議会での質問・答弁

2024年02月29日

2024年第1回 2月定例会・予算特別委員会 厚生関係 中村たかえ

1.こども医療費補助制度について
2.国民健康保険制度について
3.介護保険制度について
4.保育園の安全対策について
(1)給食調理員について
(2)保育士の配置について

1.こども医療費補助制度について

(中村たかえ)
 日本共産党の中村たかえです。今日は住民の福祉と健康増進に努める自治体の役割の発揮のしどころである四つのテーマで質問していきたいと思います。
 まずは広島市こども医療費補助制度についてです。
 もう既に午前中にお2人の議員が質問されていますので、私なりの角度で質問をおよび要望していきたいと思います。
 繰り返しになりますが、来年1月1月から広島市こども医療費補助制度が拡充をされます。改めてですが、この広島市こども医療費補助制度は、補助対象が入院は中学校3年生まで、通院は小学校6年生までです。現行の制度は所得制限と一部負担金の所得制限があります。
 今回は通院補助が中学3年生まで対象が広がります。このこと自体、大変喜ばしいと思っています。
 本当にこれまで保護者の多くの方が、粘り強く要請行動や署名行動を行ってこられました。日本共産党も繰り返し議会で質問し、要望をしてきました。この間、他の会派の議員さん方も、子育て支援として、こども医療費補助制度の拡充を取り上げられておられました。市民の声を議会と行政が正面から受けとめ、制度を前進させた。このこと自体、大変いいことだと思っています。
 ただ、保護者の皆さんをはじめ日本共産党広島市議団は、対象年齢の拡大とともに、所得制限を撤廃することを強く求めてきました。私も市議会議員となり、委員会質問でも、所得制限の撤廃、せめて矛盾が広がる一部負担金の所得制限をなくすことを求めてきました。
 今多くの自治体で、年齢拡大とともに、所得制限の撤廃が進んでいます。子どもの医療費補助の対象が15歳以上で所得制限なしという自治体が、先ほど午前中西佐古議員も紹介されたように、政令市でも、もう少数派。今や市町村の約9割が所得制限なし、15歳以上が対象だっていうのが広がっています。
 この広島市のように、中学校3年生まで、さらに所得制限がある自治体は少数派です。さらに、広島市は、他の自治体でもやっていない一部負担金にも所得基準を設けています。
 そこでお聞きしたいと思います。現行の制度に通院補助中学校3年生まで拡大と、この上で、一部負担金の所得基準だけをなくした場合の経費はどれぐらい必要でしょうか。

(福祉医療担当課長)
 通院の補助対象年齢の小学6年生までを中学3年生までに拡大した上で、一部負担金の基準額を撤廃し、一部負担金を初診料算定時、1日500円として統一した場合は、現行制度に約6億6000万円が追加で必要です。

(中村たかえ)
 午前中の質疑で、西佐古議員への答弁でありましたが、今回の中学校3年生まで通院補助拡大した場合の必要経費が約4億2600万円ということで、大体2億4000万ほどで、広島市でしかやっていない一部負担金の所得基準がなくせるということです。
 現行制度のもとで、受給者証交付者のうち、一部負担金が基準額以上の方と基準額未満の方はそれぞれ何人でしょうか。また基準額以上で1500円の方は何人いるでしょうか。

(福祉医療担当課長)
 令和6年1月末時点の受給者証交付者数になりますが、一部負担金の基準額以上の方は約4万人であり、基準額未満の方は約5万6000人です。また、基準額以上の方のうち、1500円を負担する方は約1万9000人です。

(中村たかえ)
 1500円の負担をしている方が1万9000人。ある保護者の方は、この一部負担金の額で、自分の世帯の所得がわかってしまい肩身が狭い思いをしたと。基準額未満の方です。
 また別の保護者は、頑張って働いても所得基準にかかるから何だか釈然としないと語っています。
 この制度、改正当初から小児科医などは、「軽い症状なら800円程度の窓口負担だ。そうなると一部負担金1500円だと何の補助にもならない」と繰り返し指摘されています。医療機関にかかっても、補助が利用できない子ども、子育て世帯があるということです。
 所得制限や窓口一部負担金を設けている自治体もありますが、広島市のように所得制限をかけた上で、一部負担金の所得基準まで設けている。この二重の所得制限があるのは他にありません。
 改めてお聞きしますが、広島市が窓口一部負担の所得基準を設けている理由を教えてください。

(福祉医療担当課長)
 一部負担金の基準額は、所得の低い世帯の受診抑制に配慮しつつ、一定の所得を有する世帯には、所得に応じた負担をお願いするために設定したものです。

(中村たかえ)
 中間所得者層の方ほど矛盾が大きくなる所得制限です。さらに窓口でも所得基準を設けている。午前中、岡村議員が詳細を語られていました。中間所得者層の方の負担をこうしたことを考えれば、この所得制限所得基準があることは、公平性を欠くと言えるんじゃないでしょうか。
 広島市が2018年に行っている「広島市子ども子育て支援に関するニーズ調査」の自由記述には、世帯年収が上がるこことで受けられなくなるサービスが増えると、何のために働いて税金を納めているのか。子どものためのサービス支援については、全員が受けられるようになってほしい、こういうコメントが寄せられています。
 広島市はこうした声をどう受け止めているでしょうか。

(福祉医療担当課長)
 そういうご意見があるということは認識しております。だからこそこの度、他都市の状況とか市議会の付帯決議などを踏まえた上で、まずは中学3年生までの通院の補助対象の拡大をしたところです。

