議会での質問・答弁

2021年09月27日

2021年第3回 9月定例会 総務委員会 中森辰一議員

第92号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第6号)
第94号議案 広島市個人情報保護条例の一部改正について
第100号議案 辺地に係る公共的施設の総合整備計画の変更について
第106号議案 契約の締結について(吉島屋内プール新築工事)
討論
請願第21号「広島市職員の『宣誓書』に憲法尊重擁護に関する記載を追加することについて」
報告 広島市行政経営改革推進プランの令和2年度実施状況について
    収納率向上のための取組の推進(市税)について
付託案件外
1.投票所について
2.旧陸軍中国軍管区輜重兵補充隊遺構等の保存について

第92号議案 令和3年度広島市一般会計補正予算(第6号)

(中森辰一) 
 幾つか質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、第92号議案の補正予算についてですが、このうちのキャッシュレス決済の推進ということがありました。先行導入するということで、今回区役所市民課窓口と平和記念資料館の窓口に導入するということですけども、お金の支払がある窓口はほかにもあると思うんですが、全体としてどれぐらいの窓口が今後の対象になっていくのでしょうか。

(行政経営課長)
 今回先行導入をさせていただきますが、この度の先行導入の効果などを踏まえて、市民の利便性の向上を第一に考えつつ利用者が多い窓口を中心に導入の検討を進めていくことと考えており、現時点でどれぐらいということについては、これから検討させていただくということでございます。

(中森辰一) 
 ということは、全部に導入するわけではないということでいいですか。

(行政経営課長)
 全ての窓口に導入する予定はございません。

(中森辰一) 
 クレジットカード、プリペイドカード、スマホ決済の三つが考えられますけども、これ以外に何かありますか。

(行政経営課長)
 この度導入を考えているのは、クレジットカード、交通系ICカードなどの電子マネー、スマホで表示するQRコード決済の三つの種別を考えております。

(中森辰一) 
 交通系ICカード以外にもプリペイドのいろんなカードがありますけれども、そういうものはまだ考えているわけではないということでよろしいですか。

(行政経営課長)
 これから導入をさせていただいて、そういった中で市民の方の声なども踏まえながら、今後検討課題とさせていただくことになろうかと思います。

(中森辰一) 
 それから、似島臨海少年自然の家の整備ですけど、今回いろんな条件で事業費が増額せざるを得ないというようなことになったということですけど、この追加の地盤改良工事費がどれだけで、木材価格の高騰に伴う工事費の増額はどれだけかという2種類、この二つの内訳の金額を教えてください。

(地域活性推進課長) 
 地盤改良工事に係る増額が9,000万円で、木材高騰に係る増額が1億5,000万円となっております。1,000万円については、木材使用について見直すことで1,000万円の縮減を図っており、合計で2億3,000万円となっております。

(中森辰一) 
 木材に関しては、今も高騰を続けているという実態があると思うんですけど、この点の見込みはされているんですか。見込みがされてないとなると、また増額の補正をしなくてはいけないということになりかねないと思うんですけど、その辺はどうでしょう。

(地域活性推進課長) 
 木材価格の今後の見通しについては、確かにまだ不確定な部分はありますけれども、もし仮にこの先更に高騰が続くようなことがあれば、今回の補正額をもってしても予算不足が生じるということになった場合は、その理由を分析した上で再度対応策を検討し、既定予算の流用による対応等可能な限り速やかに整備工事を進めていきたいと考えております。

第94号議案 広島市個人情報保護条例の一部改正について

(中森辰一) 
 それから、第94号議案ですが、今回の法律改正に伴う規定の整備ということですけども、デジタル関連法が成立して、法が推進しようとしている方向でデジタル化が進められるということですが、広島市個人情報保護条例というのは、この法律に沿っていろんなことが行われていく。それに伴って、この個人情報保護条例も改正が行われるということになるのではないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。

(公文書館長) 
 今回の改正でございますが、本年5月12日にデジタル庁の創設であるとか、個人情報保護法改正を盛り込んだデジタル改革関連法が成立したことに伴い、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律が改正されたため、この番号利用法を引用している本市個人情報保護条例の条文について、規定の整備を行うことでございます。
 本市の個人情報保護条例ですけど、国の個人情報保護法に関連して、本市の個人情報保護条例は先行して実施してきたという経緯がございます。個人情報保護法の改正が令和5年の春ということになっておりますので、それまでにこの法律に適合するように本市の個人情報保護条例を改正する必要があります。令和4年度中には、本市の個人情報保護条例を改正する手続を行う予定でございます。
 今後、国に対しては、新制度の施行に向けた準備等を円滑かつ確実に実施できるよう、住民と直接関わり、大量かつ多様な個人情報を有する市町村の意見を十分に聞きながら、国に対してガイドラインの作成を検討することなどを求めていきたいと考えております。

(中森辰一) 
 私どもの理解では、個人情報の保護ということが今は各自治体でそれぞれ考えられて、いろいろ取り組まれてきたということですけども、これを今後は国が一括的、一元的に管理をしていくという方向になると理解をしているんですけど、広島市としては、今までやってきた個人情報保護の在り方が今後どういうふうに変わっていくとお考えでしょうか。

(公文書館長) 
 本市の個人情報保護条例でございますが、まず定義の変更ですが、国の個人情報保護法と違うものについては、死者に関する情報です。死者に関する情報は、市の条例では個人情報に含まれていますが、国の個人情報保護法は死者に関する情報は含まれていないということが違います。
 それから、要配慮個人情報でございます。思想であるとか信条に関する個人情報の定義が、市と異なります。例えば、今話題のLGBTであるとか、障害者であるとか、生活保護といったいわゆるセンシティブ情報に関しては、定義が市と国の定義では異なります。
 その異なったものをなるべく補うような形で、本市の個人情報保護条例の改正に向けて、引き続き検討していきたいと考えております。

第100号議案 辺地に係る公共的施設の総合整備計画の変更について

(中森辰一) 
 また改めて細かく教えていただきたいと思います。
 第100号議案ですけども、似島に来てくださる人たちをどう増やしていくかという取組の一つだと受け止めているんですけども、そういうことでよろしいでしょうか。

(地域活性推進課長) 
 似島においては、人口減少、少子高齢化が急速に進んでいる状況であり、似島に少しでも多くの来島者を増やすために、最も集客力のある似島臨海少年自然の家の再整備を行うものです。

(中森辰一) 
 今おっしゃったように、似島では人口減少、高齢化ということが進んでいます。地域の存続が問題になってきているということだと思うんですけども、この地域が維持されるためには、やはり人の活性化と言うか、新陳代謝と言いますか、将来的にも現役世代の定着が必要になってくると思うんですけども、そういう点での取組として、どういうことが行われてきたんでしょうか。

