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1.市民生活と中小企業への支援について
2.訪問介護事業所への支援について
3.医療機関への支援と地域医療体制について
4.不登校対策について
大西オサム
お疲れ様です。日本共産党の大西理です。党市議団を代表して一般質問を行います。
物価高騰が続く中、地方自治体が住民の命と暮らし、地域経済、福祉を守る役割を果たすことが強く求められています。市民の声は切実です。60代の女性からは「買い物のたびに1万円札がなくなる。買い物が怖い」、50代の男性からは「毎月のカードの支払い額のケタが上がった」、30代の女性からは「コメの高値がいつまで続くのか」など、出口が見えない物価高騰に、市民から大きな不安が寄せられています。
ひろぎんホールディングス経済産業調査部が発表した「最近の広島県経済の動き2025年5月」の「景気の基調判断」によれば、「最近の県内経済は、設備投資が堅調に推移しているものの、自動車を中心に輸出が低迷し、生産が弱含んでいるほか、物価上昇の中で個人消費の回復力は弱く、足踏み感が強まっている。米国の関税政策の県経済への影響が直接・間接を問わず懸念されている」との見通しを述べています。
食料品、水光熱費、衣服をはじめ、あらゆる物の価格が上がっている今、消費税減税は、もっとも力強く、効果的なくらしの応援となります。
この10年間で、消費税が2度にわたって引き上げられた結果、中間所得層にとっても、最も重い税負担が消費税となりました。しかも、低所得の人ほど収入に対する負担が重く、税全体の負担率は年収800万円以下まで10%程度とほぼ同じ、税負担の累進性がなくなってしまいました。
そこで最初に伺います。市として、消費税に対する市民生活の負担を調査・把握し、政府に対して5%への減税を求めるべきだと考えますが、市の見解を伺います。
企画総務局長
市民生活と中小企業への支援についてのご質問のうち、市として消費税に対する市民生活の負担を調査把握し、政府に対して5%の減税を求めるべきだと考えるがどうかについてお答えします。
消費税の減税につきましては、税や社会保険料など国民の公平な負担のあり方も含めて、国政の場で丁寧に議論していただくべきものと考えております。
大西オサム
物価高騰は地域の雇用の7割を担い、地域経済の主役ともいえる中小企業、業者の経営を窮地に追い込んでいます。
原材料費や、人手不足に伴う人件費などの高騰が経営を圧迫し、価格転嫁が行なえず、中小企業の倒産件数が高止まりしています。さらにインボイスに苦しみ、「トランプ関税」による悪影響におびえるという、まさに四重苦という状況です。
先ほど述べた消費税の5%減税は、それを行なえば複数税率ではなくなるため、インボイス導入の理由がなくなりますし、市がそのような働きかけを国に対して行えば、それだけで地元中小業者への大きな激励になると考えます。
同時に、市として、地元の中小企業への直接支援を充実させることを求めます。
例えば北九州市は、「北九州市生産性向上・賃金引上げ応援補助金」を創設し、「賃上げをしないと働き手が集まらない、しかし賃上げができる体力がない」という地元の中小企業に手を差し伸べる努力をされている、と聞いています。徳島県や岩手県では知事が主導し、中小企業や小規模事業者が最低賃金の引き上げに対応しやすくするための一時金支給制度を実施しています。
そこで伺います。「物価高騰を上回る賃上げを中小企業で進める重要性」について、市の認識をお答えください。
物価高騰により中小企業は非常に厳しい状況が続いています。広島市として中小企業の直接支援に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
市長
大西議員からのご質問にお答えします。市民生活と中小企業への支援の支援についてのうち、物価高騰を上回る賃上げを中小企業で進める重要性と中小企業への直接支援についてのご質問がございました。
本市域内の企業のうち約99.7%は中小企業であり、それらの企業により雇用の約7割が支えられていることを踏まえるならば、中小企業で働く従業員の賃金が物価上昇率を超えて上がっていくことは、労働者の消費購買力を高めその生活を守ることに繋がる他、企業の人材確保や労働者のモチベーションを高めるためにも重要な課題であると認識しています。
本市としてこうした課題については、国や県との適切な役割分担のもと、地域の中小企業の実情に合わせ、寄り添った形で経営、金融、技術支援を行うことにしているところであり、国においては、昨今の物価高騰の状況下にあっても、賃金を引き上げる中小企業は投資するため、生産性向上に資する設備投資等を行う企業に対し、その費用の一部を業務改善助成金として助成しており、県においては同助成金を活用する企業への上乗せ補助を行っているところであります。
本市としては、着実な賃上げを実現できる環境作りを進めるために、地域の中小企業の事業活動を発展し、継続するよう、経営基盤の強化を図るため、窓口相談や専門家派遣等の経営支援、中小企業融資制度による金融支援、技術指導相談や研究会等の技術支援を行ってきており、引き続き、地域経済の持続的な発展に繋げていきたいと考えております。その他のご質問については、関係局長から答弁いたします。
大西オサム
市民生活や中小企業の支援につながる住宅リフォーム補助制度について、省エネルギー化を対象にした制度が必要だと考えますが、市の取り組み、見解を教えてください。
環境局長
