議会での質問・答弁

2025年10月28日

2025年第4回 10月臨時会 討論 藤本さとし

 日本共産党の藤本聡志です。党市議団を代表して討論を行います。
 反対する議案は、決算第1号令和6年度広島市一般会計歳入歳出決算、決算第8号令和6年度広島市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算、決算第9号令和6年度広島市介護保険事業特別会計歳入歳出決算、決算第10号令和6年度広島市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、決算第11号令和6年度広島市競輪事業特別会計歳入歳出決算、決算第14号令和6年度広島市駐車場事業特別会計歳入歳出決算、決算第15号令和6年度広島市開発事業特別会計歳入歳出決算の七つの決算です。
 その他の決算と二つの企業会計の未処分利益剰余金の処分については、賛成いたします。
 まず、決算第1号令和6年度広島市一般会計歳入歳出決算についてと、決算第14号令和6年度広島市駐車場事業特別会計歳入歳出決算について一括して反対の理由を述べます。
 令和6年度はコロナ禍は落ち着きましたが、輸入物価上昇などに端を発した物価高騰により、市民の暮らしはますます圧迫され、困難となっております。
 市として物価高騰による市民生活などへの影響を最大限抑え込むためにも、市の独自予算からも市民生活を支援することが求められましたが、市は国からの財源を利用したのみで、市独自の予算を投入した支援策はありませんでした。市民に冷たい市政です。
 また、市民に反対意見が多かった市中央図書館の移転工事を強行し、老朽化する小学校のプールや、公立保育園の計画的な改修は行わず、子どもたちに人気の学校給食の自校調理場を廃止して、センター化を進めるなど、市民や子どもたちの願いを無視するものです。
 子どもの医療費補助制度は、令和7年1月から通院の補助対象年齢が小学校6年生までから、中学校3年生までに拡大はされましたが、補助対象年齢の子どものうち、所得制限という線引きによる補助対象外の子どもが、約3万人生まれ令和6年度に実際にあった申請のうち、補助対象にならなかった件数が5843件に上ることが明らかになりました。
 市内の全ての子どもの健康な育ちに責任を持つ立場から、子どもの医療費補助の所得制限の撤廃と高校3年生卒業までの無償化を強く求めます。
 憲法第26条に規定されてますように義務教育は無償が原則です。ところが広島市は、就学援助制度の認定基準を引き下げたことで、多くの子どもたちが認定を受けられなくなりました。
 制度から排除された子どもの数は、当初市教委が説明した1000人よりもはるかに多く、基準が切り下げられる前と比べて、令和6年度は4419人に上ります。
 これでは、子育てしやすいまちは遠のくばかりです。子育て支援というならば、認定基準の引き上げが必要です。
 さらに有料化したために利用できない子どもが出ている放課後児童クラブの利用料を元の無料に戻すべきです。
 広島特別支援学校は、令和6年度、校舎増築が約52億円で実施されましたが、今でも児童生徒数が全国最多のマンモス校となっております。
 さらに、通学バスは片道1時間以上かかり、下校時の対応にも1時間余りを必要とするなど、子どもと教職員に大きな負担となっております。
 特別支援学校は分離増設し、市内にさらに複数設置することを強く望みます。
 市民多数の声を無視して、市中央図書館を駅南口の中古の商業ビルに移転したことについても、閉架書庫の床を買い取る見通しが立たず、毎年2億5000万円の賃料と共益費などがかかり続けることになりました。
 エールエールA館への移転を進めたのは、比較する3案の中で、最も安いという理由でしたか。比較の際に示された96億円からは、40億円以上も増額となった上に、仮に40年間賃料を払い続けるとするならば、さらに100億円の追加負担が生じることになります。
 当初の説明と大きく異なる事業になることについて、市長には重大な反省を求めます。
 広島市の経済を支えているのは、事業所の9割以上を占める中小事業者です。ところが、市の商工費の使用は融資と相談事業がほとんどで、決算に占める商工費の割合は0.6%しかなく、中小企業支援のメニューも貧弱です。
 国からも地場企業に働く人々への賃上げ支援の予算枠を示されながら、広島市はそれを活用しませんでした。
 地元の多くの商工事業者は、地域経済を支える主役です。商工費予算を抜本的に増やすとともに、事業者の実態調査を十分に行い、現場の実情に沿った政策が必要です。
 市の決算全体を通じて、松井市長が提唱するにぎわいづくりの大型開発には、予算を大規模につぎ込んでいるにも関わらず、市民のくらしや福祉、子育て政策の充実や中小企業支援など、市民多数の願いを無視する姿勢を続けていることは容認できません。

 次に、決算第8号令和6年度広島市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算、決算第9号令和6年度広島市介護保険事業特別会計歳入歳出決算、決算第10号、令和6年度広島市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算について一括して反対の理由を述べます。 国保の県単位化に伴い、国保料の値上げが続いてきました。保険料の上昇抑制のために、一般会計からの繰入はしていますが、依然として高い保険料水準であり、しかも保険料は毎年値上げされています。
 広島市が公表する国保料の目安によると、市民の年間所得に対する国保料の金額は、40歳以上2人を含む3人家族世帯で、所得の低い方では、令和5年度が所得額の17.4%の負担でしたが、6年度は所得額の19.1%に負担が引き上がる方もおられます。
 所得の2割を国保料が占めるのは、極めて異常です。しかも猛烈な物価高の中で、払えないと、市民の声が上がるのは当然です。後期高齢者医療事業特別会計や介護保険事業、特別会計も合わせて一般会計からの繰入によって、市民が払える保険料に引き下げるべきです。

 決算第11号令和6年度広島市競輪事業特別会計歳入歳出決算について反対の理由を述べます。
 広島市はギャンブル依存症の当事者や家族への支援に取り組んでいると言いながら、依存症の元であるギャンブル事業を続けていることは矛盾をいたします。
 特にオンライン化で、市の目の届かないところに、依存症の被害者が多数生まれている可能性が高まっております。
 競輪事業による市財政への3億円程度の繰入のために、依存症患者を増やし続ける事業は認められません。市民にとって問題の多い競輪事業は、廃止をすべきです。

 最後は決算第15号令和6年度広島市開発事業特別会計歳入歳出決算についてです。
 市民の貴重な税金を使って開発した事業により得た収入を、更なる開発にしか使えない仕組みはやめるべきです。
 それぞれの開発事業が終了した時点で、残余金を整理して、一般会計に戻し、市民のくらしに役立たせるべきであり、反対です。以上で討論を終わります。

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