議会での質問・答弁

2019年12月13日

2019年第5回 12月定例会 議案討論 中原ひろみ議員

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(中原ひろみ議員)
日本共産党広島市議団の中原ひろみです。
 市議団を代表して、令和元年第5回定例会に上程された議案について討論をします。
 反対する議案は、第50号議案、市議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正について、第51号議案、特別職の職員の給与に関する条例の一部改正について、第106号議案、指定都市高速道路の整備計画の変更に係る同意についてです。その他の議案には賛成です。

 反対する議案について、理由を述べます。
 第50号議案、51号議案は、市会議員と市長などの特別職の期末手当を、一般の職員の期末手当を引き上げるのに合わせて、0.05か月引き上げようとするものです。
 一般職員の給与は、民間企業の給与の水準や物価の動きなどから、出された人事委員会の勧告を踏まえ、労使で合意して決められるものです。が、市長及び特別職と市議会議員の期末手当を一般職員の期末手当の引き上に連動させて、引き上げなければならない特別な理由は何一つありません。
 とりわけ今議会では、高速道路整備事業に310億円の建設費を新たに投入する整備計画変更の議案がだされ、税金の使い方や不適正な契約に対する市の責任が正面から問われました。 市は公社への管理監督責任を果たしていなかった。議会も不適正な契約がどのように行われたのか真相を究明するための議会調査権も発揮しなかった。市民が知りたいと思っていることが、明らかにできない議会と市長および特別職が、自らの期末手当を引き上げることはお手盛りであり、市民感情からも受け入れられないことです。
 よって、特別職と議員の期末手当の引き上げに反対します。

 次は、第106号議案、指定都市高速道路の整備計画の変更に係る同意についてです。この議案には二つの問題が含まれています。
 まず一つは、広島高速5号線シールドトンネル工事の契約額を約87億円も増額する事に関する責任の所在の問題です。
 トンネル工事にRCセグメントは不可欠な内壁材料費です。RCセグメントがなければトンネルの岩盤をむき出しにした工事になるわけです。そのような工事になる契約をなぜ、公社と大手ゼネコンが合意したのか。その不可思議な契約が誰の指示でどのように行われたのか、真相を明らかにしようと言葉をつくして質疑してきました。
 しかし、未だに市民が納得できる説明はされず、市民の市政に対する不信はつのるばかりです。双方が自分に都合の良い思い込み、認識不足により不適切な契約になったと言いますが、これは真実をかくす言い訳です。
 100億円もの見積額の差を「認識の違い」ということだけで片付けることはできません。
 第三者委員会の調査報告では、3回目の見積書で100億円もの材料費が削除され工事費内訳書が書き換えられたこと。JVは工事費の増額を期待して200億円での契約に応じたとしています。契約後に工事費を増額するという「うら取引」がなければ、100億円もの工事費を見積額から削除した契約にJVが応じるはずがないではありませんか。まさに談合そのものです。
 100億円もの材料費を削除した契約がなぜ交わされたのか、前代未聞の事態を招いた一番の要因は、松井市長の政治姿勢にあることが質疑を通じて浮き彫りなりました。
 市長は「この200億円の契約はJVが事業を引き受ける」という契約であり、「工事費は決まっていない」「決まっていないから協議してきた」と答弁されました。驚きの答弁です。まさに、契約額200億円は手付け金でしかなく、必要な工事費は事業を進めながら公社とJVで決めていくなどというのは、あまりにも非常識です。どこの世界に、工事費が決まっていないのに契約を交わす人がいるでしょうか。工事費が雪だるまのように膨らむことを是とすることは、およそ公金を投入する事業にあってはならないことです。
 つまり、高速道路整備に関して、契約の公正性・透明性よりも、事業の推進に重きをおく市長の態度がこのようなあり得ない契約につながったと言うべきでしょう。
 契約時の公社の理事長は、平成25年4月 市長の任命で道路交通局長から公社に出向した方です。その後、市職員を退職し、公社に再就職されて4年間、理事長を務められました。市長の思いに忖度し、適正な契約額より確実な事業着工を最優先に働かれたということでしょうか。いずれにせよ、市と県は「ずさんな契約」に対する管理監督責任を全く果たしていなかったということです。
 それだけでなく、質疑のなかで、トンネル工事が中止になると料金収入が入らないため、有料道路事業費770億円の公社借入金の債務保証を市が負担することなる、既に投じた市費がムダになる、国にも70億円を返還することになると説明され、もう道路整備事業はやめられないということを強調されました。これは、市民への脅し文句です。
 一体、だれが高速5号線を着工したのですか。市民は事業の中止を求めていたではありませんか。その声を無視して事業を着工したのは市長です。
 昨年7月に、200億円の契約額では工事費が足りないとJVから増額要求が出ていることを知りながら、市民にも議会にも隠したまま掘削工事に着工し、後戻りできないようにしてきたのは広島市です。まことに不誠実 極まりないやり方です。とりわけ責任は、市長、あなたの政治姿勢にあるというべきです。
 なのに、市民への謝罪の言葉もないまま、契約は適正だったが、事業費を増やすために契約をやり直すというのでは、全く反省していないということです。
 11日の建設委員会の質疑では、公社はJVの増額要求を撥ねつけてきたのに、市がJVと増額を検討する場を設けるよう指導していたことが明らかになりました。そうなると、87億円の増額もJVいいなりではないかと新たな疑念も湧いてきます。
 200億円の契約は適正であり、現在も有効な契約だということは今議会の質疑で繰り返し確認されたところです。
第三者委員会の調査でも、「増額するという合意はなかった」と報告されています。であれば、「トンネル工事一式」として契約した200億円で工事をやってもらうべきです。増額に応じる必要はありません。
 市民には高齢者公共交通費補助制度について、通院や買い物に使うことは不適正な使い方だとして、廃止する方針を示している広島市が、高速道路事業の不適切な契約には目をつむるというのは、あまりにも不公正極まりない政治というべきです。およそ市民の理解を得ることは出来ないと考えます。