市民生活と中小企業への支援についてのご質問のうち、市民生活や中小企業の支援に繋がる住宅リフォームの補助制度について省エネルギー化を対象とした制度が必要だと考えるかどうかについてお答えします。
議員ご提案の省エネルギー化を対象にした住宅改修への補助制度については、現在、国において、断熱材の更新など高性能建材を用いた改修に対する補助である既存住宅断熱リフォーム支援事業や、窓などの開口部の断熱改修に対する補助である「先進的窓リノベ2025事業」等により幅広く実施されています。本市としては、こうした国の制度等の活用を促すことによって、省エネルギー性能の高い住宅の普及啓発に努めており、今後も各種イベント等の機会を捉えて、更なる普及啓発に取り組んでいきたいと考えています。
大西オサム
2024年の介護報酬切り下げの影響も深刻です。東京商工リサーチの調査では、全国の2024年度の介護事業者の倒産は179社、前年度比36.6%増と急増し、「介護報酬のマイナス改定やヘルパー不足などが影響した」と分析しています。「しんぶん赤旗」の調査では、訪問介護事業所が休廃業し、訪問介護事業所ゼロの地域は、昨年12月末時点で107町村。この4年間で24町村増え、特に昨年後半の半年間で10町村増えました。
また、訪問介護事業所が「残り一つ」という自治体は昨年12月末時点で272市町村、そこには140万7925人が住んでおり、うち55万6909人が65歳以上という深刻な事態となっています。また、広島市では、今年3月1日時点で8事業所が休止中で、そのうち西区では4事業所が休止となっていると聞いています。
年を重ね、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けたい——そう願う市民を支えているのが、ヘルパーをはじめとする介護職員です。介護現場では、利用者一人ひとりのニーズや性格に寄り添った、心の通うコミュニケーションが求められます。
しかし近年、介護報酬の引き下げにより、丁寧な対応よりも効率を優先せざるを得ない現場の実情があります。本来の介護のあり方が損なわれかねない、深刻な問題です。
そこで伺います。昨年1年間の、広島市においての訪問介護事業所の廃業件数を教えてください。また、それらの事業所の廃業理由についてお答えください。
健康福祉局長
訪問介護事業所への支援についていくつかのご質問にお答えいたします。
最初に広島市における昨年1年間の訪問介護事業所の廃業件数は何件か。またそれらの事業者の廃業理由は何かについてです。
市内の訪問介護事業所のうち、令和6年度に廃止されたのは26事業所で、その理由としては、従業員の人員不足によるものや、利用者減によるものなどがありました。
なお、令和元年度以降、本市の訪問介護事業所数は350前後で推移しており、大きな変動はありません。
大西オサム
第9期高齢者施策推進プランでの訪問介護の位置づけはどのようになっていますか。
健康福祉局長
次に第9期高齢者施策推進プランでの訪問介護の位置づけはどのようになっているかについてです。
本市では、質の高い介護サービスを安定して提供できる体制作りの推進を重点施策の一つに位置づけており、訪問介護サービスは本市が進める地域包括ケアシステムにおいて、在宅介護を支える重要な役割を担っています。
大西オサム
昨年4月、国によって訪問介護の基本報酬が引き下げられましたが、そのようなもとで、自治体独自の支援事業が全国的に広がっています。
たとえば、東京都世田谷区では「障害福祉施設等への緊急安定経営事業者支援給付金」を区独自に創設し、千葉県流山市では「流山市介護職員等処遇改善事業」を設け、事業所の経営安定化と介護職員の処遇改善に踏み切っています。
こうした取り組みに共通するのは、利用者の経済的負担を増やさずに、介護職員の処遇改善を図ろうとするものであり、公費による加算や支援の必要性を示していると考えます。
一方、広島市では、加算取得に向けた研修や助言を行うとしていますが、加算の要件を満たすための事務作業が現場に大きな負担を与えており、人員不足から利用を断らざるを得ないという声も届いています。
とりわけ中山間地域では、小規模介護事業者の経営が立ち行かなくなることで、必要な介護を受けられず、市民が地域で尊厳を持って暮らすことが困難になるおそれがあります。
加算のための支援という狭い枠組みではなく、市独自に介護職員の処遇改善の補助金制度をつくるべきだと考えますが、市の認識をお答えください。
健康福祉局長
次に処遇改善加算のための支援ではなく、市独自に介護職員の処遇改善の補助金制度を作るべきではないかについてです。
介護職員の処遇改善など給与水準の直接的な増加につきましては、全国一律の扱いとなるよう、国の責任において、適切な報酬の改定等により調整されるべきものであることから、事業所が安定的に介護人材を確保し持続的にサービス提供できる適切な報酬単価を設定するよう、他の政令市とともに国に対して要望しているところです。
一方、本市ではそうした国の取り組みを補完する福利厚生の支援や、介護職員の資格取得の支援、そして人材育成のための研修開催、また若い世代への介護の魅力発信などの取り組みを事業所等との連携を図りながら進めていくことが重要であると考えております。
大西オサム
次に、市民の命の砦である地域医療と医療体制についてお尋ねします。
新型コロナ終息後、診療報酬の改定が物価高よりも低く抑えられているもとで、多くの医療機関の経営が窮地に追い込まれています。
帝国データバンクが今年1月に発表したレポート「2024年医療機関の倒産・休廃業解散動向調査」によりますと、昨年1年間の医療機関の倒産、休廃業は786件と過去最多とされています。
