる。市や区の医師会と連携して設置に取り組み、設置できたら市民に周知すること。

2.政府、自治体をあげての自粛要請によって、客が激減した事業者や営業を自粛した事業者が事業と自らの生活を守るために必死の取り組みをしておられる。窓口のあり方や申請等の書類のあり方、受付の体制等に改善が必要である。

① 本市ではコロナ対策の緊急融資対象者かどうかを認定する窓口が産業振興センターだけになっており、極めて不親切、官僚的なあり方であり、「密接」を招く要因である。もっと身近なところ、せめて各区に1か所設置する必要がある。認定事務は簡単な研修を行えば実施可能であり、区役所に窓口を設置すること。

② 融資対象を認定する申請書(中小企業信用保険法第2条第5項第4号、ないし第5号による認定申請書)は、融資の申し込み書ではなく、行政として対象であるかどうかを判断するだけのものであり、実印は必要がなく、認印の使用を認めること。
 市内の事業者はどこも困難に直面しているのであり、厳密な審査など必要がなく、今の状況で資金繰りが困難な状況が分かれば、また、対象業種であることが分かればすぐに認定書を出すべきである。現状は、窓口で申請書を受け付けた後、本庁に送付し、本庁で確認した上で申請者に送付されるため、最短で認定書が申請者に届くのは2日後となる。そこまでする必要がないため、福山市では、行政窓口で受け付けたらすぐに認定書が申請者に交付される。福山市で行われている迅速なやり方に変えること。

③ 福岡市は独自に家賃補助を行うことを決めた。自営業者の多くは、その月の売り上げが翌月の営業の元手になったり、日銭で営業を続けているところもある。営業を休んだりして一番困るのは家賃などの固定費であり、自粛要請をしている間は、固定費の補助は最低限必要である。
 それができなければ、背に腹は代えられないので営業を続けることになる。1回は融資を受けて事業を継続できても、営業成績は落ち込んでいるから、2カ月後に追加の融資は受けられない。その点でも固定費の補償はどうしても必要であり、早急な検討と実施を行うこと。

④ 社協による緊急小口資金の申請窓口が貧弱であるとの指摘がある。申請のための面談室もなく専任の職員もいない。市の職員による応援も含めて受け付け体制を強化すること。

⑤ 社協の総合支援資金は、自営業者が営業停止に追い込まれた時、事業継続とは別の自営業者自身と家族の生活継続にとっても利用できるものであるべきだが、要件が自営業者を排除するものとなっている。自営業を継続することを前提に自営業者でも利用できるものに改定するか、自営業者用の制度を緊急に創設することを要請すること。

⑥ 雇用調整助成金は重要な制度であるが、その月の賃金分を当面事業者が立て替える必要がある。その資金の融通を行う制度をつくること。
 また、申請書類が複雑で多く、制度に精通したものでないと自前で書類を整えることが困難であり、小さい事業所には極めてハードルが高い。専門家に依頼すると高い料金が発生し、リーマンショックの時には代理で申請する業者が大きな利益を挙げたということがある。災害の被災者であるとの認識で、簡素で誰でも申請できるものに変えることを強く要請すること。

⑦ 国民健康保険加入者が新型コロナウイルスに感染して休業せざるを得ない場合に、傷病手当を支給することになったが被用者に限られている。自営業者が感染して休業したら収入がなくなるのは被用者と同じであり、被用者よりも厳しい条件で保険料を払っている自営業者を除外する理由はなく、この取り扱いは極めて不平等で差別的である。国の差別的取り扱いを容認することなく、必要なら本市独自で対象とすること。

以上