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1.パールハーバー国立記念施設と平和記念公園の姉妹協定について
2.子どもの貧困について
3.生活保護世帯の酷暑対策について
4.広島市のジェンダー平等の実現に向けて
(中村たかえ)
お疲れさまです。日本共産党の中村たかえです。会派を代表して一般質問を行います。よろしくお願いいたします。
最初に、パールハーバー国立記念施設と広島平和記念公園の姉妹協定についてです。
昨年6月29日、松井市長は、議会でまともな説明も議論も経ないまま、広島市の平和記念公園とアメリカ国立公園局が管理するパールハーバー国立記念施設の姉妹「公園」協定を締結しました。これまで結ばれてきた外国の都市との姉妹協定は、市民同士の交流や議会での議論の積み重ねを土台に、議会で決議や承認を受けています。しかし、今回の姉妹「公園」協定は、本会議一般質問の発言通告を締め切ったあとに、担当課から各会派幹事長に報告しただけで、本会議の場で市長から、議会に説明もなく、質疑さえありませんでした。
広島平和記念都市建設法第6条の広島市長の責務には、「広島市の市長は、その住民の協力及び関係諸機関の援助により、広島平和記念都市を完成することについて、不断の活動をしなければならない」とあります。そこで、まず、市長にお聞きします。
平和記念都市建設法に基づけば、市民や議会と協力するために、協定の調印までに議論と議会の承認が必要だったのではありませんか。これまでの姉妹都市協定は機運醸成とともに、協定について市民の代表である市議会にはかっていました。この協定の重要性を鑑みれば、時間がなかったでは済ませられません。何故、この姉妹「公園」協定は、説明もせず、質疑さえさせなかったのか、お聞かせください。
(市民局長)
この度の姉妹公園協定は、平和記念都市建設法に基づき、広島市長が負っている、平和記念都市を完成するための不断の活動の一環として行ったものです。
本市として、核兵器廃絶を願う被爆者の思い、姉妹都市ホノルル市との60年以上にわたる市民同士の交流、そして10年以上にわたる「迎える平和」の取組の実績を踏まえた上で、被爆者団体及び議会に対して、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たしていくことになることを説明した上で、協定を結んだものです。
(中村たかえ)
パールハーバー国立記念施設がどういうところか多くの市民や議員が知らないまま、協定締結が進められたことも重大な問題です。パールハーバー国立記念施設は、ハワイの観光サイトでも、現地を視察した市民の報告でも、米海軍が管理しているエリアだと指摘されています。そうしたことから、昨年9月、私は一般質問で、「パールハーバー国立記念館のエリアは軍の施設とされている。被爆地は米軍と協定を結んだのか」とお聞きしました。それに対し、市民局長は、「姉妹公園協定の対象となる同公園の区域は、アリゾナ記念館、ユタ記念碑、オクラホマ記念碑、旧下士官宿舎のほか、佐々木禎子さんの折り鶴が展示されているビジターセンターとその周辺を対象としており、米軍に所属する軍事施設は含まれていない」と答弁しました。私たち党市議団は、今年5月、協定で示された対象施設や区域が、軍事施設ではないといえるのか、現地視察を行いました。
実際に、パールハーバー国立記念施設に行ってみると、協定の対象施設であるアリゾナ記念館とビジターセンター、オクラホマ記念碑、ユタ記念碑、旧下士官宿舎に行くには、一般的な公園にはないセキュリティチェックがありました。ビジターセンターへの入り口前では、中身の見えない手荷物は、預けなければならず、持ってはいれるのはポケットに入るものや透明の入れ物に入ったもののみです。オクラホマ記念碑は、全体が基地の島であるフォード島にあるため、許可を受けたガイドの案内であること、軍による検問を受けるなど厳しいセキュリティチェックがありました。ちなみに、ユタ記念碑や旧下士官宿舎は、フォード島の奥に設置されているため、一般的なツアーには組み込まれておらず、気軽に見学できる施設ではありません。
パールハーバー国立記念施設は入り口を入って左側に、アリゾナ記念館に向かう船の船着き場があり、右側に潜水艦ボーフィン号と太平洋艦隊潜水艦博物館があります。この二つの施設の距離は、歩いて3分程度。ボーフィン号と太平洋艦隊潜水艦博物館は、兵站を担う日本の商船をあえて狙って撃沈したことを誇った展示があり、その中には、子どもたちが疎開するために乗船していた対馬丸を撃沈したことも戦果としています。さらに、原子力潜水艦や核ミサイルの開発の必要性を訴える展示もありました。また、目立つ場所に「Freedom isn’t Free=自由はタダではない」と自由のためには軍事的な犠牲と強大な軍事力が必要だとするスローガンが大きく掲げられていました。それが、ビジターセンターと同じ敷地に存在しています。戦艦ミズーリ記念館も太平洋航空博物館も軍事力を誇り、さらなる増強を進める施設でした。対象外の施設だから問題ないと言えないのではないでしょうか。さらに、入り口の案内掲示板も一緒で、対象施設のアリゾナ記念館やビジターセンターと協定対象外の太平洋艦隊潜水艦博物館の受付を同じ日本語スタッフが行っていました。市がどれだけ軍事施設は含まれないといっても、現実には、軍事施設と不可分の施設であるということです。そこで市長にお聞きします。
市が発行するパンフレットで、「平和文化」とは「あらゆる暴力を否定する文化である」と解説されています。その点で、追悼とともに、あらゆる戦争に勝つために備えよ!という立場の施設を有するパールハーバー国立記念施設は、松井市長が重視されている「平和文化」の対極にあるのではないですか。見解をお答えください。
(市民局長)
これまで答弁してきているとおり、姉妹公園協定の対象には、議員御指摘の太平洋艦隊潜水艦博物館、戦艦ミズーリ記念館等の展示施設や、米軍に所属する軍事施設は含まれていません。
なお、パールハーバー国立記念公園を管理している米国国立公園局の説明によれば、同公園の記念碑群は恒久平和の象徴であるとされています。