レポートの末尾「今後の見通し」では、「倒産した医療機関の6割以上が収入減少を主因とする倒産となって」いること、「2025年も倒産件数は高水準で推移することが予想される」、としています。
そこでお伺いします。広島市内において、昨年1年間の医療機関の倒産・休廃業件数を教えてください。また、その理由を把握されておられれば、教えてください。
保健医療担当局長
医療機関への支援と地域医療体制についての数点のご質問に順次お答えいたします。
まず、市内における昨年1年間の医療機関の倒産・休廃業件数はいくらか。またその理由は把握しているかについてです。
医療機関の倒産という分類での集計はしていませんが、令和6年の医療機関の休止廃止の届け出件数は、巡回健診を廃止するものや、移転法人化等によるものを除き、36件です。届け出の理由としては、医師の高齢化、後継者の不在による廃業などとなっています。
大西オサム
地方自治法に定められた「住民の福祉の増進」という地方自治体の役割を果たすために、市として医療機関を直接支援する制度が必要だと考えますが、市としてどのようにお考えでしょうか。お答えください。
保健医療担当局長
次に、住民福祉の増進という地方自治体の役割を果たすために、主として医療機関を直接支援する制度が必要だと考えるかどうかについてです。
医療法において、医療提供体制の確保については、国において基本方針を定めた上で、都道府県において基本方針に即して、かつ地域の実情に応じて医療計画等を策定し、国からの費用の補助を受けながら、必要な事業を実施することとなっており、市町村は都道府県の計画を踏まえて、その事業の補完等をしているところです。
また、国は医療保険制度において、国民皆保険のもと、誰もがどこでも一定の自己負担で適切な診療を受けられることを基本的な理念とし、医療機関が国民に提供する医療に対して、全国一律の公定価格である診療報酬を定めており、医療機関は基本的にこの診療報酬を原資として経営を行っているところです。
こうした医療政策の基本的な役割分担を踏まえ、本市としては、医療法に定める県の事業等の一部を実施するとともに、医療法に定めのない採算性の低い救急医療を初めとした政策医療事業を医師会と連携して実施するなどにより、住民の福祉の増進を図る役割を果たしているところであり、昨今の物価高騰等に係る医療機関への対応については、国に対し、全国市長会や指定都市市長会を通じて、適切な診療報酬改定等を要請するなど、必要な働きかけを行っています。
大西オサム
本年4月、県病院・県立安芸津病院・二葉の里病院(旧JR病院)が「地方独立行政法人広島県立病院機構」に移行しました。令和12年には約1,000床の新病院が開設され、広島がん高精度放射線治療センターや舟入市民病院の小児救急部門も統合される予定です。
新しい病院ができることは望ましいことですが、既存の病院が統合されることによって医療体制が縮小されることには懸念があります。
第一に、病床数の削減です。県病院・二葉の里病院・中電病院の合計1,237床が、新病院では1,000床となり、237床減少します。南区では712床、中区では248床の減となる見込みです。加えて、40床ある緩和ケア病棟がすべて廃止されるとも聞いています。
そこで伺います。病床を減らしながら、地域医療をどのように守るおつもりなのか、いつ起こるかわからない新たな感染症や南海トラフ地震等にどう対応しようとお考えなのか、広島市としての見解を、お答えください。
保健医療担当局長
次に病院数を減らしながら、地域医療をどのように守っていくつもりなのか、新たな感染症や南海トラフ地震等にどう対応するつもりなのか。についてです。
本市では今後、少子高齢化の進行により、高齢者人口の増加に伴う医療介護ニーズがさらに高まる中、限りある医療資源を効率的に活用して、質が高く、切れ目のない医療提供体制を構築するため、医療機関の分化連携により、これまでの病院完結型の医療から地域全体で治し支える地域完結型の医療への転換を進める必要があると考えています。
こうした中で、県の新病院計画は多くの医療資源を集約し、高度な医療を提供するとともに、多様な症例が蓄積された魅力的な環境を整備し、若手医師等の医療人材を確保、派遣循環する体制の構築を目指すものであり、また感染症対応や、基幹災害拠点病院としての機能を強化することになっています。
本市としては、県の新病院は、本市の目指す質の高い、効果的効率的な医療提供体制の構築に資するものと考え協力しているところであり、引き続き県ともしっかり協議調整を行いながら、地域医療の充実に努めてまいりたいと考えています。
大西オサム
舟入市民病院から移転する新病院の小児医療部門について、どのように医師と看護師を確保されようとお考えなのか、見通しはあるのかお答えください。
保健医療担当局長
次に、新病院の小児医療部門について、どのように医師と看護師を確保するつもりなのかについてです。
新病院の小児医療部門における人員確保について県に確認したところ、市については、県立広島病院および舟入市民病院等の小児科医師を集約することで、1次救急から三次救急まで対応可能な体制を確保するとともに、多様な症例が蓄積された魅力的な環境を整備することにより、若手医師等の安定的な確保を図ることとしていると聞いています。