(中村たかえ)
 まずは年齢拡大をしたんだと、この市民の声に応えてっていうことで、それならば、市民は所得制限もなくしてほしいっていうことを繰り返し述べられています。
 この間も、「子どもと重度障害者の医療費の無料化を求める連絡会」の皆さんも、やっぱりこの対象年齢拡大に合わせて、窓口負担も無料にしてほしい。所得制限所得基準を全廃してほしいと市民の方は望まれています。
 こうした午前中の岡村議員への答弁では、この制度は低所得者対策から始まったんだということですが、やっぱり今この段階においては、子育て世帯を支えるっていうことが重要なんじゃないでしょうか。
 先日の本会議で市長は予算案の説明で、多様で良質な切れ目のない支援として、こうしたこども医療費補助制度の年齢拡大など、子どもの健全な発育を促進すると語られました。多様で良質な切れ目がない支援はとても重要だと思います。
 しかし、子どもの健全な発育をといった場合に、必要な医療サービスが受けられるかどうかが、問われるんじゃないでしょうか。子どもの権利条約では、子どもにとっての最善を行うことで、健康でいられ、必要な医療や保健サービスを受ける権利が子どもにはあるんだと明記されています。
 そしてそれを保障するのが私たち大人の仕事です。私はこの広島市の第2期広島市子ども子育て支援事業計画の基本理念、本当にいいこと書いてあるなって思ってるんです。障害のある子もない子も、疾病のある子もない子も、日本人も外国人も貧困状態にある家庭の子もそうでない家庭の子も、1人親家庭の子も2人親家庭の子も共働き家庭の子も、片働き家庭の子も、虐待を受けている子もそうでない子も、社会的養育が必要な子もそうでない子も、広島市に居住する子どもを誰1人取り残しませんってあるんですよね。
 そう考えたときには、やっぱりこの広島市で子育てに頑張る子育て世帯を応援する、それを名実ともに示すために、年齢拡大に合わせての所得制限の撤廃、せめて窓口一部負担金の所得基準だけでも撤廃することを強く求めるものです。広島市の見解を教えてください。

(福祉医療担当課長)
 午前中に西佐古議員の方にもお答えしたんですけれども、こども医療費補助制度については国の責任において統一的な制度を創設されるべきものと考えておりますが、国の動向が不透明な中で、本市としてはまずは通院の補助対象年齢を中学3年生まで拡大することとしたものです。
 今後の制度の見直し等については、このたびの制度改正後の状況を踏まえながら、さらに検討してまいります。

(中村たかえ)
 先ほど数字を出してもらって、あと2億4000万ほど予算をかければ、中間所得者層の方の思っている矛盾が少しだけですが改善がされる。さらに、他の自治体でやってないような子育て世帯に冷たい窓口一部負担金の所得基準をなくせるっていうことです。
 子どもに対して2億4000万がかけられないぐらい広島市は財政が逼迫してるんでしょうか。他にいろんなにぎわいづくりのために何億というお金がどんどん動いている中で、やっぱり子育て世代はそういうところを見て、広島市よりも、よその町の方が、自分たちに優しいということで、転出超過が生まれるんじゃないでしょうか。そのことを強調しておきたいと思います。

2.国民健康保険制度について

(中村たかえ)
 続いて、国民健康保険制度について伺います。国保法1条では社会保障および国民保健の向上に寄与することを目的とする社会保障制度だということが示されています。
 しかし、1984年、国が国民健康保険法を改悪し、それまで45%だった国庫負担率を35%まで引き下げました。国民が誰でも安心して医療が受けられる社会保障としての国保から、相互扶助の加入者の負担を増やす国保に変質しました。
 2018年度平成30年度から始まった国民健康保険の県単位化に伴って、広島県は、来年度からの保険料統一を目指していましたが、県内市町の意見がまとめられずに、保険料の統一は延期となりました。
 その大きな理由は、広島市を含めた県内市町の多くで、国保料の引き上げに繋がって国保加入者の負担が急激に増えるため、合意できないというものでした。
 県内で中小業者を中心に、国保料を引き上げないで欲しいっていう署名も取り組まれ、広島県に提出をされたことも重要な要素だったと思います。
 いうまでもありませんが、国民健康保険は年金生活者や自営業者、失業者などが加入しています。年収や、家族構成によっては負担が他の保険の2倍にもなります。そのもとで、広島市は、コロナの時期を除いて、国保料の引き上げを行ってきました。来年度の国民健康保険料1人当たり平均で1万652円引き上がります。
 昨年5月時点での滞納ですが、それが2万37件。その理由は、納付忘れも一定数ありますが、やっぱり多くを占めているのは、納付金不足や業績不振です。
 先日も個人事業主の方とお話する機会があり、来年度から国保料が平均で1万円ほど上がるとお伝えすれば、言葉がなく、ため息が出るだけでした。そうでなくても、物価高騰で商売も大変です。景気が良くなっているわけでもありません。長く続く自民党政権のコストカット経済政策で、収入は増えないのに、負担だけどんどん重くなって、生活が苦しいっていう声が後を絶ちません。
 広島市として、住民の暮らしと命を守る立場の広島市として、高過ぎる国保料の負担軽減、何か努力はされてるんでしょうか。

