議会での質問・答弁

2023年10月27日

2023年第5回 10月臨時会 討論 中原ひろみ

日本共産党の中原ひろみです。党市議団を代表して討論を行います。
 反対する議案は、
決算第1号 令和4年度広島市一般会計歳入歳出決算
決算第8号 令和4年度広島市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算
決算第9号 令和4年度広島市介護保険事業特別会計歳入歳出決算
決算第11号 令和4年度広島市競輪事業特別会計歳入歳出決算
決算第15号 令和4年度広島市開発事業特別会計歳入歳出決算
の5つの決算です。その他の決算と2つの議案 企業会計の未処分利益剰余金の処分には賛成です。

 決算第1号 令和4年度広島市一般会計歳入歳出決算について、反対する2つの理由を述べます。
 第一に、物価高騰で苦しむ市民生活を応援する、市独自の直接支援がなされなかったということです。
令和4年度は、コロナ危機に続く物価急騰と値上げラッシュが暮らしを直撃し、「これでは生活できない」と多くの市民から悲鳴が上がりました。
 帝国データバンクの調査では、物価上昇分を価格に転嫁できない飲食業界での倒産が急増したといいます。
 自治体の仕事は市民の福祉の増進をはかることにあり、長期化する物価高騰から市民の命と暮らし、地域経済を守る自治体本来の役割を発揮することが切実に求められてきました。
 しかし、広島市は一般財源を投入して市独自に市民生活を応援する独自事業は何一つ実施してきませんでした。それどころか、原油価格高騰に伴う国の補助金を1.6億円も不用額として残しました。一部の個人タクシー事業者などに、補助金がきちんと届けられていなかったとのことです。これは公平な行政執行とは言えません。
 「誰一人取り残さない」という公平な行政執行に努力すべきではなかったでしょうか。
 公務員の役割は、市民全体の奉仕者として公共の利益の増進につくすことです。補助金などの支援が、すべての対象者に届き、支援制度の趣旨が果たせる取り組みを求めるとともに、市民の生活実態をきちんと把握し、必要な直接支援を実施されるよう求めます。

 二つめの理由は、子どもや子育て予算が犠牲にされるなか、不要・不急の大型開発だけは聖域にされてきたということです。
 全国では、人口流出を防ぐ取り組みとして、給食費の無償化をはじめ、子ども医療費補助制度の所得制限の撤廃に踏み出す自治体が広がるなか、広島市の子どの医療費補助制度は、最も遅れた異質な制度になっています。
 他都市では入通院とも18歳までを補助対象とする自治体が増えるなか、広島市の通院の補助対象年齢は12歳まで入院は15歳までと遅れています。それだけでなく、窓口負担にも二重の所得基準を設けて医療費補助の内容に格差をつける制度になっています。早急に他都市に遜色のない子ども医療費補助制度への拡充を求めます。
 さらに、広島市は令和4年度から、就学援助の認定基準を生活保護基準額と同程度へと引き下げ、1000人もの子どもが就学援助制度の対象外になりました。それだけでなく、利用料無料の事業として全国に誇れる制度だった放課後児童クラブの有料化を一方的に決定し、物価高騰で深刻さが増す子育て世帯にさらなる負担を強いることを決めました。

 決算審査のなかでは、子ども療育センターの通園バスは26年間も使用しているものや、33万5000キロも走行したものがあり、雨漏りし、座席数も足りないという現場の実態が告発されました。
 これは、「物を大事に使ってきた」ということではなく、ハンディを乗り越えるうえで最も手厚い支援が求められる子どもたちの予算が一番、後回しにされてきたという事に他なりません。あまりにも子供に冷たい市政だと言わざるを得ません。