 いま一つの問題は、広島高速道路事業の見直しです。
高速5号線と2号線をつなぐ連結路の工事費167億円、整備中区間の工事費143億円を合わせた310億円を増額し、広島高速道路整備事業費の総額を4,000億円から4,310億円に変更しようとするものです。
 高速5号と2号の連結路整備はこれまで議会には何の説明もされてきませんでした。シールドトンネル工事契約の増額87億円に便乗した唐突な計画変更に、正直、驚くばかりです。
シールドトンネル工事契約額の87億円の増額を小さく見せるためではないかとの市民の批判の声もあります。市は、高速5号と2号を連結させれば、新たに310億円もの巨額の建設費へと膨らむが、費用対効果は上がると説明しています。不思議な話です。
 通常、建設費が膨らめば、費用対効果も採算性も低下するというのが常識的な考え方ですが、広島都市高速道路だけは、一日10万台の自動車が40年間、毎日、広島都市高速道路を走り、料金収入が増え採算性もとれるとしています。都合のよい数字で帳尻を合わせたのではありませんか。
 これからの日本は人口減少をはじめ、高齢者の免許返納、若者のマイカー離れ、カーシェアリングなど、生活様式が変化することは明らかです。そうしたなか、広島都市高速道路だけは、40年間、交通量が微減のまま一定を保つという試算を、そのまま鵜呑みにすることはできません。交通量が予測を下回れば、通行料金の値上げで市民負担になるだけでなく、市の貸付金、出資金は戻ってこなくなる可能性も否定できません。この事業を決めた誰一人として40年後に責任を持つ人はいません。
 公社が破たんすれば、結局、広島市が債務保証することになります。これ以上、机上の計算のもとに、緊急性も採算性もない高速道路事業に税金を使うことはやめるべきです。

 さらに、「高速道路事業の不採算をごまかす」やり方を指摘しなければなりません。本来なら高速道路事業として整備するはずの関連道路が、高速道路事業の採算性を図るためという理由で公共事業として税金で整備されてきました。
 今回も、関連公共事業として37億円の税金が投入されます。これまで投入された関連道路分と合わせると1278億円にもなります。
 本来、通行料金で賄うべき関連道路整備費1278億円が税金で整備されてきたのですから、この関連道路事業費が市民の暮らしの予算を圧迫してきたというべきです。

 松井市政となり事務事業の見直しが行われ、33億円を超える事務・事業費が削減されてきました。福祉予算、教育予算が削られ、一番弱い立場にある子どもの療育予算まで削られました。全ての事業を「聖域なく見直す」といいながら、削られるのは市民の暮らしの予算ばかりで、開発事業、とりわけ高速道路事業だけは聖域扱いです。

 令和2年度の依命通達では、実質公債費比率、将来負担比率が政令市の中で極めて高水準にあるとして、事業計画の見直しやコスト縮減を図り、市債発行の抑制に努めるとしています。増額される310億円のうち市が負担する出資金、借入金は約77億円にもなります。
 新たに77億円の市債を発行すれば、財政運営方針で示された範囲内での市債発行額の調整が必要となり 結局、市民が要求している 例えば、児童館整備や放課後児童クラブの専用室の整備、体育館などへのエアコン整備など、暮らしを支える施設整備が遠のきます。
 依命通達に照らしても、巨額の市債の発行は認められません。
 高齢者交通費補助制度は廃止する、子どもの医療費補助制度の拡充もままならないなか、道路整備には前のめりでは、いったい誰のための市政かと言いたくなるのは私だけでしょうか。
今、求められるのは、道路整備でなく、いつ発生しても不思議でない災害から市民の命と財産を守る防災対策こそ重要です。
以上の理由で第106号議案に反対します。

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