2002年6月 青少年問題対策特別委員会

子育て環境の整備や子育てにやさしい地域社会づくりについて

 るす家庭子ども会プレハブ教室へクーラー設置も検討 −市が答弁−

「寄付か使用承認で」村上あつ子議員の質問に教育長が答弁(6月7日)

真夏、室内は40℃を超え熱中症の危険も

 近年の猛暑で、毎年、熱中症で死亡者が出るなどの状況が続いています。市内130ヵ所のるす家庭子ども会のうち24ヶ所はプレハブ。真夏は40度以上にもなりますが、クーラーがなく、市も設置の方向を示していませんでした。そのようなところで一日中、子どもが過ごすと思うと、親は心配で仕方ありません。
 本来、市の予算でクーラー設置がされるべきですが、市が設置してくれないなら、子どもに被害が出る前に、保護者で設置費をまかなおうという動きが出ていました。保護者会総会で「設置」を決議し、設置許可を求め市へ足を運んだ子ども会もあります。しかし、市は「一部の子どもなので公平性に問題がある」として冷たく拒否してきました。児童館のるす家庭への寄付は認められています。同じるす家庭の子どもなのに、それこそ「不公平」です。

 7日の市議会・青少年問題対策特別委員会で、るす家庭子ども会のプレハブ教室へのクーラー設置について、教育長が、「寄付にするか使用承認にするかを検討中」と答えました。日本共産党の村上あつ子市議の質問に答えたもの。新政クラブの兼桝栄二市議も「
(本来)市できちんと予算を出すべき」と指摘しました。


【以下、委員会での質問と答弁】

(村上議員)るす家庭子ども会のプレハブ教室は、去年の(夏の)データ―では40度を越えている。保護者がクーラーを寄付するからと言う申し出もあった。児童館は寄付を受け付けることになったが、るす家庭への寄付は門前払いと聞くがどうか。

(教育委員会参事)寄付について、門前払いというのは全然ない。寄付か使用承認か検討させてもらっている。るす家庭が、特定の子どもの施設ということで、費用の負担の問題などもこれから検討していかなくてはならない。保護者の負担(寄付も含めた)設置について検討させてもらっている状況。

(村上議員)保護者からの寄付があれば受け付けるという方向で検討しているということで良いか。

(教育長)寄付か使用承認のいずれかの選択で検討しているということだ。


【解説】 同じ「るす家庭」の子どもなのに・・・

 市内のるす家庭子ども会は
130ヵ所(5336人)。うち24ヵ所(865人)がプレハブ教室です。近年の猛暑で、室内は40度以上にもなり、子どもや指導員の健康が心配されていました。保護者は、毎年温度記録を示して、クーラー設置を要望してきましたが、市は、「財政難」を理由に設置に踏み切らず、保護者会などからの「寄付」も「公平性に問題がある」などとの理由で許可しませんでした。

 小中学生が誰でも利用できる児童館(るす家庭は館内に設置)については、今年度22館(静養室)への設置予算が計上され、それ以外の児童館へは「寄付」も受け付けることになりました。しかし、プレハブなどのるす家庭子ども会は「働く親の家庭の子どものみが対象」であることから、市は対象児を「児童の一部」とみなし、「予算」を付けるのは全体からみて「不公平」だとされてきたのです。

 校区内に児童館がある場合、対象児童は、児童館のるす家庭子ども会に通います。児童館がなければ、プレハブなどの留守家庭に通っています。将来的に児童館へ一本化し、教育委員会から社会局の所管へ移行していくのが市の方針ですが、児童館の整備率は73%。一年に一館を整備というペースなので、全校区への設置には30年かかることになります。

 村上議員は質問で、「(児童館のない)るす家庭の子どもたちへは、『(どんなに暑くても)我慢しなくてはいけない』という説明をするのか?同じるす家庭の子どもなのだから、プレハブと児童館と区別するのはおかしい」と正しました。


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