議会での質問・答弁

2026年02月18日

2026年第2回 2月定例会・予算特別委員会 総括質問 中村たかえ

1.平和行政について
(1)非核三原則について
(2)アメリカトランプ政権とパールハーバー国立記念施設との姉妹協定について
2.ジェンダー視点のまちづくり
(1)ジェンダーに基づく暴力をなくす
(2)セクシャル・リプロダクティブ・ヘルスライツ
(3)プレコンセプションケアと官製婚活
3. 地方自治体の役割
(1)国民健康保険について
(2)保育園の給食調理員について
(3)DX推進について

1.平和行政について
(1)非核三原則について

中村たかえ
 お疲れさまです。日本共産党の中村孝江です。党市議団を代表して、総括質問を行います。よろしくお願いします。
 まず述べたいのは、先の衆議院選挙は、国の予算審議を後回しにしてまで行うべき争点がなく、高市首相は「国を二分するような政策」と言いながら、まともに国民の前で語らないままに行われた選挙でした。そのもとで、後出しで語られた憲法改定などは、決して白紙委任をされたわけでないということを強調しておきます。また、3分の2の議席の下で、与党幹部による国会審議を軽視するような発言もありますが、民主主義というのは、議論を尽くして結論を出す過程を重視するものです。日本共産党は、住民のみなさんとともに、ブレずに、暮らし、平和、人権を守る立場で、国政でも地方政治でも奮闘する決意を申し上げて、質問に移ります。
 まずは、広島市の平和行政についてです。
昨年の首相就任以来、高市首相は「非核三原則の見直し」をいまだに否定していません。改めて指摘しなければならないのは、「持ち込ませず」の見直しの危険性です。
 「持ち込ませず」を見直すことによって、在日米軍基地のみならず、自衛隊基地内に米軍の核兵器が持ち込まれかねません。日本が直接核保有していないとしても、実際に国内に核兵器が配備される事態になれば、「持たず」の部分すらあいまいになるのではないでしょうか。さらに、昨年12月には、安全保障政策を担当する政府幹部が「日本も核保有すべき」という発言をしました。これに対し、官房長官はコメントせず、政府幹部の処遇について触れませんでした。
 いまや、非核三原則の見直しにとどまらず、核保有発言まで政権から飛び出す状況になっています。1月の臨時議会において、市議会では全会派一致で「非核三原則の堅持を求める意見書」を可決しました。一方、市長は会見で見解を述べただけです。そこでお聞きします。
 核保有発言をした政府幹部に対して発言の撤回や罷免など対応をしない政府に、広島市は抗議するべきです。どのように対応されますか。
 また、非核三原則の「持ち込ませず」を崩すということは、米軍の核兵器の持ち込みによって、核兵器が日本に配備されうるということです。こんなことは許してはなりません。
 被爆地広島の市長として、政府に非核三原則の堅持を強く求めるべきですが、どのように対応するのかお答えください。

国際平和推進担当局長
 平和行政について数点の質問にお答えします。まず非核三原則について核保有発言をした政府幹部に対して発言の撤回や罷免などの対応をしない日本政府に対し、市として抗議すべきではないか。また、被爆地広島として非核三原則の堅持を強く求めるべきではないかについてです。
 本市としましては、昨年12月26日、施政の方針や市長の考えを、報道を通じて広く発信する公式な場である市長記者会見において、政府は個人的な見解に左右されることなく、引き続き国是である非核三原則を貫くということを明確にすべきであると、既に明言しているところであり、今後とも国の動向を注視しつつ、機会を捉えて必要な対応をとってまいります。

中村たかえ
 ここで強調しておかなければならないのは、非核三原則の堅持を明言しない首相はこれまで一人もいなかったということです。被爆の実相を語る被爆者が少なくなる中で、非核三原則は犠牲になった多くの被爆者や救済されることなく亡くなられた被爆者、今も尊厳をかけてたたかっている被爆者の叫びであり、戦後を生きる私たちの決意です。だからこそ、歴代の首相も国是として、堅持する立場を表明してきたのではないでしょうか。その点で、核兵器廃絶と世界恒久平和を世界に強く訴える平和式典で、首相が何を語ることができるのか疑問です。
 平和資料館の見学や被爆者団体との懇談の必要性はあると思いますが、核三原則堅持を明言できない首相を、被爆81年の平和式典に呼ぶべきではないと考えます。
 市がどうしても参加を求めるというのなら、非核三原則の見直し発言の撤回を同時に求めるべきです。どのように対応されるのか、お答えください。

市民局長
 平和行政についてのご質問のうち、非核三原則について、非核三原則現地を明言できない総理大臣を平和記念式典に呼ぶべきではないと考える。市が出席を求めるなら、非核三原則の見直し発言の撤回を同時に求めるべきと考えるかどうかについてお答えします。
 平和記念式典への総理大臣の出席は、昭和46年に当時の佐藤栄作総理大臣が初めて出席し、平成6年以降は総理大臣本人による出席が定着していますが、唯一の被爆国の首脳自らが原爆死没者の慰霊と世界恒久平和の実現への決意を世界に向けて発信していただきたいという多くの市民の思いを直接受け止めてもらうために、出席要請を行ってきているものです。
 本市としては、官邸の政府関係者が非核三原則の見直しに言及するような今だからこそ、高市総理大臣に「ヒロシマの心」を直接受け止めてもらうために、式典への出席を要請する必要があると考えております。

中村たかえ
 高市首相は憲法9条を変えて戦力を持つことを明言しています。これは憲法99条の憲法擁護義務を一番守らなければならない立場の総理大臣として、問題だと言わなければなりません。憲法9条の戦力不保持という世界に誇るべき戦争放棄の条文は、広島・長崎の惨状を目の当たりにし、原爆の惨禍を繰り返してはならない、二度と政府の行為によって戦争は起こさないという戦後の人々の決意が込められています。平和都市広島の市長として憲法9条の持つ意義について認識をお答えください。

国際平和推進担当局長
 次に、平和都市広島として憲法9条の持つ意義をどのように認識しているかについてです。
 日本国憲法第9条にうたわれる、国際社会での紛争の解決や抑止に当たって、武力ではなく対話による平和的解決の道を探ることは、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を願う本市の立場に通ずる、何よりも大切な考え方だと認識しております。