 一方、連携中枢都市宣言以降、にぎわいを理由に湯水のように予算が巨大開発につぎ込まれています。
 広島駅南口再開発事業は当初の事業費が2倍に膨れ上がり360億円となりました。広島高速5号線シールドトンネル工事は、住宅団地直下を掘り進めていますが、頻繁なシールドマシンのトラブルにより地盤隆起が発生し、トンネル直上の住宅には大きな亀裂が入り、住民は騒音・振動被害にもさらされています。今月の13日には金属片が回収され掘削工事が また、停止しています。
 いつ掘削工事が終わるのか見通しもないまま、令和4年12月に大林組JVが工事費の負担等を巡って、国の建設紛争審査会に調停を申し立てました。事業費が増額されることになれば、費用対効果は「1」を下回ることは明らかです。
 このような不採算・必要性のない高速道路整備事業に固執せず、市民生活の安心・安全に直結する地域の生活道路を始めとして、これからの広島を支える子どもたちの支援こそ最優先にすべきです。
賑わいを理由に巨大開発を優先し、子どもと子育て世帯に冷たい市政運営に賛成はできません。
 早期に療育センターの通園バスを新規購入していただくよう強く求めます。

 さらに、令和4年度の学校給食費の滞納額は2000万円を超え、令和3年度と比較すると約32倍にも膨らんでいます。これは公会計化による保護者への制度の周知不足が理由だとお聞きしました。
 教育委員会では滞納となった1200人もの子どもの保護者一人ひとりに連絡をとり支払いのお願いされているとのことです。公会計制度は、学校現場の働き方改革の一環として導入されたものですが、今度は教育委員会に大きな負担がかかっています。滞納をなくす一番確かな方法は、給食費を無償にすることです。保護者も学校も教育委員会も「三方良し」の、学校給食費の無償化に踏み出していただくよう求めておきます。

 最後に、広島の文化に関わって申し上げたいことがあります。
 令和4年度は中央図書館と子ども図書館、映像文化ライブラリーを集約し、エールエールA館へ移転するという市の方針について、国際平和文化都市にふさわしい図書館のあるべき姿について、市民としっかり合意をはかる時間が必要でした。
 当時の市民局長は「現地建替え、中央公園内での移転建替え、エールエールA館への移転の3つの選択肢について、比較検討の作業を行い、市民、有識者の意見をしっかり聞き、説明をつくし理解を得て結論をだす」と述べられました。にもかかわらず、移転ありきで進めて来られたやり方に納得できません。
 図書館は市民のものです。広島駅南口開発株式会社の経営難を助けるための施設ではありません。ましてや賑わい施設ではないのです。現在でも、中古の商業ビルに中央図書館が押し込められることに深い怒りと悲しみを感じる市民が多数おられることをお伝えしておきます。図書館は都市の文化水準を図る物差しです。世界に誇れる広島に恥じない文化の拠点としての図書館整備を追及されるよう求めておきます。

 決算第8号 令和4年度広島市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算と決算第9号 令和4年度広島市介護保険事業特別会計歳入歳出決算は高齢者の医療と介護にかかわる決算ですので、一括して討論します。
 高齢者の二人に一人が年金だけで暮らしていますが、頼みの年金額はこの11年間で7.3%引き下げられてきました。一方、社会保障である後期高齢者医療保険料は2年毎、介護保険料は3年ごとの見直しで保険料が引き上げられてきました。
 介護保険料は制度がスタートした2000年当時の一人当たりの月額保険料は、基準額で3004円でしたが、今は2倍を超える6250円となっています。その結果、介護保険料や後期高齢者医療保険料の滞納が急増しています。

 高期高齢者医療では、令和4年10月から年収200万円以上の高齢者の窓口負担が2割に引き上がり、安心して老後を過ごすことが難しくなっています。
 高齢者は物価高騰で年金が目減りする中、貯金を取り崩しての生活です。命がつきるか貯金がつきるか、どちらが早いかと不安の毎日です。
一日、500円で生活している、猛暑の夏でもエアコンを我慢しているなど高齢者の命と暮らしは脅かされ続けています。
 このような苦しい生活を余儀なくされている多くの高齢者に対し、これ以上の保険料や利用料、窓口負担の引き上げを認めることはできません。

 決算第11号 令和4年度広島市競輪事業特別会計歳入歳出決算についてです。
 現在の競輪場は同場所へ新築することになっていますが、日本の法律では,本来違法であるギャンブルを今後34年間も自治体が推進すべきではありません。
 ギャンブル依存症を防止する意味からも公営ギャンブル事業は止めるべきです。

 決算第15号 令和4年度広島市開発事業特別会計歳入歳出決算については大規模開発事業推進のために実施されているものであり反対です。
 剰余金が出れば市民のくらしや福祉を守るために使われるように求めます。

 以上、申し述べて討論とします。