議会での質問・答弁

2021年09月14日

2021年第3回 9月定例会 報告に対する質疑 中森辰一議員

報告第17号公立大学法人広島市立大学の経営状況について

(中森辰一議員)
 日本共産党市議団を代表して、広島市立大学と広島市立病院機構の経営状況の報告について質疑を行います。
 まず、広島市立大学についてです。2020年度(令和2年度)は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった年度で、様々な混乱や試行錯誤が行われた年度だったと思います。
 とりわけ学生にとっては生活面でも授業を受けるという点でも大変だったと思います。
 まず、学生たちが置かれた実態がどうであったのか、大学として把握されたことを報告してください。
 また、大学としてのこの問題にどう対応し、取り組まれたのか、その成果や反省などを総括的に報告してください。

(行政経営課長)
 市立大学において、コロナ禍における学生の実情に関するアンケート調査等を実施したところ、アルバイトをする機会の減少などによって、生活が困窮した学生がいたこと、経済的な事情等によりオンライン授業を自宅等で受講する環境を準備できない学生がいたこと、また、大学に登校する機会が減少し、学生同士の交流の機会が減少したことなどを把握したとのことでした。
 こうした実態に対し、市立大学として、様々な支援を行いました。
 例えば、生活困窮した学生に対する支援として、応急奨学金制度を創設し、令和2年度は、一人当たり3万円の奨学金を356人に支給するとともに、オンライン授業の実施に当たり、自宅等での受講に必要となるパソコン等の無償による貸出や、インターネット環境の整備に必要となる経費に対する補助を行うなどの支援を行ったとのことでした。
 また、学生同士の交流の機会として、9月に入学歓迎式を開催するとともに、学生がグループで交流する機会となるオリエンテーションを開催したほか、後期は一部の実習などで対面式授業を増やしました。
 しかしながら、十分な交流の機会を確保できなかったことが反省点として挙げられると市立大学から聞いています。

(中森辰一議員)
 次に、第2期中期計画のなかで、学生の確保と支援として、「学生の心身の健康の保持増進を図るため、『保健管理センター』(仮称)の設置に向けて取り組む」、ということがあって、これは令和2年度終了、となっています。つまり、このセンターが設置されたということですが、このセンターは今回の新型コロナ感染拡大という事態で大変な状況に置かれた学生への支援として、どのような役割を果たしたのか、実際の取り組みとその成果等について報告してください。

(行政経営課長)
 心と身体の相談センターは、大学の保健室としての機能に加え、コロナ禍での学生の悩みや健康などを気軽に相談できる窓口として、対面やオンラインによる相談、カウンセリングに応じるとともに、学生が新型コロナウイルス感染症に感染した場合や濃厚接触者となった場合の連絡窓口としての役割を果たしたとのことであり、さらに、オンラインでのストレスマネジメント講座なども実施したとのことです。
 こうした取組の結果、センターの利用者は、大幅に増加してきており、新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下で、学生の心身の健康の保持増進に一定の役割を果たしたと考えていると市立大学から聞いています。

(中森辰一議員)
 新型コロナの感染拡大は、今もなお続いているわけですが、2020年度の取り組みの上に立って、今年度はどのようにそれを発展させているのか、教えてください。

(行政経営課長)
 市立大学によると、学生への生活支援として、今年度も1人当たり2万円の奨学金を315人に支給するとともに、今年度から新たに大学内の食堂や売店で使用可能な金券を配付したり、食品等の現物支給を行っているとのことです。
 また、学修支援として、学生同士の交流の機会を増やすことができるよう、授業の実施方法について、講義室の収容定員の5割を超える履修者が見込まれるなどの一部の授業のみをオンライン授業とし、その他の授業は、感染防止対策を徹底した上で、対面式授業として実施しているとのことでした。
 このほか、学生へのパソコンの無償貸与などの支援を継続実施するとともに、オンライン授業に不慣れな新入生などが、授業を円滑に受講できるよう、新たに、接続方法等のガイダンスの実施やサポート窓口の設置などの取組も行っているとのことでした。
 今後とも、こうした取組を適宜見直し、補強しながら、学生生活が充実したものとなるよう、しっかりと支援をしていきたいと市立大学から聞いています。