【再質問】
中村たかえ
 いくつか再質問したいと思います。
 まず最初に非核三原則についてです。12月26日市長記者会見では、非核三原則とNPTの関係性について述べておられました。本当その通りだと思うんです。
 ただ、ここで問題になるのは、先ほどもお話したように、持ち込ませずなくさなくても、緩和させるっていうことが大変重大な問題なんだっていうことです。
 先ほど述べたように日本国内の米軍基地だけではなくて、自衛隊の敷地内に米軍処理の核兵器が持ち込まれないっていうことです。やっぱり日本に使われる可能性のある核兵器が存在しかねないっていうことなんです。
 公式見解、国の公式見解は堅持するんだっていうことで言われてますけど、高市首相は自らの言葉で非核三原則を堅持するとは述べておられません。先の総選挙後の取材でも、見直しの撤回もされておりません。
 つまり、広島市は非核三原則堅持すると言わなくても問題ないっていうふうにお考えなんでしょうか。ちょっとお聞かせください。
 さらに、小泉防衛大臣は、この非核三原則の見直しの議論について、あらゆる選択肢を排除せずに検討するのは当然だということを言われてるんですけど、戦争被爆国の政府として、そのあらゆる選択肢の中に核抑止、なんなら核兵器を使うことを厭わないっていうようなその立場に立つための議論を含めるっていうのはもってのほかだと思います。
 同じ日に、12月の市長の記者会見の中では、こうした核保有発言の政府幹部への認識だとかそういったことも含めて、個人の見解だっていうこと言われてるんですけど、1999年にも、政府幹部が核武装の議論を求める発言を雑誌で行ったことがあります。その際には、更迭されています。
 また、そのときの総理大臣小渕恵三首相です。小淵首相、当時の首相は非核三原則はわが国の国是として堅持しており、今後ともこの立場に変わりはないと述べ、任命権者として国民に心からお詫び申し上げると、この核武装発言をした人を更迭した上で陳謝しています。
 高市首相の対応とは正反対だなと思うんです。その点で広島市は、こうした核兵器の持ち込みや核保有をするための議論も容認するっていう立場なんでしょうか。教えてください。
 また、あらゆる議論を排除しないっていうのであれば、核の持ち込みや核保有の議論ではなく、今の日米同盟のもとでもどうやって核兵器禁止条約に参加できるかっていう日米同盟タブーを乗り越える議論をすべきだと思うんですけど、市の認識はどうでしょうか。
 国連憲章は、武力行使の否定をしていても、実は戦力不保持までは踏み込んでいません。それは原爆を体験していないからだと指摘されています。
 その点で、この憲法9条を持つ日本で、しかも被爆者の願いである。この核兵器廃絶・恒久平和っていうのは、大変重要な役割を持ちます。
 その点で、非核三原則の堅持が明言できない、見直し、非核三原則堅持するってことは明言できない中で、日本政府がNPT再検討会議や核兵器禁止条約再検討会議で建設的な議論を進められる、そういうふうにお考えなんでしょうか。そのあたりもちょっと教えてください。

国際平和推進担当局長
 いくつか再質問いただきました。非核三原則について、すいませんたくさん言われたんでですね、ちょっと総括的にお答えさせていただくようになります。
 先ほどご答弁しました通り、非核三原則については市長記者会見において政府は非核三原則つなぐことを明確にすべきということで明言させていただいております。
 あと見直しの議論、様々なですね見直しの議論ということですが、本市としましては安全保障、外交、防衛など、国家としての存立にかかわる政策の決定についてはですね、やはり国民の間でも様々な意見がある中で、多くの国民が理解し納得できるようにするためにも、国政の場でしっかり議論すべきものと考えております。
 その上で、本市としましては引き続き、被爆地しかできない役割としまして、被爆の実相や被爆者の平和への想い、多くの方々特に若い世代に伝えて、継承してもらえるよう一層努力していただければならないと考えております。
 合わせて日本政府や為政者に対しても、引き続きですね、被爆地の思いを受けとめた対応をしていただけるよう要請してまいりたいと考えております。

中村たかえ
 ちょっといくつか先ほど非核三原則についてのところで、局長からも会見で述べた通りだと、それはわかりました。
 ただやっぱり先ほど被爆地しかできない取り組みとして、尽力したいというような趣旨だったかと思うんです。
 やっぱ被爆地しかできないということは、被爆の実相を文字通り身近な人たちから聞いた立場の広島の市長こそが、非核三原則絶対守ってほしいっていうのを直接政府に伝える必要があると思うんです。
 もちろん記者会見で述べられるのも大事ですけど、直接なんでこの被爆地の思いを汲み取れないのか、そこを言うべきだと思うんです。だから被爆地しかできないことで、その非核三原則堅持をどういうふうに求めていくのかなという、ちょっともう1回教えてください。

国際平和推進担当局長
 はい2点の質問いただきましたので順次お答えします。
 非核三原則ですけど、この繰り返しになるんですが、市長記者会見、これは本市の姿勢や主張の考え方を公式に表明する重要な場で、発言内容もですね報道により広く発信され、大事なものと思っておりまして、ちょっとそこは議員の受けとめた違うのかもしれないですが、重要なもんだと思っております。
 ちょっと説明が足りなかったんですが、非核三原則につきましては今後もですね動向を注視しながらですね、引き続きですねこれは対応していきたいと考えております。

(2)アメリカ・トランプ政権とパールハーバー国立記念施設との姉妹協定について

中村たかえ
 今年1月3日、トランプ大統領がベネズエラを爆撃し、マドゥーロ大統領を拘束連行しました。問題がある指導者であったとしても、アメリカにも、どの国にも国際法を無視した武力行使は認められていません。アメリカ国内でもヨーロッパでも、トランプ政権への批判が広がっています。
 一方で、高市首相はトランプ大統領の国際国際法違反について批判していません。トランプ政権のあからさまな国際法違反を批判もできず、ましてや容認するようではロシアやイスラエルのような「力による現状変更」を批判できなくなるのではないでしょうか。
 アメリカ・トランプ政権の国際法無視・横暴無法の領土拡張、力の支配は許せない行為です。平和都市として抗議声明を出すべきではないでしょうか。また政府にも国際法違反の行為について抗議すべきだと働きかける必要があると考えます。市の認識をお答えください。

国際平和推進担当局長
 次に、アメリカトランプ政権とパールハーバー国立記念施設との姉妹協定についてトランプ政権の力による支配は許せない行為であり、平和都市として抗議声明を出すべきではないか。また、日本政府にも米国の国際法違反の行為について抗議すべきと働きかけるべきではないかについてです。
 本市としましては、被爆者の平和への願いである「ヒロシマの心」を世界中に広げ、あらゆる暴力を否定する「平和文化」を振興し、市民生活の安寧が確保される平和な国際社会が実現する環境づくりを目指してきているところであり、そのためには、いかなる国の都市に対しても武力が行使されること、そして何の罪もない一般市民が犠牲になることを容認しない市民社会の形成こそが重要になると考えています。
 本市としましては、こうした考え方のもとで、米国や日本政府を含む全ての犠牲者に対し、毎年の平和宣言や平和首長会議共同アピール等を通じて、繰り返し伝えてきているところです。

