大型開発 日本共産党はこう考えます |
今の計画を見直すことなく、次から次にあらたな計画が登場 広島市は全国で10番目の政令指定都市となり、他の政令指定都市に追いつけとばかりに、高速道路や地下鉄、地下街、大規模な展示場など、集客施設の建設や港湾開発を進めてきました。 とりわけ、アジア競技大会の開催をテコに、大型道路やアストラムライン、大規模な競技場の建設を進め、あわせて西風新都開発をスタートさせました。 これらは、いずれもバブル経済の時代に計画されたり構想されたものであり、計画そのものが過大な利用見通しにもとづくズサンなものです。 したがって、経済情勢が変わった時点で根本から見直すべきものであり、少なくとも利用見通しと採算性、必要性を再度検証すべきです。 しかし、それをするどころか逆に、ドーム球場建設構想や大規模な市街地再開発など、あらたな大規模開発事業が次から次に登場してきています。 他の施策を削りながら大型開発に巨額の予算が使われている 大型開発は、その予算規模の大きさからいっても、その優先度や必要性、他の行政施策との関係、市民の意見などもふくめ、慎重に検証する必要があります。 なぜなら、きびしい財政状況のなか、市民福祉にかかわる行政課題は山積しているのに、現状はいくつもの施策が削減されているからです。 急ぐ必要がないものに巨額の予算を使う余裕などありません。 環境破壊とムダの繰り返し さらに、山を削ったり、海を埋め立てる開発や、高速道路などの建設は、常に環境破壊を伴います。美しい自然やきれいな水や空気など、後世に残すべき貴重な市民共有の資産をつぶすだけでなく、代わりに巨額の借金を将来の世代に負わせることになります。さらに、ときとして地域の伝統的な文化をも奪ってしまうことさえあります。 全国をみると、東京湾横断道路や中国四国連絡橋など、利用料収入だけでは借金の利息もまかなえない事態や、宍道湖や諫早湾などの埋め立てで環境が破壊される事態が典型です。 広島市でも、出島沖の埋め立てにより、貴重なアマモの群生域(産卵し幼魚が成長するために必要なところ)が消滅。その代わりに巨額の費用をかけて、人工的にアマモを植えつけるという作業を繰り返しています。 また、高速道路ではありませんが、国道2号線の西区庚午地区から中区平野町にかけての高架道路建設が進められています。現状の西区部分は排気ガスも騒音も、全国でも特にひどいところのひとつです。 市は、排気ガスや騒音を緩和するために高架道路が必要だと言っていますが、道路を走りやすくすれば、いっそう車が集中・混雑するだけであり、問題は解決しないというのが全国の経験です。 大型開発はあらゆる視点から検討を 大型開発のひとつひとつについて、市民生活を支え守るための施策よりも優先すべきものなのか、そもそもつくる必要があるのか、環境にどのような影響を及ぼすのか、考えられるあらゆる視点から厳密に検討しなおすべきです。 上にもどる 広島市で計画されている大型事業
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