(地域活性推進課長) 
 現在似島では、こうした来島者を少しでも増加を図る取組として動きが非常に活発になっておりますけれども、例えば本市が関係する事業では、みなとフェスタで似島会場を設けたり、ドイツとゆかりの深い似島でハノーバーの日の記念イベントを実施したり、似島のことをより深く理解するための謎解きとサイクリングを組み合わせた企画などを実施しています。
 また、民間事業者においては、小学生を対象としたスポーツ大会が開催されており、当初はサッカーだけで始まりましたけれども、その後、ミニバスケットボール、3x3が加わり、さらに今年度はトライアスロン体験会が開催されるなど、内容の拡充が図られ、本市も開催経費の一部を支援しております。
 また、地域おこし協力隊においては、カヤックやバーベキューができるよう砂浜に施設を整備し、昨年の10月から運営を開始しております。

(中森辰一) 
 高齢化が進んでいくというのは、やはり若い世代がなかなか定着できない、似島で生まれて育っても外に出ていかざるを得ないという事情があるからではないかと思うわけです。そういう点で言うと、そこで子どもを産み育てて、生活をし続けていくという基盤が大事になってくるし、もちろん観光産業ということも大事なことだろうと思いますけれども、そういうことも含めて定着できるような産業と言いますか、そういうものを考えていくということが必要なのではないかと思います。この中国地方でも人口減少、高齢化という問題に突き当たって、いろんな工夫のある取組をされて、現実には若い人が定着したり人口が増えたりとか、そういう地域もありますので、是非いろいろと学んで導入していくと言いますか、考え方を導入していくというか、そういう努力もこれから必要になっていくと思いますので、是非御努力いただきたいということを申し上げておきたいと思います。

第106号議案 契約の締結について(吉島屋内プール新築工事)

(中森辰一)
 もう一つ、第106号議案の契約の締結として、屋内プールを建て替える、造り替えるということですが、今まであった老人いこいの家との合築だという説明ですけども、図面を見させていただいたりしても、どうも老人いこいの家のもともとの機能というのは入っていないのではないかと思います。老人いこいの家そのものは所管ではないですけども、なぜ単独のプールだけということになったのでしょうか。

(スポーツ推進課長) 
 吉島屋内プールと、それから吉島老人いこいの家ですけれども、吉島屋内プールについては、中工場の建て替えに伴う地域環境整備として、平成12年に本市と地元とが締結しました確認書において、建て替える旨を回答しております。
 当初は、吉島老人いこいの家との一体整備を計画していました。その後の議論の中で吉島老人いこいの家は廃止することとなりましたが、地元から施設の有効利用を図り、子どもと高齢者などと分けることなくコミュニケーションが図れる場にしたいとの要望があり、これを踏まえ、プール施設内に多目的室2室を整備することにしたものです。
 多目的室の活用については、吉島屋内プールの指定管理者に多世代を対象としたスポーツ教室等を開催してもらうほか、地元においても地域のコミュニティ活動に資する活用がなされるものと考えております。

(中森辰一) 
 ここで聞いてもお答えいただけるかどうか分からないですけども、地元の町内会等の要望を受け入れたとか、声を聞いたというふうにおっしゃったんですが、老人いこいの家を廃止するということになりますと、それまでの利用者がいたわけで、そういう人たちの声をちゃんと聞いたかどうかというのは一つ問題になるのではないかと思っていますし、これまでの説明を聞いたところでは、そういう利用者の声を聞いたということはどうも感じられないので、そこら辺は問題があったのではないかと思っています。その辺は、もう一度よく利用者の意見も聴いていただけるような取組をお願いしておきたいと思います。

討論

(中森辰一) 
 第95号議案「広島市個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例」については、私どもとしては、この個人番号制度そのものの導入に反対しておりましたし、今でもやめるべきだと思っておりますので、この議案については、反対をいたします。

請願第21号「広島市職員の『宣誓書』に憲法尊重擁護に関する記載を追加することについて」

(請願者)
 広島市東区中山鏡が丘15番7号、杉林晴行です。
 本日は、請願の趣旨の説明をさせていただく機会を与えていただき、ありがとうございます。
 また、請願書の提出は初めての経験でございまして、まず、請願書の提出をするために紹介議員として御署名してくださいました中森議員、中原議員、藤井議員、近松議員、吉瀬議員に深く感謝申し上げます。
 私は、日本人として生きるために一番大切なことは、最高法規である日本国憲法を頭に入れておくことだと思っています。全ての日本国民が憲法を守れば、皆が安心して幸せに生活することができるすばらしい国になると思っています。憲法第25条の生存権、国の社会的使命には、全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、第2項として、国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないとあります。憲法が発効してから、既に74年が経過しております。この条規が守られていれば、コロナでここまで皆が苦労することはなかったのではないかと思っています。
 この度、広島市の職員の皆様の宣誓書に、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護することを固く誓いますと追加をお願いしましたのは、憲法第99条の憲法尊重擁護の義務として、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負うとあるからだけではなく、国家公務員、裁判所の職員、広島県の職員の皆様が宣誓書に憲法を遵守することを書かれているからです。ところが、広島市の職員の皆様の宣誓書の中には、憲法を遵守するという項目がありません。そうした中で、広島市の宣誓書の中に、一番具体的に書かれておりました広島県の宣誓書の内容を追加していただければ有り難いと思っています。
 私は、この請願に当たり、ただお願いするだけではなく、主権者である日本国民の一人として、次のことを皆様の前で誓います。まず、憲法前文です。憲法前文の末尾には、日本国民は、国家の名誉に賭けて、全力を挙げて崇高な理想と目的を達成することを誓うと結んでいます。私は、この憲法前文の崇高な理想と目的を達成することを誓います。そして、憲法第27条第1項に基づき勤労の義務を果たすこと、そして、第30条に基づき納税の義務を果たすこと、そして、選挙では必ず投票に行き、憲法を尊重擁護する候補者に投票すること、そして、最高裁判所の国民審査では、憲法尊重擁護の義務を果たしていない裁判官にはバツ印を付けること、以上を主権者の国民の一人として誓います。
 どうぞ、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護することを固く誓いますを宣誓書に追加することを、よろしくお願いいたします。
 以上、私の請願書に対する趣旨説明です。御清聴ありがとうございました。

