議会での質問・答弁

2020年09月18日

2020年第6回 9月定例会 議案質疑 きせ康平議員

第84号議案 令和2年度広島市一般会計補正予算第6号
1.元気なまちづくりプロジェクトの推進に係る経費の追加措置について
2.損害賠償請求事件に係る和解金について
3.PCR検査体制の拡充強化について
4.介護施設等における感染拡大防止対策について
5.サッカースタジアム建設の推進について
第100号議案 契約の締結について

 


1.元気なまちづくりプロジェクトの推進に係る経費の追加措置について

(きせ康平議員)
 日本共産党のきせ康平です。日本共産党市議団を代表して上程された議案のうち、第84号議案令和2年度広島市一般会計補正予算(第6号)について、第100号議案契約の締結について質疑を行います。
 まず、第84号議案令和2年度広島市一般会計補正予算(第6号)ついてお聞きします。
 初めに、元気なまちづくりプロジェクトの推進に係る経費の追加措置についてです。この事業はこの間新しい生活様式等を踏まえて、中長期的な視点に立ち、地域の魅力を高める新たな取り組みを行う団体に対して補助金を支給するものです。この度は、これまでの2億円の予算額を超える申請が見込まれるため、必要額である1億円を更に追加するものです。
 そこでお聞きしますが、これまでの予算2億円はどのような支援を対象に補助金を支給しているのでしょうか。実績を教えてください。
 また、この度の追加予算1億円は、どのような根拠で設定されたのでしょうか。市内の団体に対して利用調査等は行われたのでしょうか。お答えださい。

(企画総務局長)
 本事業は、「新しい生活様式」等を踏まえて、中長期的な視点に立ち、地域の魅力を高める新たな取組を行う団体に対し、1 000万円を限度に補助金を交付するものですが、7月の補正予算計上時には、20団体に1,000万円ずつを交付すると見込み、予算額を2億円としていました。
 8月中旬から募集を開始し、地域団体や商店街等から実際に相談を受けている各区の地域起こし推進課や経済観光局商業振興課にヒアリングを行ったところ、事業規模の大小はあるものの60件を超える相談が寄せられており、これらの相談が実際の補助金申請につながった場合、予算の不足が見込まれることから、1億円の追加措置を行うこととしたものです。
 なお、本事業は、今月末までを募集期間として補助金の申請受付を行っており、10月に審査の上、補助決定を行う予定です。したがって、現在は、各団体から事前協議を受けている段階ですが、その取組事例の一部を申し上げますと、地域の農産物の6次産業化を目指した加工場の整備や、地域の自然や伝統を生かしたイベント等を企画・実施するための拠点づくり、さらには、商店街でのテラス営業などが検討されているようです。

2.損害賠償請求事件に係る和解金について

(きせ康平議員)
 次に、損害賠償請求事件にかかわる和解金についてです。これは2015年10月に自死された職員のご両親からの訴訟において、和解金5000万円を支払うというものです。
 亡くなられた職員は、最長月150時間にも上る長時間労働が長期間に及んだとお聞きします。広島市では、この問題がその後の職員の働き方改革に大きく影響しました。そこでお聞きします。
 二度とこのようなことが起きないように、市はどんな対策を行っているのでしょうか。
 また、その結果長時間の時間外勤務実施者はどのぐらい減少したのか教えてください。

(企画総務局長)
 本市では、平成28年12月から時間外勤務の縮減に向けた取組を強化しており、所属長による職員の健康管理・時間外勤務縮減に関する目標設定や、新任課長に対する時間外勤務縮減に向けた研修を実施するとともに、局・区長等が職員の時間外勤務状況を把握し、所属長に必要な指示を行うなど、「所属長の意識改革」と「職場風土の醸成」にポイントを置き、職員の長時間の時間外勤務の縮減に全庁を挙げて取り組んできました。
 加えて、平成31年4月からは、時間外勤務を命じることができる時間数の上限を設定し、更なる縮減に取り組んでいるところです。
 また、併せて、長時間勤務職員に対する産業医の面接指導の機会を拡大するなど、メンタルヘルス対策の充実にも取り組んでいます。
 今回の和解を受けて、改めて「所属長の意識改革」と「職場風土の醸成」の徹底を図ってまいります。