報告第18号 地方独立行政法人広島市立病院機構の経営状況について

(中森辰一議員)
 次は、市立病院機構についてです。
 令和2年度の事業は、医業収益が予算比で約48億円マイナスであったのに対して、医業費用が予算比で21億円余りマイナスの一方で、新型コロナに関わる県補助金等が予算比で41億円余り多かったことで、結果として18億7千万円の黒字になったと報告しています。
 病院事業として、通常の医療活動など以外に、突然新型コロナの感染拡大という事態が出来し、それへの公立病院としての対応が求められたのは当然ですが、市立病院機構として、どのような方針をもって、どのように対処したのか、総括的に報告してください。

(病院担当課長)
 令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減少により、厳しい収支状況が予想されたことから、年度当初から一層の経費節減に取り組み、効率的な病院運営に努めるとともに、公的医療機関として感染症患者に必要な医療を提供すべく、本市や広島県の要請に応じ、可能な限り感染症対応の病床を確保するなど、新型コロナウイルス感染症対応に取り組んだと聞いています。

(中森辰一議員)
 次に、入院、外来とも、患者数が減り、その結果、医業収益が予算目標に届かなかったわけですが、どのように患者数に影響したのか、同時に、市立病院で治療を行っていた患者さんにどのように影響を及ぼしたのか、報告してください。

(病院担当課長)
 市立病院機構の令和2年度予算の患者数については、入院・外来患者数あわせて、1,232,947人を見込んでおりましたが、決算は1,032,488人と、200,459人減少しました。
 市立病院のうち、舟人市民病院では、感染症関連の診療に当たるため、一時的に初診の内科診療を中止しましたが、広島市民病院及び安佐市民病院では、原則、通常通りの外来診療を実施しました。また、入院については、3病院とも感染症対応の病床を確保するため、新規入院患者の抑制や、緊急手術の場合を除き手術を延期したと聞いています。

(中森辰一議員)
 次に、どの病院も、コロナ感染への対応ということで厳しい緊張を強いられていたと思いますし、とりわけコロナ患者を受け入れた舟入市民病院などでは医療スタッフが厳しい業務を行っていたでしょうし、それはスタッフの家庭にも影響を及ぼしていたと思います。
 そうしたことに対して、病院機構として、また各病院としてどのような対応を行ったのか、報告してください。

(病院担当課長)
 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる病棟に配置する医療スタッフについては、事前に所属長が職員と面談の上、本人はもとより家族の了解が得られた職員を配置しました。
 また、当該病棟に勤務する中で、本人又は家族の意向により一般病棟への配置換えを希望する職員については、患者との接触期間を十分考慮し、一般病棟への配置換えを行いました。
 さらに、厳しい職場環境の中で、職員がモチベーションを保てるよう所属長のみならず市立病院機構の産業医や保健師が一丸となって、メンタル面においてもサポートを行っていたと聞いています。

(中森辰一議員)
 また、そうした状況の中で、やむを得ず退職に追い込まれた職員がいたのではないかと思いますが、どのような状況であったのかも報告してください。そのようななかでも本年度も職員の採用が行われたと思いますが、医療スタッフは現在充足できているのかどうか、お答え下さい。

(病院担当課長)
 令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症患者の受入れの対応を理由とした退職が3件あったと聞いています。
 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる病棟の職員の確保に当たっては、受入れ病棟以外の病棟から新たに希望者を募るなどして体制を確保し、令和3年度当初には必要な人員の補充を行ったと聞いています。

(中森辰一議員)
 次に、新型コロナウイルスは、次々と変異を繰り返しながら、今は、第5波の感染拡大が少し落ち着きだしている状況ですが、引き続き今月30日までは緊急事態宣言が広島でも継続しています。一旦感染確認数が落ちても、またすぐ新たな感染拡大が始まるということが繰り返されてきており、今後も第6波を予測する専門家もおられなど、まだまだ収束が見通せる状況ではありません。
 市民の命と健康を守ることが使命である市立病院機構として、この問題にどのように対応していくのかの、基本方針をお示しください。