(企画総務局長)
 本委員会に付託された請願第21号「広島市職員の『宣誓書』に憲法尊重擁護に関する記載を追加することについて」、着席して御説明させていただきます。
 職員の宣誓書については、地方公務員法第31条の規定により、職員は、条例の定めるところにより服務の宣誓をしなければならないとされ、本市では、この服務の宣誓について定めることを目的とする職員の服務の宣誓に関する条例第2条の規定により、新たに職員となった者は、任命権者である市長が定める様式の宣誓書に署名することとしています。
 また、宣誓書には、国際平和文化都市を目指す広島市の職員として、その職務が広島市民全体から信託された公務であることを深く自覚し、市民のために、市民の立場に立ってその職務に積極的に取り組み、広島市職員としての誇りをもって市民福祉の向上に全力を尽くすと記載されており、宣誓書にある国際平和文化都市は、国内で唯一本市だけがまちづくりの最高目標とする都市像として掲げているものであり、憲法や地方自治法の理念がそのまま流れ込んでいるものと考えています。
 この宣誓書は、それまで、広島県など他の自治体と同様に憲法第99条に定める憲法尊重擁護義務を記載していたものを、被爆の廃きょから復興し、昭和55年、1980年に政令指定都市へと発展を遂げたことを機に、熟慮の上、昭和58年、1983年に改め、以後40年近くにわたり用いており、良い宣誓書であるとの評価もあるところです。
 こうしたことから、本市としては、宣誓書の内容を変更することは考えておりません。
 以上で、請願第21号に関する現況説明を終わらせていただきます。

(中森辰一) 
 請願番号が若いということで、先に行わせていただきたいと思います。
 請願第21号は、職員の服務の宣誓の文面に憲法尊重擁護義務、憲法を擁護するということを書き加えてもらいたいということでありました。先ほど説明がありましたように、地方公務員法第31条で服務の宣誓をしなければならないということになっておりまして、それがされないうちは職務ができないということになっていると思います。これは法律上の義務になっているわけですが、現状の宣誓書に変わったのが昭和58年、1983年からということでありました。今回こういう提起がなされて、広島市としてはどのように受け止めたかということを聞こうと思ったんですけれども、この憲法の内容が含まれているというふうな説明をされて、変更する考えはないというふうに今おっしゃったわけです。当然のことですけども、市の職員の皆さんは一人一人が日本国憲法を守る義務があると。これは憲法第99条に書かれているわけですけども、全員が深く認識しておられると断定できますか。

(人事課長) 
 まず、憲法第99条ですけれども、職員になったときに必然的に憲法を尊重し擁護するということになっておりまして、そういったことからも、全ての職員がそういった観点で意識を持って職務に当たっているものと考えております。

(中森辰一) 
 当然のことですけれども、県の宣誓文が紹介されました。それから、裁判所職員の宣誓文も紹介をされております。裁判所であろうと県の職員であろうと、公務員というのは皆憲法を守らなくてはいけないと憲法第99条には書いてあるわけですけども、あなた方がおっしゃるような、当然守ることが前提だということだけで済まされるのであれば、法の番人と言われているのが裁判所ですけども、わざわざそういうところの職員まで、なぜこの憲法擁護ということを書き加えているのか。その辺りは、考えられたことがあるでしょうか。

(人事課長) 
 先ほどの説明の繰り返しになりますけれども、あくまでも今回の宣誓書については、地方公務員法第31条の規定によりまして、職員は、条例の定めるところにより服務の宣誓をしなければならないということとされておりまして、本市ではこの服務の宣誓について、職員の服務の宣誓に関する条例ということで定めまして、その第2条の規定によりまして、新たに職員となったものは、任命権者である市長が定める様式の宣誓書に署名するということにしております。
 繰り返しになりますけど、憲法は当然に尊重して擁護しなければならないと考えておりまして、今の現行の宣誓書も昭和58年に見直した時に、当然憲法の理念も組み込んで、流れ込んでいるものと考えておりまして、裁判所の件について我々が申し上げることはありませんが、現状の宣誓書で変更する必要がないと考えております。

(中森辰一) 
 あなた方はそういうふうに作った側だという立場で言っていらっしゃるのだろうと思いますけれども、もちろんこの宣誓文というのは市長が決めるということになっているわけですけども、恐らく圧倒的多数のところの宣誓文の内容には、やっぱり憲法という言葉がはっきりと書き込まれているのだろうと思うんですが、この国際平和文化都市を目指す広島市の職員として以降の文面の中に、全体の奉仕者として、そして主権が国民にあるということがきちんと書き込まれている憲法を守るというようなことが、この文面の中にきちんと含まれているということを認識している職員がどれぐらいおられると思いますか。

(人事課長) 
 そもそもですけれども、この宣誓書に宣誓いただく前に、職員として採用された職員には、事前に採用に当たっての資料を送っておりまして、その資料には当然公務員の根本基準、根本理念というか、憲法を尊重する旨ということで、そこら辺の記載も行っております。そういったことから、事前の周知を図っているということと、先ほど来繰り返しになりますけれども、この宣誓書の特に国際平和文化都市というところは、昭和45年に第1次の基本計画を策定いたしましたけども、それから一貫してまちづくりの最高目標とする都市像として掲げております。この都市像というのは、皆さんに議決いただいているというところもありますけども、当然に憲法の理念というものが込められているものと考えております。
 加えて申し上げますけれども、具体的には昨年7月に議決いただきましたけれども、策定いたしました広島市総合計画、こちらにおきまして、国際平和文化都市として本市が目指す平和、この平和というのが世界中の核兵器が廃絶され、戦争がない状態の下、都市に住む人々が良好な環境で尊厳が保たれながら人間らしい生活を送っている状態ということとしております。我々職員だけではなくて、全ての市民の方がそういった認識を持たれているということで、当然そういった憲法を守るという認識はあろうかと考えております。

(中森辰一) 
 今あなたがおっしゃった国際平和文化都市というものの中身ですけれども、その中に憲法に書き込まれている基本原則が含まれていると言いながら、そのこと自体は基本構想の中にきちっと書かれているわけではないです。憲法という文言を用いて、書いてないでしょう。秋葉前市長の時代にこの基本構想、基本計画が改定されましたけれども、その中にも同じような中身というのはあるんですけれども、やっぱり憲法第9条であるとか第25条であるとか、そのようなことは何も書かれていません。ただ理念として、今あなたがおっしゃったようなことは書かれていたんです。私たちは、その言葉を受ける形で、この憲法第25条の原則であるとか、憲法第9条の原則であるとか、そういうことを議会でもやり取りをしてきたと思います。だけれども、現実に基本構想の中にも書かれていないものを、しかもこの服務の宣誓の文章にも、あえて書かれていないわけです。地方公務員法には、憲法を守らなくてはいけない、全体の奉仕者であるとか、そういう基本原則をきちんと踏まえなさいというようなことは、ちゃんと書かれているんです。地方公務員法を読めば分かります。そういう地方公務員法があってなお、この地方公務員法を守るというのは、地方公務員になるときの当然の前提でしょう。分かっているわけです。だけども、なぜあえてほかの都市あるいは裁判所の職員までもがわざわざ憲法という言葉を持ち出して、きちんと服務の宣誓の中に書き込んでいるのかということを、私はやはりきちんと考えなくてはいけないのではなかろうかと思っているわけです。その点はどうでしょう。

