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付託議案
第66号議案一般会計補正予算(第1号)
・新型コロナウイルスワクチンの接種事業について
・被爆証言応答装置の製作について
第73号議案契約の締結について(中央図書館等をエールエールA館に移転するもの)
討論
第66号議案一般会計補正予算(第1号)のうち、被爆証言応答装置の製作について、第73号議案契約の締結について
付託請願
請願第4号「中央公園内の公共施設の集約化等に係る方向性」について再検討を求めることについて、請願第10号「広島市こども図書館」の再整備について
請願第20号G7広島サミット記念コーナー(仮称)を設置しないことについて
請願第26号イスラエルに対して、即時停戦と和平協議への参加を求めることについて
討論 請願第20号G7広島サミット記念コーナー(仮称)を設置しないことについて
討論 請願第23号被爆80周年に向かって53年間ヒロシマ・ナガサキ11万軒世帯の合体標語を実現するための意見書の提出を求めることについて
付託案件外
被爆遺構展示館から平和祈念館までの間につくった通路について
(中森辰一)
おはようございます。議案についていくつか質疑をさせていただきたいと思います。先にこの第66号議案、一般会計補正予算(第1号)の歳入についてちょっと確認をさせていただきたいと思うんですが、この全体のそれぞれの個別の事業の説明を受けたんですけれども、新型コロナウイルスワクチンの接種事業で自己負担額が3200円ということになっております。
大体、これまでの最近の接種状況は55%程度ということですけれども、自己負担が増えてくると多分5割程度に落ちるのかもしれません。それで計算しておよそ5億円程度の自己負担の収入が入るということになるんですが、これはこの歳入の中で扱われてるのかどうか。ちょっと教えてください。
(財政課長)
自己負担額に関してはこの3200円分については歳入の中には含まれてございません。
(中森辰一)
わかりました。含まない予算だということですよね。
(中森辰一)
それで同じく66号議案の補正予算のうち、被爆証言応答装置の製作というのがありますけれども、これについて少し伺いたいと思うんですけれども、これは本会議でも聞いたわけですが、AIを使って利用者の質問に、被爆者が答えるような形で説明する装置ということかと思います。広島市は被爆体験伝承者という制度を作っていて、今伝承者になられた方々が活動しておられるわけですけども、これは何をしていただくものでしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
この応答装置自体の内容でございますけども、あらかじめ撮影しました被爆者のインタビュー映像の中から、利用者の質問内容に含まれる単語などをAIが認識して適切な回答を選んで音声入りの映像を再生する仕組みで、利用者が被爆者に質問をし、それに被爆者が答えるというやり取り、つまり応答する装置でございます。
(中森辰一)
私の質問と違う答弁だと思いますが、今伝承者をお願いをして、いろんな手続きを経て伝承者になられた方々が、活動していらっしゃるわけですけども、この伝承者の方々は、どういうふうなことをしておられるのかということを、今質問をしたんです。
(被爆体験継承担当課長)
伝承者につきましては、被爆者の被爆体験であったり、平和への思いを確実に受け継ぎまして、それを修学旅行生をはじめ多くの方に伝えていただいているというものでございます。
(中森辰一)
被爆者の個別それぞれの証言者の方、それぞれに伝承者がついていて、その内容を忠実に再現できるように何度も何度も証言者のお話を伺って、それでこれで違うことは言わないよねとか、勝手なことは言わないよねというふうなことが確認できる、そういうところまで研修を積む訓練を積んだ上でやっていらっしゃるということだというふうに思うんですよね。
それで、これまでは、被爆者の皆さんが高齢をおして、被爆体験の証言をしておられました。これは被爆者の皆さんが高齢になられて次第に亡くなられていく中で、証言者の皆さんの思いと証言の内容を引き継いでいくために、伝承者という取り組みを行っているんだというふうに思うんです。それは、被爆者の証言を忠実に、被爆者に代わって再現するこういう取り組みだというふうに理解をしております。
要するにあくまでも歴史上の事実として、被爆者の方々が証言されたことを引き継いで伝えていくという形、被爆者の証言を代行する被爆者が証言されたことから外れないように伝える形をとっているものだというふうに理解しているわけですけれども、そういうふうなことでよろしいですか。
(被爆体験継承担当課長)
委員ご指摘の通りでございます。
(中森辰一)
歴史上の事実としての人類初の原爆の使用その原爆が炸裂したときに、直接爆風を受けたり、熱線を浴びる区域におられた、あるいはそのあとに市内に入られた、または大勢の被爆者の介護の場に立ち会った、黒い雨の被害に遭ったなど、被爆する状況の方にあったという方々が被爆者ということになっていらっしゃるわけですけれども、そういうことと同時に、被爆者1人1人違うその被ばくの状況、見聞きしたその場の状況、家族や知人の状況、自分やその周りの人々の行動、そして自分の思いなど、個々の被爆者のそれぞれの歴史上の個人的な事実。これを被爆者の皆さんが個々に伝えてこられたものだというふうに思いますが、これが被爆証言だということだと思います。それらの証言は、全て1人1人違う内容が、1人1人の事実として語られてきたものだと思います。
被爆者の証言というのは、1人1人の被ばく者の皆さんが個々に体験された事実を語りそのことを通して、歴史上の事実として、被爆の実相と言われるものを知ってもらうことが重要なことだというふうに思いますけれども、どうお考えですか。
(被爆体験継承担当課長)
委員おっしゃる通りだと思います。
(中森辰一)
被爆体験伝承者は、被爆者の証言を受け止めて、その方々の代わりに生身の被爆者から聞き取ったことを、生身の人間としての自分が伝え広げようと取り組んでおられるのかというふうに思うんですね。
本会議でも指摘されたことですけれども、私は被爆証言というものは、生であっても録画であっても、20分になるか40分になるか、あるいはもっと長いものかもしれませんけれども、それだけの被爆体験の全体を聞いていただくことで、原爆被爆というものが何をもたらしたのかということを、この被爆者の体験を通して受け止めてもらえるものだというふうに思います。
今回の装置というのは、あらかじめ設定された質問に答えていただいた被爆者の回答が録画されていて、それらの用意された質問と回答を持っていって、学校や資料館に来られた人たちから、個々に出された質問に一番近い質問をAIが直ちに選択して、回答の映像と音声を流すということで、AIが勝手に回答するわけではありません。
しかし、質問する側も、質問の内容は千差万別だというふうに考えられるわけです。そうしますと、あらかじめ用意した質問への回答と少しずれているものになるかもしれません。それなら、最初からそれぞれの被ばく者の被爆体験の一定まとまった証言を聞いてもらうだけでいいのではないかなというふうに思うわけです。
この取り組みは、NHKがそういうものを作ったからそれに倣うということにしたということだと思いますがそれでよろしいですか。
(被爆体験継承担当課長)
今回の装置はNHKが作られて、それが非常に評判良かったということでつくるものでございます。今委員のご指摘がございましたように、被爆者の講話自体が被爆者の体験と平和への思いをまず話して、その後今質疑応答をしておるというところです。
それが、この何年後かにはこの被爆者の体験、思いを聞くことができなくなるということから、今回のその応答装置の運用に当たりましては、あらかじめ被爆者証言ビデオを見ていただくとか、そういうのを合わせてすることで、より被爆者の思いを深く理解していただくように考えております。
(中森辰一)
その証言を聞いていただく、見ていただくとそういうことは当然、やっていかなければならないことだというふうに思うんですが、問題はその質問がこれから機械で回答するようになるというところになるんだと思うんですよね。
平和教育の現場では、その年齢に応じた形で被爆資料などを活用して事実を知ってもらう。そして、被爆の実相というものを伝える努力を行うということが必要で、被爆者の証言とか話とか、その上で一定の時間をとって聞いてもらうようにしていただいているというふうに思うんです。今おっしゃったようにね。