(保険年金課長)
 令和6年度の保険料の算定においては、被保険者の負担を可能な限り軽減するため、一般会計からの繰り入れ等により、保険料の上昇抑制を図りたいと考えております。
 また、保険料の軽減制度としては、国において所得が一定基準以下の世帯に対する軽減制度や、倒産・解雇等により離職された方に対する軽減制度が設けられている他、災害等により損害を受けた場合や、失業等による所得が減少した場合の本市独自の減免制度を設けております。

(中村たかえ)
 市として国保料の上昇抑制に努力してきたんだっていうことで、一般会計から繰入を行ったとそれでも、やっぱりこれまでの保険料にプラス1万円ほどされてしまう。その場合保険料何とか払ったら、今度は病院に通えないっていう事態に陥る方もいるんじゃないでしょうか。その際の救済策はあるんでしょうか。

(保険年金課長)
 一部負担金についてですが、災害でありますとか事業の休廃止、失業等によって、収入が激減した世帯の方に対して一部負担金の減免制度というものを設けております。

(中村たかえ)
 窓口一部負担減免制度の国保法44条に基づいた制度です。この窓口一部負担減免制度を利用する方の事情で今多いものはどういうものがあるでしょうか。

(保険年金課長)
 主には事業の休廃止、失業等によって収入が激減したというものでございます。

(中村たかえ)
 減免がされる期間はどれぐらいになるんでしょうか。

(保険年金課長)
 減免は3ヶ月までとしておりますが再申請により上限は6ヶ月まで認めることとしております。

(中村たかえ)
 先ほど、この窓口一部負担減免制度を利用する人の事情で多いのは、事業の休廃業や必要などということです。病院への定期通院が必要な疾患がありながら、病院に行きながら生活を立て直すのに3ヶ月もしくは最長でも6ヶ月しか使えないっていうことは、先ほども紹介したように、国保加入者はやっぱり多くを占めるのは低所得者です。そうした人たちが、治療中断に繋がり、命の問題に直結するんじゃないでしょうか。 2013年平成25年までは申請すれば、治療が終わるまでこの制度を使うことができました。私も以前、医療機関の受付業務をしていたときに、慢性疾患の方が、発行された窓口一部負担減免の書類を持ってこられたことを覚えています。
 そのときに職場の先輩から受けた説明では、保険料を払えても、窓口負担が払えない人がきちんと治療が受けられるように、広島市は住民に治療を受けてもらえる環境を整えているんだ。そんなことを言われました。
 やっぱりどんな人でも適切に治療が受けられるこの環境があるっていうのを本当に頼もしいなって思っています。聞いたら、この一部負担減免の制度、住民の皆さんが高過ぎる国保の負担が大変だっていうことで、どうにか減額減免制度を作ってほしい、こうした大きな運動が実って作られたということです。
 まさに自治体の役割である住民の福祉と健康の増進を実現する。そのために広島市が全国に誇る制度だったと言えます。しかし、松井市長になり、自治体が本来力を入れるべき公助の制度が次々とその他にも縮小されてきました。
 そしてこの窓口一部負担減免制度、これも先ほど言われたように減免期間、さらに対象理由も、適用範囲がどんどん狭くされてきました。
 物価高騰のもと、収入が増えない年金は減らされる。そうしたもとで、住民の暮らしと健康を守るためにも、救済策として、こうした減免期間の見直しが必要なんじゃないでしょうか。市の見解をお聞きします。

(保険年金課長)
 一部負担金の減免制度につきましては、国の通知で、減免期間を3ヶ月までを一応標準とすること、療養に要する期間が長期に及ぶ場合は、必要に応じて生活保護担当など福祉部局との連携を図ることなどが示されたことを踏まえ、平成25年4月から、収入が激減する事態が生じた場合の一時的な救済措置として、減免期間の上限を6ヶ月とする見直しを行ったものであり、元の制度に戻すことは考えておりません。
 生活に困窮されている方の生活の保障は、ナショナルミニマムの観点から、国において制度設計が検討されるべきものと考えており、本市としては、一部負担金減免制度を適切に適用する他、恒常的な低所得の世帯については必要に応じて生活困窮者自立支援制度等に繋ぐなど、それぞれの生活実態に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。

(中村たかえ)
 先ほど紹介してもらった通知って、平成22年のものだと思うんですよね。2010年、実際に制度が変わったのは、平成25年2013年です。松井市長が2011年に市長に就任してから変わったと言えます。
 それまでは、国の通知があっても、住民の健康、命を守るための行政を続けられていたっていうことは指摘しておきたいと思います。
 さらに先ほど紹介された生活のサポートをするんだって言われていましたが、やっぱりいろいろ調べてみたら、このくらしサポートセンターだとか、場合によっては生活保護を利用してほしいっていうことで、言われているんだと思います。このくらしサポートセンターも大変大事なことを行われていますが、医療に関わることで特化したっていうことではありません。
 さらに生活保護を利用すればいいっていうふうによく広島市の皆さん言われますが、いろんな事情で保険料を払えるけれども、窓口負担は払えない、そういった方も中にも、生活保護利用できるのかといえば、そうした生活保護の対象にならない人もいらっしゃいます。何らかの事情でそういう方もいらっしゃいます。
 そういう場合に、本当に命を削るような思いで暮らしている人たちに対して、今の広島市政は大変冷たいっていうことを指摘しておきます。 国民健康保険制度でお聞きしたいことがもう一つあります。子どもの均等割についてです。国民健康保険って、世帯の人数が増えれば増えるほど保険料が増える均等割があります。
 同じ所得でも、子どもが世帯が増えれば、生活費もかかる上に、こうした保険料が重くのしかかる。そのもとで子どもが増えれば増えるほど保険料が高くなるんだっていう現象があります。まずお聞きするんですが、子どもが1人増えると、国保料どれぐらい増えるんでしょうか。