中村たかえ
 アメリカはこれまでも国際法を無視し、他国への先制攻撃で戦争を繰り返しています。その政府のもと、パールハーバー国立記念施設でも核開発の歴史や軍事力を誇り、子どもたちに「強い潜水艦」のイラストを描かせるなど、戦争を煽る仕掛けがいたるところに存在しています。そうした施設と平和公園の姉妹協定を継続することは、いよいよ正当化できません。広島を訪れ、平和資料館で真摯に学び、核兵器廃絶と平和を誓うアメリカを始め世界の人々に不信感を与えかねないのではないでしょうか。
 この姉妹協定のはるか以前から、既にホノルルを含め、アメリカから広島・長崎を選んで原爆について学び、謝罪する市民やアメリカ国内で核廃絶の運動をしているアメリカ市民もたくさんいます。それに対して原爆投下の反省も謝罪もしていないのがアメリカ政府です。
 この間、アメリカ国家に原爆投下の謝罪と反省を求めるべきと質問してきましたが、市は繰り返し、アメリカ市民の核兵器廃絶の機運醸成など、市民社会の意識の問題にすり替えているように見えますが、改めてアメリカ国家へ原爆投下の謝罪と反省を求めることについて市の見解をお答えください。

国際平和推進担当局長
 次にアメリカ国家の謝罪と反省を求めるべきと質問してきたが手話アメリカ市民の核兵器廃絶の機運醸成など、市民社会の意識の問題にすり替えているように見える。改めてアメリカ他に対しての市の見解をお答えいただきたい、についてです。
 本市としましては、市民社会において、核兵器のない世界を目指すという総意の形成こそが、その相違を受け止める為政者を選出し、米国の各州および全米の動向を左右することになると考えています。そうした考え方のもとで、多くの米国市民とともに、核兵器の使用が二度と起こらないよう核兵器廃絶に向けての取り組みを進めているところです。

中村たかえ
 この姉妹協定の問題の背景には、2023年のG7サミットを契機にした、日本とアメリカの両政府の思惑が色濃く存在しています。広島ビジョンでは、「核抑止」が肯定されました。さらに、市長が独断で調印した姉妹協定が、被爆地ヒロシマがアメリカの核戦略へのお墨付きとなるものとして機能しています。今年2月、新戦略兵器削減条約=新STARTが失効したことで、ますますアメリカやロシアによる核開発競争の加速が懸念されています。
 こうしたもとで、被爆地ヒロシマが、核兵器を使用する前提で核開発を進めているアメリカ政府に忖度した姉妹協定を、締結時のように議会に何の説明もなく、議論もしないまま自動的にこの協定を延長させてはなりません。姉妹協定の6条には、期間延長について、「満了日90日前までに書面にて終了の通知がない場合は、5年間延長することができる」とあります。
 そこでお聞きします。この期間に間に合うように、姉妹協定を延長するかしないか、議会に諮った上で承認を求めるべきだと考えますが、どのように対応するかお答えください。

国際平和推進担当局長
 最後に、協定書に定められた期間に間に合うように延長するかしないか。議会に諮った上で承認を求めるべきだと思うが、どのように対応するつもりなのかについてです。
 本市としましては、姉妹公園協定は有効に成立しているものであり、これに基づきこれまで実施してきた広島とハワイの若者交流等は、未来を担うよう国の若者の相互理解の促進に寄与しているものと考えております。
 したがいまして、次回の姉妹公園協定の更新については、適切な機会を捉えて、議会に丁寧に説明を行っていく中で対処していきたいと考えております。

【再質問】
中村たかえ
 あと、パールハーバー国立記念施設との姉妹協定についてです。
 市民社会の意識醸成で為政者を変えるんだっていうことを今回もおっしゃられました。それはそういう認識だということがわかりました。
 広島YMCAの皆さんは、この姉妹協定の前からホノルルの若者や世界の若者と交流し、戦争の加害と被害を学び合って、市民同士の交流を60年以上続けてこられてるんです。姉妹協定が効果を出してるって言われるんですけど、この姉妹協定がないと、ホノルルの市民との交流はできないっていうことなんでしょうか。そのあたりの認識も教えてください。
 締結協定の延長については、議会で適切に報告するって言われたんですけど、それは本会議に議案として出されるっていうことの理解でいいんでしょうか、教えてください。

国際平和推進担当局長
 次に、パールハーバーの協定で、協定前からその交流が続いていて、協定がないと交流できないのかということですが、核兵器のない平和な世界の実現に向けてはですね、多くの米国市民に被爆の実相、被爆者の平和への願いであるヒロシマの心を共有していただく、それで核兵器廃絶議ともに取り組んでいただくようにする必要があると考えております。
 この協定に基づきまして、例えばパールハーバー国立公園内での被爆体験講話の円滑な実施や、被爆の実相をより多く米国市民に共有していただける機会の創出に繋がっていると考えております。
 また協定に基づく交流の参加者からは、異なるバックグラウンドを持つ若者が直接語り合い、ともに学び行動する経験は、世界平和の実現に向けた第一歩になると思ったなど大変前向きな感想がありまして、平和の架け橋となるという本協定の目的にかなう良い結果が出ていると考えており、本協定のもと引き続きですね、和解の精神を具現化した取り組みを積み重ねまして、米国の市民社会の平和意識の醸成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 最後、これ議会に諮る、のことですね。すいません。議案にするのかどうかということですけど、まず協定に基づく事業まだ年数がありますのでしっかり取り組んで、いきたいと考えております。
 その後現行の協定期間が終わるまでには、そうした事業の成果もでておりますので、その辺も含めてですね議会に丁寧にご説明する中で対応していきたいと考えておりまして、その方法も含めてですね、考えていきたいと思っております。

中村たかえ
 パールハーバー国立記念施設との姉妹協定なんですけど、方法も協定の延長については方法も含めて考え、今後考えるということなんですけど、方法はもう本会議で議論するしかないと思います。これまで、そもそも議会軽視で議員が何も質問できないまま行われたことを繰り返してはならないと思います。その受け止めどうかっていうことを教えてください。

国際平和推進担当局長
 あと今の先ほどのパールハーバーの協定の更新のことですが、議案にするかどうかということを言われたので、ちょっと今お答えできないと言ったまでで、議会には丁寧に説明していくというふうに思っております。