3.PCR検査体制の拡充強化について

(きせ康平議員)
 次に、PCR検査体制の拡充強化についてお聞きします。この事業は、かかりつけ医などの医療機関で唾液によるPCR検査が受けられる体制を整備し、検査に係る自己負担額を市が負担するものです。
 昨日の山内議員の一般質問でこの度市内の391箇所の医療機関が唾液検査を行うとのことですが、検体採取の強化と合わせて、検査機関も増やす必要があると思います。
 現在市内の一日に可能な検査件数はいくつでしょうか。
 また、その数で足りるのでしょうかお答えください。

(保健医療担当局長)
PCR検査について、現在、本市では、1日当たり、衛生研究所で80件、検査が可能な医療機関や民間の検査機関で170件、あわせて250件の検査が可能です。さらに、来月初旬には、衛生研究所に新たなPCR機器等が整備されることから、1日当たり330件の検査が可能となります。
 この検査可能件数(330件)は、本年7月に国が示した算定方法に基づいて算出した、本市の1日当たりの最大需要想定数(318件)を基に見込んだものであり、現時点では、十分な検査体制を確保できるものと考えています。

(きせ康平議員)
 また、これまでの検査体制では陽性と分かった場合、陽性者の周辺調査及び接触者に検査等が行われておりますが、この度の唾液検査で陽性が判明した場合でも、これまでと同様に陽性者の周辺調査及び接触者への検査は実施されるのでしょうかお答えください。

(保健医療担当局長)
唾液によるPCR検査等で陽性が判明した場合は、これまでと同様に、保健所が積極的疫学調査を行うとともに、調査により把握した濃厚接触者等に対してPCR検査を実施することになります。

4.介護施設等における感染拡大防止対策について

(きせ康平議員)
 次に、介護施設等における感染拡大防止対策についてお聞きします。この事業は県の地域医療介護総合確保基金を活用し、介護施設等へ簡易陰圧装置の設置に要する経費を補助するもので、広島市では6施設に対して補助をするとのことです。
 そこでお聞きしますが、今回の補助対象となる市内の介護施設等は何施設存在するのか。なぜこの度は6施設しか補助をしないのでしょうかお答えください。

(健康福祉局長)
 今回の補正予算に計上している介護施設等への簡易陰圧装置の設置経費補助は、広島県地域医療介護総合確保基金を活用して実施するもので、本年7月に新たに当基金の対象事業に追加されました。
 この事業の対象施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど入所系の施設であり、市内では706施設が対象となります。
 これらの対象施設へ意向を確認し、活用希望のあった6施設に対して補助を行うこととしたものです。

5.サッカースタジアム建設の推進について

(きせ康平議員)
 次に、サッカースタジアム建設の推進についてです。この度は、広島の新たなシンボルとなるサッカースタジアム等を整備するにあたり、およそ257億円の債務負担を設定するものです。
 そのうち、県・市の負担割合は1:1としてそれぞれ約44億円の負担とされています。本当に1:1となるのでしょうか。現在、新型コロナウイルス感染症対策のために、広島市はもちろん、広島県も奮闘されており、どんどん予算は使われているため、県が44億円もの負担を本当にされるのか大きく不安です。更に、この負担割合は広島県との合意・確約は未だされていない状況です。
 先日中国新聞に、湯崎知事と県議長らが会談した際、県議長がスタジアムについて「県との負担割合が決まっていないのに建設費の支出枠を確保したことについて「唐突」だと批判したと報じられました。
 この報道から、増々県が44億円の負担を了承するのか疑問を持ちますが、市はどう考えているのでしょうか。
 また、県との合意はいつされるのでしょうかお答えください。

(都市整備局長)
 先日、桑田議員の一般質問で御答弁申し上げたとおり、県市の負担割合について、現段階では完全な合意には至っていませんが、県からは「県全体の活性化等につながるよう施設の機能を具体化する中で、費用負担について考えたい」との考えが示されており、今後、施設の機能が基本計画の内容と整合が図られているものとして、県民や県議会等にも説明できるようなものになっているかを確認する作業に、市も協力して取り組んでいくこととしています。
 こうした取組の中で、県にも費用負担について理解を深めていただくことで、県市1:1の負担割合で合意できるものと考えており、令和3年度当初予算において、県市ともに予算計上できるよう取り組んでまいりたいと考えています。