ちなみに、同公園との間で締結した姉妹公園協定では、未来志向で取組を進めていくことを確認しており、被爆者が辛く悲しい境遇の中で思い悩みながら、加害者への「憎しみ」や他者との「拒絶」を乗り越え、紡ぎ出した「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」というメッセージを原点とする「平和文化」の振興を実践するものでもあると考えています。
(中村たかえ)
市が、この協定を正当化する根拠の一つに、ビジターセンター内の佐々木禎子さんの折り鶴の展示をあげています。松井市長は、その説明になんと書いてあるか、ご存じでしょうか。「広島の灰の中から驚くべき物語が生まれた」と書かれています。誰が原爆を投下したか説明していません。禎子さんの折り鶴が、原爆の使用がどれだけ非人道的なのか、また誰が原爆を落としたのか一切示すこともなく、感動物語の一つとして利用されているのではないでしょうか。
その下で、改めて問わなければならないのは、協定を結ぶ際の説明文書で、「戦争の始まりと終焉の地に関係する両公園」という部分です。アメリカ政府は、様々なところで「広島への原爆投下は、戦争の早期終結のためだった」と原爆投下を正当化し続けています。それを広島市が追認しているということになっているのではないでしょうか。日本への戦略爆撃の責任者だった陸軍航空軍少将のカーティス・ルメイ氏は、「原子爆弾は戦争の終結と何ら関係なかった」とのちに語っています。また、トルーマン大統領や海軍元帥らの公式の場での発言や会議の記録などから、原爆投下は戦争を終わらせるためではなく、アメリカが第二次世界大戦後の国際的優位性を高めるために、原子爆弾の威力を見せつけるためだったことが指摘されています。
終戦から10年経った1955年、被爆者5人が国家賠償訴訟の形式で、原爆裁判を起こしました。判決では、焦点となっていた、原爆投下を国際法上どう判断するかを様々な角度から論じ、結論として、「広島、長崎両市に対する無差別爆撃として、当時の国際法からみて、違法な戦闘行為であると解するのが相当である」とし、アメリカによる戦争犯罪であることを断定しています。しかし、いまだにアメリカ政府は原爆投下を正当化したままです。核兵器が、どれだけ暴力的で非人道的か、訴え続けてきた広島市が、「原爆投下は仕方なかった」という立場を受け入れていいのでしょうか。犠牲になった被爆者、核兵器廃絶に尽力してきた被爆者や市民の思いを踏みにじる行為ではないでしょうか。そこでお聞きします。
原爆投下が戦争犯罪だと認めることも反省することも、ましてや謝罪することもないアメリカ政府を肯定するような協定を続けていいのですか。あらゆる暴力を否定する文化である「平和文化」を掲げる広島市としての見解をお答えください。
(市民局長)
本市は先月、姉妹公園協定に基づく取組として、若者5名をホノルルに派遣し、現地の文化や歴史などについて幅広く学ぶプログラムを実施するとともに、現地若者との交流を行いました。
また、被爆者2名をあわせて派遣し、パールハーバー国立記念 公園ビジターセンターにあるシアターを始めとする4会場で計5回の被爆体験証言を実施し、約500人に対し、被爆者の思いと核兵器のない平和な世界の実現を願う「ヒロシマの心」を直接、伝えていただきました。 このように、本協定に基づく事業を実施することにより、パールハーバー国立記念公園の管理監督者という立場にある米国政府の一員の思いを確認することもできたものであり、核兵器のない平和な世界を願う「ヒロシマの心」の発信や「平和文化」の振興にもつながるものと考えています。
(中村たかえ)
昨年9月同じく私は一般質問の中で、「この協定は、アメリカ国家の責任を不問免罪し、G7広島サミットで発表された「広島ビジョン」の中で岸田首相が肯定した「核抑止論」を受け入れるということになるのではないか」とお聞きしました。市民局長はその際の答弁で、「『和解の精神』とは、あくまで現時点では責任に係る議論は双方で棚上げにし、二度と戦争の惨禍を繰り返すべきではないという考え方を確認し、未来志向に立って対処していこうというもの」というものでした。この協定は、アメリカ総領事館からの申し出ですが、原爆投下したアメリカが「原爆投下の責任は置いといて和解しよう」というのは、大変なご都合主義ではないでしょうか。「未来志向で対処する」と言いますが、市民同士の交流を深めていくことと、加害の事実を認めない国家に自治体が忖度することは違います。そもそも、平和の誓いでなく、軍事力という備えを怠ったからこんな被害にあったと強調する施設とどんな未来を目指すのでしょうか。
広島市民とホノルル市民は、60年以上、すでに交流を深め、和解し、核兵器のない世界へともに行動を続けています。原爆投下責任を不問免罪し、棚上げしなければならないような施設であり、施設全体の一部だけ取り出してまでパールハーバー国立記念施設と協定を結ぶ必要性が、どこにあるのでしょうか。そこでお聞きします。
ホノルルの市民と交流を深め、和解するために、ホノルル市との姉妹都市協定では、不十分である理由をお答えください。
(市民局長)
ホノルル市との60年以上にわたる市民同士の交流が姉妹都市協定に基づいて積み重ねられてきた中で、2017年にホノルル広島県人会の代表者から提案を受けたことがきっかけとなり、姉 妹公園協定を締結したものと理解しています。
昨今の世界情勢を考慮するならば、今こそ、姉妹都市協定と姉妹公園協定に基づき、「和解の精神」を重視した対応を未来志向で行っていく必要があると考えています。
(中村たかえ)
さらに、この協定がお墨付きとなり、アメリカが行う核政策はどんどん進めるんだというメッセージになっていないでしょうか。実際に、G7サミットの約一年後である2024年5月14日、アメリカは臨界前核実験を行いました。これは、アメリカが原爆投下を反省していないからこそではないでしょうか。さらに、政府は7月28日の「2プラス2」では、アメリカによる核抑止強化のための閣僚会合を初めて開催し、拡大抑止の強化を合意しています。核抑止というのは、いうまでもなく、核兵器の使用を前提として、相手を威嚇し脅すことです。
