2001年決算特別委員会 総務・経済環境分科会 
十二月市議会(経済環境委員会)12/17日
中原ひろみ議員の質問


(1)狂牛病対策について
(2)中小企業の実態をつかむ調査について
(3)出島の産業廃棄物処分場について
(4)中工場・安佐南工場などの大型炉建設について

(1)狂牛病は人災  畜産農家や焼肉店などに万全の保証を
 
 中原議員は、今回の狂牛病発生は利益と効率を優先させ、共食いとなる肉骨粉を牛に与える危険性について指摘したWHOの勧告をも無視しつづけた政府に最大の責任があることを強調しました。その上で、
繁殖農家や焼肉店などに政府の責任で万全の被害保証をすることを求めました。同時に、民主商工会や関連業者とともに日本共産党市議団が要望した「狂牛病の発生に伴う関連中小企業者に対する金融支援」が10月17日から実施され、現場の焼肉店業者等から「一年据え置きの融資がありがたい」という声がある一方で、開店資金等で既に金融期間から借入をしている事業者に対し、新たな貸し出しは出来ないと貸し渋りの実態があることを示し、従来の借入れとは別建てでの特別の融資体制の必要性を訴えました。
 風評被害で経営難に陥っている事業者は、被害者であり、融資が受けられないと、既に借入した融資の返済すらできなくなり、みすみす不良債権をつくることにつながります。県内でも焼肉店の倒産が発生しており、この融資制度が利用しやすい制度になるよう、今後も現場の実態をつかみ、実情に応じて柔軟な支援策を講じるように要求しました。
 市は、せっかく作った制度だから借りやすいものになるよう金融機関や保証協会に対しお願いをするという答弁に留まりました。
 また、10月25、26日の二日間に南工場で実施された肉骨粉の焼却実験後の処理についても質問しました。西区の化成工場で作られている肉骨粉は200トンで、そのうち南工場で6トン、安佐北工場で3トンを11月16日から毎日焼却し、残りは県内の7都市(三次、呉、福山、尾道、三原、賀茂郡等)で処分されており、新たに肉骨粉を焼却することにより増加した経費については、特別に国から補助はなく、家庭ゴミ、事業ゴミなどと同じ、キロ84円で処理していることも明らかになりました。

(2)中小企業の実態について

 東大阪市は、自治体の課長以上約500人が2年間をかけて、市内の27000事業所を訪問し実態調査を行っています。長引く不況のなかで、地域の実態調査をして的確な政策課題を明らかにする為にも、東大阪市のような実態調査が広島でも必要だとして、市の姿勢を追及しました。市経済局は、直接に東大阪市には出向いていないが、資料を取り寄せて研究し、その中で、市職員が直接に事業所の実態調査に出向くことにより、企業の経営実態を肌身で感じ、職員の経済振興への意欲を喚起することができるなどの良い点はあるものの、逆に、職員の本来業務への負担になったこと、交通費や調査表の作成などの費用がかかったことが悪い点だと答弁しました。これを受けて中原議員は、「経済局が、『実態調査は業務の負担になる、予算がかかる』という発想では何も生まれてこない。現場実態をつかんでこそかみ合う、かゆいところに手が届く施策が生まれ知恵もでる」と、市の消極的な姿勢に反論しました。

(3)出島沖の産業廃棄物処分場建設について
 中原議員は、最初に10月3日に提出された市長意見の主旨について質問しました。
 市は、@ 住民の理解を充分に得る。A完全な粉塵対策を講じることが市長意見の主旨だと答弁。中原議員は、市長意見が「見直しも視野に入れて住民合意を大切にせよ」という市民の立場にたったものであったと評価しました。しかし、県がこの市長意見をどこまで尊重するかが問われていることを指摘。県知事は選挙のなかで「焼却灰を入れない」と公約したが、「住民への説明は充分にした」といっており、このままでは市長意見が無視されたまま事業が強行される懸念も大きいとして、次の点について質問しました。
 @県が市長意見を尊重する立場にたつなら、住民が納得できる科学的な裏づけのあるアセスメントにする為に環境影響評価を再実施して当然だと考えるが、「灰をいれない」などの事業内容変更について、県から話しがあったか。
 A地元への説明がされないまま、環境影響調査(アセス)のやり直しもせずに評価書(図書)が出された場合は、市は条例の第20条の「市長は評価書の提出があった場合は市長が環境の保全の見地から検討を行った結果に基づく意見を書面により述べることができる」に基づいて市長意見を出すべきだと思うがどうされるのか。
 B 市は市長意見後に、県に対し何かはたらきかけられたか。