それから、資料館などに来られたり、被爆者の証言に触れたいという意識を持った方々に対しては、そもそも強い関心があるからこそ、資料館に来られたり、外国の方はわざわざ広島の平和記念公園を訪問されたりするわけで、そういう方々には一定の時間をとって証言を映像と音声で直接見て、聞いていただくということも、最も大事なことではないかなというふうに思います。
他方、今回やろうとしていることは、発達した電子機器の技術を使って、その場にいない被爆者、あるいは既に故人となられた映像の中の被爆者に対して、今現在生きている人から、生の質問を発して回答してもらうというものなわけです。
しかしこれは本来は実際に被爆を体験した生身の人間に直接聞けるわけではないのに行う、つまり、あり得ないことをやるわけですよ。どうしてもバーチャルな形になってしまいます。結局はアトラクション的なものになってしまうのではないかというふうに心配をするわけです。
広島市としては、これまで行ってきた資料館の資料を見ていただくということともに、被爆の実相を被爆体験の証言を聞いていただくことを通じて掴んでいただくという取り組みだったわけですが、今後は、伝承者の取り組みや、被爆者の証言映像をそのまま見ていただく、つまり、被爆者1人1人の歴史を事実として証言映像という形で追体験していただいて、というそういう形で進めていくということが大事になるんだろうというふうに思うんですね。今申し上げたことについて、どういうふうにお考えになりますか。
(被爆体験継承担当課長)
委員ご指摘の通り、被爆体験を確実に後世に継承していくことが本市の責務と考えております。
そういった観点からおきまして引き続きまして平和記念資料館の見学をしていただく、あと被爆者証言ビデオも撮っていく、そうした中でこの被爆証言応答装置も作っていくということで、様々な取り組みを行っていて本当に最善を尽くしていって、広島市の責務をしっかりと果たしていきたいと考えております。
(中森辰一)
あなた方が、この被爆者の体験を後々様々な形で、追体験できるようにしたいという思いはわかるんですよ。思いはわかるんですが、先ほど申し上げたようなことを心配しているわけです。
現実にたくさんの被爆者の証言映像が、国立の追悼記念館にもありますし、資料館にもあります。これらは被ばくに関わる歴史上の映像という形で残されたものだと思います。これらは歴史上の事実を証言されたものとして、自然に受け止めることができるものだと思うんですよね。
しかし、応答装置に登場される被爆者の方が今後なくなった後は、亡くなった被爆者に質問をするという現実にはあり得ない形、つまりバーチャルな形で亡くなった被爆者と対話するという形をとるものになります。しかも、市が選定した5人の方だけの被爆体験に限定されるものであります。
私は証言される被爆者の方々が亡くなった後は、証言映像を見てもらって、個々の証言者の被爆体験を追体験していただく、そういうことでいいのではないかなというふうに思っております。
(中森辰一)
次に、第73号議案契約の締結についてですけれども、これは中央図書館等移転整備その他工事その1ということなんですが、14ヶ月かけて工事を完了させることになっております。
次のその2の工事というのが完了する、最終的に完了するのはいつの予定でしょうか。
(生涯学習課長)
ほぼ同時期と考えております。
(中森辰一)
その2も、14ヶ月後には完成するというふうに今おっしゃったんですか。
(生涯学習課長)
ええその通りです。
(中森辰一)
わかりました。要するに後14ヶ月ですから、この移転整備工事そのものは、14ヶ月後にはもう完全に終わるというふうな理解でよろしいですか。もう一度確認させてください。
だからもう、工事そのものはもう14ヶ月後に終わるよ。その次は引っ越しだというそういうふうな理解でいいということですか。
(生涯学習課長)
概ねその理解でよろしいと思っております。
(中森辰一)
それから、この工事契約額ですけれども、本会議の答弁で、エールエールA館の建物をよく知っている業者から見積もりを取ったものだ、この業者にやっていただくということで、そこから見積もりを取った額だというふうな説明をしていただいたというふうに思いますが、議案書ではどこが工事を施工するかっていうのわからないんですよ。特命随意契約みたいな形なんだというふうに思いますけれども、受注する工事業者はどこでしょうか。
(生涯学習課長)
具体名はここではちょっと差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、あの施工業者の選定に当たりましては、安全で効率的な工事施工等の観点から、施設の構造等を熟知した業者を選定するという旨、広島駅南口開発株式会社から聞いております。
(中森辰一)
広島市が直接発注する場合は、ここに工事業者の名前が出てきて、この額でいいかというふうな議案になってくるわけですよ、ところが工事をしない南口開発株式会社に委託をするという形の契約になっていますよね。そうすると、本当にこの工事業者でいいのか、この金額でいいのかっていうのは、実はここではね、まさにブラックボックスで全然わからない。全然わからないものを、承認してくれというそういう話になってくるんですよ。
で、何が問題かというともう一つは、今回はいわゆる特命随意契約、公共工事で言えば。そういった形になっていて、1社から、その業者から見積もりを取って、今回その見積もりを出してもらった額が、今回の契約額に一応上限額ということになっているということなんですよね。
その見積もり額が妥当性があるかどうかっていうのは、どういうふうに判断されたのかということを本会議で聞きましたけれども、南口開発株式会社の方で検討して、それは妥当だと判断したみたいなそういう答弁だと思いますが、本当にそれで妥当性が、我々が納得できるのかというのがよくわからないわけですよ。
この、上限額というふうに書いてあるけれども、これで契約をするんだというふうな答弁もありましたから、そうすると、この契約額、提示された額が本当に妥当かどうかっていうのは、我々にはね、実はわからないんですよ。あなた方も、証明できないでしょう。
今回、どこの会社かがやるのかということを、名前を出すのは控えるというふうにおっしゃいましたけれども、これはねやっぱりそのやり方として非常に問題があるなというふうに思うんですよ。どうなんでしょうか。契約のあり方として。
(生涯学習課長)
まず委託金限度額の算出についてでございますけれども、委託料の算定に当たりましては、工事内容や算定金額が適正であるかを確認するため、委託先となる広島駅南口開発株式会社が見積もりを徴収しておりますけれども、本市においても、その内容が、実施設計の図面通りの工事内容や数量が計上されているかなど、本市においての確認をした上で決定しているというふうに認識しております。
(中森辰一)
1社から見積もりを取って、その見積額が妥当性があるということで、今回契約案件を提示したということになっておりますけれども、せめて、同じ施工能力を持った会社と相見積もりぐらいは取っても良かったんではないかなというふうに思うんですよ。
そうしないと、競争性というものは全く発揮されてないわけですよね。通常であれば入札をするでしょ。今回入札もしてないということになってるわけですよ。これそんなやり方でいいんだろうかというふうに疑問なんですけども、こういうやり方について、ちょっとその契約に関わるところで何かその、これでいいのかどうかということに関して、何かお答えいただけませんか。
(生涯学習課長)
施工業者の選定につきましては、安全で効率的な工事施工等の観点から、施設の構造等を熟知した業者が選定するという必要があろうかと思っております。
この度の工事は、テナントなどが営業している中で行うというような工事にもなりますので、そういったところで、この建物も安全で効率的な工事施工ということを考えますと、そういったものを熟知していた業者を選定するということは必要であると考えております。
(中森辰一)
手間はわかります。わかるんですが、手間わかるんですけども、例えば資材価格であるとかですね、人件費も含めて会社によって変動する要素ってのはあると思います。
そういうことがね、1社だけの見積もりでは、結局そういう分野での競争性というのは発揮されないということなので、やっぱりこういうやり方は問題があるんじゃないかなというふうに思います。
(中森辰一)
第66号議案一般会計補正予算(第1号)のうち、被爆証言応答装置の製作についてですが、新しい技術を活用して、現に存在していない被爆者に質問をして、本人が回答したように見せるというのは、これやっぱりバーチャルなもの、アトラクション的なものにならざるを得ないものだというふうに思います。