(人事部長) 
 先ほど来から企画総務局長、人事課長が申し上げていることと繰り返しになりますけれども、昭和26年の国の通知令を受けまして、この国の通知令の中にそういった文言が書かれておりました。そういった国の通知令を受けまして、他の自治体と同様に、宣誓書の中に憲法尊重擁護義務を記載しておりました。
 先ほど、企画総務局長から説明がありましたように、被爆の廃きょから復興し、昭和55年に政令都市へと発展を遂げたことを期に、熟慮の上、一律のものではなく本市独自のものとして、昭和58年に宣誓書を改めました。そして以降、40年近くにわたって用いております。
 本市としましては、この内容を変更するということは考えておりません。

(中森辰一) 
 先日、我が党の中原議員が広島市の市立高校で新入学の生徒に書かせている宣誓書というのを取り上げて問題にしましたけれども、あれは法的には何の根拠もないものです。だけれども、それでも宣誓書を出したということを意識させて、学校側が作った枠を出ないように、生徒たちに対して精神的に抑止力を働かせようというものだと思うんです。
 だけれども、国家公務員、地方公務員を問わず、国会議員なども含めて全ての公務員が憲法を守る義務があるというのは、日本の法律体系の最高に位置している日本国憲法第99条に明確にうたわれているわけです。公務員は全て憲法を守らなくてはいけないというのは、憲法そのもので義務付けられているわけですけども、それでも法律違反を引き起こしたり、中には刑事事件を起こす職員さえいます。それぞれ処分をされているわけですけども、あるいは日々の職務の中で、あるいは窓口の職員の市民に対する対応であったり、そういうところにきちんと憲法を守るという意識があるのかということを疑わせるようなことだって起きているじゃないですか。私たちが議会でも何遍も取り上げてきたこともあります。憲法の基本原理、基本的人権の尊重、主権者は市民であるということが忘れられたような、上から目線の対応をする職員だっています。広島市の職員として入職するときに、その法律を知っているというだけでは駄目です。やっぱり憲法を守ります、自分はその全体の奉仕者だ、そういう立場をきちんと宣誓をもって意識するかどうかというのが、本当に重要だと思うんです。秋葉前市長のときにも不祥事を起こした職員は随分いましたけども、今の松井市長の下でも随分います。結構多いと思うんですけど、そういう状況にあって、本当に憲法の立場に立っている、主権者は市民であるという意識をきちんと職員皆が持っていると、現状であなた方は胸を張って言えますか。

(人事課長) 
 最初に採用されたときに宣誓するということをもって、今の職員の不祥事は関係がないというか、実際に職務に当たる中で、今の憲法遵守であるとか不祥事を生じさせないようにというのは、常々研修等とか職場のOJT等でフォローアップしていくということで対応してまいりたいと考えておりまして、そもそも宣誓書の記載をもって対応するというようなことは考えてございません。

(中森辰一) 
 私はよく生活保護の窓口とやり取りをすることもありますけど、現実に広島市でも、かつてもそうだけども、最近でも職員の対応で本当は生活保護を受けるべき人が窓口で追い返される。そういう事例はやっぱりあるんです。それは、この憲法を守るという意識がやっぱり欠けているということではないかと思いますし、今度広島市議会として政策条例を作ろうという、その提案の中に飲酒運転撲滅ということを目指すような条例を作ろうという提案もありました。職員の中でさえも、飲酒運転をして懲戒を受ける人もいる。この意識というのは、やっぱり大事なことでありまして、法律を知っているだけでは駄目です。やっぱり自分が公務員になるとき、きちんとそこを意識するというのはすごく大事なことで、それを憲法という言葉が何にも書いていない文章で、国際平和文化都市という理念の中にこの原則は入っているとおっしゃっても、憲法という言葉は書かれていないわけですから、やっぱりそれは違うんじゃないかと私は思います。職務を行う上で、憲法尊重擁護という立場が要るということは公務員として当然の前提であって、これは公務員である間、それから辞めてもずっと持ち続けなければいけない大原則だと思うんです。そういう点では、やはり公務員になったときに、そこをしっかり意識付けしてもらう。そういう取組というのは非常に大事であって、その出発点である服務の宣誓のときに、このことをきちんと意識付けをしてもらうということは、すごく大事なことだと思います。
 今日あなた方は、今のところやる気はないというふうにおっしゃっているので、それでいいのかということで、これからも議論を続けていきたいと思いますが、皆さんのところでも御議論いただいて、採択いただけるように是非お願いしたいと思います。今日はここまでにします。

報告 広島市行政経営改革推進プランの令和2年度実施状況について
    収納率向上のための取組の推進(市税)について

(中森辰一) 
 今の報告のうち、収納率向上のための取組の推進というのがありまして、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により収入が大幅に減少している事業者に対し、市税の徴収を猶予する特例措置を適用したために目標に到達しなかったということになっているわけですけれども、この収納率の向上という目標というのは、何のために立てたのか。確認のつもりですけれども、改めて説明してください。

(税制課長) 
 収納率の向上の目標ですけれども、市政運営の基本となる市税収入を確保する必要があるということでございますので、目標の数値として掲げているものでございます。

(中森辰一) 
 滞納があるということで、収納率向上という目標が掲げられているのだと思うんですけど、この中でも滞納について実績ということで説明がされているんですけど、滞納理由というのは幾つかパターンがあると思いますけども、その理由ごとにどの程度の比率を占めているのか教えてください。

(徴収第一課長) 
 滞納理由ということですけれども、今手元に数値等は持っていないんですけれども、基本的には事業者については、事業不振等が主なものとして掲げられているものでございます。

(中森辰一) 
 それで、納付能力がありながら納付折衝に応じない滞納者に対して、差押えを行うとしているわけです。その差押えをするという判断基準ですけども、何か数字的なものがあるんですか。

(徴収第一課長) 
 差押えにつきましては、基準というものが一律に引かれているものではございませんでして、滞納している方に対し、差押えすべき財産があるという場合に差押えを行うとされているものですが、実態といたしまして、滞納されている方の実情等をよく把握した上で、それでもなお差押えすべき財産がある場合には差押えする。財産がない場合には、その他猶予等の措置等を適切に進めていくというものでございます。

(中森辰一) 
 差押えは、事業者の場合、それから個人市民税の場合、あるいは固定資産税といった場合もあるかと思いますが、私どものところにいろいろとどうしたらいいのかということで相談にこられるのは大体個人の方で、差押えをされてしまうと生活がとても成り立たないということで、相談にこられる方が結構いらっしゃるんです。その場合に、個人の場合だったら給与を差し押さえる。そういう定例的に入ってくる収入を差し押さえるというのは一番手っ取り早いし確実だと思いますけども、そのときに控除というのがあると思うんです。その控除の水準が適切かどうか、それは差押えをされる側の生活ができるかどうかということに直結してくると思うんですけども、その基準は法律で決められているということもあったと思いますが、適切だと思っていらっしゃるのでしょうか。