(きせ康平議員)
 財源内訳のうち、寄付金として63億円計上されています。この度の予算を作成するにあたり、株式会社エディオンから30億円、マツダ株式会社から20億円、更に商工会議所が音頭をとって県内から10億円を集める事など改めて確認されたとのことですが、これらの約束も覚書等交わしたわけではなく、口約束でしかないといいます。
 われわれは、スタジアム建設に反対するという立場ではありませんが、今後再び新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念され、対策が求められている中、市民に対し明確な説明ができない状況での債務負担設定に疑問を持ちます。
 この度の負担設定が果たされなければ、足りない分の負担は市民が背負うことになると思います。また、市の財政は今後4年間で110億円も足りない状況です。
 更に現在のコロナ禍で税収減も予測される中、なぜ今強行スタートしないといけないのか。
 合意・確約をとってからスタートするべきではないかと思いますが、市はどう考えているのかお答えください。

(都市整備局長)
 本事業の実施に当たっては、昨年、サッカースタジアムの開業を令和6年として寄附募集を開始し、既に多くの個人や企業から寄附が寄せられているほか、さらにこの度、広島商工会議所が中心となり、全県下の企業に対して寄附募集を行うとの意向をいただくなどALL広島で支援をいただいているところであり、こうした皆様の思いにしっかりと応えていくことが重要であると考えています。
 また、このコロナ禍においても必要な財源を確保した上で、基本計画のスケジュールどおり進めていくことについて、広島県、広島市、広島商工会議所、サンフレッチェ広島の4者で改めて合意しています。
 このスケジュールに遅れが生じることのないよう取り組んでいくためには、9月議会において予算を確保の上、10月に事業者の公募手続きを開始する必要があろことから、この度の議会に予算案を提案させていただいたところです。

第100号議案 契約の締結について

(きせ康平議員)
 最後に第100号議案、契約の締結についてお聞きします。
広島駅軌道新設その他工事において、委託先西日本旅客鉄道株式会社に対し委託金限度額43億円の契約するもので、この度の工事は橋桁(はしげた)1連の架設及び橋脚(きょうきゃく)3基の建設、その他工事となっています。工事はJR西日本の敷地内での建設ですが、この度の工事は広電の路面電車のための工事だと思います。
 そこでお尋ねいたしますが、この度の契約に対して、広電の負担はあるのでしょうかお答えください。

(道路交通局長)
 この度JR西日本に委託する工事は、南口広場のうち、JR西日本所有地内において、路面電車の乗降場を支える高架構造物などを築造するものであり、レールの敷設などの工事は含まれていないため、この契約に関する広島電鉄の費用負担はありません。
 路面電車やアストラムラインなどの軌道は、道路交通を補完し、交通の円滑化を図るものであり、その整備のための国の補助制度では、高架構造物などのインフラ部については、道路構造の一部を構成しているものと解されることから、道路管理者である地方公共団体が国の補助を得て整備することとされています。
 また、レール、架線、電気通信設備等のインフラ外部については、軌道経営者が、国や地方公共団体からの補助を得て整備することとされています。

【再質問】
 サッカースタジアムに関して、今朝の中国新聞に、昨日の広島県議会総務委員会にてサッカースタジアムの議案が議論され、「県全体の波及効果がないと1:1は認められない」との意見や、「このコロナ禍で税金を使う以上甘い見通しではいけない」など、複数の県議から支出に慎重な意見が出され、更に2024年の開業スケジュールを見直すよう提案もされたとのことです。やはり、スケジュール変更も視野に入れ、県との協議を行い、合意の上でスタートすべきと思います。市は、この県議会での議論の報道をどう受け止めているのかお答えください。
 また、16日の桑田議員の一般質問の際に、県が見込み通り負担しなかった場合、事業が止まるのかとの質問に対して、負担割合は県と合意できるものと考えているとし、明確な回答がされていません。しかし、この間の県議会の報道を観ますと必ず負担してもらえるとは到底言えない状況です。改めてお聞きしますが、県が提案通り負担しなかった場合、事業が止まるのか、市はどのような対応をとるのか改めえてお答えください。

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