2.ジェンダー視点のまちづくり
(1)ジェンダーに基づく暴力をなくす

中村たかえ
 次に、ジェンダー視点のまちづくりについてです。1993年に国連で「女性に対する暴力撤廃宣言」が採択されました。そこでは、レイプやDV、セクシュアル・ハラスメントなどの女性に対する暴力は個人間の問題ではなく、ジェンダー不平等の社会構造に根本原因があるとしています。
 女性や子どもへの痴漢被害、芸能界での性暴力、自衛隊内でのセクハラ、女性支援をする団体や女性の権利を求める政治家への脅迫など、女性嫌悪=ミソジニーを背景にした女性への暴力が後を絶ちません。広島市での不同意性交等・不同意わいせつなど、性犯罪の件数はこの5年で増加が続いています。そこでお聞きします。
 第4次広島市男女共同参画基本計画が策定中ですが、ジェンダーに基づく暴力の根絶に向けてどのように取り組むお考えか、お答えください。

市長
 中村議員からのご質問にお答えします。「ジェンダー視点のまちづくり」のうち、「ジェンダーに基づく暴力の根絶に向けた市の取り組み」についてのご質問がございました。
 本市は平成13年に制定した広島市男女共同参画推進条例に基づき、性別による差別がなく、男女が対等のパートナーとして責任を分かち合い、個性や能力を十分に発揮できる社会を実現することを目的として、広島市男女共同参画基本計画を策定し様々な施策を積極的に展開しているところであります。
 こうした中、性犯罪・性暴力、配偶者等への暴力、ストーカー行為等の暴力は、とりわけ個人の尊厳を踏みにじり、安全で安心な暮らしを妨げる大きな要因となっており、これらのジェンダーに基づく暴力の根絶は男女共同参画社会を形成していく上で、克服すべき重要な課題であると認識しています。
 このため、現在策定中の第4次広島市男女共同参画基本計画において、「性犯罪・性暴力を始めあらゆる暴力の根絶と被害者への支援」を基本方針の一つとして掲げ、庁内横断的に様々な施策に取り組むこととしています。
 とりわけ、こどもや若者に対する性暴力等の被害は、近年深刻な状況にあり、これらの暴力を根絶するためには、特に若い世代からの理解の促進が重要となることから、若年層への訴求力の高いSNSなどのデジタルメディアを活用するなどして、暴力の根絶に向けた啓発や正しい知識の普及に、より一層力を入れて取り組んだと考えています。
 また、被害者には家族や恋人、友人等の個人的な人間関係の問題であり、「相談するほどのことではない」「自分さえ我慢していればいい」と一人で悩みを抱え込む傾向が強く見られることから、これらの意識を払拭するための市民意識を醸成し、安心して身近な相談窓口に相談できるよう、相談窓口の周知徹底を進めるとともに、配偶者暴力相談支援センターと、関係機関との連携強化を図ることにより、被害者への支援の強化に取り組んでまいります。
 その他のご質問については関係局長から答弁いたします。

中村たかえ
 ジェンダーに基づく暴力をなくすという点では、学校での取り組みも重要です。発達段階に応じて、命の安全教育も行われていますが、子どもを被害者にも加害者にもしないという点で、教員や大人への啓発も求められているのではないでしょうか。児童・生徒だけでなく、大人向けにもデートDVの研修を行っている団体の方は、「生徒へのデートDVの研修で、教員も理解が深まる。また生徒自身がデートDVに気づき、生徒同士で「それおかしいよ」と声を掛け合ったり、教員に相談できたりしている」と実態を語っています。特に子どもの変化に気づくためにも、大人が防犯の角度だけでなく、人権としての包括的性教育を学ぶことが求められています。
 教員に対しても、包括的性教育を軸にした性教育の研修を行う必要があると考えますが、市の見解をお答えください。

教育長
 ジェンダー視点のまちづくりについての2点のご質問にお答えをいたします。
 まず、教員に対しても、包括的性教育を軸とした性教育の研修を行う必要があると思うかどうかについてです。
 本市では、全ての養護教諭等を対象として、学習指導要領に基づき、性に関する基本的な知識だけでなく、自尊感情や生命を尊重する態度を養うことや、家庭や社会の一員として望ましい人間関係を構築することなども含めた「性に関する指導」について定期的に研修を実施するとともに、各学校では、この資料を活用した校内研修などを行っています。
 加えて、新たに各学校の保健主事となった教員等に対しては、「性的マイノリティ」に関する理解を図り、学校の対応等について学ぶ研修を実施している他、各学校においては、必要に応じて外部講師を招いた人権教育研修なども行っています。
 引き続き、継続的な研修等を通じて、児童生徒が発達段階に応じて身につけるべき性に関する知識等について、教員自身が正しく理解し、適切な指導ができるよう努めてまいります。

(2)セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツ

中村たかえ
 セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツ=性と生殖の健康と権利についてです。これは「自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むものを選んで決められること。そのために必要な医療やケアを受けられること。心も体も健やかに自分らしく充実した人生を生きる上で欠かせない「基本的人権」」だと解説されています。
 女性の健康といった場合に、フェムテック・フェムケアが前面に出てくるようになりました。策定中の第4次男女共同参画基本計画や広島市健康作り計画「元気じゃけんひろしま21(第3次)」でも新たに記述されています。フェムテック・フェムケアの、女性の健康課題を解決し、女性の活躍を応援するという側面は大事ですが、経済活動における範囲にとどまる取り組みです。女性が働くときに、生理や更年期をコントロールして、休まず長く働き、経済に貢献することを求めている考え方です。ここには、女性を安い労働力として「活躍」させる問題をはらんでいることを指摘しておきます。
 昨年、経済産業省主催のフェムテックの研修会に参加しました。その際、女性の生理・更年期の理解と負担軽減を進めている企業の取り組みが紹介されました。特徴的なのは、メディアの経営企画部長の方が紹介した「社内アンケートをとったら、突然の生理で困ったことがあるという人の割合が72%だった。労働の損失という視点もあり、トイレに生理用品を設置。トイレットペーパーと同様にしていきたい」という話がありました。コロナ禍のもと、困窮者支援としての「生理の貧困」にスポットが当たっていましたが、今、経済的損失を補う視点でも、女性の健康課題を解決するという視点でも、生理用品のトイレの設置がトレンドとなっています。
 そこで生理用品の無償提供についてお聞きします。
 東京都大田区では、去年6月から中学校の女子トイレに生理用品の設置が始まっています。この取り組みは保健室への相談に繋ぐことを前提としていますが、今回の施策について「生徒が安心して学校生活を送れるよう、緊急時用として」設置すると発表しています。
 中国新聞が「生理用品の設置について」のアンケートを行っていましたが、ナプキンが手元になくて困った経験がある人は約7割おり、公共施設や学校トイレにナプキンがあれば、7割の人が利用したいと答えています。このアンケートにはコメントとして、「周期が安定しない10代は生理の失敗一つで、クラスの居心地にも関係する。もしもに備えてトイレにナプキンがあれば、いらない涙を流すこともないと思う」ということが寄せられています。
 生徒が安心して学校生活を送れるように、広島市も学校トイレに生理用品の設置をするべきではないでしょうか。生徒の健康や安心できる学校作りの視点での認識をお答えください。