その点で、この世のものではない地獄のような現場を体験された被爆者の皆さんが、あえてその地獄の惨状を思い起こして、次世代や外国の方々にも伝え、2度とあってはならないことを訴えようとしてこられた思いを、慮って共感し、真摯に受けとめ考えていただくというこれまでの取り組みを、その体験そのものを残していく努力を続けることが、大事なことではないかなと思います。
いたずらに新しいものに頼ることなく、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶への強い思いを培ってきた、これまでの取り組みを愚直に継続しているいくことが、被爆地の使命でありますし、その取り組みがこれまで世界を動かしてきたし、今後も世界を動かす力になるのではないかと思います。
ゆえに、この事業には賛成できませんが、ワクチン接種を始め、重要な取り組みが他の項目として、たくさんありますので、先ほど質疑で申し上げたことも含めて、以上の意見を付して第66号議案には賛成をいたします。
第73号議案契約の締結については、中央図書館など商業ビルのエールエールA館に移転整備するための議案です。
大都市であり国際平和文化都市であると標榜してきた広島市の文化の拠点たるべき中央図書館は、平和の発信拠点の一つとしても、それにふさわしい立地と建物にするべきであると考えているところであり、この事業自体に、異議を申しあげてきた立場からこの議案には反対します。
なお、工事を行うにあたって、特命随意契約のような形をとって業者の見積もりをそのまま契約額に採用するのは、その額の妥当性に疑問が残ります。
これは通常の入札で言えば、施工業者が予定価格を算出し、その施工業者が予定価格の100%で契約するということであって、少なくとも施工能力を有する別の業者に相見積もりを取って、資材価格などについては検証するべきであるというふうに思います。その他の議案には賛成いたします。
(中森辰一)
いくつかの請願について発言をさせていただきたいと思います。まず、請願第4号と請願第10号中央公園内の公共施設の集約化等に係る方向性について再検討を求めることについて、および広島市こども図書館の再整備についてということであります。まとめて発言しておきたいと思います。
現状で、こども図書館と子どもを文化科学館とが入っております建物これはリニューアルしてそこに追加で青少年センターの機能を持ち込むというふうなことになっております。総面積が変わらないわけですから、また耐震化工事によってわずかでも利用可能面積が減るわけでありますので、普通に考えるとこの三つの機能を入れ込むのは無理だというようなことになります。それをやることになりますと、これらの機能を縮小するということにならざるを得ないのではないかと思うわけです。
青少年センターの機能は追加で持ってくるわけですがこども図書館もこども文化科学館もいずれもそれぞれの面積は縮小していくというのが普通に考えられることだと思います。
その中で一つだけ面積を広げれば他の機能より縮小するということにならざるを得ません。リニューアルだというわけですけども拡充にはなるまいというふうに思うんですけれども、こういう二つあった機能をそこへもう一つ機能を持ってくる、しかし面積は広がらないというこういう計画ってのは無理があるというふうに普通に思うわけですけども、この点についてはどうお考えですか。
(文化振興課長)
今の議員の御指摘の中で、まずこども文化科学館、こども図書館等の今回の中で機能が維持できるかというところでございますけれども、まずこども文化科学館につきましては、青少年センターの一部機能が移転することによりまして、面積が多少減少することが見込まれますが、アポロホールなどの諸室を多目的利用できるよう使用を見直すですとか、イベント実施時に屋上や中央公園内の屋外スペースなどを活用するといったことで機能は維持できるものと考えております。
またこども図書館部分につきましては、おおむね床面積は維持するということで機能を維持できるものと見込んでおります。
(中森辰一)
こども図書館は拡充してほしいというのがこの請願書の求めていることだと思うんですね。今の市の計画はそれに応えるものとはなっていないのではないかなということであります。
そもそも市の元々の計画では、こども図書館はエールエールA館の方に持っていくことにしておりました。ところが途中から計画を変更して、こども図書館はエールエールA館には移さずに、今の建物に残すということになりました。そこから、どうもこの無理なレイアウトというのを考えざるを得なくなったんではないかなと思うわけです。
初めてのガラス張りのこども図書館、丹下健三さんによる図書館ができたときの大きさがちょっとよくわからないので、今のこども図書館との比較はできないんですけれども、今のこども図書館ができて以降も、子どもに関する本は相当に増えておりますし、現状と大して違わない程度のスペースでは蔵書も増えている中で、様々な機能が期待されている新しいこども図書館としての発展というのはなかなか期待できないのではないかなというふうに思うんですけれどもどうなんでしょうか。
(生涯学習課長)
こども図書館につきましては広島市立図書館の再整備基本方針に掲げました機能・サービスの充実をこの限られた面積ではございますけれども、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
(中森辰一)
最低限の問題として二つの施設の全体のスペースが変わらない中で、追加で青少年センターの機能まで無理やりねじ込んでくる。これは無理がある。先ほどの答弁では、その分こども文化科学館のスペースが縮小するというふうな答弁だったわけですけれども、やっぱりこれは考え直して市としては老朽化した青少年センターは現在地にホールなしのもっと小ぶりの施設を建て替えるというふうな方向に転換するべきだというふうに思うんです。
この点はもっと若者を大事に扱うべきではないかと、本会議のをやり取りを聞いておりましても、どうも広島の若い人たちを大事にしてないんじゃないかなというそういう気がいたしましたので、この点はあえて申し上げておきたいというふうに思います。
ところで先日の本会議の一般質問の中で、建築家の安藤忠雄氏が資金を提供してこども図書館に隣接して、「こども本の森」という子どもの本に関わる施設を作るというお話がありました。
本会議でいくらか説明がありましたけれども、これは改めて聞いておきたいと思うんですが、いつそういう話が始まって、これはどこまで進んでいるんでしょうか。
(生涯学習課長)
本会議でも局長の方がごご説明いたしましたけれども、安藤氏側からのお話がありましたのが、令和4年6月ということで、最初にお話がございましたように令和4年6月ということでございますが、その後令和4年の秋頃に終了しますし、市の方に整備寄付をしたいという意向がはっきりと確認できたということでございまして、その後協議を続けてきたということでございます。
整備箇所等につきまして協議を続けておりまして、5月までにこども図書館の隣接地を整備の候補地とするということでおおむねの合意ができたという状況でございまして、その他の内容につきましては、現在なお協議中ということでございます。
(中森辰一)
どの程度の敷地が使われることになるのか、それから今の中央公園内の施設の配置計画とかこども図書館のあり方の議論に、これ影響が及ぶことになるのではないかと思いますが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
(生涯学習課長)
現在子どもの本の森に関しては安藤氏側と実現に向けた協議を続けているということで、詳細についてはまだほとんど協議中の内容ということになります。面積につきましてもまだ明確にお示しするという状況にございません。
また中央公園全体のあり方に関するということでございますけれども、そのあたりの整理も今後進めていきたいと思っております。
(中森辰一)
もう一つこども図書館のあり方の議論に影響が及ぶんではないかなというふうなこともあるんですがこの点はどうですか。
(生涯学習課長)
こども図書館につきましては、令和4年12月に策定いたしました広島市立図書館再整備方針で掲げたこども図書館の再整備方針ございます。こちらの方は現在の建物でしっかり取り組んでいくということにしておりますけれども、仮にこども本の森がその隣接に設けられるということになった場合には、このこども本の森の整備を踏まえた一定の再整理を行うということが考えられるというふうに認識しておりまして、再整備を行うという場合にはまたお示ししたいというふうに考えております。
