議会での質問・答弁

2020年06月18日

2020年第4回 6月定例会 議案質疑(基本構想・基本計画) 近松さと子議員

(近松さと子議員)
 基本構想・基本計画の質疑を行わせていただきます。3点のことについてお聞きしますのでよろしくお願いします。それではまず核兵器廃絶についてお聞きします。4月28日、パンデミックという新たな危機に対して国連の軍縮上級担当の中満泉さんは、巨額の軍事費を新型コロナのためではなく人類の生存を脅かす核兵器につぎ込んでいることの愚かさを訴えて、この危険な中毒にブレーキをかけなくてはならないと呼びかけました。 こうした中で今月7日、三菱UFJフィナンシャルグループは核兵器の製造への融資を禁止すると方針に明記したと各紙が報道しました。これまで日本では国内大手銀行のりそなが、核兵器製造企業への融資禁止を最初に宣言しましたが、三大メガバンクではこれが初めてのことだそうです。核兵器廃絶国際キャンペーンICANの2019年レポートによれば、この2年間に世界で81兆円の投融資が核兵器の製造のために行われたと言います。2017年7月に国連で採択された核兵器禁止条約は、核兵器の開発や製造に加え援助も禁止していることから、核兵器への投融資をやめようと呼びかける運動も国際的に起こっており、採択されて2年間でヨーロッパを中心に94の銀行が投融資を禁止し、これが大きな流れにもなっています。
 このように、核兵器廃絶に向けて大きな役割が期待されるのが、2017年国連で122か国の賛成で採択された核兵器禁止条約です。今回の基本構想・基本計画にはそれぞれ1か所ずつこのことが出てくるんですが、私にはこの条約への積極的な評価、位置づけというのが感じられません。基本構想には、世界には依然として約1万4000発の核兵器や核弾頭が厳然として存在し、その近代化が進む一方で、2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は未だ発行に至ってないという記述があります。そもそも核兵器禁止条約をどのように評価されているのか、その実現をした原動力というのをどのように認識されているのか、まずお聞きしたいと思います。

(平和推進課長)
 これまで核軍縮・不拡散を確実に行うための実践的な核軍縮措置として制定されてきましたNPTやCTBT(包括的核実験禁止条約)、これを着実に取り組んだ次のステップとして核兵器禁止条約があり、核兵器のない世界を具現する上で不可欠の条約であると考えております。本条約は前文において、被爆者の苦しみと被害に触れ、核兵器廃絶に向けて被爆者などが行なってきた努力にも言及しています。このことから本条約は、広島・長崎の被爆者が長年にわたり、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」と訴え核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を強く願ってきたことを踏まえ、採択されたものと認識しております。

(近松さと子議員)
 核兵器禁止条約の実現は、私たち核兵器廃絶を願う市民に本当に勇気と希望を与えてくれました。一つは、核兵器は絶対悪であるという烙印が押されたことだと思います。違法な兵器だという法的な規範を手にすることができましたので、廃絶を目指す上でこれは画期的なことだと思います。
 二つ目には、今言われたように被爆者が大きな原動力になったということがはっきりとあの禁止条約に書かれました。しかし同時に、市民社会の良心ということも書かれています。被爆者と市民社会の声と行動が、国連や非核保有国と力を合わせて、今この国際政治の重い扉を開いたということではないかと思うんです。禁止条約には、被爆者と市民社会との良心というのが明記されて、核兵器のない世界の実現に向けて、私はその原動力というのがこれではっきりしたんじゃないか、そういうふうに思います。このことを心から本当に思ってらっしゃるのかいうことも、この基本構想・基本計画に問われているんじゃないかと思うんですが、核兵器禁止条約が誕生して7月で3年がたちます。現在まで81か国が署名し38か国が批准の手続きを行っています。50か国の批准による正式の発効まで残り12か国です。あと1年か、そう遠くないことが予想されるわけなんです。基本計画にも一か所、核兵器禁止条約の早期発効を実現するために国際世論の醸成を図るという記述があります。早期発効の実現を目指すのは当然ですが、基本計画に明記すべきは、条約が発効した後にこの条約を核兵器のない世界の実現にどう活かしていくつもりなのかということじゃないでしょうか。どのような展望を持っているのかお聞かせください。

(平和推進課長)
 核兵器禁止条約を実効性のあるものにしていくためには、核保有国を含むすべての国が署名・批准することが必要です。それには各国の為政者が被爆の実相と核兵器の非人道性を十分に認識するとともに、核抑止政策に頼らないという大きな決意をする必要があると考えております。
 そのため本市としましては、ヒロシマの心を国内外の市民社会に発信し、核兵器のない世界こそがあるべき姿であるとの共通の価値観を広げ、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、各国為政者を後押しするような環境作りを進めていくことが重要であると考えてます。