教育長
 生徒が安心して学校生活を送れるように、学校トイレにも生理用品を設置すべきではないかについてです。
 市立学校では、保健体育の授業や宿泊を伴う学校行事などの機会を捉えて、生理用品を使う必要が生じたときのために、保護者とも相談して、日頃から準備をするよう指導するとともに、仮に校内において、生理用品の用意をしていなかったときに、必要が生じた場合には、保健室で無償の生理用品を受け取れることを周知しています。
 養護教諭等が生理用品を渡す際には、児童生徒の困りごとや家庭状況等の把握に努め、健康相談や保健指導を実施する他、経済的な貧困状況があれば、生活支援や福祉制度に繋げるなどの対応を行っています。
 引き続き、こうした取り組みを続ける中で、児童生徒に寄り添った対応をしっかりしていくことで、安心・安全な学校生活に繋げていきたいと考えています。

中村たかえ
 2024年度に交換時期が来た備蓄用生理用品についてお聞きします。2024年9月議会の答弁で、交換時期を迎える備蓄用の生理用品の活用について「男女共同参画の取り組みで活用を検討する」ということでした。その後どのように活用が進んだのかお答えください。

市民局長
 2024年度に交換時期が来た備蓄用生理用ナプキンについて男女共同参画の取り組みでの活用を検討するとのことだったが、その後どのような活用が進んでいるのかについてです。
 交換時期を迎えた備蓄用生理用品の活用については、令和7年7月から広島市男女共同参画推進センターで生理用品を提供する取り組みを実施しており、その際、提供希望した理由などをアンケートにより確認させていただくとともに、各種相談窓口の紹介を行っているところです。

中村たかえ
 これまで同様、ゆいぽーとでの女性のための何でも相談において、生理用品を提供することも重要です。この間求めてきた相談なしでも受け取れるようになったということも歓迎しています。しかし今求められているのは、公共施設に生理用品を設置することです。すでに商業施設ではOiTrなどの生理用品を提供するアプリの設置が進んでいます。民間の進んだ事例を行政としても学ぶ必要があるんじゃないでしょうか。市の認識をお答えください。

市民局長
 次に、公共施設に生理用品を設置することが求められていると思うが、市の認識はどうかについてです。
 本市では、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、経済的理由で生理用品を購入できないことが「生理の貧困」問題として全国的に注目を集める中、令和3年度に生理用品の提供を始めとする支援事業を実施しました。
 その結果、「生理の貧困」問題の背景には、経済的な貧困だけでなく、様々な問題が顕在化していることがわかったため、生理用品が購入できないという状況の根本にある様々な問題を探り、適切な支援に結びつける必要があるとの認識に至りました。
 こうした背景から、公共施設のトイレに無条件で受け取れる生理用品を置くのではなく、様々な困難を抱える女性に対する相談支援の一環として、生理用品を提供する取り組みを行っており、引き続きこのような取り組みを継続していきたいと考えております。
 なお、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツ「性と生殖に関する健康と権利の浸透」は、本市男女共同参画基本計画の基本政策の一つであり、全ての人がこの権利に関心を持ち、正しい知識を得て知識を認識を深めるための取り組みの一つとして、生理についての基本的な知識を学ぶ講座の開催などの取り組みを行っております。

【再質問】
中村たかえ
 生理用品の無償提供についてなんですけど、今回の第4次男女共同参画基本計画の策定に向けて、男女共同参画社会の実現に向けて、アンケートをとられています。
 その中で、女性の健康や生理について質問が新たに加わったことは大変歓迎してます。その上でアンケート結果も大変注目すべき点があったと思います。
 女性特有の健康課題への取り組みで、10代から30代の女性は6割を超える人が生理に関する理解促進を選んでいて、15歳から19歳だったら、82%がその生理に関する理解促進を選ばれてます。
 さらにその生理に関する理解促進に必要な取り組みとして、10代から30代の女性の中では、5割を超える人が生理用品の無償配布っていうことを選択されてます。
 やっぱ全体で見ると、本当にこの市民の全体で見ると、そんなに高い割合で生理用品の無償配布ってことは選ばれてないんです。実は。ただ、丁寧に見ていくと、生理用品の無償提供は若い世代には一定の要望があるということがわかります。
 貧困対策として行ってるんです、女性の生きづらさに寄り添うために、相談と一体なんですよっていう、それはそれでやっていただいていいんですけど、やっぱり公衆衛生の視点に立つ尊厳の問題として、生理用品をせめて公共施設に置くっていうことも検討するべきだと思います。
 女性の生理も普通の排泄行為と同じ生理現象です。トイレットペーパーはかつて設置されてないことも当然だったと思うんです。でも現在は公共施設のトイレにはトイレットペーパーが設置されることは当たり前となっています。この生理現象に対して、トイレットペーパーと同様に、生理用品も公共施設のトイレに設置するっていうのは何も突拍子もないことじゃないと思うんです。
 せめて市民が利用する場所、袋町の市民交流プラザとか青少年センターとか、若い人も利用しそうなところで試行的に実施するっていうのは検討すべきだと思いますが、見解を教えてください。

市民局長
 ジェンダー視点のまちづくりにおいて、生理用品のですね、公共施設への設置につきまして、若い世代においてニーズが相当高いというふうに認知をしており、市の公共施設においても試行的に実施する考えはないかというご質問をいただいたというふうに受け止めております。
 先生からもご紹介がありましたように、令和7年1月にですね広島市男女共同参画の実現に向けたアンケート調査というのを行っております。その中で、生理に関する理解の促進としてどのような取り組みが必要かという紹介しましたところ、最も高いものは生理に関する教育の充実という回答が非常に高く、生理用品の無償配布というのは、全体の中での4番目という回答でございました。
 これは10代から20代の女性においてもですね、生理に関する教育の充実という回答が最も高くなっております。こうした結果を踏まえればですね、やはりまず教育の充実というものがですね、ニーズが高くやはり優先度や有効性の観点からもですね、こちらを進めるべきというふうに市としては判断をしておりまして、そちらに注力をしたですね取り組みをさせていただきたいというふうに考えております。
 他都市においてですね、女性用のトイレにですね試行的に民間事業者の寄付により生理用品を配置する取り組みをですね行っているということは、我々も認知しておりますが、これが全国的にですね、公衆衛生の観点からですね広がっているものかといえばですね、あくまでも試行の状況であって、そうではないというふうに考えておりますので、そういった面で状況もですねしっかり把握をしながら、今後どうすべきかというのは考えていきたいというふうに思っております。

中村たかえ
 先ほど生理用品のところですけど、若い世代複数選択されてるので、ほぼほぼ同率でした。だからやっぱりやる必要があるということは、これは述べ意見として述べておきます。