(中森辰一)
影響が出る可能性があるというふうな認識でいいのかなというふうに思うんですけど、中央公園内の施設の再配置の問題とか、こども図書館の施設のあり方、運営のあり方などについて、市民の間でも市議会でもずいぶんと議論が行われてまいりました。
その中に割って入るように、こども本の森という子どもの図書施設というものが作られようとしているわけですよね。議会でも市民の間でも議論が行われている、こういう中で、この別な施設が子どもの本に関わる施設が入ってくる。これ非常に重要な問題だと思うんですが、なぜ今までこのことが公表されなかったんでしょうか。
この前の本会議で突然我々は聞いたわけですよ。なぜこういう突然な形で、もう本決まりというふうなものが出てくるのかというのが非常に不信感が出てくるわけですけども、この点どうでしょう。
(生涯学習課長)
個別具体の協議内容が協議継続していたということがございまして、なかなか相手方のある内容で、公表するということができてこなかったということがございますけれども、この度公表させていただいて、また○○していただき、まだ協議中の内容かなり多くまだ残っておりますけれども、そういったこともまた皆さんのご意見いただきながらよりよい形を目指していきたいと考えているところです。
(市民局次長)
ただいまの答弁にちょっと補足で説明をさせていただきます。まず本会議の一般質問におきましても、本年5月までにこども図書館の隣接地を整備候補地とする方向性で、実現に向けた協議を行うことになったというふうに説明させていただいております。
本当に近々に要はそういうふうな調整が実現に向けて進みつつあるというふうな状況でございます。ですので、ただいまの本決まりというふうな言葉を使われたと思いますけれども、これはあくまでも実現に向けて協議を進めているというところでございますので、整備がもう確定になったというようなものではないということを申し添えます。
(中森辰一)
そういうふうな答弁を聞きます。じゃあなくなる可能性もあるというふうなことでいいんですか。
(市民局次長)
今現在調整中であると我々申し上げております。実現を確定するというものは、あくまでも相手方と正式に何らかの合意を交わす、そして文書を交わすそういったものがない限りは確定したというふうには言えるというものではございませんので、先ほどの本決まりという言葉についてそれは今現在調整中であるというふうに申し上げております。
(中森辰一)
これまでね令和4年というふうにおっしゃったんですけれども、この間の議論というのは一体何だったのかなというふうなことにも関わる問題だというふうに思うんですよね。
安藤さんが全国でもう既に4ヶ所そういったものを作っていらっしゃいますし、広島以外にもう1ヶ所北海道の方につくるというふうな計画も進んでいるように見えますけれども、広島市には既に図書館が、こども図書館があって、そこに隣接すると、隣接したというふうにおっしゃいましたけれども、当然このこども図書館との関わりが出てくるというふうなことになるわけですよ。だからその関係をどうしていくのかっていうのはやっぱりこの間の議論の中でも本当はあるべきだったというふうに思うわけですけれどもね。
そういう点でいうと、もっと早くにこういうお話がありますよということを公表していただいて、市民の間からもどういうふうなものがいいのかと、こども図書館のあり方が変わってくるなら変わってくるで意見を出すこともできるし、あるいはこの新しいもしかしたら設置されるかもしれないこども本の森広島というのかどうかわかりませんけども、そういうものの内容に対してもですね、意見を出していくということが、これまでもできたんではないかなというふうに思うわけですよ。
そういう点ではもっと早くに公表してこういうふうな話がありますということをやっぱりやってよかったんじゃないかなというふうに思いますし、そんなにこれ秘密に進めるようなことだったんだろうかというふうにも思うわけです。
その点はね、このあり方進め方という点では、やっぱりよくよくできるだけオープンな形で物事を進めていくように、これからもしていただきたいなというふうに思います。
それで、こども図書館に隣接して設置するということなんですけれども、そうしますと当然、先ほどもちょっと少し触れましたけれども今のこども図書館、これから作るこれから中身を機能を整備していくというこども図書館、その役割との関係とは当然考えるようになるわけですけども、今、市としてこども図書館の役割との関係っていうのはどういうふうになるというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
(生涯学習課長)
こども本の森に関しましては、先ほど来ご説明しております通り、実現に向けて協議を行っている途中ということでございまして、まだ決定する内容ではございません。
基本的には、こども図書館はこども図書館といたしまして市立図書館の再整備基本方針の方で示させていただいた機能サービスの充実をしっかり果たしその実現に取り組んでいくということをやらせていただくということだと思っておりまして、仮にこども本の森の方がですね、整備が決まってくるというようなことになりましたときにですね、役割等をですね合わせて整理していくというようなことがありうるんではないかということを申し上げたということでございます。
(中森辰一)
こども図書館はこども図書館としてというふうにおっしゃったんですが、本当にそれでいいんだろうかと思うわけですよ。
今まで遠野市、大阪市の中之島、神戸市、熊本市この4ヶ所に設置されておりますけれども、いずれも建設後はそれぞれの市が行政として管理運営するということになっております。それ以外に、札幌市と北海道大学で提携して2年後のオープンを目指しているこういうふうな話もあります。
広島市に設置されて広島市が管理運営を行うということになりますと、当然管理運営経費あるいは相当の人件費というのが毎年必要になってくるわけですよね。
さらに、これも当然のこととして広島市の図書館整備方針の関わりというのはこれは必ず出てくるというふうに思うんですよ。出てこないとおかしいと思うんですよ。この施設は建設費を安藤氏が出すということもありますけれども、安藤氏が自らのコンセプトに沿った建築設計を行うということのようにうかがわれます。ホームページで検索をしますと、どれも同じようなコンセプトだなというのがわかります。それは市のこども図書館の整備方針やコンセプトと合致するわけでは必ずしもないというふうに思うわけです。
これまでこども図書館のあり方などについてはいろんな議論がなされてきて、それ自体まだ不十分だというふうに思いますけれども、そういうものと関係なく別なコンセプトの児童の本に関わる施設がこども図書館の隣にできる。それを広島市が相当の経費を毎年負担して管理運営するということは、これは簡単に結論を出すことは難しいんじゃないかなというふうに思うんですが、この点はどうなんですか。
(生涯学習課長)
簡単に結論が得られるかということ、当然検討すべきことがたくさんございまして現在も協議をしていることが多いという状況でございます。
全体といたしましては、こども本の森がですね、あのこども図書館の隣接地、あるいはそことも限ってはおりませんけれども、そちらの方に整備されれば、本市の目指す子どもの読書環境の充実を図ることができるという認識を持っております。
(中森辰一)
大阪も神戸も遠野も、それから熊本も大規模地震災害との関係で、安藤氏が子どもたちの読書を促進しようというお考えで作られたというふうに受け止め受けとめられます。
しかし広島市は大規模地震災害から復興した都市ではありませんし、既にこども図書館という独立した子どものための本に親しむための施設があるわけですね。どういうふうな考え方で広島に設置したいというふうに言っていらっしゃるんでしょうか。
(生涯学習課長)
広島にというところですけれども、平和への思いというものがですね、安藤氏の方にもおありになるというふうには認識しております。
(中森辰一)
それは広島に設置したいという限りはそういうふうなことぐらいは言われるんだろうなというふうに思いますけれども、これまでは、大規模地震災害があったそういうふうなところに、子どものための本の施設を作りたい、子どもに本に親しんでもらう場所が要るというふうなお考えで設置をされたと。住民との一部ではいろいろ軋轢もあったようですけれども、そういうふうなことでやってこられた。