(近松さと子議員)
 正式に発効すれば、核兵器禁止条約の締約国会議などが開かれて、核兵器の廃絶について国連の場で中止議題として議論されるようになると思います。核兵器禁止条約という法的な規範を拠り所に、核保有国に核兵器を手放せと迫っていくことができます。そのためにも禁止条約に参加する国を増やすことが必要ではないでしょうか。国連では122か国がこの禁止条約に賛成しましたが、まだ署名したのは81か国です。そういうところに署名・参加をしてもらう、そういうことを求めていくことも必要です。そして特に2017年8月に開催された平和市長会議での長崎アピールでは、核兵器禁止条約への参加を自国の政府に働きかけよう、こういう呼びかけもされています。こうした方向性がなぜ基本計画に盛り込まれていないのか。この点についてもお聞きしたいと思います。

(平和推進課長)
 核兵器禁止条約に関する本市の対応については、基本計画の核兵器廃絶と世界恒久平和の実現の基本方針の2.国際世論の情勢において、核兵器禁止条約の早期発効を実現するため、平和市長会議加盟都市のさらなる拡大や、加盟都市を中心としたヒロシマの心を共有し発信する取り組みを推進し、国際世論の醸成を図ることとしております。平和市長会議では2017年8月の総会で作成した行動計画において、核兵器禁止条約の早期締結を国連や各国政府に要請していくこと及び条約の早期締結を求める署名活動を重点取組事項として掲げ、加盟都市とともに取り組みを進めているところでございます。
 また、日本政府に対しましては、昨年11月に平和市長会議国内加盟都市総会の総意として加盟都市会議の総意として核兵器禁止条約の一刻も早い締結とNPT等の体制下での核軍縮の進展にリーダーシップを発揮し、力を尽くすよう強く求める要請をしたところです。こうした取り組みは本市として着実に進めているところですが、一方で委員ご意見の核兵器禁止条約への参加を各国政府に働きかけることを盛り込むことについては、基本計画は基本構想を策定するための施策の大綱を総合的体系的に定めるものであり、政府に関する個別の要請事項を記載するものではないと考えていることから記載しておりません。

(近松さと子議員)
 平和市長会議はすごく大事なことですが、それを結成されたのは被爆地である広島や長崎の市長さんです。そういう点では、被爆地の自治体としてのリーダーシップがやはり明確ではないんじゃないかということを指摘したいと思います。
 そこでちょっと長崎のことも紹介したいんですが、長崎市は「核兵器禁止条約の実現を歓迎します」という横断幕を市役所に掲げたということをこれまでも機会あるごとに紹介してきました。その長崎市の第4次の基本計画を読みました。今年を最終年度とする計画ですが、基本的な立場が明快・明瞭なので紹介したいと思います。
 「被爆の実相や被爆体験を後世に伝えるとともに、世界の市民と連帯しながら、長崎が先導的な役割を果たしながら核兵器廃絶の実現に貢献していく必要があります」被爆地の特別の役割を果たすという強い意志を示しているんじゃないでしょうか。
 また、「核兵器廃絶に向けて世論を喚起し醸成する」広島にも世論を醸成するという言葉はあるんですけど、喚起するという言葉がありません。「長崎平和宣言を始め、核兵器廃絶を希求する強い意志を国内外に発信していきます」やはり被爆地が強い意志を持って世論に働きかける、こういうことを基本計画に盛り込んでいます。被爆地広島として先導的な役割や世論を喚起することについてどのように認識されているのか、基本計画に被爆地広島のリーダーシップを打ち出す考えはなぜなかったのでしょうか聞かせください。

(平和推進課長)
 本市としましては、被爆地広島にしかできない役割である被爆体験を元にした平和を希求するヒロシマの心を国内外の市民社会に発信し、核兵器のない世界こそがあるべき姿であるとの共通の価値観を広げ、市民社会の総意とする事を根底に様々な取り組みを進めております。また本市が会長都市を務めます平和市長会議においては加盟都市と連携し、ヒロシマの心を市民社会の総意とすることで、各国の為政者を後押しする環境作りを進めており、このことは基本計画にも明記しております。来年8月に開催される総会では会長都市として役員都市等との議論をリードし、次期ビジョンと行動計画を策定するとともに、行動計画に基づく取組の推進に当たってもリーダーシップを発揮していきたいと考えております。