(3)プレコンセプションケアと官製婚活

中村たかえ
 今、懸念しているのは、政府が人口減少対策として、プレコンセプションケアを大々的に進めようとしていることです。プレコンセプションケアというのは、受胎前ケア・妊娠前ケアです。世界保健機関やアメリカ疾病予防管理センターでは、母子の健康を目的に取り組まれています。こども家庭庁では、「性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザインや将来の健康を考えて健康管理を行う」概念としています。大前提として、プレコンセプションケア=受胎前ケアは、安全に妊娠出産するためのケアです。この度の国が示した概念は、「健康な母体で健康な子どもを産む」ことや「産めよ増やせよ」の思惑をごまかしていると指摘しておきます。とくに、重大なのは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツや包括的性教育の視点が欠けており、まともな性教育なく、女性に妊娠出産させようとしていることです。あるジャーナリストは「国家的なお母さんになりましょう運動」と特徴づけています。そこで、お聞きします。
 健康な母体で「健康」な子どもを産むというプレコンセプションケアは、優性思想につながりかねない上に、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツを侵害しかねないと思いますが、市の認識をお答えください。

こども未来局長
 ジェンダー視点のまちづくりのうち数点のご質問に順次お答えをいたします。
 まず、プレコンセプションケアは優性思想に繋がりかねない上にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツ性と生殖に関する健康と権利を侵害しかねないと思うが、市の認識はどうかについてです。
 プレコンセプションケアは、元々は周産期死亡率の低下や出生児の予後の改善を目的とした、健康な妊娠・出産を目指す「妊娠前ケア」という概念でしたが、現在ではそれにとどまらず、生涯にわたり身体的・精神的・社会的に健康な状況であり続けるための取り組みとして、国が「プレコンセプションケア推進5か年計画」に示すように、「性別を問わず、適切な時期に性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠出産を含めたライフデザイン(将来設計)や将来の健康を考えて、健康管理を行う」という概念に拡大しています。
 この概念を、一人一人が理解し、知識を得て、健康管理を日々実践することで、自らの今と将来の健康、そして未来の家族の健康がよりよいものとなり、自分自身が大切にする価値観に基づくライフデザインの選択肢を広げ、その実現可能性を高めることに繋がると考えています。
 このように、プレコンセプションケアは、特定の価値観を押し付けるようなものではなく、性と生殖に関する健康について自分の意思が尊重され、自分の性と体に関することを自分自身で決められる権利である。いわゆる「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスライツ」を前提とするものであり、まだ優性思想に繋がるものでもないと考えております。

中村たかえ
 プレコンセプションケアと対をなす施策として、ライフデザインがあります。来年度予算でも、ライフデザイン支援と官製婚活の予算が計上されています。ライフデザインというのは、自分がどういう仕事をし、いつ結婚し、子どもを何人もうけるかということを考える取り組みです。結局こうした取り組みを通じて、結婚、妊娠、出産が強要されかねないのではないでしょうか。
 そこでお聞きします。ライフデザインが結婚しない人や子どもを持たない・持てない人に価値観の押し付けになりかねないことや、同姓愛者など性的マイノリティの意図しないカムアウトなど尊厳に関わりかねないと懸念していますが、市の見解をお答えください。

こども未来局長
 次に、ライフデザインが結婚しない人や子どもを持たないもてない人に価値観の押し付けになりかねないことや、性的マイノリティの意図しないカムアウトなど尊厳に関わりかねないと懸念しているが市の見解はどうか。また、このたびの市が行う出会い支援の目的は、結婚し出産することが前提となるのではないかと懸念しているが市の認識はどうかについてです。
 令和8年度から新たに実施するライフデザイン支援は、進学や就職に加え、結婚出産子育てなど多くのライフイベントが重なり、悩みや不安などを抱えている若い世代を対象に、仕事や家族形成などに関して自らの価値観を大切にしながら、自己実現を図り、自分らしく自立した社会生活を送ることができるよう、人生設計に必要なことを学ぶ機会や知識を提供するものです。

中村たかえ
 来年度予算の考え方でも、合計特殊出生率の向上を掲げておられます。結局、ライフデザインや官製婚活の先には子どもを産むことがゴールになっているということではないでしょうか。そもそも、合計特殊出生率の数値の改善をしようとすると、女性が結婚し、たくさん子どもを産むことが奨励されることにつながります。女性にだけ少子化の原因を求めるような考え方に固執することはいい加減やめるべきです。
 また、若い人たちが、出会いがないから結婚しない・できないという背景には、低賃金のため、長時間働いて手取りを増やさなければならなかったり、奨学金返済が負担になっていたりするなど、経済的な理由や働き過ぎによって自由な時間がないなどの問題があります。
 行政が行うべき支援は、出会いの場をつくることではなく、若年層の家賃補助や奨学金返済支援など、若い人の性生活を若い人の生活を支える施策に取り組むことです。なお結婚を視野に入れた出会いを求める人は、民間のマッチングアプリなど既に利用されてるんじゃないでしょうか。
 そうしたもとで、広島市は「女性がいきいき活躍できるジェンダー平等なまち」を掲げておられますが、それは広島で結婚し、子どもを産む女性のみを想定しているのではないかと心配になります。結婚を選ばない、選べない、子どもを持たない、持てない人は見えていないのではないかと思わざるを得ません。
 官製婚活は、個人の幸せになる権利よりも、少子化対策を優先することになり、一人一人の伸びやかに自由に生きる環境を保障するジェンダー平等政策とは逆行するのではないでしょうか。
 このたびの市が行う出会い支援の目的が結婚し、出産することが前提のものになるのではないかという懸念がありますが、市の認識をお答えください。
 憲法13条は、全ての人が個人として尊重され、幸福追求権が保障されると掲げています。一人一人の生き方を応援するのが政治の役割であり、行政がサポートする、するべきことであると述べておきます。

こども未来局長
 また、「広島広域都市圏における若者の出会いイベントの試行実施」などの出会い支援は、ライフイベントの中、ライフデザインの中でも大きな要素の一つである「結婚」を希望しながらも、出会いの機会が少ない若者を対象に、若者同士が出会い、その後の結婚へと繋がるよう支援を行うものです。
 このように、いずれの取り組みも、結婚や子どもを持つことなどを希望していない若者に対して、特定の価値観を押し付けるものではないことはもとより、個人の尊厳を大切にし、それぞれの価値観や意思を尊重して支援するものであり、若者一人一人の自分らしい人生の実現をしっかりと後押ししていきたいと考えています。

【再質問】
中村たかえ
 ジェンダー政策について、プレコンセプションケアの国が概念を変えたことについて説明をされました。
 ただその概念を説明されればされるほど、包括的性教育を本当に子どもの頃から行う。それが求められるんじゃないかということは指摘しておきます。