(徴収第一課長) 
 給与等の差押えをする場合には、法律の規定に基づき、最低生活の維持に充てられるべき金額を控除することとなっております。この法律の規定に基づいた最低生活の維持に充てられるべき金額を、本市でも適切に控除しているものと考えております。

(中森辰一) 
 今、その具体的な数字が言えますか。個人の場合です。

(徴収第一課長) 
 済みません。現在、最低生活に充てられるべき金額の計算等について、法律等の資料を持っておりませんので、今直ちにお答えすることができません。

(中森辰一) 
 これは、日本には憲法第25条に基づく最低生活の保障というのがありますから、この基準は国が決めるんですけれども、国が決めた最低生活の保障を下回るような事態に至らないようにということは是非押さえておいていただきたいと思います。
 それから、今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるということで、市税の徴収を猶予する特例措置を講じたということが理由で目標に至らなかったということになっているんですけれども、その猶予の特例措置を講じたというのは、この目標数字に対して、どの程度の影響を及ぼしているのでしょうか。

(税制課長) 
 徴収猶予の特例による収入未済額につきましては、約26億2,000万円となっておりまして、収納率にいたしまして約1%の押し下げ要因となっております。

(中森辰一) 
 ということは、これがなければ、目標は優に達成できていたと理解してよろしいですか。

(税制課長) 
 この特例がなければ、収納率が約1%上昇していたということになりますので、目標は達成できていたと考えております。

(中森辰一) 
 この未達成というのをどのように評価するかということですけども、私は基本的には、これがなければということなので、わざわざ政策的にこういう措置を設けたわけですから、それによって目標未達成になったというのは、別に未達成になりましたとマイナス的なイメージで報告する必要はない問題ではないかと思うんです。だから、その辺はそういうふうに説明をしていただければよかったと思っておりますので、今後は是非そういうことも含めて説明いただければと思います。

付託案件外
1.投票所について

(中森辰一) 
 少し時間をいただきまして、2件について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず簡単な方から、投票所についてというのを出しておりますけれども、これは要望がありまして、今日あえて簡単にやらせていただきたいということにしました。
 投票所には様々な方が投票にこられるわけですけども、体の状態もいろんな方がこられます。どのような状態の人でも、基本的には自分で投票用紙に記入して投票できるようにする必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

(選挙課長) 
 投票の際、選挙人の方には投票用紙に自署していただくのが原則です。このため、全ての投票所には立ったまま記入いただく記載台のほか、車椅子等を利用されている方のため、高さが低い記載台を設置しているところでございます。

(中森辰一) 
 私のところにあった訴えというのは、投票する際に中腰になるのがつらい方だと思いますけども、投票所の記載台がぐらぐらするので、書くのが難しいというふうにおっしゃるんです。それで記載台ですが、座って投票できるようにしてほしいという要望でした。ということは、車椅子でも投票できるように低い記載台を設置しているということでしたから、そこに椅子を設置してというか、必要なときに椅子を持ってきて記載できるようにすればいいのではないかと思うわけです。この方がわざわざこういうことを言ってこられたというのは、多分そういうことになっていないし、そういう説明もないということがあったからだろうと思うんですけども、こういう場合はどうしたらいいとお考えですか。

(選挙課長) 
 従前から、選挙人の方から希望がございましたら、パイプ椅子等を利用して車椅子等の記載台を御利用いただく対応をしてきたところでございますけれども、今後も椅子に座って投票することを希望される選挙人の方には、車椅子等の記載台を御利用いただけるよう各投票所に改めて周知し、スペースに余裕がある投票所では、あらかじめ記載台のそばにパイプ椅子等を配置しておくなどの対応を図ってまいりたいと思います。

(中森辰一) 
 訴えてこられたのは、90歳の方です。相当体の姿勢を維持するのが難しい方だったのだろうと思うんですけども、今おっしゃったように、やっぱり椅子に座って記載できるということをすぐに分かるような表示なり、そういう形を採っておいていただくということが必要だと思いますので、今後は気兼ねをせずにそういうことがお願いできるように、是非雰囲気を含めてやっていっていただきたいと思います。

2.旧陸軍中国軍管区輜重兵補充隊遺構等の保存について

(中森辰一)
 もう一つですけども、中央公園のし重隊遺構保存ということで、サッカースタジアムの建設時期との関係があると思うんですが、このことについて、少し質問をさせていただきたいと思います。
 サッカースタジアムの予定地の中央公園で、旧陸軍中国軍管区し重兵補充隊の被爆遺構が出土したわけです。これが被爆遺構であるということとともに、貴重な歴史遺産であるという専門家の意見も出されて、市に対しても、この被爆遺構の処遇について拙速に結論を出さずに、どのようにして遺構の最大限の保存とスタジアムの建設を両立できるかを一定の時間を掛けて専門家を集めて検討するように要請されていたものだと私は理解しております。
 市は当初、当時の住宅整備などのために、建物としては取り壊されていて、被爆遺跡としては価値がないかのようにマスメディアにも我々にも語っておられたと思いますし、記録保存をすると説明をしていました。つまり、記録したらこの遺構は撤去するということだったわけです。
 その後、被爆者団体などから遺構を保存するよう要請され、さらに考古学の専門家の人たちからも遺構の保存、展示とサッカースタジアム建設を両立させるために時間を掛けて検討するよう要請されるという事態になりました。ところが、大事な意見だと思いますけども、市はそれにほとんど耳を傾けず、早々に一部の部分保存という方針を決めて、そこの部分だけ切り取る作業を強行されたと私は理解しています。
 今、現場はどういう状況になっているのでしょうか。

(文化財担当課長) 
 本市では、中央公園がサッカースタジアム建設予定地とされるまでの、議会を始め市民の各層にわたる意見や経過を踏まえ、その地下に存在する広島城の城郭遺構や戦前の陸軍施設の遺構について、現状保存することが困難なことから、文化財保護法上の保護を図るために記録保存することといたしました。記録保存に当たりましては、事前の試掘調査に加え、歴史資料等の調査を行った上で、考古学を始め近世、近代史、建築史、民俗学など文化財に関する様々な分野の学識経験者で構成される本市の文化財審議会による試掘調査の現地視察、それに基づく指導、意見を踏まえ、記録保存の方針を決定しているところでございまして、現在もその方針に変わりはございません。
 市民や各団体からの説明を求める声に対しては、調査に当たる埋蔵文化財専門職員の解説による調査状況の報告会を7月に開催したことに加えまして、現地での説明会を2回に分けて開催しているほか、多くの方から公式、非公式の場で御意見を伺い、頂いた要望書につきましても、これまでの経緯や市の考え方について御理解いただけるように丁寧に回答させていただいているところでございます。さらに、市民等からの御意見を踏まえまして、現状保存することが困難な遺構の一部につきまして、切取りを行い、保存、活用を図ることといたしました。これは、遺構全体の詳細な図面や写真などによる記録保存をしっかり行うことはもちろんですが、これに加え、市民の方々に実物により戦前の広島の姿の一端を知ってもらうことができるようにするためのものでございます。
 現在、この遺構の3か所の切取り作業を終えまして、記録作業を終えた所から順次、下層の近世遺構の調査に入っているところでございます。