しかしこれ今回は、だけれども今回はちょっと違うよねということだと思うんですよね。
世界的に著名な建築家が広島市に無償で施設を提供しようという提案に対して、現状の市の実情を無視してですね、どうぞどうぞと何でもいいですというわけには、これはいかないのではないかなと思います。
私は、今の市のこども図書館のリニューアルの案をそのまま容認する立場ではありません。そのことを前提にしてあえて考えますと、仮に管理運営費が余分に必要になってでも安藤氏の申し出を受け入れるということにするにしてもですね、単に安藤氏のコンセプトをそのまま受け入れるということではなくて、これからその機能を発展させていこう、いろんな機能をもっと充実させよう、拡充しようというふうな議論もしているこども図書館とワンセットの施設として、これからのこども図書館の機能の中に組み込む、こういう考え方が必要だというふうに思います。
こども図書館はこども図書館、安藤氏が提供するこども本の森の施設はこれはこれ、でいいわけにはいかないと思うんですよ。そうでなければ、貴重な中央公園の敷地を使ってですね、あえてこども図書館に隣接して、新しい子どもの本の施設を作る意味がないし、毎年税金を新たに投入して、この新たな施設の管理運営を行う意味がないと私は思うんですけれども、これについてはどういうふうにお考えですか。
(市民局次長)
すいませんまずこども本の森のコンセプトなんですけれども、安藤忠雄氏が思ってらっしゃることなんですが、これはやはり自分がですね、戦中戦前ですね子ども時代を過ごした中で、やはり十分に読書に親しむことができなかったという思いからですね、やはり人間の心の成長にとって最高の栄養は本である、そういうふうな思いを持たれてぜひとも子どもにですね、実態ときから本に触れ、そして見識を広げ、そして世界に思いを馳せ、そういうふうな広い視野を持った子どもに育って欲しいというそういうコンセプトでもってこれまで議員からもご紹介のあったとして、作られてこられたものでございます。
主にはこれまで震災復興というものにテーマを当てられて寄付をされてこられたという経緯はございますけれども、今回広島に申し出をいただいたというのは、平和発信そういうふうなところをですね行っている広島市にですね、ぜひとも作りたいという思いがおありになって、こういうふうな、あの申し出をいただいた、あの広島のいわゆるその市民のこれまでのですね思いであるとか活動であるとかそういったものについて、やはりあの共感をいただき我々の方にこういうふうなお話をいただいたというふうにこちらとしては受けとめております。
当然ですね、児童図書館をはじめとするですねこども図書館の歴史というものもございますので、寄付を受けるからには我々もですね、あのこども本の森、それからこども図書館のですね、あの相乗効果どのようにすればそれぞれの施設がですね、最も効用を高められて、そしてそれぞれの施設としてあの親しんでいけるものになるのか、しっかり子どもが学び、読書する場となっていくのかということをですね、これからですね安藤事務所としっかり調整をしながら考えていきたいというふうに思っております。
そうした中で、例えば今再整備方針の中でですね、あのこども本の森の機能の充実そういったものについてかけさせていただいておりますけれども、それについて見直しが必要ということであれば、あの適時見直しをし、その際市民のご意見の方もしっかりとお聞きしていくというステップはあの踏んでいきたいというふうに思っております。
いずれにしても今回のお話というのは、あの後世のあの広島の市民そして子どもたちにとってあの財産となるようなあのものになっていくというふうに我々思っておりますので、そういうふうなものにちゃんと近づけるようにしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
(中森辰一)
今おっしゃった安藤さんの思いっていうのは、これは広島市が独立してこども図書館を作った思い、これは変わるわけではないんですよね。
なので全く別々のものではないというふうな考え方で、やっぱりワンセットのものとしてねどういうふうにしていくのかというふうなことをやっぱり市民の皆さんにも情報提供もして意見も聞いて議会でからも意見を出し合うというふうな形でね、より良いものが作られるというふうな方向性、私らは本当はこのこども図書館も老朽化もしている立て替えてほしいというふうに思っているわけですけれども、それを横に置いといたにしても、やっぱりそういう方向性っていうのは大事ですよということを申し上げておきたいと思います。
(中森辰一)
それから、請願第20号、先ほど現況説明で、もう建ってしまいましたよというのがありましたけれども、このG7広島サミット記念コーナー(仮称)を設置しないことについてについて意見を申し上げておきたいと思います。
この請願が要請されている(仮称)G7サミット記念コーナーを設置しないことについては既にG7サミット記念館ということで開館をしておりますけれども、施設が完成してオープンしたものの、依然として請願で指摘されている問題は、重要な問題としてありますので、この記念館は撤去するべきという立場から発言をしておきたいと思います。
先日イタリアで今年のG7サミットが開催されましたので、1年たったということなわけですけれども、昨年のG7開催の頃から1年後の今日までに核兵器を巡る情勢も、戦争と平和に関わる情勢も大きく動いております。
改めてこの請願第20号に述べてあることについて、広島市としてはどのように受け止めておられますか。
(秘書課長)
どのように考えているかということでございます。G7広島サミットにつきましてはロシアによるウクライナ侵略など国際情勢が緊迫化し、核兵器使用のリスクが高まっている中、G7や招待国の首脳等が被爆地広島に集い、被爆の実相に触れ、対話を重ねられた言葉、世界に大きなインパクトを与え、世界平和の実現に向けた力強いメッセージになったと考えております。
また、広島サミット県民会議が実施した海外メディア向けプレスツアーや国際メディアセンターでの展示などを通して、国内外の多くのメディアに向けて、核兵器のない平和な世界を願う広島の心や、産業文化伝統など広島の様々な魅力を発信することができました。
さらに、未来を担う多くの若者に平和発信を始めとした様々な場面でサミットに関わっていただくなど、大きな成果があり、歴史に残るサミットになったと考えております。
サミット後には、多くの参加者や地元住民などから、サミットが広島で開催されてよかったとの声をいただいており、広島でのサミット開催の経験や成果は、市民県民1人1人にとっても誇りとなり大きな財産になったものと考えております。
(中森辰一)
この請願の方々は、いろいろ平和公園の中で子どもたちと交流をしたりとか、そういう活動をするためにですね、非常に邪魔になるよというふうなことも今述べておられましたけれども、記念館に入ってすぐの右手側にサミット県民会議のご挨拶というものが掲げてありまして、そこにはですね、今答弁されたようなことが書いてあるんですよね。
館内には首脳たちの会議の様子だけではなくて、もう一つの世界遺産である宮島への訪問の様子とか、にこやかに食事をしている様子などの写真が展示されております。
それと首脳たちのコメントのレプリカと、会議に使われた円卓と椅子が展示されているだけのものです。被爆地広島で首脳会議を開いた最大の意義はですね、広島に来てもらって、被爆の実相にしっかりと触れてもらって、核兵器廃絶に向けて着実な一歩を踏み出す意志を首脳会議として世界に発信してもらいたい。これが圧倒的な数の広島の市民の思いであったというふうに思うんですけれども、しかし、会議の初日に、首脳たちが広島の被爆の実相に触れる前に、起草されていて各国で合意された広島ビジョンなるものがですね、世界に発信をされてしまいました。そこには一番に核兵器保有国やそれに頼る自分たちに都合のいい核抑止論の立場が明確に述べられていて、最後の辺りには核兵器廃絶を究極の目標として、達成に向けて取り組むみたいな、そんなことが述べてありましたけれども、これは広島の願いとは違うというふうに思います。
一体わざわざ被爆地に何しに来たのかというふうに思いますし、首脳たちが被爆の実相に少しだけ触れて、被爆地に集まって平和に向けた取り組む意志を合意したという単なるパフォーマンスを世界に発信しただけじゃなかったのかというふうに思うわけです。