3. 地方自治体の役割
(1)国民健康保険について

中村たかえ
 国民健康保険についてです。昨年、私の事務所に国保料が非常に高くなっているがどうにかならないかと相談の電話がありました。その方は70代前半で年金が前年から年間3万円増えたため、非課税世帯から課税世帯となり、国保の軽減から外れてしまい、前年の倍近くの保険料となっていました。年金が月2500円ほど増えたとしても、国保料だけでなく、市民税など税金の負担がそれ以上に増えてしまい、年金は増えているのに、かえって生活を圧迫するような事態が起こっています。そこでお聞きします。
 今年度の国保世帯で、令和6年度に7割、5割、2割の軽減を受けていた世帯のうち、令和7年度にそうした軽減を受けられなかった世帯の数をお答えください。

保健医療担当局長
 地方自治体の役割のうち、国民健康保険についての数点のご質問にお答えいたします。
 まず国保世帯において、令和6年度に7割5割2割の軽減を受けていた世帯のうち、令和7年度にそうした軽減を受けられなくなった世帯の数はいくらかについてです。
 令和6年度の当初賦課時点において、被保険者均等割と世帯別平等割に係る保険料の7割、5割、2割の法定軽減を受けていた世帯数は7万2754世帯であり、そのうち所得の増などにより、令和7年度にそうした法定軽減の対象とならなかった世帯数は、7375世帯となっています。

中村たかえ
 これまで生活保護を利用していた方で、年金が月500円上がったため、生活保護が利用できなくなったという方がおられます。少ない年金所得から国保料を納め、窓口負担もあるというのは、治療中断に繋がりかねません。治療継続を保障するために、国保法44条に基づく一部負担減免制度をもっと利用しやすくする必要があるんじゃないでしょうか。
 来年度も国保料は平均約1万円程度引き上がります。この状態が続けば、保険料は払えても、病院の窓口負担が払えない状況になる人が出てくるんじゃないでしょうか。そのため、国保加入世帯の負担軽減が求められています。
 住民の命と健康に責任を持つ自治体として、医療へのアクセスを保障するために、一部負担減免制度の拡充をすべきだと思いますが、市の見解をお答えください。

保健医療担当局長
 次に国民の命と健康に責任を持つ自治体として医療へのアクセスを保障するため、一部保険一部負担減免制度を拡充すべきではないかについてです。
 一部負担金減免制度は、収入が激減する事態が生じた場合の一時的な救済措置として設けられているものであり、国の通知で、減免期間は3ヶ月までを標準とすること、療養に要する期間が長期に及ぶ場合は、必要に応じて生活保護担当など福祉部局との連携を図ることなどが示されていることを踏まえ、減免期間の上限を6か月としており、拡充等は考えておりません。

中村たかえ
 また令和12年度から17年度で検討されている保険料率の県内統一は、広島市だけでなく、周辺市町の国保加入世帯の負担を増やすことにもなるため、統一保険料の合意はしないことを求めます。市はどのように対応するつもりでしょうか、お聞かせください。

保健医療担当局長
 次に令和12年度から17年度で検討されている保険料率の県内統一は広島市だけでなく、周辺市町の国保加入世帯の負担を増やすことにもなるため統一保険料の合意はすべきではないと考えるがどうか。についてです。
 国民健康保険の都道府県単位化は、他の医療保険制度と比べて、被保険者に占める高齢者や低所得者の割合が高いという構造的な問題に加え、高齢化や医療の高度化等により医療費が増加し、市町村のみでの運営が困難となることを踏まえて、開始されたものです。
 保険料水準の県内統一は、都道府県単位化の一環として、県内のどこに住んでいても、同じ所得水準・同じ世帯構成であれば同じ保険料負担となるよう、被保険者の負担の公平性の確保を目指して検討が進められているものであり、本市としては、そうした中で、被保険者の負担が急激に上昇することのないよう、県等と協議・調整を進めているところです。

中村たかえ
 この間、社会保険料を減らすことを掲げた政党が増えてきています。ここで注意が必要なのは、社会保険料を減らすといった際の財源が、OTC類似薬の保険外しなど、患者負担を増やすことと一体になっているということです。社会保険というのは、いざというときに誰でも医療、医療にかかることを保証した制度です。特に、患者負担を増やすということは、高齢者や難病患者、慢性疾患患者の医療へのアクセスを阻害することになります。
 これは、憲法25条2項が定めた国の責務である社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に反するものではないでしょうか。
 こうした負担増と給付抑制は、医療保険の根幹を壊すものになりかねないと考えますが、市の認識をお答えください。
 私たち日本共産党は、国民健康保険制度を支えるために国費の投入を求めています。
 社会保障を充実させる財源は庶民から搾り取るのではなく、TaxTheRich=これまで優遇減税を受けてきた大企業や大金持ちに支払い能力に応じた適切な課税を求めるものです。

保健医療担当局長
 最後に社会保険料を減らすことを掲げる制度が増えてきており、その際の財源が、OTC類似薬を保険対象外とするなどの負担増や給付抑制と一体となっており、医療保険の根幹を壊すものになりかねないと考えるが市の認識はどうか。についてです。
 現在、国において検討されているOTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しなどの社会保障制度改革については、現役世代の社会保険料負担を含む国民負担の軽減を図るとともに、医療保険制度を持続可能なものにしていくことを目指しているものと認識しています。
 本市としては、その検討に当たっては、丁寧にプロセスを進めていただきたいと考えているところ、国においても、医療機関における必要な受診を確保し、こどもや慢性化疾患を抱えている方の患者負担などに配慮しつつ、丁寧に議論を行うとされていることから、適切な対応をしていただけるものと考えています。

【再質問】
中村たかえ
 国保についてです。県内同水準で、保険医療も進めれるんだとか、進めていくと保険料も納めてもらうと言われたんですっていうようなことを言われたんですが、実際の医療機関の状況でいうと、市内の中でも格差がある。さらに県内市町でいくと、無医地区もたくさんあります。ちょっと県内統一っていうのは大変無理筋だっていうことは述べておきます。
 一部負担減免についてなんですけど、収入が激減したわけでもなく低所得で慢性疾患を抱えている場合、保険料を負担したら、治療継続することが困難になるっていう場合もあるんですよね。
 広島市内でも、かつて経済的理由による手遅れ死亡事例が報告されています。市としてもやっぱり保険料の減免や一部負担減免の制度を運用されてますが、その対象から外れてしまうっていうことは、結局必要な医療にアクセスできない市民を出してしまいます。
 やっぱり救済策として、市民の実情に合わせた運用すべきだと思うんです。例えば減免期間は半年で区切らずに治療が必要な期間を認めるなど、対象も被災した方や失業した方って前提せずに、低所得者も対象にすべきではないかと思うんですけど、市の認識をお答えください。