(保険年金課長)
 令和5年度の保険料で申しますと、被保険者1人につき、医療分の均等割額が2万5488円、後期高齢者支援分の均等割泊額が9782円であるため合わせて3万5270円となります。
 未就学の子どもの場合は、均等割額を2分の1減額する、あの軽減制度があるため、1万7635円の増額となります。

(中村たかえ)
 未就学児であれば半額になるっていう制度、負担軽減措置があるっていうことで、国の制度としてあるということですが、今お聞きしたら、1人子どもが増えるごとに、就学児以上であれば3万5270円、未就学児であれば、その半分の1万7000円ぐらい。これ、先ほど保育料の話でもありましたが、小学生の子どもと保育園の子どもをお持ちの4人家族の方でいえば、子どもが増えれば増えるほど、5万円ぐらいの保険料がうわに、経済的な負担がのしかかるっていうことだと思うんです。
 今の物価高、繰り返しになりますけど物価高騰のもとで、収入が増えない若い現役世代の方も多くいらっしゃいます。こうした中で、やっぱり就学児以上であれば軽減されないっていう状態は本当に深刻だと思います。
 今独自に子どもの均等割に対して、この国がやる制度以上の措置をする自治体も増えつつあります。福山市ですが、2010年から法定軽減の世帯に限定はされつつも、18歳以下の子どもが、2人以上いる世帯は、2人目以降に均等割の減額措置を行っていました。2020年ぐらいから1人目から減額措置の対象とされています。
 広島市として、就学児以上の均等割の減額措置も含めた負担軽減、子育て応援ということでやるべきだと思いますが、他に何か現状で、取り組みはされてるんでしょうか。

(保険年金課長)
 国保の子どもに係る均等割保険料の軽減につきましては、少子化対策の一環として、子育て世帯の経済的負担の軽減の観点から実施するものであることから、国の責任において統一的に実施されるべきものと考えております。
 このため本市では、指定都市市長会や全国市長会等を通じて、対象年齢の拡大でありますとか、軽減割合の拡大等を要望してきたところであります。引き続き国に対して制度の拡充を求めてまいりたいと考えております。

(中村たかえ)
 大体子どもに関わること、福祉に関わることは、こうやって国のやるべきことだっていうことで、広島市独自に、住民を支えるっていうことがほとんどされません。
 確かにこの国保の制度自体が国負担が減らされてきた中で、大変運営も厳しいものだと思いますが、そうは言っても、いろんな独自の取り組みをしている自治体が現にあるわけです。子どものために何かをやっている自治体に、子育て世帯にぎわいをつくる世代が、転出してしまうっていうのは必然と言わなければなりません。
 先ほど答弁の中で、国負担も含めて、要望をしていくんだって言われましたので、それ自体はしっかりとやっていただきながら、そうは言っても、住民の命と健康に責任を持つ自治体として、独自の負担軽減策、力入れていただくことを要望しておきます。

3.介護保険制度について

(中村たかえ)
 続いてですが、介護保険制度についてです。来年度から介護保険料の階層が細かくなって、これ収入によっては大幅に介護保険料が引き上がる方がいらっしゃいます。
 そこでお聞きするんですが、介護保険料の滞納、令和4年の資料を見させていただいたら、6600件だったんですが、この数のことと、滞納になった理由っていうのを教えてください。またどの収入の階層が多いかも教えてください。

(介護保険課長)
 介護保険料の滞納理由としましては、不注意や長期不在等による納期の失念の他、失業や生活困窮、業績不振等による納付金の不足などがあることを把握しております。
 また、令和4年度の現年度分の保険料を滞納状況について、13の所得段階別に見ると、被保険者に占める滞納者の割合が最も高い階層は、生活保護受給者等や世帯全員が市民税非課税で、本人の所得が80万円以下の人が該当する第1段階となっています。
 2番目に高い階層は、本人が市民税非課税で、所得が80万円以下の人が該当する第4段階で、3番目に高い階層は、本人が市民税課税で、所得が125万円以下の人が該当する第6段階となっています。

(中村たかえ)
 やっぱり低所得者ほど負担が重くのしかかるっていうことだと思うんです。どうしても何らかの事情で介護保険料が滞納になってしまった、そんな方が今度介護サービス利用しようとしたときには、どういう対応がされるんでしょうか。

(介護保険課長)
 介護保険制度は、被保険者相互が負担能力に応じて保険料を負担し合うことで、サービスの提供に必要な保険給付費等の財源のおおむね2分の1を賄う仕組みです。
 このため、保険料納付せずに、保険給付を受けることは、保険料を負担する方との間で負担の不公平が生じるため、介護保険法等に基づき、1年以上保険料を滞納する場合には、その期間に応じて、介護給付の制限を行うこととしています。
 具体的には、保険料を1年間滞納した場合、本人がサービス提供者に利用料金を一旦全額支払い、その後に申請によって、市が保険給付分を本人に支給する、いわゆる償還払いとなります。
 また、保険料を1年6ヶ月滞納した場合は、償還払いとなる保険給付分を一時差し止め、それ以降も、滞納保険料を納めない際に充当することになります。これらは悪質な滞納事案に限って適合しており、現在、該当の事案はございません。
 さらに保険料を2年間滞納し、徴収権が時効によって消滅した場合は、例えば1割の利用者負担割合が3割になるというように、利用者負担割合が引き上げられます。令和4年度末現在における本市の被保険者約31万人のうち、この制限に該当する方は45人となっております。