「核抑止」を肯定した広島ビジョンに続き、この姉妹協定によって、アメリカの核政策にお墨付きを与え、核軍拡を推進し、日本を巻き込んだ形で核抑止を強化させしまったのではありませんか。市長はどう考えるかお答えください。
(市民局長)
この度の姉妹公園協定は、先程答弁したとおり、広島平和記念都市建設法に基づく活動の一環として結んだものであり、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たしていくことになるものと考えています。
(中村たかえ)
松井市長は、今年の平和宣言の冒頭、「自国の安全保障のために核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか。また、他国より優位に立ち続けるために繰り広げられている軍備拡大競争についてどう思いますか」と問いかけました。
そうであるならば、核開発を推進し、核戦力の強化は必要だと強調しているパールハーバー国立記念施設との姉妹協定は破棄するべきです。世界の市民に問いかけた市長はどう判断されるのかお聞きし、次のテーマに移ります。
(市民局長)
先程も答弁したとおり、本市としましては、姉妹公園協定に基づき、この度実施したような交流促進の取組を行うことは、「平和文化」を市民社会に根付かせる上で意義が大きいと考えており、こうした取組を継続することで世界中の為政者の政策転換を後押しし、核兵器のない真に平和な世界の実現を目指してまいりたいと考えています。
【再質問】
(中村たかえ)
あと、パールハーバー国立記念施設との姉妹協定や就学援助ジェンダー平等の実現についてもいくつかお聞きします。
まずパールハーバー国立記念施設について3点です。先ほど市民局長はこの平和記念都市建設法に基づいて、市長の不断の活動のもとでこの協定を結んだんだと。すすめたんだと言われました。ホノルル県人会からも要請があったんだと。ただ、この2017年にホノルル県人会から要請があったと、その後、特に市議会で協定を結ぼうと思ってるっていう話あったでしょうか。アメリカ国家である総領事からの要請には議会に諮らず、説明と言われましたが、調印の日ありきで話を進められました。議会制民主主義の経費と言わなければなりません。
過去の姉妹協定をいくつか拾ってみましたが、中国重慶市との姉妹都市協定は、議会で昭和60年から質疑などで取り上げられて、当時の荒木市長は昭和61年2月定例会の所信表明で意義を語って、その後も議会で議論がされました。その上で、大体8ヶ月ぐらい後に提携を結んだと。
韓国大邱市の際には、平成7年から議論されて、当時の平岡市長は議会の場で市の考えや意義を説明されました。この当時はなかなか国家間のそれこそ外交課題があって締結が1年延期となっています。その際に、当時の平岡市長は、協議の経過や考え方を議会で繰り返し説明し、当時の議員さん方もいろんな疑問などを出されています。やっぱり戦争責任に関わる歴史的背景があるからこそ、丁寧な議会での議論がされたんじゃないでしょうか。
先ほど紹介された、若者による相互理解、交流促進事業のように、今後もこの協定を基に若い世代を中心に交流を進めていくんだ、そう意義も語られました。
そうであるならば、このパールハーバー国立記念施設との協定も議会できちんと議論しなければならなかったんじゃないでしょうか。
議員にその意義や目的もきちんと市長が自らの言葉で説明する。議員の疑問にも市長が答える。やっぱりこれ、結局なんで調印前に本会議の場で議員の質問に答える場を持たなかったのか。ここお答えになってないんです。お答えください。
目指すところは一緒なんだ、未来志向で対処するんだと言われましたが、市は勝手に公園っていうことで、こことここだけですって言われてますけど、パールハーバー国立記念施設全体を見て本当にそう言えるのかどうかってことです。
実際にはパールハーバー国立記念施設を訪れる人々は一体のものとして見ています。多くの観光サイトでは、アリゾナ記念館に行くにも軍事施設に入るためセキュリティがある。警備上荷物の持ち込み制限があると注意書きをされています。
昨年、2023年ですね、パールハーバー国立記念施設での追悼式典で、アメリカ軍インド太平洋軍のアキリーノ司令官は「当時の教訓は、まず真珠湾攻撃を忘れるなということ、常にアメリカは警戒を解いてはならないということ、そして常に戦い、勝つための準備をしなければならないんだ」っていうことを述べているんですよね。つまり戦闘力軍事力を持って平和を守るんだと。市が対象とするビジターセンターの展示も、備えていなかったから攻撃されたっていう経過が示されていました。
これ、2度と過ちは繰り返しませんと記した広島平和記念広島平和都市記念日の碑文や平和を発信する平和公園とは逆の考え方と言わなければなりません。また平和文化とも全く相容れないんじゃないでしょうか。
その点で、市がどういう未来をパールハーバー国立記念施設を描くというのか、お聞かせいただきたいと思います。
60年以上ホノルル市の若者と交流をしている広島YMCAの方は、やっぱり日本の戦争の加害と被害を学び、その上で、ホノルル市の若者と交流し、原爆や戦争が何をもたらすのか。若い人たちが自ら自分たちに引きつけて議論していると語っています。
さらにこの方は、過去の自国の戦争加害がなぜ起きたのか検証なしに、若者の平和教育、平和交流などありえない。過去に何があり何が間違いであったかわからなくて、豊かな未来は描けないと話してくれました。その点で言うと、やっぱりパールハーバー国立記念施設と描く未来は疑問を持たざるを得ません。
(市民局長)
パールハーバーについて2点の再質問がございました。まず、議会での議論がなかったことと、それから施設対象施設がですね、平和公園と姉妹協定を結ぶにはふさわしくないんじゃないかと、そういったご趣旨だったと思いますが、これについてはこれまでも繰り返し答弁させていただいておりますけども、まずは核兵器廃絶を願う被爆者の思いですとか、姉妹都市を主との60年以上にわたる市民同士の交流そして10年以上にわたり迎える平和の取り組みの実績を踏まえた上で今回締結をしたということですが、議会に対してはですね、この諸案件の重要性に鑑みまして、各会派個別に回りまして丁寧に締結前にご説明をさせていただいたものです。
