高齢者福祉
日本共産党はこう考えます

 高齢者福祉の諸制度のうち、介護にかかわるものの多くが介護保険制度に移行しました。
 しかし、介護保険制度は高齢者福祉の施策の一部にすぎず、しかも、高齢者の介護を支える施策としては不十分です。
 その不十分さをおぎなう施策として、さしあたって改善が必要なものを紹介します。



老人医療費補助制度
 高齢になると医療費がかさみがちです。しかし、多くの方が年金暮らしになり、所得が下がります。
 そうした事態に対応して、広島市では65歳から69歳について、70歳以上の老人保健の負担と同じになるようにする補助制度を設けています(68歳と69歳の分の財源は広島県と折半)。
 ところが、1998年に所得制限額を大幅に引き下げて「市民税非課税以下」とし、利用者を半減させました。
 当面、これをもとの水準に戻すべきです。ちなみに、この制度に対する市民1人あたりの支出を政令指定都市と比較すると、平均1558円、最高は大阪市の3552円。広島市は605円と平均の3分の1程度でしかありません。

高齢者公共交通機関利用補助
 この制度は、「高齢者が、社会とのかかわりをできるだけ積極的にもってもらえるように」との趣旨で設けられたものです。
 他の多くの政令指定都市が無料パスを発行しているなか、広島市は年間8640円分のカードを発行するだけです。そのため、利用者からは補助金額を増やしてほしいという声が強く出ています。
 補助金額をせめて政令指定都市の平均の水準にすべきです。この制度も、市民1人あたりの支出を政令指定都市と比較すると、平均は1858円、最高は名古屋市で6145円。広島市は439円と平均の4分の1以下です。

配食サービス
 この制度は、自分で食事をつくることがむずかしくなった方に食事を届けるサービスです。
 広島市では、月曜日〜金曜日に1日1食、市と契約する業者が安否確認とあわせて届けています。費用は1食800円で、その半額の400円が本人負担です。
 2001年度3月の利用者数は実数で1997人、同年8月は2075人と年々利用者は増えていますが、食事の内容に対する評価が分かれており、改善の余地があります。
 また、毎日の食事の問題であるのに、土曜、日曜、正月三が日は休みで、しかも1日1食しか保証されません。配食がないときに食べないで済ますことはできず、1回分の食事を3日に分けて食べられているケースもあるようです。
 人間らしい食事を保証するという立場で、年中無休で1日2食に増やす改善方向が求められています。全国では1日2食で365日、休みなしに実施できているところもあります。