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2006年6月23日 本会議 村上あつ子議員の一般質問


米軍基地再編について
国民保護法について
教育基本法について
世界遺産・原爆ドームの景観を守ることについて (再質問)
障害者自立支援法について
学校給食について (再質問)
土砂埋立てについて
生活交通の確保について
高速1号線および5号線について (再質問)



米軍基地再編について

  村上あつ子です。日本共産党市議団を代表して一般質問をおこないます。
  今回の米軍再編で、岩国基地に厚木基地の艦載機部隊が移駐されることに対して、岩国市民は住民投票と市長選挙の2度にわたって「艦載機受け入れ反対」の意思を明確に示し、周辺自治体の住民と行政もあげて反対運動を繰り広げてきました。
  広島市民にとってもけっして他人事ではありません。これまで東区や安佐北区の上空でも米軍機の低空飛行が目撃されています。合併した湯来町は「エリア567」の空域に入っており、1970年3月に米軍機が墜落した事故がありました。87年には旧大朝町でもミサイル落下事故がありました。世界的な平和都市としての立場だけでなく、市民の安全を守るためにも、岩国基地のこれ以上の機能強化には広島市自らの問題として反対に立ち上がるべきではないでしょうか。
  ところが、広島市はこの問題に関心が薄いのではないかとの批判の声が起きています。広島市としては、この問題で先頭に立ってアメリカ政府とわが国政府に対して中止を求めて行動するべきところではないかと考えます。そこで質問します。
  市長は岩国基地の機能強化と市民の安全をどう考えておられるのですか。この問題で市長の顔が見えないというのが多くの市民の声です。市長はこの間のさまざまな取り組みの場に直接出席をされたことがあったでしょうか。

≪企画総務局長≫
  本市としては、米軍機能の移転による岩国基地の機能強化は決して容認できないという考えのもと、政府に対し反対の意思表示を行ってきました。
  本市では、県内の関係自治体と共同して、外務省や防衛庁などへの要請行動を三度行っていますが、日程が市議会や指定都市の会議等と重なったことから、助役や担当部局の職員が市長の代理として参加しています。
  しかしながら、この問題に対する本市の態度は一貫しており、代理ではあっても市民の立場を代弁して政府への要請を行っています。
  また、岩国基地への機能移転に反対する本市の考えについては、在日米軍再編にかかる「中間報告」や「最終報告」、「実施方針の閣議決定」がなされた都度、市長コメントとして発表しており、その内容はホームページにも掲載し市民の皆さんにお伝えしています。


  市長は、単に他の自治体と一緒に政府にモノを申しているというだけではなく、市長が直接、政府のトップと掛け合ったり、「市民と市政」などで市長がみずからの考えを訴えるなど、目に見える形でイニシアティブを発揮していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

≪企画総務局長≫
  現在、基地所在地の岩国市や周辺自治体の代表を務める廿日市市を中心に関係自治体が連携して、広域的に影響をもたらすこの問題に取り組んでいます。
  本市としては、この地域としての要望を実現していくことが大切であると考えており、引き続き、関係自治体と力を合わせて、政府に対し機能移転反対を訴えていきます。


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国民保護法について

  広島市でも武力攻撃事態法、国民保護法に基づく国民保護協議会条例が設置され、今後、国民保護計画を策定することになっています。日本共産党は、戦争の放棄と戦力の不保持・交戦権の否認を規定する憲法に反する、武力攻撃事態法をはじめとする有事法制に反対であり、その具体法である国民保護法にも反対ですが、広島市は法律に義務付けられているから保護計画をつくる必要があるとしています。
  しかし、憲法の平和主義の原理に反するだけでなく、核攻撃をも想定して住民の避難計画をつくることになっていることや、平時の訓練を含めて、憲法が保障する国民の基本的人権を侵害しかねないなど、広島市として見過ごすことのできない問題があります。そこで質問します。

  想定される事態は、いずれも対応地域が広範囲であったり、対応すべき地域の特定が困難であったりなど、戦争が起きれば実際上膨大な市民の犠牲が避けられず、紛争を起こさないためのあらゆる外交努力以外に国民の犠牲を避ける手段がないことは明らかです。
  さらに、戦争という事態では、市民を避難させるためのあらゆる手段について、すべて軍事作戦が優先となることは明らかであり、現実に115万市民の避難計画を迅速に実行することは非現実的です。自治体に対して無理なこと、非現実的なことが求められていますが、どうされますか。
  「国民の保護に関する基本指針」には4つの武力攻撃事態が想定されていますが、その中で弾道ミサイル攻撃や核攻撃も想定されています。そもそも核ミサイルの攻撃から避難する事は事実上不可能であり、核兵器の廃絶とともに核兵器を使用させないことを訴えてきた広島市として、核兵器の使用に備える計画をつくることは矛盾ではないかと考えます。
  市長はこのことについて被爆者・市民に説明する責任があると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

