議会での質問・答弁

2024年02月27日

2024年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議案討論 清水ていこ

 お疲れ様です。日本共産党の清水てい子です。日本共産党市議団を代表して、上程された議案について討論を行います。
 最初に各議案についての賛否を申し上げます。 
 まず、最初に反対するのは、第136号議案と第140号議案の2つです。
 意見を付して賛成の議案は第124号議案と第129号議案の2つです。

 反対する議案について、その理由を述べます。
 第136号議案「広島市公園条例及び広島市附属機関設置条例の一部を改正する条例」についてです。
 Park-PFI制度を活用し、民間事業者が平和大通りの公園施設の管理運営を行うための条例の一部改正です。平和大通りは1945年8月6日の8時15分、建物疎開のための学徒動員で駆り出されていた児童生徒や義勇隊として組織された市民の多くが原爆の犠牲になった場所です。
 そのため、犠牲者を悼む慰霊碑や記念碑などが設置されています。また「供木運動」が取り組まれ、平和を願う多くの市民によって、75年草木も生えないといわれた広島市が緑豊かな街に生まれ変わった象徴的な道路です。
 2022年3月に策定された「平和大通りの利活用のための基本計画」の目指す姿は、「鎮魂、憩い、にぎわい、おもてなしが調和し、都心の回遊を促す平和のシンボルロード」にするというものです。鎮魂とにぎわいは両立しません。今回の条例改正により、平和大通りが企業の新たな儲けの場になるのではないかと危惧しています。
 以上の理由で、この議案には反対します。

 第140号議案は、広島市中央図書館等のエールエールA館への移転整備のために、今回、土地に3億1,503万1,374円、建物に65億9,499万9,075円を支払って、広島駅南口開発株式会社などから取得しようとするものです。
 実は、エールエールA館の敷地にも建物の地上権にも広島市の持分がもともとありました。エールエールA館の敷地の57.3%、建物の10階部分の27.7%は市が所有していました。それらを、平成17年、2005年にすべて広島駅南口開発株式会社に現物出資しました。その時の現物出資した額は、土地が11億2千万円、建物の地上権が3億4千万円、合わせて14億6千万円です。この持分は、市民の税金を使って取得されたものでしたが、それらを、南口開発株式会社に提供したわけです。
 今回、エールエールA館に、中央図書館等を移転整備するために、また市民の税金を使って取得しようとしていますが、これは、市が、同じ土地、同じ建物の地上権に対して二重投資をすることになり、市民とすれば、納得しがたいことです。
 そもそも、広島市の歴史を背負った中央図書館として、その位置や環境などで、様々な市民の意見があったにも拘らず、中古の商業ビルに移転整備するという、極めて異例なやり方を強行したと認識しています。
以上の理由で、この議案には反対します。

 次に意見を付して賛成の議案について意見を述べます。
まず、第124号議案、令和5年度一般会計補正予算についてです。
「こども誰でも通園制度(仮称)」の試行事業についてですが、これは「異次元の少子化」の政策の一環として行われる「すべての子育て家庭を対象にした保育の充実」を目標にした事業で、月に10時間を上限に利用できる制度です。子育て世代の負担軽減を目的に行われるものですが、そのためには、試行する施設の安全性や保育士の配置や高い専門性が求められます。
 時間単位ではなく、安定的なかかわりを保障する保育園が必要ではないかと思います。
 また、今でも保育士不足や保育士の労働環境が懸念されています。そのことを加味して実行されることを求めます。

 最後に、第129号議案、中央卸売市場特別会計は、中央卸売市場の建て替えの実施設計の予算を追加して補正するものです。
 中央卸売市場は老朽化に伴って建て替えが必要になっていることは理解できるのですが、その際に考えなければならないのは、いまの市場をつくったときとは比べ物にならないくらい、市場の取扱高の規模が小さくなっていることです。老朽化で建て替えが必要だとしても、財源の有効活用という視点から考えれば、当然、現状の取り扱いの規模を考えたものにする必要があります。ところが、全国で3番目という大規模な施設規模そのままに建て替える計画になっているのではないかという懸念があります。
 示されている事業規模は、約580億円ですが、施設の規模を実態に見合ったものにすればもっと縮小できると考えますし、市場の、そもそもの目的から外れた観光施設として賑いに貢献するという考え方は、巨額の事業費をかけてそこまでやるのかと、必要性に疑問を持たざるをえません。
 市は、ずっと以前から財政が厳しいと言い続けているわけですから、そうした状況に見合った適切な規模や必要性に絞った施設のあり方にしていくべきだとの意見を付しておきます。
 以上で、討論とします。

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