議会での質問・答弁

2023年06月23日

2023年第3回 6月定例会 一般質問 中原ひろみ

1.被爆地ヒロシマの役割について
(1)G7広島サミットについて
(2)平和行政について
2.未来を担う子どもの育成について
(1)こども医療費補助制度について
(2)放課後児童クラブについて
(3)学校給食の無償化について
(4)学校のプールについて
3.県の高度医療・人材育成拠点基本構想について
4.マイナ保険証について
5.中央図書館の移転について
6.広島高速5号線シールドトンネル工事について

 

1.被爆地ヒロシマの役割について

(1)G7広島サミットについて

(中原ひろみ)
 ご苦労様です。日本共産党市会議員の中原ひろみです。市議団を代表して一般質問を行います。
 広島G7サミットは、多額の税金を投入し、市民生活に多大な犠牲を強いるなか開催されたにもかかわらず、「核抑止力を正当化」し核兵器禁止条約には一切触れず、核兵器廃絶を究極の目標に先送りする受け入れがたい広島ビジョンを宣言しました。
 核抑止力は、いざとなれば核兵器を使うこともためらわない、広島・長崎のような非人道的な惨劇を与えるぞと他国を脅すものです。カナダ在住の被爆者サーロー節子さんは、「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難する広島ビジョンを被爆地から発するのは許されない」と抗議されています。
 世界は「核兵器廃絶こそ人類が安心して暮らす唯一の方法」として核兵器禁止条約を発効しましたが、広島ビジョンはこの世界の流れからの後退です。市長は「持続的に発展する『国際平和文化都市』の完成を目指して「世界に誇れる『まち』づくり」に全力を尽くすとされていますが、広島ビジョンは市長の目指す方向と同じなのか市長の見解・評価を聞きします。

(市長)
 中原議員からのご質問にお答えします。被爆地ヒロシマの役割についてのうち、G7広島サミットで、採択された広島ビジョンについてのご質問がございました。
 核軍縮をめぐっては、昨年のNPT再検討会議が前回に続き交渉決裂に終わるなど、その取り組みが停滞する状況にある中で、G7で初めて核軍縮に焦点を当てた広島ビジョンが合意され、そこでは、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けたG7のコミットメントが再確認されています。
 また、核兵器禁止条約について言及はありませんでしたが、「核兵器のない世界は核不拡散なくして達成できないこと」や、「核兵器を減少させる行動を逆行させてはならないこと」、「被爆の実相への理解を深めるために広島長崎への訪問を促すこと」などが盛り込まれました。
 そして、核抑止力については、確認よる威嚇を行う為政者がいるという現実がある中にあって、「我々の安全保障政策は、核兵器はそれが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止並びに戦争および威圧を防止すべきとの理解に基づいている。」との記載があります。
 核兵器廃絶を目指す本市としては、各国首脳が一刻も早く広島ビジョンが目指している核兵器のない世界の実現に向けた具体的な一歩を踏み出すともに、今や成り立たなくなっている核抑止論に依存することなく、対話を通じた外交政策を目指せるよう引き続き、世界中の平和首長会議加盟都市と連携し、国際的な規模で平和意識を醸成することに貢献していきたいと考えております。
 その他のご質問については関係局長から答弁いたします。

(中原ひろみ)
 昨日、平和記念公園とパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定を締結するとの報告がありました。
 姉妹公園協定の理由の一つに、核兵器を落とされた広島が戦争の終焉の地となったとの記述があります。これは「核兵器の使用が戦争を終結させるために必要だった」と、核兵器を正当化するものになると考えます。そうであるなら認められないということを、申し上げておきます。

