議会での質問・答弁

2022年06月17日

2022年第5回 6月定例会 議案討論 中原ひろみ議員

(中原ひろみ議員)
 日本共産党市会議員の中原ひろみです。会派を代表して討論をします。

 令和4年度第5回広島市議会定例会に上程された議案のうち、反対するのは、第77号議案「地方独立行政法人 広島市立病院機構第3期中期計画の変更に係る認可について」の一議案です。
 第65号議案 令和4年度広島市一般会計補正予算(第2号)については、意見を付して賛成します。残りの議案は賛成です。

 最初に第77号議案について反対の理由を述べます。
 広島市立病院機構第3期中期計画の変更の中身は、他の医療機関からの紹介状を持たずに受診した場合に、患者が支払う定額負担を大幅に増額するものです。その内容は、医科は初診5,500円から7,700円に40%引上げる。再診では2,750円から3,300円へと20%引き上げる。
 歯科は3,300円を5,500円へと67%引き上げる。再診では1,650円から2,090円に27%も引き上げるとしています。これは、受診者に大きなペナルティを課すものです。
 大病院を初診で受診した際に患者に定額負担を徴収することは、2016年から導入されていますが、今回の診療報酬改定で、定額負担の徴収が義務付けされました。この改定により、現在の400床以上から200床以上の一般病床を有する地域医療支援病院にも定額負担が拡大されることになり、広島市民病院と安佐市民病院において、定額負担の引き上げを求めようとするものです。
 国は、「大病院への患者の集中を防ぎ、かかりつけ医機能の強化を図る」ことが定額負担拡大の狙いだとしていますが、紹介状なしで受診し定額負担の対象となる患者数は、広島市民病院では4%、安佐市民病院では2%で、再診患者はいないという実態が質疑で明らかになりました。
 この状況は、市民のなかに軽度の健康悪化の場合は、大病院でなくかかりつけ医に受診するという啓発が進み、市民の理解が広がってきたということではないでしょうか。
 このような実態を踏まえれば、定額負担を大幅に増額し、患者に大きなペナルティを与える必要性はないと考えます。
 特に、今回の診療報酬の改定は、定額負担の引上げ分、初心では2,000円を診療報酬から強制的に差し引くというもので、病院は定額負担を徴収しなければ収入が減る「しくみ」になっています。
 結局、診療報酬の仕組みをゆがめて、医療にかかる国の予算を減らすことが狙いです。このようなやり方は、だれもが、いつでもどこでも安心して受診できる医療保険制度そのものを破壊するものです。以上の理由から第77議案には賛成できません。

 最後に、意見を付して賛成する第65号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第2号)について意見を述べます。
 今、多くの国民・市民は、賃金が上がらない、年金は減るなかでの物価高騰で、暮らしに深刻な打撃を受けています。
今議会には、保育園や学校給食の食材購入費補助が約3億6000万円計上されました。これは、給食費の値上げや給食の質の低下を防ぐことにつながる頼もしい支援だと評価するものです。
 しかし、6月14日に発表された共同通信の世論調査では物価高騰が「生活に打撃」と答えた方が77%にも上っています。
 また、帝国データバンクの調査では、食品主要メーカー105社の年内の「値上げ」計画は1万品目を突破し、その平均値上げ率は13%に達するとしています。この夏の食品値上げは今を超える規模で進む見通しだとしており、今後、一層 生活困窮が深刻になることは避けられない状況です。
 委員会質疑の中で、物価高騰対策を行うための国の地方創生臨時交付金の前年度からの繰り越し分の残りが、17億円あること。
また、今年度は31億円が交付されることから、合わせて48億円の地方創生臨時交付金があると聞きました。
 この交付金は自治体の判断で、使うことができるものです。国の支援策の補完や、共助の取り組みに特化した支援策でなく、市民の暮らしを直接に支える取り組みを求めます。
 たとえば、子育て世帯や低所得世帯にも給付金の対象を広げて、家計応援をすることや、光熱費の高騰などにより予想外の支出が増え続けて、経営に窮している保育園や高齢者施設などの福祉事業者などへの支援も行って頂くよう求めておきます。
 国の地方創生臨時交付金を余さず使い、物価高騰の影響から事業者や市民をしっかり守っていただくよう重ねて要望し討論とします。
以上。