それが単なるパフォーマンスだったということは、現にG7のリーダーであるアメリカが、今年臨界前核実験を実施した上に、今後も核実験を続ける意志を示しているというところに表れていると思います。 広島に来て平和を言っていたのに、4月10日の日米首脳共同声明では、バイデン大統領が改めて核兵器で日本を守るというふうに表明し、岸田首相はアメリカと連携して軍事面での日本の役割を果たすと約束したということが書いてあります。
外交よりも軍事を重んじるという姿が改めて明らかになったと思うんです。国際法違反を繰り返し、今もガザの子どもたちを殺害し続けているイスラエルに対しては、アメリカもヨーロッパの各国も、イスラエルの行動を基本的には容認する立場でありました。
広島の願いである核兵器廃絶に向けては、被爆地に集った後も、一歩たりとも進める意志を持っていないし、世界中の願いで実現された核兵器禁止条約にも背を向けたままで、何ら変わることはありません。平和資料館で書いたとされる首脳たちのコメントを読みましたけれども、バイデン氏は第三者的。核兵器の使用を繰り返してはならないとしたのは2人だけでした。他の首脳は曖昧な表現にとどめております。
広島の願い実現に向けてはG7サミットが広島で開かれて良かったというようなものではなかったんではないかなと思うわけです。むしろ広島ビジョンによって、最初から広島の願いと違う会議であったということが明らかになったのではないでしょうか。
G7サミットを記念する施設を平和記念公園の中でガイドなどの活動している方々が迷惑だっていう声を押しのけて、わざわざ平和記念公園の中に設置する意味が一体どこにあるのかというふうに言わねばならないと思います。G7サミットが開かれてにぎわいに貢献した、ということであるならですね、平和公園以外の場所に設置してもよかったんじゃないかなと思いますが、この点はどうでしょうか。
(秘書課長)
平和公園内で設置を決めた場所についてでございますが、平和資料館の出口に面し、資料館を見終わった方の動線上に位置しております。多くの来館者が見込めること、また資料館から被爆遺構展示館を経由し、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館、レストハウス、原爆ドームへと至る動線上にありまして、既存施設の見学者の増加や被爆樹木アオギリ、峠三吉詩碑を含めた公園内の回遊性の向上にも資すること、さらに木を伐採することがない場所であることから、適地として判断したものでございます。
(中森辰一)
この問題はですね、6年待たずに早く結論を出してですね、私は撤去するべきだというふうに思います。そのことを申し上げておきたいと思うんですが、今峠三吉詩碑のことをおっしゃいましたが、建物の今の現状を見ると、どうも峠三吉詩碑はのけ者になっているような、そういう印象を受けましたので、これも一言申し添えておきたいと思います。
(中森辰一)
それから、もう一つ、請願第26号新しい請願ですが、イスラエルに対して即時停戦などを求める長崎市との共同声明をということなんですけれども、この問題は本会議でも発言したこと、質問したことでありますが、本来の我々の立場は紛争当事国であっても招待し、被爆の実相に触れてもらって、戦争止めようと呼びかけるべきだというものであります。
現実にロシアもイスラエルも核兵器の使用の可能性がゼロではないことからも、原爆投下の元となった戦争自体やめるように直接呼びかけることは、広島の使命だというふうに思いますし、それは排除の論理のもとでは難しいと思うからです。
今回の請願は、イスラエルに対しては既に招待状を発送してしまったという現状認識のもとで、こういう請願内容になりましたと、請願者から説明いただきました。
この問題では、長崎市は戦闘行為を中止するように要請した上で、式典への招待を保留するという判断をされました。これまで被爆地として、広島市と長崎市は様々な行動を行う際に、双方で連携を取り合ってやってきたと思いますが、この点はどうですか。
(市民活動推進課長)
これまで市長の記者会見などでも申しておりますけれども、長崎市の今回のイスラエル、現時点でイスラエルへの招待状を送らないという対応につきましては、情勢が日々変化する中で、当面は即時停戦を求める書簡を送付し、招待については、推移を見て最終判断するということでありますので、式典の主催者として慎重を期したいという姿勢については理解できることと受け止めております。
長崎市におきましても、イスラエルが式典に参列して被爆者の思い平和のメッセージを共有していただきたいという点については、本市と同じ思いであるというふうに考えております。
(中森辰一)
だから、イスラエルを招待するならロシアも招待するという、排除をしないという態度を取ればよかったんですよ。
今回の広島市のイスラエルの対応っていうのは、やっぱり長崎市と違います。先ほど言いましたけれども、あなたはきちっと答えてくれなかったけれども、なぜ連携をして同じような行動をとるようにしてこなかったのかということなんですよ。
なぜ共同歩調取ろうと、世界で起きていることは広島も長崎も共有しているわけですから、なぜ共同歩調を取れないのか、取れなかったのかということを聞いているんです。
(市民活動推進課長)
このことに限らずですね、長崎市さんとは連絡を密に取りながらですね事務レベル、いろんなそもそもレベルで進めておりますけれども、当然それぞれ行事、同じ平和記念式典ではありますけれども違う主体、違う主催者による行事ということでありますし、主催者の判断というか対応というのが変わるということは致し方ないというふうに思いますんで、先ほども言いましたけれども、ただ長崎市においてもイスラエルが参列をされて被爆者の思い、平和のメッセージを共有していただきたいという点については同じだと思っておりますので、その点はご理解いただければと思います。
(中森辰一)
両市の対応が違う、何で違うのだろうかと市民は思うわけですよ。今おっしゃったことで納得するかどうかということですよね。市長がいくらダブルスタンダードではないというふうに繰り返してもですね、ロシアへの対応は正反対ですから、これはなかなか理解は得られません。
ロシアを招待したら、式典会場の外で、メディアに自国の行動を正当化する勝手なことを言うかもしれないとか、招待しない理由を言っておられましたけれども、イスラエルだってですね、世界中から非難されても、自国の行動を正当化し続けております。
式典会場の外で、メディアに勝手な主張をする可能性は否定できないんじゃないですか。本会議の答弁では、イスラエルにはその心配はないいうふうなことも答弁したように聞こえましたけれども、なぜそういうことが言えるんですか。イスラエルだって同じように、世界中の非難の声を無視して、自分の国の行動を正当化し続けて、今でも毎日のように報道されておりますよ。何人死んだ、その中で子どもが何人亡くなった。こういったことが続けられている、それを正当化してるわけですよ。どうして、イスラエルにはそういう心配がないということをあなた方が言明することができるんですか。
(市民活動推進課長)
これも先日総務委員会で少しお話ししましたけれども、令和4年の8月にですね、ロシアのガルージン駐日大使が広島の方に来られまして、具体的にはですね、そのプーチン大統領が核兵器についてその主権を守る必要がある場合には使用するというような発言をされて、その核兵器の使用をちらつかせているにも関わらず、大使は当然そのロシアがその核兵器使用について言及したことはないでありますとか、ウクライナにおいてロシアの核兵器使用はあり得ないというようなことを言われてると、こういった実績がございます。
それで、我々としてはそういったメッセージが、そういった実績があるものですから、そういったものが式典と一緒にメディアで流れればですね、当然その間違ったメッセージが行くということをそういった実績があるためその心配しているというものでありまして、現時点では、イスラエルについてはそういった心配はないんじゃないかというふうに考えているところです。
(中森辰一)
それは、でもあなた方が勝手に思ってるだけじゃないですか。どんな理由つけてもですね、今イスラエルがそういうことをする心配がないなんていうことを言えない。だってイスラエルがこの攻撃、この戦争を始めたのは昨年の秋ですよ。この間に一体どれだけの子どもたちが、攻撃されて亡くなっていったのか、今でも続けているじゃないか、そのことを正当化しているじゃないか。繰り返し国連の場でも、自分たちの行動を正当化して受けていますよ。
やってることは一緒。どこが違うのかと思うわけですよ。ですから、どんな理由をつけてもですねダブルスタンダードだということを、やっぱりこれをきちっと説明できていないという事実は変わらないというふうに思います。