【再質問】

(中原ひろみ)
 それからG7広島サミットです。被爆地で、G7サミットが開かれた意義はどこにあったか。市民の方がその意義をきちっと胸の中におさめてたと思いますね。
 被爆地で開催される意義は、やはりG7の首脳たちが、資料館に訪れていただいて、人類と核兵器は共存できないんだと、廃絶しかないんだなということを、胸におさめていただいて認識を広げて深めていただいて、核兵器のない世界へと大きく前進してほしい。そういう願いがあったと思いますよ。
 しかし実際は、資料館には行っていただいたけれども、被爆の実相にも触れていただいたけれども、核兵器の非人道性もわかっていただいたんだと思うんですが、結局出てきたものは何だったか。残されたものは核兵器は必要。核兵器は防衛のために必要という結論じゃないですか。こんな結論を被爆地広島は望んでないでしょう。
 被爆者はね、G7がセット失敗だと言って怒ってますよ。期待があったんです。被爆地でやるG7だから、核兵器廃絶に向けて1ミリでも進むんじゃないかと。ロシアとウクライナの戦争やめさせる力にも貢献できるんじゃないかというような期待もありました。
 しかし結局、核兵器廃絶を究極の目標に押し返す、押しやる。やはり被爆地を裏切るものなんですよ。この広島ビジョンは、市長の平和宣言の中でも、方向が違うと私は思います。
 昨年の平和宣言で市長は、核保有国が取るべき行動は、核兵器のない世界を夢物語にすることなく、その実現に向けて踏み出すことだと。核兵器をなくすこと以外に根本的な解決策は見いだせないことを確信していただきたい。こんなふうに述べていらっしゃいますね。
 市長のこの期待と、「核兵器は防衛に必要」という核抑止力を正当化するという、これは全く逆だと思うんですが、市長の認識をもう一度お尋ねしたいと思います。
 加えて、午前中の質疑の中でも、G7サミットの中には、核保有国もあれば、核兵器を持たない国もあったから、なかなか意見を合わせるのは難しかったんだろうという声もありましたけども、昨年1月に開かれた核兵器保有国5カ国のP5っていう声明があります。
 これは核兵器廃絶への真剣な交渉を行うという核不拡散条約第6条の義務を履行するという宣言なんですよ。これからは核保有国は核兵器をなくすために真剣に取り組むって、自ら声明出したにもかかわらず、このG7サミットでは核兵器は必要って。これは後退でしょう。こんな後退するような宣言を広島の地から発するというのは、これは評価に値しないというふうに思います。重ねてその辺の見解をおたずねしたい。
 それから、これを評価したら、私は今年度市長が何月に行かれるのか少し認識がありませんが、核兵器禁止条約締約国会議にも参加されるし、NPTの再検討会議準備委員会にも出席されるということになっておりますし、それから8200ぐらいに広がった平和都市のネットワーク、こういうものにも広島の訴えが響かなくなってくるんじゃないかと思ったりして懸念するんですが、その点についてどのように認識かお聞きをしたいと思います。

(市民局長)
 中原議員から3点のご質問いただきました。まず、広島ビジョンと市長の目指す方向性認識についても改めて問いたいというとこでした。
 この広島ビジョンは、私ども本市が求めているアプローチと異なるところございますけれども、核兵器廃絶というゴールは、共有されているものというふうにまず考えております。
 そして2点目に、広島ビジョンは核廃絶に向けて後退をしており、評価できないのではないかというご質問でしたけれども、核軍縮を巡りましては、NPT再検討会議におきまして、最終文書が2度も続けて採択できておらず、核軍縮の取り組みが停滞する状況が続いている中で、各国首脳から「全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現を目指す」というメッセージが世界に向けて発信されたことは一定の評価をすべきだというふうに考えております。
 そして最後に、今後広島の訴えは響かなくなるのではないかというご質問ございました。
 核兵器を目指す本市としましては、各国首脳が一刻も早く、広島ビジョンが目指している核兵器のない世界の実現に向けた具体的な一歩を踏み出すということ、そして今や成り立たなくなっている核抑止論に依存することなく、対話を通じた外交政策を目指せるよう、私ども引き続き世界中に平和市長会議加盟都市と連携して、国際的な規模で平和意識を醸成することに貢献したいと考えておりますし、その声をしっかりと世界に向けて発信していきたいと考えております。

(2)平和行政について

(中原ひろみ)
 2月27日に広島湾で日米合同軍事演習が実施されるなど、岸田政権が進める「戦争する国づくり」の足音が強まるなか広島市は「ひろしま平和ノート」から「はだしのゲン」を削除しました。
 「はだしのゲン」の削除は、全国に衝撃を与え、20日足らずでオンライン署名が56000筆以上もよせられました。この署名活動は被爆地ヒロシマが「核兵器廃絶」から「核抑止」へと変質・転換したのではとの不安からやむにやまれぬ思いで始められたものです。
 この市民社会の反応を市教育委員会はどのように受け止められていますか。平和教育に果たしてきた「はだしのゲン」の役割をどのように評価されているのかもお尋ねします。