(中森辰一) 
 ということは、切り取った所はどこかへ保存していて、それ以外の残った所の下を掘っていく準備を進めていくために、どんどん取壊しが進められていっていると理解していいですか。

(文化財担当課長) 
 3か所の遺構の切取りが終わった後、記録作業を終えた所から順次、近代の遺構の方については撤去を行いまして、近世の下層の調査に入っているという状況でございます。

(中森辰一) 
 だから、切り取って残った遺構部分というのは、もう撤去されてしまっているということですか。

(文化財担当課長) 
 近代遺構の撤去につきましては、近代遺構の調査が完了した所から順次取り外しを行っているということで、全ての取り外しが終わったという状況ではありません。

(中森辰一) 
 切り取った部分は、今どこに保管されているのでしょうか。それから、保管されたものをどういうふうに活用するのか。今いろいろ言われましたけども、その責任部署はどこですか。

(文化財担当課長) 
 当該遺構から切取りを行いました石畳などにつきましては、現地にある仮設の収蔵施設等で保管しております。保管をしている遺構につきましては、市民局文化振興課文化財担当が中心となり、年度内に活用の方策や展示場所の検討を行うこととしております。

(中森辰一) 
 ですから、市の文化財担当が責任部署として進めていくということですか。

(文化財担当課長) 
 市民局文化振興課文化財担当の方が中心となりまして、原案を考えまして、それを踏まえまして、年度内に活用方策や展示場所の検討を行うこととしております。

(中森辰一) 
 日本考古学協会は、日本で最大の専門家団体だということですけども、この専門家の団体が市に提出した要望書の中で、この発掘調査成果は貴重な歴史資料となるものだと評価を指摘しております。それから、被爆体験継承という観点から、総合的に保存継承の方策を検討することが求められるとも指摘をしておられます。こうした意見について、専門的な立場からの検討は行われたのかどうか。検討したとしたら、どなたが検討されたのかお答えください。

(文化財担当課長) 
 スタジアム建設予定地の地下には、事前に実施しました試掘調査の結果や歴史資料、戦前の航空写真等の資料から、旧陸軍施設の遺構と広島城、城郭遺構の存在を把握できておりました。このため、当該遺構の取扱いにつきまして、国の埋蔵文化財に関する通知や基準、本市の埋蔵文化財取扱基準にのっとりまして、また試掘現場を視察いたしました本市文化財審議会委員の意見を基に、令和元年12月に文化財保護法に基づき記録保存を行うことで決定をいたしまして、発掘調査を実施しているところでございます。記録保存の成果としてまとめられる報告書は、貴重な歴史資料となるものでございまして、中央公園の一角における近代及び近世の歴史を記録として保存し、継承していくものになると考えております。
 被爆体験継承という観点からは、本市においては建物、橋りょうにあっては爆心地から5キロメートル以内、樹木にあっては爆心地からおおむね2キロメートル以内に現存するものの中から、被爆の事実を把握できたものを被爆建物台帳に登録いたしまして、保存継承を図ることとしております。また、被爆建物のうち、その象徴的存在である国史跡の原爆ドームのほか、建築的価値が認められる旧日本銀行広島支店等につきましては、本市の重要文化財に指定しておりまして、保存活用を図っているところでございます。さらに、爆心地周辺で被爆の惨禍を如実に伝えている旧大正屋呉服店、中国軍管区司令部跡等につきましては、広島原爆遺跡として我が国の中でも重要なものと考えられるため、国の史跡としての保存活用に向けて文化庁と協議を行っているところでございます。被爆建物のほか、埋蔵文化財として位置付けられるものにつきましては、平和記念資料館耐震改修工事、レストハウスの改修増築工事に伴って発掘調査を実施いたしまして、詳細な図面、写真等により記録保存を図るとともに、平和記念資料館に係る発掘調査におきましては、象徴的なものとして遺構の一部を切取り保存を図っているところでございます。
 この度のサッカースタジアム建設に係る発掘調査も同様の取組でございまして、被爆建物や埋蔵文化財の保存活用につきましては、関係部局が連携を図りながら、しっかりと被爆体験を継承してまいりたいと考えております。

(中森辰一) 
 文化財審議会の意見をというふうなことがあったわけですけども、私が聞いたのは、この日本で一番大きな考古学の専門家の団体から指摘がされていて、一定期間を掛けて、どういうふうにこの遺構の保存とサッカースタジアムを建設するという二つを両立できるか検討してもらいたいということを言っているんですけど、しかも非常に重要な、貴重な歴史資料であると指摘をしているわけです。そういうことについて、専門的な検討がきちんとなされたんですかということを聞いていますし、一体誰がこの専門的な検討をされたんですか。今あなたがおっしゃったのは、今まで広島市が様々な被爆遺跡などについてどういうふうに扱っていくかということで、基準を言ったということだと思うんです。今回具体的に出てきたものについて、その専門家の方からこういうふうにするべきではないか、こういうふうに考えるべきではないかということが提案されているわけです。その提案に対して、あるいは意見に対して、専門的な立場からきちんとした検討がなされたんですか。検討したのであれば、誰が検討したんですかということを聞いたんです。

(文化財担当課長) 
 遺構の取扱いにつきましては、現場で発掘調査に従事しております埋蔵文化財の経験と知識を豊富に有する専門職員13名の意見というものを聞き、また文化財の様々な分野の専門家で構成されております本市文化財審議会の委員の意見も踏まえながら、その取扱いについて検討を行ったところでございます。

(中森辰一) 
 この団体は、割と短時間の間に結論を出してしまったわけです。一部の切取り保存という市の方針決定について、慎重な検討とはかけ離れた拙速な方針決定だと批判をしておられます。要望の趣旨を顧みておらず、大変遺憾だということも言っておられるわけです。せっかく今回出てきたものを評価して、これは非常に大事なものだと評価していただいた。それについては、専門的な立場から具体的に提言、要請というのが行われたわけです。こうした意見が顧みられることなく、拙速にまともな保存とは到底言えない処分方針を決めてしまったことは、誠に遺憾であると批判もしておられるわけです。この批判については、広島市としてどういうふうに受け止められたのでしょうか。