それからこの施設については、先ほど答弁しましたアリゾナ記念館ユタ記念碑、オクラホマ記念碑等のですね、対象施設というのはもうこれは国立公園局がそのように申しておりますので、そこにですね、別の周辺にそういった博物館等、軍事力を誇るような市博物館等があるといったところは現地の状況を見てそういう状況ではあるのかもしれませんが、対象施設というのは、もうその5施設に限定してあるもので、そこに主観の判断がですね、入る余地はないと思っております。
ちなみにですね、パールハーバービジターセンター、アリゾナ記念館のビジターセンター、こちらにはですね、今回の研修で派遣をした若者がですね、参りまして、2014年からサダコプロジェクトというプログラムがございまして、プログラムに若者が参加しました。現地の若者・来訪者等と交流をしたんですが、これは2014年にから始まったものですが、プナホウスクールというところの私立の学校ですが、そこの日本語教師が始めたものですけども、そういった今、きっかけになったのが2013年に禎子の折り鶴がアリゾナ記念館に展示されたということがきっかけになって始まったものです。
われわれとしましては、今このプロジェクトっていうのはホノルルの交流団体である日米協会といったところがですね主催でやっておりますけども、我々が目指してるのはこういった市民レベルの交流でございまして、それが広がることによってですね、平和文化が広がり、そして為政者のですね、国策といいますか、安全保障・国防政策に影響を与えるといったところにですね繋げていきたいと考えておりますので、われわれとしましては、この提携に基づいてしっかりとですね、交流を続けていきたいと考えております。
(中村たかえ)
パールハーバーについてのいろんな、2013年がきっかけで2014年にサダコプロジェクトも始まったんだという説明もそういう取り組みも紹介されました。
先ほど、昨年の6月丁寧に各会派に説明に回ったって言われましたけど、丁寧に議論するっていうのであれば、私たちは議員なので、この議会の場で議論しなければならないと思っています。
もちろん会派で説明をしていただくことも大変重要だと思いますが、それは議会軽視だと言わなければなりません。
主観が入り込む余地がないんだと、施設は限られていると言っていますが、それはあくまでもむしろ市の側が主観が入っていると言わなければいけません。そのことを指摘して終わります。
(中村たかえ)
二つ目のテーマは「子どもの貧困について」です。子どもの貧困は、一人ひとりの子どもの成長の可能性を阻むだけでなく、貧困が次の世代に引き継がれる危険をつくりだしているという点で、広島市にとっても、日本の未来にとっても重大な問題です。
子どもの貧困は様々な形であらわれます。
6月議会では、「令和5年度の小中学校の給食費未納額が約2700万円に上るとの見通し」との答弁がありました。令和3年度が64万円の未納、令和4年度が急増し2044万円でした。
その原因について、市は、令和4年度の増加については「納付方法の変更によるもの」、令和5年度の増加については「選択制のデリバリー給食の解消が進み、喫食者数が増えた中学校において、未納額が増えた」とのことでしたが、この2年間の桁違いの給食費未納額の増加はそれでは説明がつきません。
令和4年度比で、中学校の滞納額が2倍となり、小学校の滞納額が2割増えたと聞いています。このような給食費未納額の極端な増加は、何が原因なのか、真剣に分析し、対応すべきです。
令和3年度からの給食費未納額の極端な増加の原因について、市の見解をお聞かせください。
(教育長)
学校給食費を公会計化した令和4年度は、納付先や納付時期といった給食費を納付する仕組みが変わり、未納者との納付折衝の中では、納付期限の失念、引落口座の誤認、督促状や催告書等に気付かなかったといった理由が多く挙げられています。
また、合和5年度は未納額が更に増加していますが、これは、選択制のデリバリー給食の解消が進んだ中学校において喫食者 数が増えたことに伴い、新たに給食費を納付していただく方法 や手続に関する理解を十分していただけていなかったことのほか、令和5年度の納付折衝において令和4年度の未納者を優先したことで、令和5年度の未納者に対する納付折衝の頻度を高めることができなかったことが要因になっていると考えています。
(中村たかえ)
給食費未納額の極端な増加要因の一つとして、私は、令和4年度に広島市が進めた就学援助制度の改悪があるのではないかと思います。市は、それまで生活保護基準の1.13倍程度の収入以下の世帯に対し支給していた就学援助の基準を3年間の経過措置を挟み「1倍」に切り下げました。
義務教育の子どもの給食費・学用品代・修学旅行費などを援助する就学援助制度は、経済的な困難をかかえる子どもに義務教育を保障するための命綱です。2005年以降、政府は準要保護支援の国庫負担を廃止しました。そのもとで、全国各地で就学援助の縮小を引きおこし、残念ながら広島市もそれにならって就学援助制度を縮小しました。そこでお聞きします。
令和4年度の広島市の就学援助切り下げの結果、令和4年度、5年度、6年度それぞれ、切り下げ前の基準と比べて何人が「対象外」となったのかお答えください。
(教育長)
令和3年度に就学援助の認定を受けていた方で、令和4年度からの見直しにより認定基準を満たさなくなった方は、令和4年度は828人、令和5年度見込みは699人、令和6年度は 9月12日時点で494人となっています。なお、これらの方については、激変緩和として、3年間で段階的に就学援助費を減額して支給する経過措置を設けています。
(中村たかえ)
令和6年6月の「広島市子どもの生活に関する実態調査報告書」によれば、親などが貧困の状態にある家庭で育つ小学5年生は8.7%、中学2年生は10.8%と、およそ10人に1人の子どもが「貧困ライン」を下回っています。なかでも深刻なのがひとり親世帯です。小学5年生で貧困率が52.5%、中学2年生で59.8%と、ひとり親家庭の、実に半数以上の子どもたちが貧困状態におかれています。