(教育長)
 被爆地広島の役割についてのうち、平和教育についての数点のご質問にお答えいたします。
 まず「はだしのゲン」が「ひろしま平和ノート」から削除されたことに対する市民社会の反応をどのように受け止めているか、平和教育に果たしてきた「はだしのゲン」の役割をどのように評価しているかについてです。
 このたびの「ひろしま平和ノート」の改定は、一定の授業時間内で学習の目標を達成するために、より使いやすいものという観点から教材を見直したものであり、決して漫画「はだしのゲン」が平和教育にふさわしくないという判断をしたものではありませんが、特定の作品の掲載が取りやめになるという箇所が反響を呼んだことを振り返ると、公開の教育委員会で改訂案の内容を報告したものの、広く周知する場とならなかったことから、今後改定を行う際には、周知の時期や手段等の検討を行いたいと考えております。

(中原ひろみ)
 改定された新しい平和ノートには「原爆を落とした米国を恨まず許そう」というメッセージが平和学習の結論になっています。教師が使う「指導書」では、日本政府の考え方を外務省のホームページで理解させるように指示されています。
 これは「教育への不当な支配」であり許されないだけでなく、日本政府の立場は、抑止力のため核兵器は必要というもので、被爆地の願いとも相いれません。
 市教育委員会は核兵器廃絶にむけた世界の平和運動の到達や、核兵器禁止条約への日本政府の批准の重要性について学ぶのではなく、核抑止論を子どもたちに強要するお考えなのか、平和教育のめざす目標は何なのか、核軍縮か廃絶か、学習内容の軸をどこにおかれるのかお聞きします。

(教育長)
 次に、平和教育の目指す目標は何なのか、核軍縮廃絶か学習内容の軸をどこに置いているのかについてです。
 本市の平和教育の目標は、「ヒロシマのの被爆体験を原点として、生命の尊さと一人ひとりの人間の尊厳を理解させ、国際平和文化都市の一員として世界恒久平和の実現に貢献する意欲や態度を育成すること」であります。
 核兵器を巡る世界の現状について、中学校の「ひろしま平和ノート」では、NPT再検討会議や核兵器禁止条約を扱っており、この学習においては、核兵器に対する様々な動きがあることを知った上で、核兵器をめぐる課題を解決していくために国や地域同士がどのような取り組みを行っていくべきなのかを生徒に考えさせることにしております。
 また、市民や団体が行っている平和に向けた活動や取り組みを調べ多様な考え方に触れ、自分たちにできることを考える学習も設定しています。
 今後も平和教育の目標を達成するため、子どもそれぞれが「知る」「考える」「伝える」学習過程を通して、これまでも重視してきた検証と発信を主軸とした平和教育の一層の充実を図ってまいります。

(中原ひろみ)
 削除されたのは「はだしのゲン」だけではありません。中学3年生の教材からマーシャル諸島で被爆したマグロ漁船「第五福竜丸」が、高校一年生では、被爆者である中沢啓治さんの壮絶な被爆体験がインタビュー記事から削除されています。
 これらは反戦平和を願う市民の思いや運動が削除されたと言わざるを得ません。市教育委員会がG7広島サミットに忖度したということなのか、これら一連の改訂に大きな政治的意図を感じざるを得ません。
 ある著名人は、「戦争をする国づくりを目指す政権にとって、核兵器の非人道性、いかなる場合にあっても核兵器が二度と使われないことを保障する唯一の方法は核兵器の廃絶である」という広島からの発信が邪魔なのではないかと述べておられます。
 この間の「平和ノート」の変更理由、だれが、どのように意思決定されたのかお聞きします。

(教育長)
 次に、「ひろしま平和ノート」を変更した理由は何か。誰がどのように意思決定したのかについてです。
 「平和ノート」を含む平和教育プログラムについては、平成25年度に策定した後、6年が経過したことを受け、平成31年度に大学教授や学校関係者で構成する「検証会議」を設置し、改定の必要性について検討した結果、資料の修正等も含め、一部見直す必要があるという結論となりました。
 その後、令和2年度から4年度にかけて、「検証会議」の結果を受け、教員で構成する「作業部会」で、試案を作成し、大学教授や学校関係者等で構成する「改訂会議」で検討を加え、専門的な視点からの意見や試行授業を行った現場の教員の声、児童の感想等を踏まえて改訂案を策定いたしました。
 これらの改訂案について、公開の教育委員会議で報告をし、その結果を踏まえ内容を固めた上で、教育委員会の職務権限規程に基づき最終的な決裁を事務局において行っております。