≪市長≫
  核兵器の使用や戦争はあってはならないことであり、それが発生しないようにすることが何より大切です。そのためには、国による外交努力が基本となりますが、自治体、NGO等による平和や国際交流等に関する取り組みの積み重ねも大変重要であると考えています。
  一方、自治体は、市民の生命、身体及び財産を保護するための措置が必要です。国民保護計画は、万一のこの市民の生命、身体及び財産を脅かす事態が発生した場合に、自治体がとるべき措置をあらかじめ定めておくことを目的として、国民保護法に基づき策定するものです。昨年度は、国の行政機関及び都道府県で計画が策定され、本市においても、本年度末を目途に策定することとされています。
  この国民保護計画の策定にあたり、国は「国民の保護に関する基本指針」や「市町村国民保護モデル計画」を示していますが、核兵器や生物・化学兵器による攻撃がもたらす具体的な被害想定やこれに基づく対応策は示されていません。このため、指定都市市長会を通じて、その被害想定等について明らかにするよう国に要望しましたが、現在のところ回答が得られていません。
  本市は、人類史上最初の原子爆弾投下により多大な被害を受けた都市です。そこで、国民保護計画の策定にあたり、被爆体験や科学的知見に基づき核兵器攻撃がもたらす被害想定を行い、被害の甚大さを明らかにし、その結果を踏まえた計画づくりを進めていく必要があると考えています。
  他方、被爆から60年が過ぎ、世界には核兵器の恐ろしさを想像できない人たちが増えています。この人たちも自分たちの街が核兵器の被害に遭った場合の状況を理解することによって、初めて核兵器の恐ろしさに気づくケースが多くなっています。この理解が、核廃絶のための行動の出発点となると考えています。
  こうした考えの大筋は、去る4月15日発行の「ひろしま市民と市政」の市長日記に掲載するとともに、被爆者団体等との協議の場でもお話ししました。
  国民保護計画は、関係行政機関や公共機関、有識者などで構成する国民保護協議会に諮りながら策定することにしていますが、この協議会には被爆者団体の代表の方にも参加していただきたいと考えています。
  今後、計画策定に当たっては、その過程を市民の皆さんに明らかにするとともに、幅広く意見を求めながら、適切な計画づくりに努めてまいります。


  いずれにしても、市民の犠牲を防ぐ道は戦争を避けること以外にありません。市長は、核兵器廃絶と戦争のない世界の実現を発信し続けてきた「ヒロシマ」の市長として、政府に対して改めて憲法9条を守るよう強く要請するとともに、憲法9条を変えて戦争ができる国にしようとすることをやめさせる運動の先頭に立つべきではないかと思います。市長はどのようにお考えか決意をお聞かせください。

≪市長≫
  わが国は、過去に対する真しな反省と新しい日本を建設するという決意の下に、憲法前文と第9条に示された平和主義を基調とする、世界にも類例を見ない画期的な内容の憲法を持つに至ったものと認識しています。
  ヒロシマは、憲法前文にうたわれた人類全体の公正と信義を求める心を信頼しようとする考えに立ち、国際社会での紛争の解決や抑止にあたっては、武力でなく対話による平和的解決の道を探ることが何よりも大切であると考えています。
  こうした考えのもと、平和宣言においても平和憲法の重要性やその擁護を訴えてきました。ヒロシマとしては、今後とも、こうした憲法の平和主義を基調に、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け不断の努力を重ねてまいります。


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教育基本法について

  1947年に制定された教育基本法は、「教育の憲法」といわれる極めて重みのある法律です。ところが、政府はこの基本法を全面的に改定する根拠を何一つあげることができないにもかかわらず、与党幹部は少年犯罪、耐震偽装、ライブドア事件など、社会のありとあらゆる問題を教育のせいにして、「だから教育基本法改定を」という極めて無責任な議論を行っています。
  政府の改定案のなによりも重大な問題は、これまでの、子どもたち一人ひとりの「人格の完成」をめざす教育から、「国策に従う人間」をつくる教育へと教育の根本目的を180度転換させようとしていることです。
  「国を愛する態度」など20の徳目を教育の目標として評価の対象にすれば、政府の意思によって特定の価値観が子どもたちに強制されることになり、これは憲法19条が保障した思想・良心・内心の自由をふみにじることになります。
  ところが、東京都だけでなく広島市内でも、政府が国会で「強制はしない」と言明していたにもかかわらず、これを乱暴に無視して「日の丸・君が代」の強制が行われています。これは異常なことであり、直ちにやめるべきです。
  政府の改定案はこれらの「教育の目標」を達成するために、現在の教育基本法が教育は国民全体に対して直接責任をおって行われるとしているのを、与党がつくる法律のとおりに教育を行わせると変えて、教育に対する国家権力統制・支配を無制限に拡大しようとしています。
  これでは、基本的人権を守り、民主主義を発展させ、世界平和に貢献する国づくりを担う教育ではなく、アメリカが要求する「戦争をする国」の人づくり、財界が要求する大企業の利益に奉仕する一部のエリートと文句も言わずに実直に黙々と働く人づくりの教育に成り下がってしまいます。
  教育基本法を真正面から読んだ人は、異口同音に、このとおりの教育をやれば日本は素晴らしい国になると言います。現在の基本法の内容で教育をやってこなかったことこそが問題だったのではないでしょうか。
  改めて、現行の教育基本法にのっとった教育を実践することが広島市の教育にも求められているのではないかと考えますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。明確な答弁をお願いします。