今回の請願は、そういう厳しい批判があって、きちんとそれに応えることができていないのに、招待状を送ってしまったと、そういう今の時点に立ってですね、しかし、イスラエルを招待したからには、今のイスラエルがやっていることに対して、最初は即時停戦と和平協議への参加を求める声明を長崎市と一緒に、共同声明として出してもらいたい、こういうものなんです。この要請について改めて市としてのお考えを伺っておきます。
(平和推進課長)
先ほど市民局長からも説明をさせていただきましたが、本年2月にロシアによるウクライナ侵攻から2年が経過するにあたりまして、長崎市長と連名で発出した平和首長会議共同アピールの中で、1日も早い停戦を求めるなど、対話による外交努力と核兵器のない平和な世界の実現に向けた具体的な行動へ歩みを進めるということを訴えたところでございます。
イスラエル・パレスチナ情勢につきましては、先日ネタニヤフ首相がガザでの軍事作戦から、ヒズボラとの交戦が激化しているイスラエル北部に、軍隊を振り分けるという考えを示したという報道もあったところでして、引き続きこうした状況の変化をしっかりと注視しながら、長崎市とも連携を図りながら、機会を捉えて必要な対応をとってまいりたいと考えております。
(中森辰一)
これからも機会を捉えてということなんですが、広島と長崎の大事な1年の間の一番大事な式典が行われる前にですね、そういうふうな取り組みをやってもらいたいというこの請願者の思いであります。
広島市としては、式典への招待状を出す際に停戦を求める要請文を付けたということなんですけれども、長崎市は停戦を要請した上で招待を保留にされた。いずれも招待したか招待を保留したかの違いあるんですけども、それぞれイスラエルに対してやっぱり停戦の要請を行っているということだと思います。
先ほども共同で、市長会議でやったということなんですけども、これは被爆都市としてですね、やっぱり戦争がない世界の実現を訴えてきた都市としてのイスラエルのガザでの攻撃に対する姿勢を明確に世界に発信するということなんですよ。
このダブルスタンダードだという批判に対して、市としてはそういう立場なんだということをやっぱり明確に繰り返し世界に示すということが必要なことであると思います。
市議会としてこの請願を採択していただいて、市長に対してこの表記の行動を促すことやってもらいたいというものであります。
私からはもう一つ提案をしておきたいと思うんですが、この請願は、広島と長崎の両市長の共同声明ということなんですけれども、同じ趣旨で、市長の平和宣言の中で、これもぜひ長崎と共同して、双方が一緒にというふうな形でやっていただくと一番いいと思いますけれども、平和宣言の中でガザでの停戦と和平協議への参加を要請すると、こういう文言を入れてですね、広島から世界に訴えていただきたいというふうにも思うんです。
理事者の方でですね総務委員会で委員からそういう意見が出た。いうことをぜひ市長にお伝えいただきたいというふうに思いますのでこれをお願いしておきます。
この6月議会、8月の記念式典の前としては最後の定例議会でありますので、機会は今回しかないと思います。最初の議会ではありますけれども、ぜひ採択していただきたいと思いますのでそのことを提案しておきます。
(中森辰一)
請願第20号についての意見は、先ほど私申し上げました。請願者の思いはG7サミットの初日に発出された広島ビジョンで、広島で開かれて意義が失われてしまったこと、あの位置は修学旅行生の公園内での活動やガイドさんたちの活動をにとって迷惑な施設だということであります。広島のにぎわいに貢献してくれたということであればですね、平和公園の外の別な位置に設置すればいいんじゃないかなというふうに思います。
そういう立場で、請願20号については請願者の思いを酌んでいただきたいので採択に賛成をいたします。
※採択に賛成少数のため不採択
(中森辰一)
掲載請願第23号について討論を行います。この請願の趣旨はまず、8月6日と9日を人類史上初めて人間に原爆が使われた日として休日にする。日本全体で犠牲者を追悼し、核兵器廃絶に向けて考える日とするという趣旨であろうというふうに思いますのでこの点は賛成をいたしたいと思います。
長年に渡って、このことについて活動してこられた会の皆さんには慰労の思いと敬意の思いを表したいというふうに思います。
ただし、この中にあります「人類総ザンゲの日として」という考え方には異議がございます。
広島に原爆が投下された大もとには政府の行為として日本政府が始めた戦争という問題があります。それと、日本を降伏させる決定的な手段として、ヤルタ会談でソ連の参戦を米英ソの三国で決めていたにもかかわらず、米国の第二次世界大戦後の世界戦略をにらんで、ソ連の参戦よりも早く広島に原爆を投下し、ソ連参戦後も長崎に原爆を投下しました。広島と長崎への原爆投下はひとえに、日本政府の戦争政策の結果であり、アメリカの国家的利益のためだったということが、今では共通した認識であります。
「人類総ザンゲの日として」ということになりますと、戦争を始めた日本政府の責任とアメリカ国家の利益のために原爆投下に踏み切った米国政府の責任を、曖昧にすることになるんではないかというふうに思いますので、この考え方自体には賛同はできません。
以上の意見を申し上げた上で、休日にするという一点で採択に賛成をいたします。
※挙手全員により採択
(中森辰一)
一点質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。被爆者のお1人の方から、腹が立ったのでいっぺん見てほしいというふうなことを言われまして、改めて見に行きまして、気になったことがありましたので、聞いておきたいというふうに思います。
あまり時間をかけるつもりはありませんのでよろしくお願いします。平和記念資料館の北側にあります被爆アオギリの北側から被爆遺構展示館を挟んで、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館までの間に、土の高さよりも20センチ程度ですかね、コンクリートだと思いますけれども、あえて盛り上げて高くした通路が作られております。こういう通路を作った意味意図は何でしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
当該園路のですね中ほどにございます被爆遺構展示館のまず整備に当たりましては広島県原爆被害者団体協議会の両団体のトップや学識経験者で構成される平和記念公園における旧中島地区被爆遺構の展示整備に関する懇談会を設置しまして、具体的な内容等について4年半の間、様々なご意見を伺うなどして検討を進めたものです。
こうした検討の中で、令和2年8月に策定いたしました旧中島地区被爆遺構展示整備基本計画におきまして、当該園路の整備目的につきまして、被爆遺構展示館を中心とした施設間のアクセスを向上させ、平和記念公園内の回遊性を高めるため、旧天神町筋があったと想定される場所に見学者用として整備することとし、その整備に当たりましては、かつて通りがあったことを想起できるように配慮するとされております。
(中森辰一)
この通路はどれくらい費用がかかったんでしょう、その財源も含めて教えてください。
(被爆体験継承担当課長)
当該園路の整備費用は3812万5000円で、その財源は全て特定財源で9割が市債、1割が原爆ドーム保存事業等基金繰入金でございます。
(中森辰一)
この通路を他のこの平和公園の他のいろんな雰囲気といいますかいろいろあるんですけどもあえて黄色い色が付けられておりまして、盛り上げた両サイドは白い色で塗られておりますけれども、この黄色の色っていうのはこれまでの平和記念公園にはないずいぶんとなんていうか、ケバケバしい感じのするかなり濃い黄色ですけれども、そういう印象があるんですが、この黄色の色をつけた理由ってのは何でしょう。
(被爆体験継承担当課長)
当該援助につきましては、先ほど申し上げました旧中島地区被爆遺構展示整備基本計画におきまして、旧天神町筋を想起させる園路を整備することを念頭に置きまして、園路を脱色アスファルト舗装することとされておりました。
このため脱色アスファルト舗装する際に砂をイメージしまして、現在の色に着色したものでございますが、この色はときの経過とともに、より自然な風合いになると聞いております。
(中森辰一)
この砂をイメージしてっていうことなんですよね。これまた後で聞きますけれども、この通路を作った後ですねこの通路はどの程度利用されてるんだろうかなというふうに思うんですけどもこの通路を作った意図っていうのは生かされているんでしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