貧困問題の根底には、安定した雇用と賃金を保障する労働のルールが確立されていないことが挙げられます。小泉構造改革の際に非正規雇用を拡大し、自民党政権の下で労働法制の規制緩和を進め、貧困と格差を広げてきました。異常な長時間労働は、子育てを困難にし、子どもが安心して暮らす権利を奪いました。市内で3人の男の子を育てるシングルマザーは夕方5時から深夜12時までドラッグストアでアルバイトをして生計を立てています。「この10年間、自分の時間は全くない。『苦にならない』と思い込むようにしないと自分が崩れそう」と話しています。とくにコロナ禍以降の物価高騰から子育て世帯、中でもひとり親世帯のくらしの状況をつかみ、対応することが必要です。そこでお聞きします。
広島市では、子どもの貧困問題を解決するつもりがあるのか、また、そのためにどんなことを取り組もうと考えているのかお答えください。
(市長)
「こどもの貧困の解消に向けた対策の推進に関する法律」は、こどもが適切な養育及び教育並びに医療を受けられないこと、こどもが多様な体験の機会を得られないこと、その他こどもがその権利利益を害され及び社会から孤立することがないようにすることを目的にしています。
また、こどもの貧困の解消に向けた対策については、同法の基本理念において明記されているように、その家族の責任に係る問題としてのみ捉えられるべきものではなく、その背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、貧困に関する国民の理解を深めることを通じて、社会的な取組として推進される必要があるとしています。
そうした中、本市が実施した「子どもの生活に関する実態調査」の結果をみると、収入水準の低い家庭やひとり親家庭においては、「暮らしが苦しい」、「頼れる人がいない」との回答が多く、こうした家庭に対しては、こどもの貧困の解消に 向け、教育の支援、生活の安定に資するための支援、保護者に対する職業生活の安定と向上に資するための就労の支援、経済的支援など総合的な対策の推進が極めて重要になっていると考えています。
そこで、現在策定中の「広島市こども・若者計画(仮称)」においては、「こども・若者の貧困の解消に向けた対策の推進」を重点施策として位置付け、国において策定した総合的な対策を前提にしながら、こども医療費補助の拡充や多子世帯の保育料・副食費の負担軽減など本市の状況に応じた支援策を推進するとともに、貧困を解消し社会からの孤立を回避 するために、教育や生活、就労などの多様な関係機関との連携・協働によるアウトリーチ型の支援等に取り組んでまいりたいと考えています。
(中村たかえ)
先に紹介した「広島市子どもの生活に関する実態調査報告書」によれば、「あなたは週にどのくらい食事をしていますか」「夕食は」との問いに対し、ひとり親世帯の小学5年生の1.7%、中学2年生の2.4%が「週5~6回」と答え、ひとり親世帯の中学2年生の0.8%が「週3~4回」と答えています。「毎晩、ご飯をたべていない」子どもたちが、現にいるということです。一刻も放置できない緊急事態ではないでしょうか。
憲法25条では、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活の権利があり、国はそれを保障すると謳っています。また、子どもの権利条約では、第3条で「子どもの最善の利益を主として考慮すること」を基本とし、6条で、「子どもの生存権・発達の権利を保障」したうえで、第27条で「子どもの身体的・精神的・道徳的・社会的な発達のために相当な生活水準についての権利」を規定しています。広島市として憲法と子どもの権利条約にもとづき、子育て世帯の困窮を解決し、くらしと子育てを応援する総合的な対策をすすめることが必要です。
さらに、令和5年4月には、こども基本法が施行され、「全てのこどもが、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指」すと掲げています。それを看板倒れにさせないために、広島市でも子ども施策に生かすことが必要です。
そこで、「子どもの貧困」解決へ、4点提案します。
一つは、昨年度から始まった月5000円の負担を強いた放課後児童クラブの利用料をもとの無料に戻すこと。
二つ目は、就学援助支給対象を令和3年度の基準に戻すこと。
三つめは、小中学校の給食の無償化を行うこと。
四つ目は、子どもの医療費を18歳までの所得制限なしで無料にすること。どのように対応するか見解をお聞かせください。
(こども未来局長)
放課後児童クラブについては、事業費が年々増加しており、また、利用児童の保護者を対象に行ったアンケート調査において、回答者の9割近くがサービス向上を求めていることや、7 割以上が「サービスの維持・向上のためには、一定の利用者負担もやむを得ない」と考えていることが明らかになりました。
このため、市民における公平性確保の観点から受益者の負担能力を考慮した適切な措置を行い、将来にわたって安定的に運用できるようにするという考え方に基づき、令和5年度から保護者ニーズの高いサービス向上策の実施にあわせて、適切な負担軽減措置を組み込んだ上で、利用者負担を導入したものであり、今後も同様の考え方で事業の円滑な実施に努めてまいりたいと考えています。
(教育長)
就学援助制度については、認定基準の基礎となる生活保護基準額が平成元年度のままとなっていたことや社会保険料等を二重に考慮する算定式となっていたことなどの課題を解消し、制度の持続性を高める観点から、令和4年度に見直しを行ったところです。
また、仮に一時的な収入激減があった場合には、個々の生活実 態の開き取りを行った上で制度の適用対象とするなどのきめ細やかな対応を行っており、今後も現行の制度を適切に運用していきたいと考えています。
(教育長)