(文化財担当課長) 
 発掘調査につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、事前の試掘調査や文献調査、文化財審議会の意見など、必要とされる所要の手続を踏んで決定しているところでございます。一部の切取り保存につきましても、市民等からの保存活用を求める声を踏まえまして、現状保存が困難となる遺構の中から戦前の広島の姿の一端を市民の方に知っていただける箇所を選定いたしまして、保存活用を図ろうとするものであることを御理解いただければと思います。
 なお、日本考古学協会から頂きました御意見や要望につきましては、今回の記録保存が将来的な広島の歴史の解明に資するものとなるようにしていく中で、参考とすることとさせていただいているところでございます。

(中森辰一) 
 文化財審議会に参加しておられる方々がどういう方々か私は知りませんけれども、非常に短い時間の間に、結局記録保存ということをもともとは決めていたわけです。それをいろいろ要望があったから、3か所だけ切り取って保存しようという方向に方針転換をされた。その程度のことではないかと思います。そもそも、この遺構の価値というものをどのように評価していたのか分かりませんけれども、記録保存しかしないと決めていたわけです。しかし、そういう方針に対して、改めて出てきたものを見て、これは重要だ、歴史的に貴重だと。だから、現物を元にあった所できちんと保存することと、これから造られようとしているスタジアムの建設はどうやったら両立できるかということを、全部というわけにはいかないかもしれないですけども、そこは少し時間を取って検討をしてもらいたいということを要請されていたということですけども、結局参考意見程度にとどめられたということです。この態度が正しかったのかどうかということが後々問われることになるのではないかと私は思うわけです。それが本当に国際平和文化都市と言っている広島市が採るべき方策であったのかということは、これから問われていくことになるのではないかと思います。
 この日本考古学協会は、要望の中で、これから発掘調査する江戸時代の広島城に関連する遺構についても触れておられますけれども、天守閣の木造再建構想や三の丸の整備計画を含む広島城基本構想が策定される中、今回調査が進められる西の丸を含め、かつての広島城全体を歴史遺産として保存活用することを構想しなければなりませんと指摘しておられますけれども、この指摘については、どういうふうに考えておられるでしょうか。

(文化財担当課長) 
 サッカースタジアム建設予定地のうち、スタンド等の基礎工事を行うことになる部分につきましては、遺構の現状保存が困難なため、やむを得ず記録保存を行うこととしておりますが、それ以外の部分につきましては、中央公園芝生広場の9割弱に当たる建設用地について、発掘をしないこととしているため、残りの地下に存在すると考えられる遺構の大半は、引き続き地中に保存されたままとなります。今回の発掘調査につきましては、現状保存が困難となる部分に限定したもので、遺構の全容を解明するために行うものではございませんが、江戸期の広島城に関連する遺構についても、旧陸軍施設の遺構と同様に記録保存することとしておりまして、これまで他の城郭区域で行われた発掘調査の成果や、現在国の史跡として保存活用されている広島城跡と城跡内の復元建物、そして今後、近世の歴史、文化等を紹介する展示収蔵施設が整備されることになっております三の丸などとともに、広島城の歴史をしっかり伝えていきたいと考えております。

(中森辰一) 
 この江戸時代の遺構の発掘調査は、いつまでの予定ですか。

(文化財担当課長) 
 記録保存が完了し、近代の遺構部分の撤去作業が終了した箇所から、順次江戸期の発掘調査を始めております。江戸期の発掘調査は、現在のところ、出土状況にもよりますが、遅くとも今年度中には完了する予定でございます。

(中森辰一) 
 この江戸時代の遺構について、せっかくあるということが分かっているわけです。今回全部はやらないと、一部だけやると今言われたんですけども、全容に対して、今回の調査箇所というのはどの程度ですか。

(文化財担当課長) 
 陸軍し重隊の資料等から、かつて約8万平米余りが存在したと考えられているところでございますが、そのうち北側の基町住宅が建設されてるところ、それから南側のファミリープールやこども科学館等の施設があるエリアについては、恐らく遺構は破壊されて残っていないだろうと考えられ、およそ半分程度の、中央公園の芝生広場内にあったと考えられる施設については、地下にそのまま現状保存されることとなっておりまして、そのうちの約1割弱の、今回サッカースタジアムの発掘調査を行っているエリアについては、やむなく記録保存を行うこととしておりますが、その他のサッカー場のフィールド、芝生に当たるエリア等を含めて、その他の地域につきましては、現状のまま保存されるものと考えております。

(中森辰一) 
 記録保存とおっしゃっているわけですけども、今回の実際に想定されている遺構のうち、一部しか発掘しないわけです。記録保存という形を採って埋め戻してしまったら、あとはもう施設を造ってしまうので、あなた方は壊さずに保存するとおっしゃったわけですけども、一体これが施設を造った後で日の目を見る可能性というのはあるんですか。

(文化財担当課長) 
 今回、サッカースタジアムの建設に伴って発掘調査、やむなくスタンド建設等によりまして現状のまま保存することができない箇所につきましては、やむなく発掘調査により記録保存を行っているところでございますが、その他のエリアにつきましては、現在のところ具体的な開発計画等もございませんので、現状のまま保存されると考えておりますが、今回のスタンド部分等の発掘調査に出た成果というものを、今後もし、かなり先の話になるかもしれませんが、開発事業等が行われる場合に、その全容解明のための資料として資するものとなるように、しっかり記録を取って残していきたいと考えております。

(中森辰一) 
 一旦サッカースタジアムなどという施設ができてしまうと、これが老朽化して、また別な所に移転するということもあり得るかもしれませんけれども、そう簡単に一旦埋めてしまったものが出てくる、もう一遍発掘してみるということにならないのではないかと思うわけです。そういう点では、せっかくあるものは、壊されてしまったものはもう仕方がないですけれども、現に発掘して今あるということであれば、きちんと発掘して記録保存するなりなんなりにしても、きちんと全容を明らかにした上で、埋め戻すなら埋め戻す。そういうふうなことをやっぱりやるべきではないかと。せっかくあるものがどういうものか分からない状態で、そのまま放ったらかしにしていくということでいいんでしょうか。大体、こういう古いものを発掘するというときは、基本的には全容を調べようということになるんじゃないかと思うんです。それで、その結果、元のとおりに保存することができない場合もあるかもしれませんけども、それはそれで埋めてしまうのかもしれませんし、どこかへ切り取って別の所に保管するということがあるのかもしれません。しかし、それにしても発掘してみないことには分からないわけです。そういうものを、一部だけ発掘して記録を取って、将来そういうことがあったときの役に立つようにしようということでは、広島市の行政として、文化を大切にする行政としては、極めて不十分な姿勢ではないかと思いますし、それからし重隊遺構にしても、残ったのは全部ではないと。北部の方は高層住宅が建ってしまって、壊されてしまっている。南部の方も同じように様々な施設ができて、壊れてしまっている。残っているのがこの中央公園の部分だとおっしゃるかもしれませんが、それさえも一部だけしか明らかにしないわけです。こういう姿勢というのは、どうなのか。
 今回、急いで切取り作業をやったということになりますが、先ほど年度内に全部終えるとおっしゃったんですけども、年度内に終えてしまわなくてはいけないというのは、結局サッカー場を造るという後ろが決められてしまっているからということですか。