(中村たかえ)
 実は私、この前介護保険のことでお話を聞いたんですが、先ほど紹介された、滞納されて介護サービスを受けようとした方で、滞納が先ほど2年以上の方は1割の利用者負担の割合が3割になるってことを紹介されたと思うんですけど、まさにそういう方の事例で介護保険料の滞納による保険給付制限についてなんですが、あるケアマネージャーさんからお話をお聞きしました。
 一人暮らしをされていて、認知機能の低下によってお子さんのおうちで生活するようになった方です。この方は、日中は1人で過ごされて、ほぼ毎日、1人で外を歩いていたと。いわゆる徘徊ですよね。この方は外を歩くときに認知機能の低下もあってか転倒も繰り返されていたっていうことで、包括支援センターが関わって、介護申請を行い居宅介護支援に繋がりました。
 主治医の助言によって、通所介護を週3日利用するように、ケアマネさんと調整を行っていたそうです。しかし、介護認定の結果は要介護1で、給付制限として、先ほど言われた給付額の減額っていうことで、負担割合が増えてしまったという方です。
 ご家族から、自己負担分はもう払えません。週1回でいいですということで、ケアマネージャーさん話を受けたけれども何とかできないかっていうことで、お住まいの区の福祉課に相談をされました。
 ただ、遡れないほどの滞納があるんだと。だから令和6年3月末までは、まず3割負担してくださいっていうことを言われたそうです。徴収第二課のケアマネさんも相談され、ご家族の方も、滞納遅延金は支払いました。ただやっぱり給付制限はそのままだっていうことです。
 認知機能の低下によって、社会との関わりも大事だ本人の安全も大事だっていうことで、通所介護は週3日が適正だって言われた人が、こうした利用負担ができないっていうことで、週1回しか使えなくなってしまう。本当に矛盾があるなっていうことを思っています。
 このお話をしてくれたケアマネージャーさんはこうおっしゃっています。「一人暮らしだったり、認知機能の低下などで介護保険料の督促が来ても理解できなかったり、相談できなかったりする方に対して救済策はないんだろうか。介護保険は、社会全体で介護を支える制度として生まれたんじゃないか。」
 現場の方はおっしゃっています。こうした実態に対して、広島市はどういう対応をとっていこうとお考えでしょうか。

(介護保険課長)
 介護保険法において、利用者負担割合の引き上げによる介護給付の制限を解除することができるのは、生活保護の被保護者となるなどの特別の事情がある場合に限定されているところです。
 このため、本市としては、まずは給付制限に該当する状況とならないように、介護保険料を適切に納付していただくことが重要であると考えており、各種の取り組みを行っています。
 具体的には、納付がない人に対して督促状や催告状を送付している他、介護保険料が消滅時効にかかる前には、給付制限についての通知を送付しております。
 この他、年に2回発送する介護保険料額のお知らせに、給付制限に関する注意喚起を記載し、納付の勧奨を図っているところです。
 また、認知機能の低下などで、金銭管理や介護サービスへの入所に関する契約等が困難な状況になった高齢者に対しては、成年後見制度の利用支援を行うとともに、区役所や地域包括支援センターにおいて、家族や地域の人からの相談に応じており、引き続き丁寧な対応を行ってまいりたいと考えています。

(中村たかえ)
 ということは、もっと滞納があって、利用負担が増えてしまったっていう方に対しても救済策がないっていうことだと思うんですけど、やっぱりそれって本当に介護が必要な人が排除されてしまう仕組みだと思います。
 国の制度上仕方ないっていうことをおっしゃられるんですけども、そうであるならば、年を重ねても、この街で生きていけるっていうことを支えるために、一つでも何らかの、今いろいろ言われましたけども、利用割合が増えてしまった人に対しても、認知機能が低下したことが理由だったりいろんな事情で、利用者の負担割合が引き上がってしまった人に対しても、何らかの救済策をする必要があるということを強調しておきたいと思います。

4.保育園の安全対策について
(1)給食調理員について

(中村たかえ)
 今日の最後のテーマです。保育園の安全作りについて、子どもたちの保育の安全性を保障するために、保育園で働く人、この人たちの安全も重要だっていうことで質問していきたいと思います。
 昨年8月、広島市の公立保育園で起こった正規調理員の死亡事故、グリストラップという、調理排水から油や野菜くずなどを取り除く設備の掃除中に起こりました。
 私はこの9月の厚生委員会の中で、再発防止のための安全対策について質問しました。危険な作業を、調理員に担わせるんじゃなく、業者清掃の回数を増やすことを求めて質問を行いました。
 その際の答弁では、当分の間の対応として、保育園等給食衛生管理マニュアルに、野菜くずの除去および槽内の、グリストラップの中ですね、に浮かんでいる油脂の除去を行うだけとして、危険を伴う作業はしないこと。グリストラップの清掃は、複数人の職員で行うことを周知する。また追加等の対策で、野菜くずを受け止めるバスケットのかごの取っ手の長いものに変更して、さらに油脂の除去のための吸着シートを使用する。その上で業者清掃については、グリストラップの汚れの状況を踏まえて、必要に応じて検討するっていうことでした。
 その後実際に取られた安全対策について教えてください。