本市では、学校給食法で定められた経費分担の原則に則り、学校給食に係る経費のうち、食材費について保護者に負担をしていただいており、その上で、一定所得以下の世帯は就学援助制度等により援助しているほか、昨今の物価高騰下でも負担が増加しないよう国の交付金を活用して支援を行っているところです。
学校給食費の無償化については、これまでも御答弁してきたとおり、国民における公平性確保の観点から基本的には国の責任において統一的に実施されるべきものと考えており、全国一律の負担軽減制度を創設するよう国に働きかけているところです。
(医療担当局長)
こどもの医療費助成のあり方については、本年7月の厚生労働 省社会保障審議会において、医療費助成の内容・範囲の拡充による受診行動の変容や医療保険財政への影響が課題として指摘されたところであり、そうした議論を注視しつつ、検討する必要があると考えています。
また、社会福祉や社会保障に関わる事業は、国において全国的な視点で実施することが基本であるとの考えは堅持しており、国の責任において統一的な制度が創設されるよう、引き続き要望を行ってまいります。
なお、本市のこども医療費補助制度については、経済的な理由 によって必要な医療が受けられないことがないよう配慮した上で、持続可能な制度となるよう、所得に応じた負担を求めているもので、今年度、市議会の付帯決議等を踏まえ、通院の補助対象年齢を中学3年生まで拡大することとしているところです。
(中村たかえ)
広島市が「国がやらないものは市もやらない」という立場をとり続けるならば、広島市の子どもの貧困はますます深刻となり、負の連鎖に拍車をかけることになるのではないでしょうか。「広島市こども・若者計画(仮称)」の策定を進めているときだからこそ、広島市に生きる子どもに誰一人ひもじい思いをさせない、という広島市行政の固い決意が今ほど求められている時はありません!そのことを強調し、次のテーマに移ります。
【再質問】
(中村たかえ)
就学援助について1点お聞きします。子どもの生活に関する実態調査によると、現在の暮らしの状況について10日世帯収入の水準別の分析では、貧困ラインより上回っている中央値の2分の1以上中央値未満の世帯でも、苦しいが31.8%、大変苦しいが8.3%と4割近くの世帯が暮らしの大変さを答えています。生活保護基準を少し上回る世帯収入だったとしても、社会保険料や子どもの人数やお子さんの年齢などによって、生活保護基準以下の生活になることもあるということだと思うんですよね。
その点で子どもの貧困をなくすというのであれば第一歩として、1.13倍の基準に、まずは戻すべきではないでしょうか。
広島に生きる子どもたちを誰1人取り残さないというためには、その決断が要るんじゃないでしょうか。いかがお考えかお聞かせください。
(教育長)
就学援助制度についての再質問につきまして、令和4年度に認定基準の見直しを行いました考え方でございますとかその際経過措置を設けたといったことにつきましては、先ほどご答弁をいたしたところでございますけど、その際にも申し上げましたけど、今の制度においても、一時的に収入が激減されたような場合には、個々の生活実態の聞き取りを行った上で、制度を適用するなどそういったきめ細やかな対応も行ってきておりますし、また令和5年の10月から生活保護基準額が引き上げまたは据え置きとなったことに伴いまして、就学援助制度につきましても、今年度申請分から見直し後の生活保護基準を算定式に用いることで、結果として今年度の所得要件は前年度と比べて緩和されるという形にもなっておりますので、引き続き現行のルールで、適切に維持してまいりたいというふうに考えております。
(中村たかえ)
三つめは、生活保護世帯の酷暑対策についてです。総務省消防庁によると、昨年5月から9月の5カ月で、全国の熱中症により搬送された人数は、9万1000人余となり、統計を取り始めた2008年以降過去2番目に多くなっています。搬送された人のうち65歳以上の高齢者が5万人を超え全体の半数あまりを占め、場所別では、4割が住居内で熱中症になっており、搬送後に107人が死亡されています。今年5月から7月の全国の熱中症による搬送件数の速報値の合計は、昨年度同時期より5830人多くなっています。体温より高い室内での生活は、命にかかわる人権問題といえます。いまや地球沸騰化というべき事態の下、エアコンは贅沢品ではなく命を守るための生活必需品です。
生活保護世帯のエアコン設置は平成30年6月の制度改正で、購入費用が支給されるようになりましたが、保護開始時のみに限定されており、既に生活保護を利用している世帯はエアコンがなくても支援の対象外です。
そのため、エアコンのない生活保護世帯は、毎月の保護費をやりくりしたり、社会福祉協議会が実施する生活福祉資金の貸付制度を利用したりするしかない状況です。しかし、安倍政権の下、平成25年から27年にかけて生活保護費が最大1割も削減され、そこに物価高騰がのしかかっている中で、実際には、貸付制度の利用も保護費のやりくりも困難な場合が多く、購入をためらうケースが多く見受けられます。
そうしたなか、奈良県生駒市では今年度からエアコンがない、もしくは故障して1台も使用できるエアコンがない世帯を対象に給付事業を創設し、担当ケースワーカーの伴走支援により、1世帯当たり1台の設置が進められています。
全保護世帯に案内文を発送し、エアコン未設置世帯を把握し、設置希望世帯には電話や訪問を行ったうえで申請を支援し、給付が決定した世帯に7月中旬から順次設置されています。給付額は限度額10万円で、その内訳は、エアコン購入費67,000円、設置工事費33,000円で、生駒市内の家電販売店又は電気工事業者等から購入、設置することが給付の条件になっています。そこで伺います。
広島市内の生活保護世帯のうち、エアコンがない世帯はどのくらいあるかお聞きします。
(健康福祉局長)
令和6年8月現在、本市の生活保護世帯18,112世帯のうち、エアコンが設置されていない世帯は、356世帯で約1.9%となっています。その主な理由は多い順に、「必要性がない」が158世帯、「他の冷房器具がある」が54世帯、「お金がない」が44世帯、「設置に向け手続き中」が25世帯となっています。
(中村たかえ)