保健医療担当局長
 国民健康保険について一部負担金減免制度の対象期間や対象者について柔軟な運用するべきではないかとの御再質問にお答えいたします。
 一部負担金減免制度につきましては、先ほどご答弁しました通り、収入が激減する事態が生じた場合の一時的な救済措置という、国が示した趣旨に沿うよう、災害や失業等特別な事情により生活が著しく困難となった世帯を対象とし、減免期間の上限を6か月としているものです。
 療養期間を要する場合であるとかですね、恒常的に生活に困窮されておられる方につきましては、個々の状況に応じて生活困窮者自立支援や生活保護制度等に繋ぐなど、必要な対応を行っております。

(2)保育園の給食調理員について

中村たかえ
 地方自治体の役割は、住民の福祉増進です。その点で、公共の現場でケアにか携わる人を大切にすることが住民の福祉を豊かにすることにつながります。今、市として子ども子育てに注力する予算案が提案されています。そこに関連して、保育園の給食調理員についてお聞きします。
 保育園に通う子どもで、乳幼児期や医療的ケア児に対するきざみ食やとろみ食、宗教食など、個別の対応をすることも増えてきていると伺っています。保育園の給食も、単におなかを満たすだけのものではありません。食習慣を身につけ、心と体の成長を支えるものです。
 そうした中で、保育園の給食調理員は、食べ方に配慮が必要な子どもが、安全に給食を楽しめるように努力をされており、重要な役割を果たしておられます。その役割を考えると、正規調理員がどうしても必要なんじゃないでしょうか。そこでお聞きします。
 新しく開園する可部南認定こども園の調理員の配置はどのようになる予定でしょうか。また、正規調理員の不在園は今年度43園ということでした。来年度は正規調理員の不在園は何園になるかお答えください。
 医療的ケア児の受け入れがある園に限らず、どこの園に通う子どもも、給食を安全に楽しめるように、各園に正規調理員を置くべきであり、そのための職員の増員を求めます。

こども未来局長
 地方自治体の役割、委員のご質問のうち、保育園の給食調理員について新しく開園する加部南明てこども園の調理員の配置はどのようになるのか。また、来年度の正規調理員の負債円は何円かについてです。
 本年4月に開園する可部南認定こども園は、「広島市幼児教育・保育ビジョン」および同実施方針に掲げる本市で初めての拠点園として、医療的ケア児などの「特に専門的な支援を必要とするこどもの受け入れ機能」など、公立園が担うべき役割を果たしていくための拠点機能を担うことになります。
 現在、こうした拠点として果たす役割を踏まえた上で、適切な給食の提供体制について検討を行っているところです。
 公立保育園等における来年度の調理員の配置については、現在行っている職員採用試験や各保育園等における来年度の入園状況を踏まえ、3月上旬に決定することとしており、正規調理員の不在延数は現時点では未定です。

(3)DX推進について

中村たかえ
 最後に、DXの推進についてです。政府を上げて、自治体のDX化が推進されています。市民サービスの向上や職員の負担軽減のために、必要な取り組みであると思います。同時に、「効率的」「合理性」の下で、切り捨てられる住民が出てこないか懸念もあります。台湾のデジタル大臣を務めたオードリー・タン氏は、「デジタルから遠い人に合わせてシステムをつくることが大事」だと述べておられます。現在、第2期広島市DX推進計画が策定中です。そこでお聞きします。
 来年度当初予算では、生成AIの利活用の予算が計上されています。生成AIの活用はどのような分野になるか、現在想定している具体的な中身をお聞かせください。

企画総務局長
 自治体の役割のついてのご質問のうちDX推進について2点のご質問にお答えします。
 まず来年度当初予算で計上されている生成AIの活用は、具体的にどのような取り組みや分野になるか。現在想定している具体的な中身を聞かせて欲しいとのことです。
 現在導入している生成AIは、公開情報に基づく一般的な回答を生成するものであり、会議録の要約や文書の表現調整、資料作成の補助など、汎用的な事務支援に活用している一方で、本市固有の手続きや内部情報を扱う業務への活用には一定の限界があると認識しております。
 このため、新年度は、本市が保有する庁内文書や業務マニュアルなどを安全に学習させ、実務に即した回答ができる組織専用モデルの構築機能を備えた生成AIを試行導入する予算を計上しております。
 事業の実施に当たりましてまず、数か所の所属を選定して、情報の学習方法や回答の精度を検証することとしており、その成果を踏まえて活用拡大を検討していきたいと考えています。

中村たかえ
 DXで行政手続きの現場の負担軽減と市民の選択肢を増やすというのは大切です。ただ、デジタル技術に馴染めない市民やデジタル技術が使えない市民がいることを考えると、使える人だけ、使いたい人だけ使えればいいという自己責任が持ち込まれかねないと思いますが、市の認識をお答えください。

企画総務局長
 次にデジタル技術に馴染めない市民やデジタル技術が使えない市民がいることを考えると、使える人だけ使いたい使いたい人だけ使えれば良いという自己責任が持ち込まれないかねないと思うが、市の認識はどうかについてお答えします。
 DXの推進に当たりましては、デジタルに不慣れな方がおられることは当然認識した上で、そうした方々のサポートを目的とするデジタルリテラシーの向上を図る取り組みを、現行のDX推進計画から継続して次期計画にも掲げることとし、その素案を先般市議会に報告したところです。
 こうした取り組みによりまして、より多くの市民がデジタル技術を用いた各種サービスの恩恵を受けるとともに、安全・適切に情報や技術を利用できるようにしていきたいと考えております。
 今後とも、デジタルが使える方にはより便利に、使いづらい方にはしっかりと寄り添い支援等を行うことで、デジタルの利点を享受できるよう努めることとし、誰一人取り残さないDXの推進に取り組んでまいります。

中村たかえ
 デジタルに遠い人にも恩恵があるような優しいデジタル技術の導入が求められています。弱い立場に置かれている人が、行政サービスから遠ざけられることがないように、DXの推進も、困っている人へ施策を届けるという視点を持っていただくことを要望します。
 憲法97条では、多くの犠牲の上に獲得された人民の基本的人権は、幾多の試練を耐え、今と未来の人民に対して侵すことのできない永久の権利とうたっています。最大の人権侵害である。戦争をしない、させないために政治の役割が求められます。自治体で言えば、一人一人の幸せを応援するために、役割の発揮が求められます。多くの施策がありますが、数値ありきでなく、いかにして広島で生きていきたいと思える市民を増やしていくか、その視点が重要だと思います。憲法を生かし、一人一人の生き方を応援する市政運営を求めて質問を終わります。

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