≪教育長≫
  教育基本法は、昭和22年の施行以来、教育基本法の下に構築された学校教育制度をはじめとする教育諸制度は、国民の教育水準を大いに向上させ、わが国社会の発展の原動力となりました。
  しかし、教育基本法制定から半世紀以上が経過し、わが国の教育をめぐる状況が大きく変化する中、平成12年12月に、教育改革国民会議から、教育基本法の見直しが提言されました。
  さらに、平成15年3月、中央教育審議会は、規範意識や道徳心、自律心の低下、いじめ、不登校、中途退学、学級崩壊、少年による凶悪犯罪の増加、学ぶ意欲の低下、家庭や地域社会の教育力の低下などの危機的状況を打破し、新しい時代にふさわしい教育を実現するため教育基本法の改正を期待する旨、答申しました。
  この答申に基づいた政府案におきましては、現行法に規定されている教育の目的である「人格の完成」等に加え、新たに、教育の目標を設け、具体的な資質として「個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、勤労を重んずる態度を養うこと」などの項目を規定しています。
  また、教育に関する基本的な理念として、新たに、生涯学習社会の実現を規定するとともに、教育の実施に関する基本的な事項として、大学、私立学校、家庭教育、幼児期の教育並びに学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力について規定しています。
  今後、教育委員会としましては、国会における審議状況を注視するとともに、引き続き、関係法規に則り学校教育の充実に努めていきたいと考えています。


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世界遺産・原爆ドームの景観を守ることについて

  原爆ドームのすぐそばに建設中のマンションの問題について、5月16日、イコモス(世界記念物遺跡会議)国内委員会が、「ドームが危機遺産にされかねない」との「懸念表明」をされました。
  先日は両被団協理事長が、「世界遺産にかかわるすべての人々に訴えます」という、被爆者としての訴えを出されました。その訴えでは、マンション建設が適法であれば、それがどのように被爆者や多くの人々の心を傷つけても、また、世界平和を心から願っている人たちに不快の念をもたせ、全世界の人々の願いである核兵器廃絶のシンボルの景観が損なわれても許されるのかと、政府と市のこの間の対応に憤りをもって訴えています。
  また、市民からもさまざま声が上がってきています。新聞へのいくつもの投書は、いずれも原爆ドームの景観を守るため、広島市は知恵を絞り、あらゆる努力をすべきだというものです。
  市の指導に従ってきた建設業者は「困惑している」ようですが、しかし、最も困惑しているのは、被爆者と世界遺産登録にかかわった多くの人々です。さらに言えば、最も悲しんでいるのは原爆で亡くなった人々です。
  私たちが強く疑問に感じているのは、世界遺産を申請した広島市と日本政府が、世界遺産に対するこの重大な責任をどれほど自覚されているのかということです。今日の事態を招いた責任をどう自覚されているのか明確にお答えください。

≪企画総務局計画担当局長≫
  本市では、原爆ドーム周辺の良好な景観形成を図るため、原爆ドームのユネスコへの世界遺産推薦に先立ち、平成7年9月に「原爆ドームおよび平和記念公園周辺建築物等美観形成要綱」を定めました。
  この要綱の制定に当たっては、原爆ドームが市の中心部に立地しているため、周辺の建築物の高さ制限は困難であることについて文化庁も了解し、その上で世界遺産に推薦された経緯があります。
  本市では、この要綱に基づき、建築物の配置や壁面の色彩、屋外広告物の設置等について事前協議制度を設け、原爆ドーム周辺にふさわしい景観形成の誘導を図っており、議員ご指摘のマンションの問題についても、その制度の中で最大限の努力をしてきたと考えています。
  なお、今後においては、当面の措置として、建築物の高さについても協議対象とするよう要綱改正を行うとともに、高まった市民意識を基に幅広く意見を求めながら、条例による規制などについて検討し、できるだけ早期に対応したいと考えています。


  その責任を重大なものとして自覚しておられるとするなら、問題の建物の計画縮小のためにあらゆる努力をするべきです。どうされますか。

≪企画総務局計画担当局長≫
  当該マンションについては、本年3月31日に事業主に対し、高さも含めて再考いただきたい旨の文書を送付しましたが、市の要請に対し困惑している旨の回答がありました。
  また、事業主に対しては、日本イコモス国内委員会の懸念表明や、市民団体から建設計画の縮小を求める署名を受理したときなどに、その都度、要請等の内容を伝えていますが、事業主の考えに変わりはありませんでした。
  こうしたことから、今後、さらに高さを低くするよう求めても、そのことで計画を縮小するという回答は得られないと考えています。


−−−再質問(要約)−−−

  私たちは文化庁に行き、原爆ドームの世界遺産登録の申請に関わった担当者から直接話しを聞きましたが、「当時は時間的制約があった」ということを繰り返し言われました。仕方なく要綱で対応したと思わざるを得ません。
  なぜ、この間、要綱を見直さなかったのか。高さについて何も検討する必要はないと思っていたから放置していたということなんですか。