(保育企画課長)
 令和5年8月に発生いたしました調理員の死亡事故を受けまして、職員によるグリストラップの清掃にあたりましては、グリストラップの蓋の開閉範囲を最小限にすることや、グリストラップの槽内に身を乗り出す作業は行わないこと、清掃見守りを含めて複数人で行うことなどを周知徹底いたしましたほか、野菜くずを受けるバスケットの取っ手について身を乗り出さなくても槽内から取り出せるよう、長いものに変更すること、それから油脂の除去について吸着シートを槽内に投入し、それを引き上げる形にするといった見直しを方を行いまして、安全対策を強化して危険を伴う作業をしないということを徹底しているところでございます。
 業者委託による清掃ですけれども、原則としてこれまで年2回行っております。大規模については年3回行っているところですけれども、今年度は園からの連絡を踏まえまして、7園において追加でグリストラップの清掃でありますとか、排水管の清掃を実施しているところでございます。

(中村たかえ)
 実際に危険な作業を伴わないことで、おそらくこれまでよりも、調理排水なので、いろいろ汚れたり、臭いが発生したりっていうことで、追加で清掃の依頼があった7園が、それを追加の清掃をしてほしいということで声が上がって、実際に業者清掃を定期の清掃以外で行ったっていうことだと思うんですが、ちなみに、全ての園も同じ認識なんでしょうか。
 グリストラップの汚れの状況によっては業者清掃、定期のもの以外で、担当課に要請したらいいっていうのはどの園も認識があることなんでしょうか。

(保育企画課長)
 先ほど申し上げましたような安全対策と合わせて、危険を伴う作業は行わないことという中で、グリストラップの清掃については、もう一定の作業に限る中で、必要に応じて業者清掃を行うということは、周知を図っているところでございます。

(中村たかえ)
 ぜひ、どの園も気軽に要請ができるように、引き続き周知を図っていただきたいと思います。
 先ほど通知の紹介のときに、複数人で対応するんだっていうことだったと思うんですけど、いろいろ人手不足だっていう中で、この実際に現場では、通知に沿って複数人での清掃っていうのは、運用は回ってるんでしょうか。

(保育企画課長)
 複数人での清掃作業につきましては、今後同様の事故を起こさないよう、何かあった場合にもですね、連絡等を行える体制を確保するという再発防止の観点から見直しを行ったものでございます。
 この認識を現場の職員にも共有してもらう必要がございますことから、複数回にわたって職員への周知を図っておりまして、適切に清掃が行われているものと考えております。

(中村たかえ)
 安全な労働環境を整備するっていうことで、本当に重要な通知と実施事項だったと思います。
 さらに、安全な労働環境といったときには、安定して雇用される正規職員がいるっていうのも重要です。
 来年度の当初予算、来年度の人員配置を見ていると、保育園の給食調理員が3人減るっていうふうに書いてあって、説明読むと、正規職員と非正規職員との役割分担を踏まえた執行体制を見直すことに伴ってのものだっていうことなんですが、そこでお聞きします。
 今のような安全対策だが大事だっていうときに、調理員がこれまでより3人減って問題はないんでしょうか。

(保育企画課長)
 委員ご指摘の調理員の3人の減ですけれども、正規調理員の退職者2名のほか、再任用のフルタイムの調理員の退職者等が3人生じることによる合計5名の減員と、令和6年度に再開いたします正規調理の新規採用による2人の増員の足し引きによるものでございます。
 3人の再任用、フルタイムの調理員の退職者等につきましては、今年度までフルタイム勤務の会計年度任用職員を本来配置するポストに在籍をしておられたもので、このたびの退職等に伴いまして、来年度以降はフルタイム勤務の会計年度任用職員を配置することになります。
 既にこの3人の職員の方は確保しておりまして、確実に配置を行っていきたいと考えております。

(中村たかえ)
 正規職員に類するフルタイム会計年度任用職員の3人が退職になるから、さらにそこには、フルタイムの会計年度任用職員、正規職員に類する立場の人から、非正規職員に置き換わるっていう理解でいいんでしょうか。

(保育企画課長)
 本市の方で、会計年度任用職員制度を導入した際に、正規職員と会計年度任用職員の職の分担役割分担を行っておりまして、それに基づいて今のような対応をしているということでございます。

(中村たかえ)
 それではちょっとまず最初に教えてほしいんですけど、保育園の給食室に正規職員がいない園は何園あるんでしょうか。

(保育企画課長)
 令和5年度におきまして、正規調理員がいない保育園の方は40園となっております。

(中村たかえ)
 それでは来年度から新たに正規職員がいなくなる園はあるんでしょうか。

(保育企画課長)
 正規調理員がいない園は令和6年度、1園増加しまして41園になる予定でございます。

(中村たかえ)
 新たに正規職員がいなくなる園は何でできるんでしょうか。

(保育企画課長)
 調理員がいない園が1園増える理由ですけれども、正規調理員のうち1名につきまして、来年度定年延長により、正規調理員として通常調理業務を行っておった業務から外れて、技術継承調理員ということになりまして、自らの所属園以外の巡回をして、調理技術の継承を図る役割を担うことになるもの。によるものです。

(中村たかえ)
 わかりました。ちなみに先ほどお聞きしそびれたんですが、正規職員の調理員と、会計年度任用職員の調理員の業務内容は、先ほど役割分担だっておっしゃられたんですけど、具体的にどう違うんでしょうか。