また、看護師については、集約する予定の県立広島病院、県立二葉の里病院および中電病院等から、必要な人員を確保するとともに、小児科における緊急度判定(トリアージ)を行うことのできる看護師等を養成するため、本年度から舟入市民病院において、県立広島病院の看護師等を対象とするトリアージ訓練を開始していると聞いています。
大西オサム
第二に、交通渋滞への対応です。現在の舟入市民病院でも、子どもを受診させた保護者からは「年末年始は朝来て夕方に帰った」との話がでるほどの混雑が見られます。
新病院が整備される駅北エリアでは、今後、広島高速5号線の開通や新アリーナの開業により、さらに深刻な渋滞が予想され、救急車の到着の遅れや、タクシー・自家用車での通院の困難が懸念されます。特にカープの試合のある日や年末年始などは、人と車が集中し、医療アクセスが一層厳しくなるおそれがあります。
さらに、当初計画されていた500台収容の立体駐車場は、資材価格の高騰により医療関係施設への転用が想定されており、駐車場整備の見通しがたっていない、と聞いています。
そこで伺います。これら交通渋滞と駐車場問題について、市ではどのように認識されているのか、お答えください。
保健医療担当局長
次に、県の新病院における交通渋滞と駐車場問題について、市の認識はどうかについてです。
県の新病院における渋滞対策と駐車場の確保については、県に確認したところ、敷地内に一定の長さの車両専用道路を設け、ピーク時の入出庫における車両の滞留が一般道路側へ発生しないよう配慮した計画としており、駐車場についても、必要台数が確保できるよう、様々な案を検討していると聞いています。
本市としては、救急搬送患者の受け入れを含め、引き続き新病院において期待される医療機能が発揮されるよう協議を進めてまいります。
大西オサム
第三に、県病院跡地の活用についてです。広島県は、跡地活用の方針として「検査機能、慢性疾患、外傷、手術後の回復などに対応するが、救急は受けない療養型のみの病院」を想定していると聞いています。
県病院である以上、主たる責任は広島県にあります。が、この場所は立地や規模の面からも、広島市民にとって重要な医療拠点であり、市としての関与や姿勢も問われるものです。
そこで伺います。宇品神田に今ある広島県病院は広島市の地域医療の中で、どのような役割と位置づけを持つとお考えか。本市としての見解をお示しください。
保健医療担当局長
次に、本市の地域医療の中で、現在の県立広島病院はどのような役割と位置づけを持つと考えているのかについてです。
県立広島病院は、県内唯一の基幹災害拠点病院として指定を受けており、災害発生時には県内18の災害拠点病院と連携しながら対応するなど、県における災害医療の中心的役割を担う病院であり、また、がん診療連携拠点病院として指定を受けている他、3次救急医療を担う救命救急センターとして多くの救急搬送患者を受け入れるとともに、地域医療支援病院として地域の医療機関と連携した対応を行うなど、本市における医療提供体制の維持確保において重要な役割を担っているものと捉えています。
大西オサム
跡地利用について市民から「緩和ケア病棟をなくさず、通常の急性期医療、入院機能を持った病院、救急車を受け入れる病院を残してほしい」との声を聞いています。
市として県病院の跡地での医療について、どのようにお考えか、見解を求めます。
保健医療担当局長
次に跡地利用について、そして県病院跡地での医療についてどのように考えているかについてです。
県立広島病院については、現在、周辺地域に病院の移転について不安を感じておられる方がいることを踏まえ、病院移転後も必要な医療サービス等を提供することができる体制のあり方について、県において検討されていると承知しており、今後もその検討状況を注視しながら、県に対し、地域住民への丁寧な対応を求めてまいります。
大西オサム
第四に、住民の合意が得られていないのではないか、という問題です。
市は、県が開催した「地域懇話会」によって住民の理解が得られたとの立場にあるようですが、実際には住民から多くの疑問や不安の声が寄せられています。
県病院の移転について、南区の住民からは「通院に1時間近くかかるようになるとたいへん」「跡地がどうなるのか不安」「入院できる病院を残してほしい」といった声があり、島しょ部の住民からも同様の不安を聞いています。舟入病院の小児部門の移転について、市民団体が取り組む、「舟入市民病院の小児科・夜間救急の存続を求める署名」は7000筆を超え、オンライン署名を含めると1万人近い方が、現在の舟入病院での小児医療の継続を求めておられます。「小児医療機能の移転がほとんど知られていない」との指摘もあります。
先の予算特別委員会で私は「計画が市民に周知されていない」「小児救急機能が舟入病院からなくなることを知らない保護者が多い」と問題提起しましたが、医療政策課長からは「事業主体である県が、ホームページへの掲載やセミナー、YouTube配信などを行っている」「地域懇話会で話し合われていると聞いている」との答弁でした。
広島市として小児医療に責任を持つ立場で、広島市民に周知することが必要だと思います。県の地域懇話会での話に済ませず、会見や住民説明会開くなどして、広島市域での今後の医療について市民に伝えることが必要ではないでしょうか。
そこで伺います。県病院の移転に伴い、広島市の地域医療や小児医療について、広島市としてどのようにしたいとお考えなのか、また、ホームページに県のリンクを貼るだけではなく、会見や住民説明会を開くなどして今後の広島市の地域医療、小児医療の考えを市民に伝える必要があると考えますが、市の考えをお聞きします。
保健医療担当局長