(文化財担当課長) 
 遺構の切取りにつきまして、市民や団体からの要望を踏まえて、7月中に記録保存を行い、それに加えて、発掘された遺構の一部について切取りを行って保存活用する方向性を示しました。その後、遺構の切取り箇所の選定や保存場所、保存方法の検討を行い、8月中旬には切取り箇所を公表し、今月に入ってから切取り作業に入らせていただいております。その間、現状保存の要望を頂いた市民の方々への御説明、先ほど答弁申し上げたとおり、御説明を行っているところでございまして、市としては必要とされる手順を踏んで作業を行っていると考えております。

(中森辰一) 
 要するに、サッカー場を造る期限、オープンする期限が決まっているから、年度内にやってしまわなくてはいけないということですかと聞いたので、そこは端的にお答えください。

(文化財担当課長) 
 発掘調査につきましては、必要な調査期間というものも確保しなくてはなりませんが、本市文化財審議会の意見なども踏まえつつ、現在計画されているサッカースタジアムの建設スケジュールの中で、記録保存を行った上で調査を完了させる。そういう期間はきちんと取っているものと考えております。

(中森辰一) 
 あなた方がよりどころにしている文化財審議会というのがどういう人たちの集まりなのか、私はよく分からないですけども、どうも本当に本格的に十分な検討をされたのか。出てきたものを見て、大きな専門家の団体の意見も聴いて、きちんと検討されたのかどうか、極めて私は疑わしい気分になってきています。
 この新しいサッカースタジアムの建設計画というのは、市民の方からたくさんの署名が寄せられて、建設してもらいたいということで、また議会の様々な同じような意見もあって建設するということになったと思うんですけども、こういう話が出てきてから何年になりますか。

(スポーツ推進課長) 
 サッカースタジアムについては、平成25年1月に広島県サッカー協会等からスタジアム建設の早期実現を求める約37万件の署名が集まった旨の報告があったことなどを踏まえ、同年6月にサッカースタジアム検討協議会を設置し、スタジアム建設に向けた本格的な検討を開始したと聞いております。その時点からの期間を考えると、約8年となります。

(中森辰一) 
 造ろうということになってからも、いろいろとう余曲折ありました。何年も掛けてやっと建設が決まって、オープン時期を目指して建設が始まろうとしている。こういう中でありますけども、その時期が遅れるということは、サッカーファンにとっては異議のあるところがあるかもしれません。だけども、こうした歴史遺産、文化遺産というのは、広島市民だけのものではないです。少なくとも日本国民全体のものだと思います。そういうものを、建設工事の後ろが決まっているという理由だけで軽く扱うようなことはしてはいけないのではないかと私は思います。そういう問題、そういう態度というのは、やっぱり広島市が標榜している国際平和文化都市という名前に恥じないのかどうか。やっぱりこれもよく考えていただきたいと思うんですが、この遺構群、その下の江戸時代の遺構があるということが分かったのは、いつ頃のことですか。

(文化財担当課長) 
 この地は、文化財保護法上の周知の埋蔵文化財包蔵地に当たりまして、サッカースタジアムの建設場所が中央公園に決まった時点で、このエリアにつきましては、もともと広島城の西の丸のエリアに当たるところということでございまして、そうした武家屋敷等の遺構が存在する可能性が高いということを絵図とかの歴史資料とか航空写真等、様々な資料から江戸期の遺構が存在するということは把握しておりました。

(中森辰一) 
 ですから、もうずっと以前から分かっていたことだということです。では、そういうものをどういうふうに保存するのか、活用するのか、出てきたものをどう評価するのかということも、やっぱりもっと考えておかなくてはいけなかったのではないか。この短期間のうちに、それよりも先に出てきたこの被爆遺構をどうするかということを慌ただしく決められていく。来年の3月までに、その下の発掘も終えて、その扱いも今から記録保存しかないという結論を出してしまっている。現物も見ずにそういうことを決めていいのだろうかと、私は思うわけです。歴史的あるいは文化的に非常に重要なものが出てきている、あるいは出ようとしているということではないかと思うんですけども、まるで邪魔者みたいな扱いになっているのではないか。私はそう思えてならないわけです。後々、悔いを残すようになるのではないかと思うんです。
 今回発掘された被爆遺構群は、先ほどもありましたが、全体から見るとほんの一部で、もう復元できないところも当然あるんですけれども、そこを除いても、残された中央公園全体が本来発掘調査の対象区域だったと私は思います。本来やるのであれば、やるべきだった。これは江戸時代の遺構も同様だと思います。そういうことが分かっているのであれば、そもそもサッカー場の建設場所としてはふさわしくなかったのではないかとも思うわけです。そういうことを市民に知らせもせず、私も含めて知らなかった人たちがたくさんいるのではないでしょうか。そういうことを知らせもせずに、ここがいい、ここへサッカー場を造って新たなにぎわいの拠点にしようということになっているのではないかと思います。
 重要な歴史遺産が出てきたのに、それを壊して新たな施設を造るというのは、やはり広島市は文化を大事にしない、そういう都市だと思われても仕方がないのではないでしょうか。少なくとも保存の在り方については、時間を掛けて市民と一緒に議論をして、納得ずくで方針を決めていく。そういう在り方が大事ではないかと私は思うんです。そこに、午前中にも議論しましたけれども、市民の意見を大事にしない、つまり主権者は市民であるという意識があなた方のところにきちんと根付いていないからではないかということも考えるわけです。いずれにしても、せっかく発掘調査をして、重要な歴史遺産が出てきているのに、それを記録だけ残して埋めてしまって、その上にサッカー場やにぎわい施設を造ったら、改めて本格的な調査をしようと思っても、これはもう現実には不可能になると思います。広島市は、先進国日本の中でも代表的な大都市です。そういうところが、あのバーミヤンの遺跡を壊したタリバンのようなことをしていいのだろうかと、私は率直に思います。
 広島城を木造で建て替えようという機運も出てきているわけですけれども、歴史文化遺産をきちんと意義ある形で残していこうという立場がなかったら、幾ら木造の当時の姿で再現しても、ただの観光資源にするというアイデア、形になっただけということになってしまうのではないでしょうか。それではやっぱりいけないのではないかと思います。
 何を大事にするのか。少なくとも、今回の場合はどのように建設と保存を両立させるか。少しぐらいサッカースタジアムの建設、オープンが遅れてもいいじゃないですか。時間を掛けて、やっぱりもう一遍検討するべきだということを申し上げて、今日は終わります。

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