(近松さと子議員)
 基本計画の核兵器廃絶以外の分野の書きぶり、例えば観光の振興についてを見ましたら、「国際平和文化都市としての求心力をさらに高め、観光資源の魅力を高め、その素晴らしさを国内外に発信する取り組みを進める」。200万人都市圏構想では、「圏域内の経済のけん引役を果たす」。大変前向きで積極的な表現がされております。
 核兵器廃絶については、平和の文化の醸成とかあれこれの取り込みはそれはそれでいいと思うんですが、基本は、広島市のスタンスが為政者や世界のリーダー頼みの迎える平和であることがやはり問題じゃないかと思うんです。それは一都市に何ができるのか、核保有国が参加してない禁止条約なんて、という消極的な思いの反映ではないでしょうか。こういう消極的な姿勢では、被爆者や市民社会と一緒に核兵器禁止条約を実現し国際政治を動かしてきた、そしてこれからも期待される被爆地の役割が果たせないんじゃないかということを大変危惧するものです。
 それでは続きまして200万人広島都市圏構想についてお聞きします。新型コロナウイルスの流行は、人口集中社会の脆弱性を浮き上がらせ、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車とは無縁な地方の魅力が再度発見される契機になるかもしれません。
 基本構想や基本計画で、広島市連携中枢都市として広域都市圏の23市町と連携して少子化高齢化・人口減少という課題に歯止めをかけるために、200万人広島都市圏構想の実現を目指すことを大きな目玉にされています。この連携中枢都市制度はどこの自治体でも行政サービスや公共施設が整っているというフルセット行政から脱却し、その代わりに中枢都市が周辺自治体を補うというものです。こうした圏域では中枢都市に福祉医療教育などの行政サービスや、公共施設、地域経済と雇用などを集約することになるため、周辺となる市町村での行政サービスが低下しかねないことや、公共施設の統廃合が進められていく懸念があります。自治体間の連携自体は必要な手法ではありますが、根本的な問題があると思っていますので改めてお聞きしたいと思います。
 広島市は中枢都市として都市機能を集積評価市圏域全体の経済成長の牽引や、生活関連機能サービスの向上を推進する役割を果たすとしています。とりわけ中枢都市としての都市機能を高めるためという口実をつけて、様々な大型公共事業を推し進めようとしていることをこれまで何度も批判して参りました。その一つとして、広島駅周辺地区と紙屋町八丁堀地区への楕円形の都心づくりを進め、新たな開発も行われようとしています。都心には大規模オフィスやコンベンション施設、ホテルなどで新たな都市空間を創生するとしています。新型コロナの感染拡大でステイホームが呼びかけられてテレワークという働き方が大きく広がりました。コロナ終息後も継続するという企業が少なくありません。そうであれば今後都心に大規模オフィスなど新たな都市空間の創出が必要だとお考えでしょうか。この点をまず最初にお聞きします。

(都心空間づくり担当課長)
 今後テレワークが本格的に普及すれば、優秀な人材の確保を図るため、従業員の生活環境を重視し、都市機能の集積と豊かな自然が調和した中核中枢都市への立地を求める企業が増加する可能性があると考えております。一方、テレワークが本格的に普及したとしても、従業員同士や顧客との対面によるコミュニケーションの場の重要性はこれまでと変わらないものであり、むしろ新しい生活様式に対応するため、十分な広さのミーティングスペースや待合商談スペースの確保など、これまで以上に商業業務の空間に求められる機能や役割が多様化することも考えられます。
 こうした中、本市では、デルタ市街地における楕円形の都市づくりと、人々の暮らしやすい生活環境に恵まれたその他の地域におけるまちづくりを合わせて推進することにより、国内外を含む様々な方から選ばれる都市となることを目指しております。今後とも都市機能の充実強化につながる建築物の建て替えや、再開発の促進を図りながら魅力ある都市空間の創出に取り組んでいきたいと考えており、こうした取り組みは必要なものであると考えております。

(近松さと子議員)
 東京都の方では、大規模なオフィスから小さい所に引越しされているというようなことがニュースなんかでは流れているんですけど、広島市ではそういうことはあまり問題だと思ってないという、大規模なことやられるのは問題だと思ってないということでした。
 さらに都市間の競争も言われましたが、広域都市圏構想というのは、都市間の競争はしないという風なことも言われていましたけれども、やっぱり競争もされるということだったと思います。
 それに続いてちょっとお聞きしたいと思うんですけど、新型コロナ感染拡大で、都市に集中する過密のリスクがかつてないほど顕在化しています。広島市が中枢都市としての機能を高めることは、東京などへの流出に対して人口のダムの形成には役立つでしょうが、狭いデルタ地域にプチ東京、ミニ東京のような過密都市を作ることになるんじゃないでしょうか。考えをお聞かせください。