次に、県病院の移転に伴い、広島市の地域医療と小児医療についてどのように考えているのか、また市の考えを市民に伝える必要があると考えるがどうかについてです。
本市としては、県の新病院に小児救急機能を集約し、全ての小児患者への高度かつ迅速な対応が可能になる他、地域完結型の医療への転換が進められるなど、本市の目指す、質の高い効果的効率的な医療提供体制の構築にシステムをと考え、協力しているところです。
市民への周知に当たっては、小児医療機能が舟入市民病院から県の新病院に移管されるということとともに、県の新病院において具体的にどのように機能になっていくかということをあわせてお知らせしていくことが適切であると考えています。
現在は県において、新病院における具体的な施設整備や診療体制について等について検討が進められている段階であることを踏まえつつ、対応しているところであり、今後も検討の状況に応じて、県と連携しながら市民へ広報してまいりたいと考えています。
大西オサム
新病院建設について県は「医療資源の集約と高度医療の提供」「医療人材の育成と地域医療の強化」などとしています。
しかしその動機は、地域医療構想と、それを後押しする国の病床数適正化支援事業、すなわち病床削減を推進する政策だと考えられます。
この制度では、急性期病床を1床削減するごとに約400万円の交付金が給付されます。
物価高騰の折、診療報酬がそれに見合う形で引き上げられず、多くの病院が厳しい経営状況におかれているもとで、全国で第一次分だけで5万床の廃止の手が挙がったと報じられました。
そこで最後にお尋ねします。国の病床数適正化支援事業において、広島市内の病院で病床削減に手を挙げた院所数、ベッド数を教えてください。
保健医療担当局長
最後に、国の病床数適正化支援事業において、広島市内の病院で病床削減に手を挙げた病院数ベッド数の状況はどうかについてです。
国の病床数適正化支援事業について、活用意向を示した病院数や市内の医療機関の状況は不明ですが、令和7年4月1日付で厚生労働省から各都道府県宛てに発出された事務連絡において、県内で当該事業の活用意向を示した病床数は994床であり、そのうち第1次の配分対象病床数は、147床と示されています。
【再質問】
大西オサム
ご答弁では医療法に基づく役割分担、国県市ということでお話がありましたが、医療供給体制の弱体化というのは、市民の命に直結する問題だというふうに思います。
それで1月31日付の中国新聞で物価高騰のもとで苦境に立つ市内の介護医療現場というのが紹介をされていました。
そこで西区の民間病院を紹介をしてたんですが、2024年度の電気代が4年間で1.7倍となる見通しで、輸入品が多い医療資材に加えて、弁当代、警備委託費も上がる見込み。特にこの2、3年は毎年1割ずつ費用が増している中で、2024年度の診療報酬改定が物価高に追いつかずに、昨年4月に眼科と婦人科を閉じて、職員350人のうち20人を削減、人件費を5%削らざるを得なかった。施設を建て替えた9年前から9期連続で赤字となって、2023年度はついに短期の赤字を出したことなど深刻な経営状態について語っておられます。
また、よく聞く話なんですが、これは別の民間病院のことなんですが、市民の方から、家族が入院したけれども、病院から「人手がないので夜はご家族が患者さんに付いてください」と言われるという話もよく聞きます。
そういう中で、病床数適正化支援事業ということになりますと、本当に赤字で苦しんでる多くの病院がそれに飛びつく。先ほど広島県で994床削減の手が挙がったというふうにおっしゃられたんですが、そういう状況になってるわけです。
入院から自宅へという流れを政府は考えているのかもしれないんですが、先ほど述べたように、介護事業所も大変な苦境、事業所が閉鎖に追い込まれるという状況が起こっているわけですから、誰かがこの状況を止めなければなりません。
そこで再度伺うんですが、広島市としてそういった実態を把握をして、支援をするためにあらゆる手立てをとること、そして国に対して、庄原市とか廿日市市がやってるような診療報酬の引き上げ、介護事業所への報酬削減の撤回を求めるべきだと考えますが、その点での見解を伺います。
保健医療担当局長
医療機関への支援や国への働きかけにつきましてご質問でございますが、先ほどもご答弁しましたとおり、本市としては、国県市の役割分担の中で、医療機関の経営の根幹に関わる問題については、国により統一的に対応されるべきだと考えており、昨今の物価高騰等への対応として、国に対し必要な働きかけを行っているところです。
また、そうした役割分担の中で、県においては、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、医療機関に対し、光熱費および処遇、材料費等の補助が行っているところでございます。
大西オサム
それと、いま一つ、県の新病院構想、医療構想についてお伺いをしたいんですが、私はやっぱり具体的にいつ何をどうしようと思うがどうかっていうことを率直に市民に伝えて、市民の意見や不安が、これはあるわけですから、丁寧に酌み取ることが求められてると思うんです。
県病院の跡地がどうなるのか、これも療養型病院が想定されていますが、住民が望む、救急車を受け入れるか、手術ができるのかそういうことについて、広島県が明らかにしてないわけですから、膝を交えて話をきちんと説明を尽くすということが必要じゃないかなというふうに思うんです。
県病院は現在150床が休床していると聞いているんです。その主な原因は、看護師などの夜勤体制が作れないからというふうに聞いています。そこで県は、専任の看護師を急募したけれども、応募してきたのが16人で、解消のめどが立っていないとも聞いています。