(保育企画課長)
 令和2年度に、会計年度任用職員制度が導入されたのを機に、職の再設定ということで整理を行っておりまして、正規調理員につきましては提供食数が多く従事する職員も多い大規模な園における調理員のリーダーとして、短時間勤務の会計年度任用職員を統率して調理業務を行う他、食物アレルギー児の保護者への対応や勤務表の作成、保育士との連携等の業務を行っているものでございます。
 一方で改善系年度任用職員の調理員につきましては、中小規模園において配置していた短時間勤務の調理員の代わりにフルタイム勤務の2人を配置し、この2人が連携協力して、調理室のリーダーとしての役割を担うとともに、開所時間の途中で全ての調理員が入れ替わることのない体制構築を図ったところでございます。
 また調理員が休憩休暇を取得したり、研修に参加をする際に代替要員として従事する調理員もおります。

(中村たかえ)
 今は役割分担だっていうことで紹介していただいたんですけど、子どもたちに安全で美味しい給食を提供するために、正規調理員さん、会計年度任用職員の調理員さんどちらも子どもたちが地元の食材や季節の食材を美味しく食べられるように工夫をされ、責任とやりがいを持ちながら、日々業務にあたっておられます。
 先ほどの説明では、正規職員のいない保育園では、8時間の会計年度任用職員2人の調理員さんがそれぞれ時間の調整もしながら、正規職員の代わりに、役割もしっかりと果たしながら、子どもたちへの給食の提供や、先ほど述べたグリストラップの清掃作業に従事されているんだと思います。
 同じような業務をしているにも関わらず、そうは言っても正規雇用と非正規雇用では待遇に差が生じます。やっぱり各園に正規の調理員が1人いるっていうことが、安全な給食の提供って安全な労働環境の整備に広島市が責任を持つっていうことになると思います。
 そこで確認なんですけど、各保育園に正規職員の調理員を1人は配置するっていうお考えはありますか。

(保育企画課長)
 先ほども一部ご答弁いたしましたけれども、令和2年度に行いました会計年度任用職員制度の導入を機に職の設定を行った中で、正規調理員とフルタイム勤務の会計年度任用職員の役割を整理いたしまして、大規模から小規模の園までどの園におきましても安定して給食を提供できる体制の確保を図ったところでございます。
 今後とも引き続きですね、この基本的な役割分担を維持しながら、必要に応じて、衛生調理員を採用するなど、適切な配置を図っていきたいと考えているところです。

(中村たかえ)
 同じ業務をしているにも関わらず、待遇に差が出るっていうのは本当にやりがいの搾取としか言えないなと思っています。
 午前中の岡村議員の要望で、保育園の3歳児の主食を園で提供するっていうのも必要じゃないかってことをおっしゃられてましたが、やっぱりそうした子どもたちのにとって何が最善かっていう視点で考えれば、正規職員の採用を再開したというのは大変喜ばしいですが、現場に必ず正規職員の人がいるっていうのが大事だと思います。
 今後は正規調理員の退職や欠員を埋めるのに、会計年度任用職員でなく、正規の調理員を増やして、子どもに安全な給食を提供する。働く人にとっても安全な労働環境、安全な保育園を作るっていう努力を強めていただきたいと要望しておきます。

(2)保育士の配置について

(中村たかえ)
 このテーマの最後です。保育士の配置基準や処遇改善についてです。
 国は保育士の配置基準を76年ぶりに見直すとしました。これは、保育士や保護者の皆さんが長年、安全で安心の保育の実現のために、本当に忙しい日々の中で養成行動や署名行動など取り組んできたことが大きな力になりました。
 しかし一方で、現場では実際に保育士が確保できるんだろうかっていうことが課題になっています。そこでお聞きします。来年度の保育士の欠員はありますか。

(保育企画課長)
 来年度におきまして、まず公立保育園における正規保育士は欠員は生じないと考えております。
 一方で、会計年度任用職員につきましては、現時点で欠員が88名となる見込みでございます。
 ただ88名については、定員に応じた子どもの受け入れに対応するための職員は、別途確保しておりますので園児の子どもの数の受け入れには影響を与えないというものでございます。

(中村たかえ)
 だから来年度の会計年度任用職員の88名の欠員というのは、子どもを預かるための配置基準には影響しないという理解でよろしいんでしょうか。それでは、現在の欠員はあるんでしょうか。

(保育企画課長)
 現時点におきまして、同じく正規保育士については欠員はございません。一方で会計年度任用職員のうち、5時間45分勤務の職員につきまして、欠員が66名生じているところです。
 これにつきましては先ほどもちょっとご説明をご提案いたしました通り、日任用の会計年度任用職員の雇用を行っておりまして、57名ほど補充をしておるところです。
 こういった形で引き続き安心安全な保育園運営を行えるように職員の確保に努めてまいりたいと考えております。

(中村たかえ)
 決算特別委員会でもお話したと思うんですけど、非正規雇用を非正規雇用で賄っているっていう実態だと思うんです。
 やっぱりまずは、処遇を広島市独自でも改善させていくっていうことが、この欠員解消に必要だということを思います。
 先ほど述べた国の保育士の配置基準の見直し、広島市は今後どう対応されるんでしょうか。

(保育企画課長)
 この度国において令和6年4月から実施予定の、3歳から5歳までの園児に対する職員の配置基準の見直しですけれども、園児の安心安全の確保や職員の負担軽減、それから幼児教育・保育の質の向上にも資するものと考えておりまして、公立私立を問わず、市内全ての保育施設において着実に進めていくことが重要であると考えております。
 一方で、この度の配置基準の見直しには基準を上回る職員配置の加算措置が従前より設けられております3歳児以外に、4・5歳児や、令和7年度以降には1歳児も対象に加わってまいります。
 私立園における職員配置の現状でございますとか、現在の基準により運営が可能な経過措置の期間なども考慮しながら、見直し後の基準に基づく施設運営に円滑に移行するための進め方等を速やかに検討してまいりたいと考えております。