≪企画総務局計画担当局長≫
  当時、文化庁と協議して要綱で対応することになり、その中には高さ制限は設けないことになりました。それで、要綱ができていたから、それを適切に運用していくという姿勢でこれまでやってきました。
  その上で、景観法、景観条例という新しい枠組みができたので、今後については条例などの規制について検討していきます。


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障害者自立支援法について

  障害者自立支援法の施行を前にした今年3月11日、福岡市で母親が障害者の二女を殺害、無理心中を図るという悲しい事件が起こりました。二女は全身麻痺による歩行困難などで1級の障害認定を受けていました。母親自身も股関節に軽度の障害を抱えながらも、がんの夫を看取ったあとも在宅支援サービスを利用しながら、母親一人で二女の介護を続けていました。
  今年に入り、「障害者自立支援法」の施行が迫ると母親は費用負担を心配していました。法の施行で、応能負担から応益負担にかわると自己負担ゼロだったものが、二女の場合、月額1万2千円〜1万5千円になることが予想されていたのです。「とても払っていけない」と繰り返し周囲の人に漏らしていたといいます。一方で、母親は数年前から施設の入所も申し込んでいましたが37人も待機者がおり、入所まで少なくとも10年はかかるといわれていました。
  自立支援法施行前からこのような悲惨な状況が生まれていますが、施行後2か月たった今、「サービスは低下させない」との国会答弁に反して、低下どころか「サービスが受けられなくなっている」実態が浮き彫りになっています。
  特に、それは作業所に顕著に表れています。まず、負担増を理由に退所を余儀なくされるケースが県内で14人も出ています。これは全国で2番目に多く、市内でも退所した人が出ています。
  また、法人施設への補助の仕組みが、これまでの月単位から日割り単位になったために、障害者が病気や都合で休むたびに報酬が減額になります。わたしたち市議団が訪問したある施設では、4月だけで前年度収入の約1割に当たる300万円の収入減になりました。5月からは第1・第3土曜日も開所して仕事日数を増やしましたが、それでも職員の給与据え置き、ボーナスカットしなければ施設を維持できない状態だと言っておられました。今後、サービスの受け皿となる事業所の質・量の低下が心配されます。
  加えて、この10月から障害者認定区分が始まり、さらに、障害児施設にも自己負担が導入されると、この矛盾はさらに広がることが予想されます。先日、北部療育センターを視察し、お母さん方と懇談しました。無表情だったわが子に喜怒哀楽が出、友だちと一緒に食べることで食べられなかった給食が食べられるようになったなど、ゆっくりだけど確実に成長しているわが子にとっても、お母さん自身にとってもなくてならない施設になっていることが口々に語られました。そして、10月から応益負担になり、収入は増えないのに負担が増えたら毎日通えなくなるのではないかという不安を涙ながらに訴えられました。
  小泉首相は、2月の国会答弁で「実施して問題がわかればしかるべき対応をとる」と答えましたが、実施後2か月で恐れていたことが現実になっています。そして、10月からの新体系移行に伴う問題点もかなりはっきりしてきています。そこで、今後、「サービスの低下につながらないように」するために市としてどう対応されるつもりか数点お伺いします。

≪市長≫
  障害者自立支援法についてのご質問がいくつかございましたので、まず、私の方から、その円滑な実施に向けた取り組みの基本的な考え方を述べさせていただきます。
  障害者自立支援法は、障害者が地域で自立した生活を営みながら安心して暮らすことができるよう、支援することを目的として制定されました。
  この法律の主な趣旨は、○身体障害、知的障害、精神障害といった障害の種別にかかわらず、障害者が必要とするサービスを利用できるよう、サービス利用の仕組みを一元化すること、○支給決定の仕組みを透明化、明確化すること、○制度をより安定的に運営するため、国と都道府県の費用負担を義務化すること、などです。
  同時に、この法律により、本年4月から、障害福祉サービスの利用者負担が原則としてサービス費用の1割となり、利用者の負担が増えるため、本市としては、厳しい財政状況の中ではありますが、低所得者を対象とする3年間の激変緩和措置を講じました。
  また、10月からは、障害児施設および補装具の利用者負担も原則としてサービス費用の1割となるため、必要なサービスを適切に利用できるよう、負担を軽減するための予算案を本定例会に提案させていただいております。
  さらに、利用認定の方法が変更されることに伴い、居宅介護等のサービスを利用できなくなる方のうち、生活に支障をきたすおそれがある方について、引き続きサービスが利用できるようにするための予算案も、合わせて提案させていただいております。
  なお、今回の障害者自立支援法の完全施行後も、引き続き、障害者の皆様などの声を聞き、必要に応じて国に要望するなど、適切に対応していきたいと考えています。
今後とも、障害者の生活実態にできる限り配慮するとともに、障害者が地域で自立した生活を営み、生きがいを持って幸せに暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいきます。