小児医療の移転についても、先ほどご答弁もあったんですが、スタッフの確保やアクセスの問題も含めて、広島県の話をいくら聞いても不透明です。
これまで長年にわたって県病院も、それから舟入病院の小児救急機能も、広島市全域の子どもの命を守ってきたところですから、市民や子育てで頑張る保護者の不安を一つ一つに丁寧に答えることが必要ですし、市民の利益と相反する場合は、広島県に対して毅然とした態度をとることも必要だと思うんです。
そこでこの問題で、もう再度お伺いをするんですが、市民の皆さんと膝を交えて、今後の医療のあり方について話し合って、疑問や意見を受け止めることが必要だと思うんですが、今一度本市の見解を求めます。
保健医療担当局長
次に、住民の声を聞くべきではないかについてでございます。
県の新病院計画については、これまで県において、令和5年度に地域懇話会を3回開催されるとともに、住民アンケートを実施されるなど、県が直接住民の意見の把握に努めているところであり、本市としては必要に応じて県から情報を受けることとしているところです。
本市としては、県の検討状況を注視しながら、必要な働きかけを行ってまいりたいと考えています。
大西オサム
次に「子どもの不登校」についてお尋ねします。
2016年に不登校の子どもの支援のための法律である教育機会確保法が施行され、8年以上の年月が経過しました。近年、不登校の増加が続き、広島市においては、令和元年度668人だった小学校の不登校は、令和5年度は1475人と2.2倍に増えました。
あわせて、不登校になる子どもの低学年化は、教育の根本問題が突きつけられているような気がしてなりません。
そこでお尋ねします。広島市の小学校低学年、中学年、高学年、中学校全学年の不登校児童生徒数について、令和3年度から5年度における推移を教えてください。
教育長
不登校対策についての数点の質問に順次お答えをいたします。まず不登校児童生徒数の推移についてです。
本市の小学校低学年、中学年、高学年、中学校全学年の令和3年度から令和5年度における不登校児童生徒数の推移は、
小学校低学年は令和3年度136人、4年度214人、5年度260人。
小学校中学年は令和3年度309人、4年度395人、5年度482人。
小学校高学年は令和3年度520人、4年度724人、5年度733人。
中学校全学年は令和3年度1553人、4年度1896人、5年度2037人となっており、各学年で増加しております。
大西オサム
不登校は、子どもが自分の力では対処できないほどの心理的ストレスにさらされ、それが長期間続いたり、繰り返されたりすることによる「心の傷」が原因だと言われています。いわゆる「甘え」ではなく、心がこれ以上傷つかないよう、命を守る防御反応だと言われています。
「心の傷」の原因は、日常的な不安や緊張の蓄積、学業へのプレッシャー、トラウマや自己否定など、複合的ですが、神戸大学名誉教授の広木克之氏は、不登校の原因となる子どもの「心の傷」について、「学校」という環境から受けるストレスの蓄積と、過度な競争教育に根源があることを指摘されています。
2004年、国連・子どもの権利委員会が日本政府に対して行った「勧告」は、日本社会が改善すべき点として、一つは、「過度に競争的な制度によるストレス」の改善、二つ目に、不安や葛藤を抱えて不登校になった子どもへの対応に関わるメンタルヘルスへの対応の改善を求めました。しかし、政府は、全国一斉の学力・学習状況調査をはじめ、競争を強める教育制度を導入するなど、国連の勧告に逆行する教育政策をすすめてきました。
2013年度に復活・導入された全国学力テストは、県ごとの平均点を競う風潮を新たに生み出し、市町村と学校を点数競争に巻き込みました。その後、自治体の学力テストも増えました。多くの教員は「学校の雰囲気が変わった」と訴えています。
これまで、当然であった授業内容を子どもたちの生活や発達を踏まえて工夫しながら組み立てる授業方法や板書の工夫は難しくなったと聞いています。
昨年3月、文部科学省は公益社団法人「子どもの発達科学研究所」に委託して行った、不登校の要因に関する調査結果を公表しました。小・中・高校生1万9005人と、不登校経験者239人、またその保護者や担任教員に対して行われたものです。
調査結果から浮かび上がったことは、「不登校のきっかけ」について、子どもと教員で認識の乖離がある、ということでした。「不登校のきっかけ」が「心の傷」に関する項目であったことを挙げた子どもが約7割だったことに対し、教員は2割未満でした。
これまで、文科省の政策立案の基礎資料として毎年行われてきた不登校調査で常に最上位だった「不登校のきっかけ」は、無気力、不安、生活リズムの不調など、子どもの性格、特性による集団的学習への不適応など、子ども本人と家庭生活に不登校の原因を求めてきました。
しかし、国連・子どもの権利委員会が勧告しているように、原因を子どもや家庭に求めるのではなく、今の教育制度や学校のありかたを振り返り、改善することが求められているのだと思います。今の文科省の不登校対策の基本は、「学びへの復帰」が目的になっていますが、まずは不登校の子どもの「心の傷」をケアすることこそ先に置くべきで、不登校は、子どもの「いのち」の問題だと捉えることが必要だと思います。
この間、不登校対策のうえで、「学校のありかた」を振り返る自治体が増えています。