(広域都市圏推進課長)
 200万人都市圏構想ですが、こちらにつきましては経済面・生活面で深く結びついている広島広域都市圏の各市町が、自らだけ発展すれば良いという都市間競争を前提とした旧来のまちづくりの発想から転換しまして、その圏域の24市町が共に手を携え、互いの地域資源を圏域全体で共有する様々な取り組みを進めることで、圏域経済の活性化と圏域内人口200万人超維持を目指すものでございます。
 具体的には圏域24市町と共に出生率の向上と、東京圏・関西圏への転出超過の抑制による若い人口の確保を着実に進めることにより、圏域全体の人口減少に歯止めをかけようとするものでございます。委員御指摘されましたプチ東京、いわゆるミニ一極集中を進めるものではございません。

(近松さと子議員)
 次にちょっと圏域内での連携についても聞きしたいんですけど、医師がいない無医地区が全国で広島県というのは一番多いと言われています。圏域内の住民の方は医療へのニーズが大変高いとお聞きしています。圏域内の自治体である北広島町では、先ごろ町立豊平病院の入院病床44床が廃止されました。住民は、豊平地区唯一の入院できる病床がなくなると、反対の署名を持って町長に声をあげられたそうです。一方、移転計画が進んでいます安佐市民病院は、これまで病床数527床でしたが、新しい安佐市民病院は434床、現在地に残る安佐医師会病院は102床と、合わせて536床で、9床ほど増やされることになりました。北広島町長は豊平地区への住民へ、車で1時間の安佐市民病院へ行けばいいと説得されたと言います。しかし住民にとっては自治体の広域合併で豊平町がなくなり、今度は入院ベッドがなくなることに対して、安心して住み続けられる町と言えるのかという声が上がってるそうです。
 中枢都市である広島市と医療などや生活関連サービスの連携を図ることが圏域の住民の満足度を高めることになり、圏域の出生率が上がる、こういう効果を期待されているんですが、中枢都市へ人口を吸い寄せて、圏域内の他の市町の衰退を助長する可能性が高いんではないでしょうか。お聞かせください。

(広域都市圏推進課長)
 連携中枢都市圏の取り組みは、地勢でありますとか、人口、産業構造、地域資源などさまざまな特色を有する広島広域都市圏の各市町がそれぞれ圏域の一員として役割を分担し、それぞれの強みを伸ばし、弱みを相互に補うことによりまして、個性を活かして輝くことができる圏域作りを行うものでございます。これによりまして近隣市町の住民の方々が、各市町に住み続けながらも必要とする医療等の高次都市機能を容易に享受できるとともに、利便性や満足度が高い行政サービスを受けることができるようになることで、圏域のどこに住んでいても豊かな暮らしを送ることが可能となる環境が整うものと考えております。

(近松さと子議員)
 豊平では身近な病院40床のベッドが廃止されても、1時間かかる隣の広島市の病院に9床増えて、これが行政の連携だ、そういう点では連携という点では合格、マルなのかもしれませんが、北広島町の町民が満足してるとは到底思えないわけです。自治体間の共助、連携で解決できる問題じゃないんじゃないかと思うんです。結局若い人は豊平地区よりも広島市内に仕事も住まいも求めていくようになるのが自然な流れではないかと思います。医療の問題は、赤字の負担とか医師不足の解消、こういう問題があります。国や県に責任が帰する問題です。本来市町を応援する仕事は県の仕事であり、圏域構想のもとでの連携では肩代わりはできないんじゃないかと思います。
 そして、今朝の中国新聞を見ましたら、首相の諮問機関である第32次地方制度調査会、地制調で自治体間の広域連携を推進する圏域構想を法制化する議論が行われていたんですけれども、地方六団体の6団体や日弁連からも強い反発の声が上がり、見送られたと報じられました。この議論の土台になっているのは、2018年7月に総務省が出した自治体戦略2040構想という報告書です。この中では、中心都市と周辺自治体からなる圏域単位で住民サービスを行うことを標準化することなどを盛り込んだ圏域構想が大きく位置づけられました。こうした地制調で法制化が見送られたことに見られるように、圏域構想を進めるということは周辺自治体の自治が損なわれるという問題点がありますが、どのように受け止められていますか。