  そもそも、この「自立支援法」の最大の問題点は応益負担を導入したことだと考えます。障害者が道路を歩くのにも仕事に行くのにもすべてお金を払わなくてはいけない。障害児をかかえて共働きはむずかしい家計状況にあって、障害ゆえに経費が生じています。
  お聞きしますが、障害児・者が当たり前に生きていくことが「益」なのでしょうか。この点のご認識をまずお伺いします。

≪社会局長≫
  障害者自立支援法においては、制度を維持可能とする目的で、増大する福祉サービス等の費用を負担し支え合うために、利用者負担の公平化と国と都道府県の費用負担の義務化が規定されています。
  具体的には、利用者負担については、所得に応じて設定された上限月額までの1割負担に変更されました。
  本市としては、利用者負担が増えることに対しては、特に低所得の障害者が必要なサービスを適切に利用できるようにする必要があるという考えから、厳しい財政状況の中ではありますが、負担を軽減するための激変緩和措置を本定例会に提案しています。


  10月から始まる障害者の区分認定は、サービスの利用料に上限を定めるものではなく、支給決定をする際の勘案事項の1つとされていますが、今後、その人にとって本当に必要なサービスが受けられないことがないよう慎重な配慮が必要になると思いますが、どうお考えでしょうか。

≪社会局長≫
  本年10月以降のホームヘルプサービス等の利用については、障害程度区分の認定を行い、介護者の状況等やサービスの利用希望を踏まえたうえで、サービスの種類と量を個別に決定することになります。
  なお、現在のホームヘルプサービス等の利用者については、引き続き同程度のサービスを利用できるように、検討したいと考えています。
  また、本年9月末現在の現行の施設サービスの利用者については、障害程度区分にかかわらず、5年間利用できる経過措置が設けられています。


  元々、障害者施設の多くは低賃金の職員の誇りと情熱でなんとか支えられてきたのが実態です。今回の報酬制度の見直しでこれらの事業所の経営は一層困難になり、事業そのものを成り立たなくさせることは必至です。
  国に見直しを求めるとともに、今後の自立支援事業の安定的実施のためにも、市の独自支援を考えるべきではないでしょうか。

≪社会局長≫
  4月からの障害者自立支援法の施行に伴い、障害者施設に対する報酬は、これまでの月単位の月額払いから、利用者の利用日数に応じた日額払いに変更されました。
  こうした制度改正の結果、通所施設においては、体調を崩しやすい障害者もおられ、その日の状況で急に休むことがあるため、制度改正前に比べて収入が減少していると施設関係者から聞いています。
  このため、今後、施設事業者の協力を得て、施設運営状況等について調査を行い、必要な場合には、国に対して要望していきたいと考えています。


  ガイドヘルパーを利用しての「移動介護」は、今後、各自治体がおこなう「地域生活支援事業」に組みこまれることになります。市がこれまで行ってきた「ガイドヘルパー制度」は今後も同じ条件で継続するべきだと考えますが、どうされますか。

≪社会局長≫
  本市が独自に実施している、有償ボランティアを活用した社会参加支援ガイドヘルパー事業については、障害者の社会参加の促進や地域住民の福祉の推進等の観点から必要な事業と考えています。
  このため、本市では、社会参加支援ガイドヘルパー事業を、地域生活支援事業の対象として認めるよう国に要望し、国から了承を得ました。
  具体的な実施内容等については、今後、国から示される予定の地域生活支援事業の実施方法に関する省令等を踏まえながら、これまでと同様のサービスとして提供できるように検討しています。


  障害があっても子どもの発達する権利は保障されなければなりません。市内3つの療育センターに通う子どもは約200人です。今回補正予算で提案されている助成が行われても、半数近くの世帯が2〜2.5倍の負担増になります。そうなれば通園の回数を減らしたり、療育センターへの通園自体をあきらめることになりかねません。
  提案されている緩和措置は政令市の中でも先進的なもので評価するものですが、しかし、負担が増えることに違いはなく、しかも障害が重いほど負担が大きいことは問題です。
  税金の使い方という点で、先日、私どもは、埋め立てで2.2ヘクタールの藻場をつぶし、その代替として元宇品沖と似島沖で県が10年間に20億円かけて行ってきたアマモの移植の実態調査をし、両地区とも一部を除いてほぼ壊滅状態であったことを確認してきました。
  文字通り、これまで投資した20億円の大半が海の藻くずと消えてしまっているのです。この中には市民の税金7億円も含まれています。こんな税金の使い方に市民は納得するでしょうか。それよりも療育センターに通っている200人の子どもたちに、これ以上重い負担をさせないために使うべきだと思われませんか。
  逆立ちした税金の使い方は今一度見直していただき、せめて障害を持つ子どもたちだけは全額助成していただくことを強く要望します。