2023年6月、高知県は、「不登校児童生徒の多様な教育機会確保に関する協議会」を設置し、不登校児童生徒や保護者からの声に基づいて昨年12月、「子どもたちが誰一人取り残されない学びの保障に向けた提言」を発表しました。
この提言は、第一の柱に「安心安全な学級・学校づくり」を打ち出し、「すべての子どもの居場所としての機能を学校が果たすよう努める必要がある」こと、そのために、「教職員は日頃から子どもとの温かい人間関係を構築し、悩みや問題を気軽に相談できるような学校風土の醸成に努めることが重要である」とし、不登校の主な要因を子どもや家庭に求めるのではなく、子ども一人ひとりへの適切な支援がなされていない「学校」の在り方に課題があると捉えなおしています。
もちろん、学校に登校できない子どもに対して教育の機会を準備することは大切です。しかし同時に、子どもたちを生きづらくさせる、先生たちを追い詰める、そういった今の学校の在り方を問い直すことが求められていると思います。
不登校の解消のために、子どもと学校を点数競争に追い込む全員対象の全国学力テストの中止をはじめ、管理教育・規律絶対の教育の見直しとともに、詰め込み教育を改善すること、少人数学級の推進が必要だと思います。子どもたちを守る「防波堤」となってきた教員と教員集団の自由を保障する教育への改革が求められていると考えます。
そこでお尋ねします。広島市は教育行政として、今後どういった点に重点を置いて不登校対策を進めようとお考えなのか、お聞かせください。
また、国の不登校対策である「COCOLOプラン」では、タブレット端末による不登校気味の子どもの「早期発見」を強調し、行き渋り傾向の子どもを登校させることに重点が置かれています。
それも必要なことかと思いますが、先ほど述べたように、子どもの気持ちを尊重する、心に対応する、そのための取り組みが必要だと思いますが、広島市において、「COCOLOプラン」の、何をどのように具体化されようと検討されているのか、お尋ねします。
教育長
次に、広島市として今後どのような点に重点を置いて不登校対策を進めようと考えているのか、また、国において不登校対策の一層の充実に向けて取りまとめられた「COCOLOプラン」をどのように具体化するのかについてです。
本市では、不登校の未然防止に向けた取り組みの充実、「チーム学校」で支援を行う体制の充実、不登校児童生徒の社会的自立を目指した支援の充実に努めているところです。
具体的には、不登校の未然防止に向けては、互いに認め合い、支え合うことによって、全ての児童生徒が安心して過ごすことができる支持的風土の醸成された学級学校作りを進めています。
また、「チーム学校」で支援を行う体制については、心の小さなSOSを見逃さず、早期に支援ができるよう、教職員だけでなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家と連携分担し、適切に対応を行う体制を構築しています。
さらに、不登校児童生徒の社会的自立を目的とした居場所学びの場として、ふれあい広場を全ての小・中学校で令和4年度から終日開室するとともに、ふれあい教室を今年度新たに増設し合計市内6ヶ所で運営しています。
こうした本市の取り組みは、国の「COCOLOプラン」の趣旨と方向性は同じであり、「COCOLOプラン」が示される以前から取り組みを進めてきています。今後も引き続き現在の取り組みの充実に努め、児童生徒の個々の実態に応じたきめ細やかで柔軟な支援を行ってまいりたいと考えております。
大西オサム
子どもの気持ち、心への対応を、迅速かつ的確に進めていくうえで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの役割は欠かせません。
広島市では、令和5年度のスクールカウンセラーは83名で、年間に3万7,000件、一人当たり446件、スクールソーシャルワーカーは22名で942件、一人当たり43件の相談に対応されていますが、実際は数校を駆け持ち、相談にゆっくり対応できないのが実情と聞いています。
令和6年度の包括外部監査の質疑では、国が正規のスクールソーシャルワーカーには補助金を出さないため、やむなく非正規にとしているとの答弁でした。また、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーは社会福祉の専門職ですが、特にスクールソーシャルワーカーにおいては全員が女性だと聞いています。こうした偏りは、ジェンダーの観点からも見直すべきだと考えます。
そこで伺います。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの果たす役割について、市としてどのように認識されているのか、お伺いします。
また、現在のように複数校をかけ持つ拠点校配置方式ではなく、子どもや保護者がいつでも安心して相談できる体制を構築するためには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門職を、正規職員として増員することが必要だと考えますが、市としてのご見解をお聞かせください。
あわせて、国に対しても、これらの専門職を正規雇用する場合でも補助金を支出するよう求めていくべきと考えますが、この点についてのご認識をお伺いします。
教育長
最後に、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの果たす役割についてどのように認識しているのか、また、これらの専門職を正規職員として増員することや、そのための補助金を国に求めていく必要があると考えているかどうかについてです。