園路整備前の昨年5月と整備後の今年5月の被爆遺構展示館と、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の入館者数を比較いたしますと、被爆遺構展示館は47.4%、追悼平和記念館は55%、それぞれ増加していることから、園路整備によりまして、平和記念資料館の多くの来館者を被爆遺構展示館や追悼平和祈念館に誘導するという効果は、あらわれているものと考えております。
(中森辰一)
利用者が増えているというふうな答弁でありましたけれども、この通路は被爆遺構展示館から追悼平和祈念館の間で平面の通路と交差していて、この黄色のある通路が途中で切れているわけですよ。その黄色の通路と交差する平面の通路との間に結構大きな段差が作られているので、被爆遺構展示館の先の方は4段の階段と、それに並行するスロープが設置されております。
ところが一方で、交差する平面の通路を経てですね。次の被ばく記念館ですね平和祈念館の方へ行くかはですね、その次の黄色の通路の入口は5段の階段から出口には7段の階段だけしかないです。最初のところはスロープがあったけれども、次の二つはスロープがないというふうなことになっております。
階段しかありませんので、被爆遺構展示館から車椅子で最初のスロープを下りた方は、今度は車椅子の方だけをぐるっと遠回りをさせるような形になってるんですよね。どうして階段だけなんだろうかなというふうに思うんです。
階段しかないっていうのは、今日のバリアフリーの到達点から見てどうなんだろうかなというふうに思いますし、本当は階段は作らずにですねスロープだけにするだけじゃなかったのかなというふうに思うんですけれども、現実は逆になっているわけです。
世界に目を向けている広島市としてはこの考え方がずいぶんちょっと遅れた感じになってるんかなというふうに思うんですけど、どうお考えでしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
本市としましても、バリアフリーの観点からスロープを設置することを検討いたしましたが、スロープの勾配を確保するためには一定の長さが必要となり、ご指摘の園路部分は国が定めたガイドラインで示された長さを確保できませんでした。
また、先ほどご答弁申し上げました懇談会におきまして、当該園路整備に当たっては、当時の天神町筋を極力再現してもらいたいとの意見がございました。
こうしたことを総合的に勘案しまして、当時の天神町筋が実際にあった場所に、園路を再現することとし、ご指摘の園路部分はスロープではなく、階段で整備することとしたものです。
なお、こうした整備内容につきましては、本市の公共施設福祉環境整備要綱を踏まえております。
(中森辰一)
いろんな意見を聞いたりとか、市の基準をクリアしたと言ってもですね、現実には階段しかないってのはちょっとどうもどうなんだろうなというふうに思うわけですよ。
実際はですね、車椅子でぐるっと回るといっても、大した距離ではありません。だけれども、この車椅子の必要がない人、元気な人はまっすぐ短い距離を行けるけれども、車椅子が必要な人は遠回りをさせてもいいというふうなことになってしまっているという。ここはどうもね、問題を感じてしまうわけです。
今申し上げたのは、被爆遺構展示館の方から追悼記念館の方へ行く場合を言ったわけですが、目的は追悼記念館の方からということであるならですね、最初から階段を行く人とぐるっと回る人がわかれるということになるわけです。これは発想としてどうなのかなというふうに思うんです。
いろいろ工夫をしながらですね、階段ではなくて、やっぱり全部スロープにした方が良かったんではないかなというふうに思うんですけども、どうなんでしょう。
(被爆体験継承担当課長)
今委員ご指摘されたのは、その二つ目の園路の階段のことなんでしょうか。それは先ほど申し上げました通りですね、まずスロープを設置するために長さを確保できなかったこと、あとはその懇談会におきましてですね。当時の天神町筋を極力再現してもらいたいということがですね、ございましたことを踏まえまして、当時天神町筋が実際にあった場所に園路を再現することとしまして、ご指摘の部分は、スロープではなく階段で整備することとしましたものでございます。
(中森辰一)
スロープが急な勾配になってしまって国の基準に沿わないというご答弁でしたけれども、この通路はですね先ほども申し上げたように、平面のを通路よりも少し高くして仕切っている区域ですね、被爆遺構展示館もその土を盛るためにですね、少し平面の通路に少し高くなっている、そういう区域の中にあるわけです。
その少し高くしているところにさらにコンクリートを持ってですね、高くして通路を作っているというこういうふうな構造になってるもんですから、結局、平面の通路に比べるとずいぶん高くなってしまったということなんではないかなと思うんです。
こういうふうに盛り上げなければですね、そこまで階段ばっかりなってしまうということにならなかったのではないかなというふうに思いますし、もっと今のこれ、従前のそういう敷地の状況っていうのを生かすような形で、この通路を作るというふうなやっぱりそういう工夫であるとかですね、あるいは例えば一つ目の被爆遺構展示館がある方は、ちゃんとスロープもあるわけです。でも、もう一つの方はない。
それは何らかの形でスロープを別な形で作るとか、そういう工夫もしてみるべきではなかったんだろうかというふうにも思うんですよ。
結局階段しかないというふうなことになってるっていうのは、これはやっぱりこのこの世界標準といいますかね、バリアフリーの観点から考えると、ちょっと異質なものになってしまったなというふうに思っておりますけれども、これでよかったのかなというふうに思うんですよ。どうなんでしょうか。
(被爆体験継承担当課長)
これまでですね、ご答弁申し上げました通り、この度の園路整備につきましてはですね、アクセスの向上であるとかですね、旧天神町筋の再現を意図しながら、被爆遺構への影響とかバリアフリーなどを配慮して、全体的なバランスを取りつつ、懇談会の意見を聞きながら行ったものでございまして、バリアフリーに関しましてはですね、本市の公共施設福祉環境整備要綱も踏まえた整備内容としているところでございます。
(中森辰一)
それはしょうがないという、そういうところはやむを得ないというそういうふうなことではないかなと思うんですけども、それはねやっぱりあの工夫をするべきではなかったかなというふうに思います。
ついでに申し上げますと、あの黄色、薄い黄色じゃなくて非常に濃い黄色です。よく目立つんですけれども、周辺の環境とはずいぶんと違和感があります。
黄色で目立つようになっているので、余計その階段しかないというのがね、気になるということにもなっているわけです。
脱色アスファルトだというふうにおっしゃったんですが、この脱色アスファルトっていうのは、黒いアスファルトの代わりにアクリルという材質を使ったということで、そのままだと透明になって、素材である砕石ですね、この色がそのまま見えるというふうなものになっているんだろうと思います。
この上の色っていうのは、そのこれ黄色でなくても、いろんな色を選択できるわけですけれども、もっとこの周りとマッチした、その別な色を選択することも考えられたのではないかなというふうに思います。
今のところはですね、褪せてもいないので、非常に目立つ鮮明な黄色い色というふうなことになってまして、非常にコントラストが強いなというふうに思います。
ちょっといろんな感覚としても、ちょっと現状では疑問があります。
展示館があるところの周りの全体ぐるっと見回してもですね、土があって、木が植わってる区域っていうのは、これ平面の通路よりも少し高くなっているんですけども、その区域から平面に降りるところは全てスロープが設置されているわけです。
これらの区域ではスロープしかないんですよ。段しかないというところはないんですよね。
公園全体の中でもあえて階段だけ設置してある施設ってのはこれはないというふうに思うんですよ。
そういう公園の中であえて今回階段だけの物ができてしまったということなんです。
国際平和文化都市としてですね、やっぱりここら辺はもっとこう感覚を研ぎ澄ましていただいて、やっぱり国際の流れに沿うような形のものを作っていくというふうな考え方が必要だというふうに思います。
どこかで工夫をしていただいてね、手直しもぜひ考えていただきたい。このことを申し上げて終わります。