酷暑から市民の命を守る自治体の役割を果たすうえで、広島市でも生活保護世帯へのエアコン設置補助事業を創設することが必要ではありませんか。
(健康福祉局長)
生活保護制度は、法定受託事務として、国が定めた法令や通知等に基づき運用することとされており、エアコン等の家具什器類は、保護費のやり繰りによって計画的に購入することが原則とされています。一方で、一定の要件を満たす場合には、臨時的経費として購入費用を支給できることとされているほか、やり繰りによる購入が困難な場合には、社会福祉協議会の生活福祉資金貸 付を活用して購入する制度もあります。こうした生活保護制度の趣旨や補完する制度が設けられていることから、本市独自でエアコン設置補助事業を創設することは考えておりません。
(中村たかえ)
また、かつて広島市が行っていた夏期援護見舞金制度を復活すべきではないでしょうか。お答えください。
(健康福祉局長)
夏期援護見舞金制度は、本市が昭和45年度から平成15年度まで設けていた制度であり、生活保護世帯の夏期における一時的な需要を補完することを目的に、8月に限り見舞金を支給していました。平成16年以降、国は一般低所得世帯の消費実態との均衡が、季節による一時的な需要を含めて適切に図られているかを定期的に検証した上で、生活扶助基準に反映することとしていることから、本市独自の夏期援護見舞金制度を復活することは考えておりません。
(中村たかえ)
中には、エアコンがあっても電気料金を気にしてつけられない世帯もあります。厚生労働省に対して、生活保護制度内におけるエアコン支給基準の緩和を要望するとともに、夏季加算の創設を求めるべきですが、市の見解を伺います。
(健康福祉局長)
近年の記録的な猛暑により、熱中症による被害が増加する恐れがある中、更なる熱中症対策の取組が必要と認識しており、全国市長会や大都市生活保護主管課長会議などを通じて、エアコン購入費用にかかる支給要件の緩和や夏季加算の創設について国に要望しているところです。
(中村たかえ)
広島市消防局管内で、今年5月から8月16日までの熱中症の救急搬送件数は、625件にものぼります。市民のなかには、高騰する電気料金を節約するためにエアコンを我慢しているという方も少なくありません。酷暑のなか、エアコンの稼働を躊躇せざるを得ない生活実態は政治の責任で改善すべきです。
住民の命と暮らしを守るために、市独自でも低所得者に対し、エアコン電気料金の支援など、物価高騰対策への支援を実施する考えをお聞きし、最後のテーマに移ります。
(健康福祉局長)
物価高騰下における低所得者に対する支援施策については、これまでも国において累次にわたる給付金の支給や電気・ガス価格の激変緩和対策等の各種施策が行われてきており、基本的には国が責任を持って必要な諸施策を講ずるべきものであることから、本市独自に低所得者に対する電気料金の支援を行うことは考えていません。
【再質問】
(中村たかえ)
まず最初に、先ほど生活保護世帯の酷暑対策について補完する制度がもう既にあるので、広島市でかつて行っていた夏季援護見舞金制度もやらないし、エアコン設置の補助事業もやる必要がないんだっていうふうに言われてたんですけど、この暑さのもとで市民の健康が脅かされているっていうことですよね。エアコンを使いたくても、テレビでは熱中症予防でエアコン使ってくださいっていうふうに言われますけど、使えなくって、熱中症になるっていうことなんじゃないでしょうか。
また、先ほどエアコンがない場合は社会福祉協議会からの福祉資金だったり、やりくりで、対応できるんじゃないかって言われましたが、それができないぐらい生活保護基準がそもそも引き下げられたっていうことですよね。
さらに利用しにくくって結局申請ができない、スティグマによって、絶対生活保護だけは嫌だっていうふうなそんな人たちも多いです。でも一方で給料や年金は物価高騰に見合うものにはなっていません。節約するのは結局水光熱費だと。そのもとで文字通り、熱中症などによって命が危機にさらされてるっていうことだと思うんですよね。
8月5日には安佐北区の高齢者が熱中症の疑いで搬送され、亡くなられました。お聞きしたら、この方の場合消防の救急隊が駆けつけたときもエアコンが稼働していなかったということです。もちろん、なんでエアコンが稼働していなかったかっていう理由はもうわかりませんが、こうした生活保護利用世帯だけではなく、市民の中には高騰する電気料金を節約するために、エアコンを我慢してるんだっていう方も少なくありません。
ある高齢者は電気料金を節約するために体に霧吹きで水をかけて扇風機に当たって暑さをしのぐと。こうした実態を鑑みれば、市として、住民の命を守る立場に立つべきだと思うんです。やっぱりこうした実態をきちんと把握するべきだと思います。
(健康福祉局長)
生活保護世帯の酷暑対策の対応についての再質問があったというふうに理解しております。
エアコンを保有していない生活保護世帯につきましては、福祉事務所におきまして、健康状態および必要性の聞き取りを随時行うこと等によりまして、実情を把握し、その上で先ほどご説明いたしました通り、生活保護制度において計画的にまずは購入していただくということ。それが難しければ、要件が満たす場合には生活保護の保護費の中で支給することが可能となっております。
また、満たさない場合におきましても、必要に応じて生活福祉資金貸付制度等の利用の助言や、貸付窓口への同行を行うことにより、支援を行っているところです。
また、エアコンの保有、保有してないに関わらず熱中症対策の配慮が必要と考えられる世帯を訪問する際には、熱中症対策の啓発チラシを配布するなどして、熱中症の症状がどういったものであるか、あるいは水分塩分の補給の重要性、それから直射日光を遮ったり、涼しい空気を入れたりすることの方法などを周知啓発しているところです。 引き続きこうした制度の活用や周知啓発の活動によりまして、生活保護世帯の熱中症予防、熱中症対策を図っていきたいと考えております。
(中村たかえ)
広島市のジェンダー平等の実現に向けた取組についてお聞きします。