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学校給食について

  6月は「食育月間」です。1年前に成立した「食育基本法」は、その前文で子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけていくためには、「食」が何よりも重要であるとし、知育・徳育・体育の基礎だと位置付けています。そして、様々な経験を通じて「食」に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることを目的としています。
  私たち市議員団は先月、市長が「私の自慢は学校給食」だと発言されるほど学校給食に力を入れておられる群馬県高崎市を視察してきました。
  旧高崎市の幼稚園・小学校・中学校・養護学校、53校園の給食は全て自校方式です。全ての学校・幼稚園に1人ずつ栄養士が配置されています。栄養士は学校毎に地産地消の給食メニューを考え調理もしています。53校園のうち26か所は近所の農家から食材を届けてもらい、残りの学校も農協から調達しています。
  給食時間になると栄養士は教室を回り、その日の献立や食材について生徒たちに話します。さらに、公民館などで調理実習をし、保護者や地域の人たちにも「食」について指導しています。自主研修も欠かしません。毎月1回集まり、6つの研修班に分かれ、調査研究を重ねています。このように高崎市の栄養士はとても多忙ですが、とてもいきいきと仕事をされている様子がわかりました。
  また、子どもたちは総合的な学習の時間を使って、グループに分かれ地場野菜を育てている農家の手伝いをし、農協では取れたて野菜の配達を手伝うなどの取り組みも行われています。
  高崎市では「食が人を良くする」とのキャッチフレーズのもと、「子どもたちには金を惜しまない」というのが歴代市長の政治姿勢で、編入合併した4町村のセンター方式も「今後、自校調理を検討する」という、未来ある子どもの生きる力を育む高崎の教育方針に感銘を受けました。
  さて、広島市の学校給食の現状を見た場合、とりわけ中学校給食に疑問を持たざるを得ません。まず、クラスの中でデリバリー給食の子、自宅からの弁当の子、パンの子、コンビニ弁当の子と様々です。これで「食教育」ができるのか大いに疑問です。
  デリバリーの残食状況をみせていただきましたが、好きなものしか食べておらず、野菜は大量に残っていました。中学生にもなれば、指導があれば栄養を考え、嫌いなものでも挑戦して食べることができる年齢だと思います。また、給食の時間が15分しかないのはびっくりしました。早食いを競わせているのではないはずです。そこで伺います。

  2月議会で、教育長は「給食方式によって食育のやり方が変わるものではない」と答弁されていますが、同じ教室で、デリバリー、コンビニ弁当、自宅からの弁当、パンなど違うものを食べていて、どういう「食育」をされているのか具体的に教えてください。

≪教育長≫
  食は人間が生きていく上での基本的な営みのひとつであり、健康な生活を送るために、健全な食生活は不可欠です。
  このため、市民一人一人が、自然の恩恵や食に関する人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めること、また、食に関して適切な判断を行う能力を身に付けることが大切です。
  また、正しい食事のとり方や望ましい食習慣の定着等は、子どもの心身の成長や人格形成に大きな影響を及ぼしています。
  食育の推進は、家庭、学校、地域等が連携して推進していくことが必要であるとともに、学校における食育は、給食指導に加えて生活科・家庭科等、学校教育全体で取り組むべきものと認識しています。


  現在実施されているデリバリー給食の申し込み率と残食率を教えてください。また、デリバリーを申し込んでいない子の実態はどうなっているのでしょうか。手作り弁当・パンのみ・コンビニ弁当など数値で示してください。

≪教育長≫
  デリバリー給食の申し込み率は平成17年度平均で48.9%であり、残食率は平成17年度平均で23.6%です。
(デリバリー給食を申し込んでいない生徒の実態についての答弁はなし)


  食育は、食を通じて子どもの健康や発達を見つめなおし、子どもと家庭との関係を見直すことに通じると考えます。また、高崎市のとりくみでも象徴されるように、「地産地消」は子どもと地域、学校と地域、農業と地域との関係を再構築しています。「食」を通じて子どもの確かな成長を保障するだけでなく、「食」を通じて人と人との関係をも築くという公共性を学校給食が果たしていると考えます。
  昨年の決算特別委員会で本市における地産地消のとりくみをお聞きしたところ、「農産物が余っているという状況ではなく、「自校調理」「給食センター」「デリバリー」の三様式の上に食数が多いため、地場産の食材確保はむずかしい」と答えておられます。
  しかし、本当にその重要性をおもちであれば、食材の一括購入を改善し、「自校調理」の小学校から、近所の農家から調達するなどできることから始められるのではないでしょうか。お考えをお聞きします。

≪教育長≫
  学校給食での地産地消の推進につきましては、平成17年度実績で、生鮮野菜について年間使用料の約2割を県内産でまかなっています。
  また、米は、すべて県内産の自主流通米を使用しており、そのうち約5割は市内産となっています。
  自校調理校近隣で生産される農産物の利用については、供給量や供給ルート、価格の問題等の課題がありますが、各学校が独自に献立を作成する日を設けるなど、その利用について検討したいと考えています。


  広島市も高崎市のように市費で栄養士を採用し、全校、全センターに栄養士を配置すべきと考えますが、現在の栄養士の配置と仕事内容はどうなっているのか教えてください。

≪教育長≫
  学校栄養職員は、県費負担とされており、その配置は法律に基づいて県教育委員会が定めており、その内訳は、小学校59名、中学校3名、養護学校1名、学校給食センター9名の72名が配置されています。
  学校栄養職員の職務は、学校給食の献立作成、調理・配食の指導、食品衛生管理などの給食管理、及び食生活に関する児童生徒の指導や学校給食を通じて家庭・地域との連携を図る等の学校給食指導、並びに学校給食の食事内容及び児童生徒の食生活の改善に資するための調査研究がその内容です。