 市は、「県から評価書(図書)が出たら市長意見を述べなくて済むようにしたい。その為には県と話し合いを持つ。さらに、市長意見が県の評価書に反映されているかどうか慎重に判断する」と答弁しました。
 
 この答弁を受けて中原議員は、なぜ住民が納得できないでいるのかについて改めて訴え、現実に、予定地の住宅地に毎日飛んでくる粉塵の被害の深刻さを実例で示しながら、市民の健康を守るという立場に立てば、再度の市長意見は当然に提出すべきとして、次の諸点からその必要性について訴えました。
@  出島が埋立て地となった理由として、五日市処分場にシャレオの建設汚泥を多量に受け入れた為に短命になったと説明されたが、実際には汚泥は全体量の5分の1しかなく、本来なら建設残土として出島の埋立て等にも使えたはず。建設残土も汚泥もまとめて安易に埋めたてて、五日市処分場を短命にさせた行政のやり方は無責任である。
A  ゴミを減らす為の無害化、リサイクルなどの技術がありながら何も具体的に行動せず、埋立てをすればよいという姿勢が納得できない。
B 出島への埋めたては陸地内の埋めたてより60億円ほど安上がりという理由で選定されている。しかも、もっと安くする為に砂の代わりに廉価な製鋼スラグの使用を検討しているようだが、安全よりも効率優先という姿勢に意義有り。処分場は安全第一でなければならない。

現在も埋め立て予定地から300m離れたマンションは粉塵被害を受けており、粉塵はガス化する為に、散水しても監視人をつけても、防塵ネットを張っても無意味だと主張しています。また中原議員は、住民の方が採取された粉塵の現物を示して被害の大きさについて訴えました。この粉塵は日数が経過すると赤いカビが生えてきます。この現実が、住民の不安を一層大きくしており、洗濯物も安心して干せません。粉塵の成分調査を要望しました。
 
 中原議員は12月10日に国土交通省に行き、県はあくまでも埋立て事業を進める態度だが、ゴミの減量・リサイクルが進めば埋立て地は不必要となることを訴えました。住民合意も取れていない事業に予算をつけないことや県に対し住民説明の実施と影響調査のやり直しを国からも指導することを要請をしたことを報告。市も県に対し市長意見を重く受け止め、住民に納得のいく説明会を開催するよう県への働きかけを重ねて求めました。

(4)中工場・安佐南工場などの大型炉について
 中原議員は広島市が計画している大型炉の建設は、巨額の建設費と経費負担を増やし、市の財政を圧迫するだけでなく、大型炉は常に安定したゴミ量が必要となり、ゴミ総量の削減やリサイクルに逆行するという立場から、市民の分別・リサイクルが徹底しごみ減量がすすめば焼却能力が過大な施設になるとして、大型炉の建設見直しを求めました。
 厚労省の基準稼動率は270日で74%。現在の5工場の処理能力は1235トン、実績ゴミ量は917トン、稼動率 74・25%。16年の全工場の処理能力は1435トン、予測ゴミ量は823トン、稼動率 57・3%(新中工場稼動・建設費350億円)。21年の全工場の処理能力は1700トン。予測ゴミ量は873トン。稼働率 51・3%(安佐南工場稼動・建設費400億円)となり、広島市が予測しているペースでゴミが増えたとしても稼働率は半分ということになります。炉は使用しなくても維持管理費がかかります。ゴミが減ると炉は休止状態となりムダなものをつくったということになりかねません。ゴミが増えることを前提にすると大型炉の建設が必要となってしまい、ゴミを減らすことに真正面から挑戦する気力を失わせるものです。
 中原議員は、埼玉県の大井町が小さい焼却炉なら建設予算も少なく町の財政負担にもならない。その為には市民に下駄を預け、ゴミを減らそうという住民の自覚と自発性を引き出す努力を行政実施、その結果、住民との協力でゴミを減らすことに成功し、大型炉114億円の予定工事費が小型炉の建設により8億円で済んだという他都市の実例を示して、大型炉に依存する市のゴミ行政に疑問をなげかけました。
 市は、ゴミが減量すればその時点で焼却炉の規模については見なおすと約束しました。

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