私は、先日、浜松市に視察に行き、生理用品の無償提供のシステムや導入までの経緯を学ばせてもらいました。浜松市は、女性職員中心に、女性が働きやすい職場づくりのためのプロジェクトチームを立ち上げ、職場環境の改善の調査研究や発表会を行ったそうです。調査研究や提案発表会には、副市長も参加し、全庁を挙げて取り組んだそうです。実際に、庁舎内の職員用保健室をリニューアルし、女性も男性も心地よく働けるように改善したとのことです。全庁を挙げたジェンダー平等の実現のためのプロジェクトを進める中で、浜松市の女性たちの困難の解決の一つとして、生理用品の無償提供の仕組みを実現させました。
広島市も、ジェンダー平等の実現に向けて、女性の管理職職員を増やしていくことや、女性の視点を市の政策に反映させることに努力されているところです。そこでお聞きします。
広島市として、職員に対してジェンダー平等を軸にした全職員向けの研修は行っているのでしょうか。また、対象者や開催頻度はどういう状況になっているかお答えください。
(市民局長)
本市職員に対するジェンダー平等に関する研修については、人権問題やダイバーシティに関する科目の中で、新規採用職員研修から始まり、中堅職員、新任係長級、新任課長補佐級、新任課長級の各階層における職員研修において1回ずつ実施しており、全職員が必ず受講し、ジェンダー平等の意識付けをすることとしています。
(中村たかえ)
3月の予算特別委員会で、私は「女性の生涯の健康と生き方を支えることや性と生殖の健康と権利の視点で、生理用品の無償配布をするべきだが、市の認識」をお聞きしました。その際の担当課からの答弁は、「まずは生理に関する社会全体の理解を深めるための効果的な啓発に取り組んでいく」ということでした。その後、ゆいぽーとで行っているなんでも相談の連絡先などが記載されたカードに、生理用品を希望の方への一文が追加され、公的施設のトイレなどに設置されています。それ自体は大変重要な取り組みです。そこでお聞きします。
現在、「生理に関する社会全体の理解を深めるための効果的な啓発」として、市が具体的に取り組んでいることをお答えください。
(市民局長)
本市では、女性の働きやすい職場環境を整え、女性活躍を推進するため、企業の経営者や管理職などを対象に、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定セミナーを開催しています。
このセミナーでは、企業に対して女性活躍を推進する行動計画の策定の支援を行うとともに、女性には男性と異なる悩みとして 月経痛の症状や閉経による体調の変化があり得ること、企業における生理休暇の取得促進の取組を紹介するなど、生理に関する理解の促進にも取り組んでいます。
このほか、現在、広島市男女共同参画推進センター「ゆいぽーと」では、新たに、市民を対象にした、生理に関する理解を深めるための講座の実施に向けて準備を進めているところです。
(中村たかえ)
今年度、災害備蓄用の生理用品が、交換時期である3年を迎えるということを聞いています。交換時期が来た生理用品は、広島市社会福祉協議会を通じて福祉団体や女性支援をする団体に提供され、男女共同参画課でも活用を進めていくということです。現在、男女共同参画課でアイディアを出して活用方法を検討しているとお聞きしました。効果的な活用方法を考えるのは、大変重要です。しかし、これまでの「真に必要とする人」という考え方から脱却しなければ、本当に困っている人に届かないのではないでしょうか。何らかの事情で生理用品を自分で用意できず、使用期限ぎりぎりの生理用品を受け取らなければならないことが、どれだけ女性の自尊心を傷つけるでしょうか。
すでに行っているなんでも相談カードとセットで生理用品を配るなど、これまでやったことがない思い切った対応が必要だと考えますが、どのようにお考えでしょうか。お答えください。
また、生理用品の購入に困難を抱えているけど、行政や支援団体につながれていない人にも、まずは生理用品を届ける必要があるのではないでしょうか。せめて各区の地域支えあい課や生活課、公共施設の女性用トイレなどで、無条件で提供すべきではないでしょうか。見解を求めて、私の質問を終わります。
(市民局長)
交換時期を迎える備蓄用の生理用品の活用については、現在、「危機管理室と提供される時期や数量について調整を行っているところであり、今後、それを踏まえて配布の対象や方法等について検討してまいります。
【再質問】
(中村たかえ)
ジェンダー平等の実現についてもう1点です。研修を各階層で1回ずつやってるんだっていうことで言われました。もちろん、全くやっていないとは思っていませんが、やっぱりジェンダー意識を育むためには定期的なが研修が必要だと思います。
今マスメディアや古い価値観から私たちは日々全員ジェンダーバイアスのシャワーを浴びています。とりわけ若い世代は、その固定化した性別役割意識が強いと言われています。
先日のゆいぽーとで行われた研修会で、広島大学の石田洋子副学長も、多様性、公正性、包摂性に関する場合、多様性とダイバーシティ知識といった場合、いろんな多岐にわたることがあるが、今の日本ではジェンダー不平等の社会構造をどうするかってアンコンシャスバイアス、無意識の偏見があるんじゃないかと、まずそこに気づく必要があるんだということを強調されました。
だから、計画もあったり、1回は各階層でやってるんだと言われますが、やっぱり毎年研修をする、eラーニングシステムなども活用して、課長になる前にも学んでいると言われましたが、課長以降もしっかり学ぶ必要があるんじゃないかと思いますが、認識をお聞きします。
(市民局長)
ジェンダーにつきましては、全職員向けの研修を行って定期的に行うべきじゃないかという再質問でございましたが、本市職員に対するジェンダー平等に関する研修につきましては、全職員が必ず受講する階層別研修の中で、その職位に応じた内容になるよう工夫しながら実施しているところでございます。
こうした一貫性を持った研修を繰り返し実施することで、全職員に意識づけができ、市民の立場に立って考え行動できる職員の育成に繋がるものと考えておりまして、引き続き階層別研修の中でジェンダー平等の研修を行っていきたいと考えております。