(病院担当課長)
 市立病院機構では、新型コロナウイルス感染症について、第二種感染症指定医療機関である舟人市民病院を始め、感染症協力医療機関である安佐市民病院、さらに広島市民病院及びリハビリテーション病院が、各々の市立病院としての役割を十分に果たすとともに、本市や広島県などからの協力要請に積極的に応じ、適切に感染症医療を提供してきました。
未だ予断を許さない状況が続いていますが、引き続き、市立病院機構の基本理念である、市民の健康の維持・増進を図るとともに、市民に信頼され満足される質の高い医療を継続的かつ安定的に提供するため、職員が一丸となって、取り組んでいくと聞いています。

(中森辰一議員)
また、今回の新型コロナ感染拡大が収束しても、新たな新型ウイルスの感染拡大の発生が警告されている状況があります。こうした中で、広島市立病院機構としても広島市としても、今後の新たな感染症の発生とその急速な感染拡大にどう対応していくのかの考え方と具体的な実践が求められていると思いますが、どのようにお考えか、お示しください。

(病院担当課長)
 このたびの新型コロナウイルス感染症を始め、これまでの感染症医療の提供の中で得られた知見を生かし、今後の新たな感染症の発生時にも、各々の市立病院としての役割に応じて、関係機関と連携しながら、適切に感染症医療を提供するなど、通常の医療提供体制を維持しつつ、限られたスタッフの中で市立病院機構の使命を果たしていくと聞いています。
 本市としましては、市立病院機構の病院運営が適切に行われるように、また、病院スタッフが安心して働けるように、さらには患者の皆様が安心して医療を受けられるように、こうした市立病院機構の取組をしっかりと支えていきたいと考えています。

(中森辰一議員)
 今現在、市立病院全体が新型コロナに対して日々奮闘しておられると思います。全国的にそうですが、今回想定していなかった新型コロナウイルスの感染拡大という事態にあたって、臨時の措置が行われ、それが想定外の事態に対する臨時の措置であるだけに、従来行われていた通常の医療が大きなしわ寄せを受けているようです。
 これは患者さんにとっても大変なことですし、また個別の医療機関にとっても、患者の減少や特別の体制などで経済的な負担が大きくなっているということもあるでしょう。
 とりわけコロナの患者を特別の使命を持って受け入れる公立病院としての役割があるだけに、今回のような想定外の臨時措置を取らなくてもいいようにしておかなければならなかったと思います。
 今後いつこの新型コロナパンデミックが収束するか分かりませんが、これからも新型コロナウイルスのパンデミックが繰り返されることが様々な方面から警告的に指摘をされている中で、やはり想定外の臨時の措置で対応するということではなくて、一定の規模のパンデミックを想定してすぐに必要な対応ができるように準備をしておくことが必要だと思いますので、あえて提起もさせていただきました。
 もちろん市だけでの責任ではなく、国立病院や県立病院、さらには日赤病院等の公的病院も含めて連携して取り組む必要がありますが、いつでもしっかり対応できるような連携も含めてやっておくことが必要です。
 この問題で敢えて申し上げておくなら、今の政権がこうした事態があってなお全国の公立病院と公的病院のうち、440病院を統廃合する方針を掲げて付けているということはとんでもないことです。
 広島市内で言いますと、安芸市民病院、吉島病院が対象になっているほか、済生会呉病院とか国立の広島西医療センター、三原赤十字病院、庄原赤十字病院など広島県内では13の地域で重要な役割を果たしてきた病院が、その統廃合の対象になっております。こういうことはやめさせないといけませんし、市もしっかり声を上げていただくように求めておきます。


 それから、先ほどの馬庭議員への答弁の中でちょっと気になったことがありましたので言っておきます。
 市立大学についての答弁で、「父兄」という言葉が使われました。今日そのような言葉は行政では使われておりません。ジェンダー平等の下に立ってこれは見直すように求めておきます。

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