−−−再質問(要約)−−−

  デリバリーを申し込んでいない生徒の実態については、(答弁もなく)調べていないとのことなので、ぜひ実態調査をしてください。
  デリバリーの申し込み率は48%(05年度)と言われましたが、それは平均であり、学校間でかなり格差があります。10%台のところもあり、申し込み率が高いのは80%が1校あるのみ。申し込み率だけみても、かなりバラつきがあります。
  一つの教室の中で、食べている食事がバラバラのなか、いろんな食育の観点があるとは思いますが、まともに(食育が)できるのでしょうか。
  栄養士も机の上でしか仕事ができないほどの数しかいません。本当に食育を大切に思うのなら、まず、栄養士を市独自に全校に配置すべきと思いますが、どうお考えですか。

≪教育長≫
  中学校給食は、デリバリーと家庭からの弁当持参という制度を前提として実施していますが、給食時間の指導という意味では、私も昨年まいりましたが非常にぶれています。給食時間の指導自体が徹底していないという現実があるので、昨年度、校長会で給食時間の指導の徹底を指示しました。
  栄養職員については、各学校で非常に厳しい状況の中で働いていただいている状況。栄養教諭の導入ということもあるので、職務内容の整理と合わせて、学校教育トータルの中で職員の定数の問題は整理していきたいと思います。


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土砂埋立てについて

  東区福木地域で、2か所も建設残土の無謀な埋立てにより、地域住民から不安の声があがっています。
  一つは東区福田の山陽高速道路安芸トンネル坑口の上部への埋立てです。 このまま放置していたら、安芸トンネルをふさぎかねない状況です。99年6月の豪雨災害で、東広島市の高速道路の上でがけ崩れと土砂の流出で通行止めに、昨年の9月には岩国道路で人工法面が崩壊する事故が起こっています。梅雨を迎える今、本当に安全なのかお答えください。

≪経済局長≫
  東区福田の安芸トンネル坑口上部で行われている土砂埋め立てについてですが、当該地区は平成14年から森林造成を目的として、区域面積約9,900平方メートルの規模で、土砂の埋立が行われています。
  当該地区の埋立業者は、平成16年9月に、区域面積2,000平方メートル以上の土砂堆積を対象とする広島県の土砂条例が施行されたことから、平成17年6月に県の許可を所得し、この条例の技術基準に沿った沈砂池や排水施設の設置などの防災対策を行っています。
  本市としては、市民の安全を守る立場から、指導・監督責任のある県に対し、引き続き業者を適切に指導するよう要請するとともに、万一のことを考え、現地パトロールを今後とも継続してまいります。


  もう一か所は馬木の団地脇の埋め立てです。ここは91年から土砂の搬入が始まっており、埋め立て範囲はどんどん拡張されています。現在は業者と地主の話し合いが折り合わず、搬入はストップしています。このまま防災工事がされないまま放置されれば、下流の団地住民に多大な影響を及ぼしかねません。市は県と一緒になって早急に地主と業者への指導を徹底していただきたいと思いますがどうされますか。

≪経済局長≫
  東区馬木地区にある団地に隣接して行われている土砂埋め立てについてですが、この土砂埋立は、平成3年頃から土砂の仮置きを目的に開始されたものです。
  その後、平成16年9月に広島県の土砂条例が施行されたことから、当該地区の埋立業者は広島県に許可申請を行いましたが、地主の同意が得られていなかったため、平成18年3月に不許可処分となりました。
  それ以降、土砂の搬入・埋立ては行われていないものの、それまでに埋められた土砂については、現在も十分な流出防止措置がされないまま放置されています。
  本市としては、安全で快適な市民生活を確保するため、県に対し、埋立業者や地主に防災措置の実施について指導するよう申し入れるとともに、万一のことを考え、現地パトロールを今後とも継続してまいります。


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生活交通の確保について

  どこの地域でも高齢化がすすみ、いつまでも安心して住み続けられる地域づくりが課題となっています。
  市は昨年度から、地域の交通を住民が主体となって検討する乗り合いタクシー等の実験運行等の取り組みを支援する「地域主体の交通確保策に対する支援」を予算化されています。
  昨年の実績を伺ったところ、3か所の地域を見込んでいたが実際は一か所にとどまり、今年度は予算が削減されました。なぜでしょうか。あくまでも地域に頼り、市はその立ち上げにかかる広告料程度の補助にとどまっていることに問題があるのではないでしょうか。一体、市は地域の生活交通の確保を本気で考えておられるのでしょうか。