近年、児童生徒の実態や取り巻く環境の課題は多様化複雑化してきており、心理の専門家であるスクールカウンセラーや、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーは、チーム学校を構成する一員として欠かせない存在であると考えております。
そうしたことから、本市においては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援体制の充実に努めてきているところです。
この二つの事業については、いずれも国の制度上正規職員として雇用した場合は、国の補助制度が活用できないため、本市では補助対象となる会計年度任用職員として採用しているところですが、いじめや不登校児童生徒への支援をより丁寧に行う上では、常勤とすることが望ましいと考えており、国に対し、教職員定数として算定し、国庫負担金の対象とするよう、毎年度指定都市市長会などあらゆる機会を通じて要望しているところです。
大西オサム
最後に、不登校の子どもの親への支援のうち、休暇取得について要望します。
民間団体の調査では不登校の子どもの保護者のうち4人に1人が離職か、休職せざるを得なかったという実態があります。「不登校離職」などで収入が減り、食事や外出、学びなどの支出が増え、経済的困難に直面していると聞いています。また、こどもに「『今日は仕事を休めないから、学校に行きなさい』と言わざるを得ない」という悩みも聞ききます。
厚生労働省は、育児・介護休業法を改正し、今年4月から「子の看護休暇」の対象となる子どもを「小学校3年生修了まで」に拡大しました。また今年の1月には厚生労働省に設置された研究会において、介護休業制度等における「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」の見直しに関する報告書をまとめ、その中で医療的ケア児の対応や不登校の家族への制度運用についても明記し、こうした子どもを抱える保護者も介護休業等の制度を利用して働き続けることができるようにしてほしいと国に提言されています。
自治体職場に勤務する不登校の子どもを抱える職員への配慮も必要だと思いますが、本市の状況を担当課に確認したところ、「子の看護休暇」の対象となる子どもは「小学校6年生修了まで」としている、とのことでした。
引き続きこうした子どもを持つ職員が安心して働き続けていくことができるよう、対象を例えば「中学校3年生修了まで」に拡大するなど、より一層配慮していただくことを要望して、質問を終わります。
【再質問】
大西オサム
それと最後に再質問したいのが、不登校の問題についてなんです。
増え続ける子どもの不登校の問題点をどこに見すえるのか、何が問題の核心なのかっていう点から、私は質問させてもらいました。
一つ紹介をさせていただきたいのは、栃木県高根沢町での「ひよこの家」という適応指導教室の取り組みなんです。
ここは2003年に作られて、年間1300万円の町の予算で運営している適応指導教室なんですが、パンフレットの運営方針にある理念に、私大変驚きました。
冒頭に、「このスペースは表面的な学校復帰を目的としません」と書いてあって、続けて、「児童生徒の状態に応じて、自主学習の支援も行いますが、学校に代わる学習の場ではありません。
学習の場であるよりも、まず子どもたちが安心して心を休ませ、自分らしい自分を発見し社会的に自立していくための居場所とします」という理念が述べられています。
もちろん先ほどお話のあった広島市でも、様々な形で子どもの心の傷への寄り添いがされていると思いますが、そういった子どもへの寄り添い、親への支援があって、過度の競争と管理をやめ、人間として大切にしていく中で、人格の完成を目指すとそういうスタンスが求められているのではないかなというふうに思うんです。
そこでお尋ねするんですが、広島市の「ふれあいひろば」「ふれあい教室」、フリースクールなどの民間施設への情報提供や、木の実の会の開催を支援されてますが、その高根沢町が実施されているような不登校の子どもたちが安心して過ごせる子どもたちの居場所作りの拡充への助成を増やしていくべきだというふうに考えますが、これ要望にもなるんですが、見解をお聞かせください。
教育長
不登校についての再質問にお答えをいたします。先ほど議員からご紹介いただきました栃木県の事例でございますけど、あれは本市で言えば「ふれあい教室」にあたるものだと思います。
先ほどもご答弁いたしましたが、不登校児童生徒の社会的自立に向けた居場所や学びの場の充実は重要であると認識いたしておりますし、これまでも「ふれあいひろば」を全ての小・中学校で終日開室したり、学校外の「ふれあい教室」につきましても設置箇所を増やしてきております。
今後もできるだけですね、不登校児童生徒の状況に寄り添った支援を充実していけるよう努めてまいりたいと考えております。
大西オサム
今、全国的に学校の危機というふうに言われています。学校に行けない子どもが増えて、精神疾患などで教員が学校に行けない。そういう状況が広がっています。
また医療介護の深刻な状況の一端も今日の一般質問で紹介をさせていただきました。教育、医療、介護、いずれも広島の未来に直結する大問題ですし、緊急に改善が求められている問題だというふうに思います。
国や県が取り組む以前に、取り組みを進めている自治体もいくつか紹介をさせていただきました。質問の中でそういった方向での要望についても触れさせていただきました。ぜひご検討いただければと思います。終わります。