(広域都市圏推進課長)
 ご指摘いただきました圏域構想、いわゆる連携中枢都市圏構想でございますけれども、こちらは平成26年6月の地方自治法の改正により規定されました。連携協約を活用した人口減少、少子高齢化に対応していくための政策でございまして、地方公共団体が柔軟に連携し地域の実情に応じた行政サービスを提供するためのものでございます。
 本市としては、今後とも広島広域都市圏の発展を牽引していく中枢都市として、近隣市町の自主性や自立性を十分尊重しつつ共助の精神をベースに、まちづくり、観光、福祉、医療、教育などあらゆる分野で質的向上を図りながら地域全体の持続可能性を高めていきたいと考えております。

(近松さと子議員)
 圏域構想というのは、究極的には連携中枢都市への依存を深めて、自治体の自主性が損なわれていくんじゃないか、道州制への条件整備としての役割が、新たなる自治体合併をもたらす可能性もあります。私たちが反対するのは、それが政府の狙いであるからです。このことも重ねて指摘しておきたいと思います。
 では最後に、基本構想・基本計画と新型コロナについてお聞きしたいと思います。今全世界が新型コロナによる本格的なパンデミックの危機に直面しています。地球環境を破壊し、生態系を大きく変化させ、自然界と人間との接点を新たに広げたことが未知のウイルスに遭遇する一因だとして、現代社会への警告であるとも言われています。そのために発達した現代だからこそ、パンデミックが将来も起こり得ると指摘されています。そういう覚悟を持って臨むべきです。医療・公衆衛生体制についてはもう答弁されてますのでちょっとはずさせていただきます。
 さて、本来ウィルスの影響というのは全ての人に及ぶものですが、政府の対応により、救われるものと救われないものが生まれています。今ほど誰一人取り残さず、すべての人々を救うための政治を実現することが求められている時はありません。広島市が目指すとされました国連のSDGsに掲げた持続可能な社会は、個人の尊厳が守られ、誰にとっても公正が実現している社会です。こうした観点から、コロナ後の世界は経済成長一辺倒の市場主義を見直し、それがもたらした格差社会を転換し、持続可能な社会を築く必要があると呼びかけられています。
 テレワークが世界中で呼びかけられました。しかし、医療、福祉、保育など社会的なインフラを支える労働者がいなければテレワークの仕事も成り立たないということがわかりました。そういう労働者のほとんどが低賃金で、働きやすい労働条件にあるとは言えません。先日、地元紙でクラスターが発生した市内の社会福祉施設の連載がありました。過酷な環境の中で施設での療養を余儀なくされた入所者や職員の困難は本当に想像を絶するものです。国による200万円の応援金や、広島市が呼びかけた感謝の拍手を送ることも大切ですが、そもそも、個人の尊厳を守るケア労働にふさわしい賃金労働条件だったのだろうか、どうしたらいいのか、こういう議論も開始すべきです。まずは、広島市は国の社会保障の削減路線を容認する態度を改めるべきです。そして新型コロナの感染拡大によるダメージは中小零細事業者、個人事業主、非正規や学生アルバイト、ひとり親家庭やDV被害者など社会的弱者を容赦なく直撃しました。改めて明るみに出た格差社会の歪みやジェンダーギャップを改善していくことが求められています。こうした苦境に立つ市民の暮らしを目の前にして、公助は国や県の役割だとして共助を強調し、自らの自治体の責任は後ろに追いやるという姿勢でいいのか、これも問い直すべきです。こういう時に大型開発事業をどんどん進めていく、このことも見直すべきではないかと思います。
 今一度立ち止まって、こうしたコロナ後の社会の議論を開始した上で、基本構想・基本計画を策定すべきではないでしょうか。

(総合計画担当課長)
 この度の基本構想・基本計画ですが、これは本市を取り巻く様々な環境の変化を踏まえ、持続可能なまちづくりを進め、本市の都市像である国際平和文化都市を具現化するための基本方針を定めるものです。本計画策定後は、この基本方針に基づき本市が直面するさまざまな課題の解決に向け、その時々の状況に応じまして最善の策の展開を図ることになります。
 こうしたことから、委員ご指摘の新型コロナ感染症の拡大に伴う市民生活や経済活動の影響など、計画期間中の環境変化につきましても、本計画に掲げた基本方針をベースに、この取り組みを状況に応じ適切に展開することにより対応できるものと考えております。
 また、経済一辺倒の市場主義見直し、格差社会を是正するということですが、昨今市が直面しております様々な課題、少子高齢化、人口減少などの課題に的確に対応するためには、経済面と生活面とその両方の施策をバランスよく進めることが必要であるというに考えております。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う市民生活や経済活動への影響への対応についても同様に取り組んで参ります。

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