≪道路交通局長≫
  「地域主体の交通確保策に対する支援」事業は、公共交通機関の利用が困難な地域などで、地域住民が主体となって生活交通を確保する取組を支援し、公的補助に頼らない持続的な生活交通を実現しようとするものです。
  本市は、こうした地域の取組に初期段階から参画し、実験運行を行う際には、その経費の一部を負担するという枠組みで、昨年度の予算では、3地区分、約117万円を計上し、結果的に、安佐南区山本地区の1地区で実験運行を実施し、経費的な支援を行いました。
  今年度の予算では、昨年度の取組状況や、実験運行の実施までには相当程度の準備期間が必要であることなどを勘案し、1地区分、約42万円を計上したものです。


  地域の主体的な取り組みも欠かせないことは否定しませんが、そこに住んでいる人たちは「今すぐにでも通してほしい」と切実なのです。もっと積極的な市のリードが必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。

≪道路交通局長≫
  この事業においては、地域の実情に応じたきめ細やかな運行形態とすることや、地域住民の方々に積極的な利用を持続していただくことが重要なポイントであると考えています。
  そのためには、地域住民、交通事業者および行政の三者が一体となって、実現に向けたより良い方策を見出していく必要があります。
  本市では、これまでも、地域から取組の進め方等に関する相談などがあれば、他の地域の取組事例の紹介やアンケートに関するノウハウの提供などを行うとともに、実験運行などの具体的な取組を行う際には、その地域に望ましい生活交通が確保できるよう、積極的な提案を行っています。
  今後とも、こうした地域の取り組みについては、積極的に関与し支援していきたいと考えています。


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高速1号線および5号線について

  広島東インターから温品間所交差点の6.5キロメートルの高速1号線は、今年末供用開始の予定で、その通行料金の検討が始まっています。
  この1号線は福木トンネル掘削工事で、当初予想していた9倍以上の地盤沈下が起こりました。市はこれを過大な影響とみて掘削工法を変え工事を続行しましたが、トンネル上部の団地の家屋にひびが入ったり、田んぼの水枯れが生じるなどの被害が出ています。事業費は当初予算の88億円から2倍の168億円になりました。
  伺いますが、高速1号線の料金を決めるのにあたり、追加した事業費も含めて料金は決められるのでしょうか。

≪道路交通局長≫
  高速1号線は、トンネル部分の建設事業費が大幅に増加しましたが、全体でコスト削減に努めた結果、最終的に約40億円の事業費増となりました。さらに、供用後は維持管理費の縮減を図ることとしております。
  高速1号線の料金は、○建設事業費や維持管理費等の費用全体を料金徴収期間内で償還できるかどうか、○近傍の有料道路や公共交通機関の料金と比較して妥当な水準かどうか、などを総合的に検討し、国土交通大臣の認可を受けて決定することになります。


  続いて高速5号線について伺います。市は、高速道路事業の見直しを行い、高速5号線の事業費を1,300億円から914億円に縮小し、トンネルを片側1車線としました。このほどトンネル1本の設計変更が行われ、その事業説明が始まっています。
  トンネル直上の団地では2000年10月に初めて事業説明を行って以来、6年が経過しています。先日6回目の説明会がありましたが、住民からは「見直したとは言え、なお1千億円近くも借金で作ることに違いはない」「住民の安全を脅かしてまで作る必要はない」「6年前から話の進展はなく、『これで納得してください』はない。絶対にいやだ」などなどの発言が相次ぎました。
  市は、こういった住民の声を一体どのように受け止めておられるのでしょうか。これらの声を無視して今後も事業を続けていくのですか。お答えください。

≪道路交通局長≫
  広島高速5号線のトンネル上部に位置し、以前から事業協力が得られず、測量や地質調査が実施されていない牛田の住宅団地において、先日、広島高速道路公社が、測量の立ち入りや地質調査等についての地元説明会を開催しました。
  住民の皆様からは様々な意見が出されましたが、これらを要約すると、○高速5号線そのものの必要性を疑問視し、中止を求める意見、○トンネル上部の住宅の移転補償を求める意見、○トンネル工事施工中及び完成後の振動を不安視する意見、などがあり、事業への協力は得られませんでした。
  これらの意見のうち、移転補償が可能かどうか、また、どの程度の振動があるのかということに対しては、当地区において、測量や地質調査を実施しなければ詳細な解析ができないため、現時点では説明できない状況です。
  このため、今後とも粘り強く調査協力のお願いをし、調査後の詳細な解析結果を基に、住民の皆様の不安や疑問に誠実に応え、事業への理解を得たいと考えています。


−−−再質問(要約)−−−

  高速5号線については調査してみなければわからないとのことですが、1号線の馬木トンネルでは調査して予測の10倍もの地盤沈下が生じ、事業費が2倍に膨らみました。それは料金として市民に跳ね返ってきます。
  市民の財産を侵し、環境を破壊までして必要なのか、そこが住民の人には納得できない。これまでのように、調査して住民に「大丈夫」というのは間違いない。市として、県に「できない」とはっきり言うべきではありませんか。

≪道路交通局長≫
  先程の答弁は、トンネルが通る真上の団地の住民に対する説明の結果。実際にトンネルの上に住んだ場合に振動とか騒音の問題はないのかとの質問があったので、それについては調査しないと答えは出せないということを申し上げた。5号線がいるかどうかということ自体についての調査ではないということを理解していただきたい。


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