(中村たかえ)
 本当に今全国でこの配置基準見直しに当たって、保育士の確保にも広島市だけでなくて多くの自治体が苦労されてることだと思うんです。
 今回、先ほど欠員のところを確認しましたが、広島市の公立保育園で言えば正規保育士さんは欠員はないけれども、会計年度の保育士さんは、現時点で66名が、57名補充した上でそうは言っても欠員が現在でも生じ、来年度は88名も欠員があるっていう状態で、保育士確保は相当大変だと思うんですが、広島市は具体的にどのような取り組みをされているんでしょうか。

(保育指導課長)
 保育士確保については、本市では、国の公定価格の加算に上乗せを行う処遇改善事業やICTの導入等による保育士の負担軽減のほか、より保育現場に寄り添った取り組みを効果的に進めていく必要があることから、本市における保育の主体的な担い手である市立保育園等で構成される広島市市立保育協会に委託し、連携をしながら取り組んでいるところです。
 具体的には、新規卒業者の確保、保育人材の交流支援等により、保育の魅力の発信や、早期離職を防止することを目的に関係機関や保育士養成校と連携して、合同就職説明会、学生と若手保育士との交流会の開催、就職体験マッチング支援や高校生保育魅力体験事業を行っています。
 また、こうした入職部分の取り組みに加え、一定期間勤務している現役保育士の離職防止を図ることを目的として、令和4年度から、市立保育協会内に保育の相談窓口を設置し、心理士と元公立保育園長が相談員として、園長や現役保育士からの相談に対して適切な助言指導を行っており、入職部分と離職防止の双方の取り組みを取り図りながら、保育士確保に努めております。

(中村たかえ)
 広島市として取り組みをされているっていうことなんですが、保育士不足の要因の大きなものは、仕事の大変さに比べて賃金が低いことだ。
 また今の現時点の配置基準が実態に見合ってないことだと思うんですさらに非正規雇用になれば、賃金は低くなり、将来の見通しも立ちません。
 広島市としてこうしたケアに携わる人たちがやりがいを持って、なおかつ生活の見通しが持てるようなサポートを、いろいろICTの活用だとか相談にも乗るんだっていうことも大事な取り組みだと思いますが、広島市として独自に保育士さんの処遇改善、直接的な賃金の引き上げなども手立てを取れるように工夫するべきだと思います。
 最後に、子どもたちの安全をどう守るかっていう点で、2022年に起こった広島市の公立保育園での園児の死亡事故を受けた安全対策についてです。
 昨年の決算特別委員会でも質問しましたが、次のようなお話でした。職員の配置基準の改善へ、主任保育士の専任化を進めていく。3歳児の保育士配置の改善としては、市独自に3歳児20対1から15対1に見直すってことを検討して、令和7年度から検討結果を踏まえて進めていくんだっていうことでした。
 先ほどの国の基準見直しへの対応を踏まえて、結局この来年度以降のこの取り組み方針についてはどのように進められるんでしょうか。

(保育企画課長)
 ご指摘の取り組み方針への対応のうち、公立保育園における職員配置基準の改善等に係る取り組みにつきましては、園内のマネジメントをまず強化したいという観点から、主任の専任化に今取り組んでいるところでございます。
 そうした中で、令和5年度から6年度までの間に実施方針の検討を行うこととしておりました、3歳児の保育士配置改善、独自の取り組みですけれども、これにつきまして今回の国による配置基準の見直しと併せて取り組むことになると考えております。
 取り組み方針の策定目的を達成する観点からも、本市として着実に取り組みを進める必要があると考えております。
 3歳児に加えまして4歳児や令和7年度以降は1歳児もあわせて配置基準の見直しへの対応も検討しなければなりませんので、公立私立を問わず課題となります保育士の確保につきまして、これまで以上に、年度間の採用人数の平準化、それから質の確保などに留意しながら、いつまでに、どのようにして確保を図っていくかなどの実施方策につきまして関係部局との協議や、具体的な検討を急いでまいりたいと考えております。

(中村たかえ)
 検討するっていうことで、なかなか保育士の確保は本当に苦労されてるんだと思います。
 最後に強調したいんですが、広島市の公立保育園が率先して保育士や調理員を正規職員として雇用すること。それが保育の質を高めることだと思います。
 さらに、子どもに優しい広島市を実現する土台であると思います今回四つのテーマ質問しましたが、どれも答弁の中で、国がやるべきことだ。国の動向を見るんですっていうことで、本当に国の動きに左右されています。
 このコストカット型経済を進め、自助共助を自治体に押しつけてきた自民党政治のゆがみが、子どもやお年寄りだけでなく、多くの市民に、そして働く人々に押し付けられ、生活のしんどさや将来への不安が与えられているということが、よくわかるんじゃないかなと思います。
 ただ、こども医療費補助制度の年齢拡大や、国民健康保険料の未就学児への減額措置で今回の保育士の配置基準の見直しなどは、多くの市民の声と行動で、行政を動かしてきました。
 地方自治法でも、住民の暮らし・福祉の増進に寄与することが目的だと言われている。その精神のもと、市民の声をしっかり聞く、広島市を作っていくために引き続き努力をしていただきたいと要望して質問を終わります。

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