(中原ひろみ)
 被爆地ヒロシマの平和教育として義務教育課程の9年間のうちに最低でも一度は全ての子どもたちが原爆資料館を訪れて被ばくの実相に触れることが必要です。
 改めて提案します。コロナの影響で実施していなかった学校の遠足などで資料館を訪れていた取り組みを復活すべきではないでしょうか。市の見解をお聞きします。

(教育長)
 最後に、コロナの影響で実施していなかった学校の遠足などで資料館を訪れる取り組みを復活すべきではないかについてです。
 広島平和記念資料館の見学は、被ばくの実相を理解する上で有意義な学習であり、令和2年度3年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため資料館が臨時休館となったり、入場制限を行っていた影響を受け、見学する学校は減少しておりましたが、令和4年度には小学校81校、中学校35校が実施しており、資料館の見学を平和学習に取り入れる取り組みを徐々に再開させております。
 今後は、資料館の見学を含め、これまで制限されていた教育活動について、それぞれの意義を改めて捉え直した上で再開等を検討するよう校長会等を通して学校に対し促してまいります。

【再質問】

(中原ひろみ)
 それから平和教育についてですが、広島は、広島平和記念都市建設法によって、復興のための財源が確保されて、平和記念都市となって、今日があります。
 それは同時に、広島市に被ばくの実相を語り広げて、核兵器の非人道性を伝えて、世界から核兵器をなくそうという、そのために力を尽くす都市としての責務と役割を課されたというふうに思っております。
 ですから、この被爆地広島が行う平和教育は、被爆という事実とか、核兵器がもたらす非人道的な被害を学ぶ、広げていく、戦争による解決を否定して、核兵器をなくそうという平和学習が、この平和教育プログラムの底辺に重く広がって深められていく、不断の努力が私は必要だと思うんです。
 市教育委員会には、広島市の平和教育にはそのような責務があるという認識がおありかどうか伺いたいと思います。

(教育長)
 まず平和教育の関係について、ご答弁した中で申し上げましたけど平和教育の目標は、広島の被爆体験を原点として、生命の尊さと一人ひとりの人間の尊厳を理解させ、国際平和文化都市の一員として世界恒久平和の実現に貢献する意欲や態度を育成するということでございますけど、現在使っております平和ノートというのは、かなりの労力とか資料収集などを経て策定しております。よその都市にはない、自慢できるものだと思っておりますので、今後もそういったことに意を用いながら、しっかり子どもにそういった学びをしてもらうようにというふうに努めてまいりたいと考えております。

2.未来を担う子どもの育成について

(中原ひろみ)
 地方自治体の本来の役割は、「住民の福祉と暮らしをまもる」ということは言うまでもありません。が、広島市では、くらしや教育予算をどんどん切り捨てながら「200万人広島都市圏構想」を契機に、高速5号線トンネル工事に1400億円、広島駅前の再整備に360億円と、巨額の税金が湯水のように不要・不急の大型開発に使われてきました。
 これら巨大開発と対象的に、就学援助制度は基準が引き下げられ約1000人もの子どもが支援を受けられなくなりました。放課後児童クラブは有料化され物価高騰のなか、保護者負担が増えています。
 小学校の自校調理場は老朽化を理由に廃止し、大規模給食センター化をはかる計画が進められ、今度は、各小・中学校のプールまで廃止しようとしています。まるで、子どもと教育が巨大開発の犠牲にされているといっても言い過ぎではありません。このような税金の使い方、市政運営に対して、納得する市民はどれほどいるでしょうか。
 市民は、中央図書館の建て替えを始め、自校調理場や学校プールの改築、子ども医療費無料化・学校給食の無償化、放課後児童クラブを無料に戻すなど、もっと子どもと教育に予算を使ってほしいと願っています。
 未来を担う子ども達への投資こそ「教育費用にお金がかかりすぎる」という声にこたえる希望ある政策であり、少子化に歯止めをかけ、人口流出を食い止める力になるのではありませんか。市の見解をお尋ねします。

(こども未来局長)
 未来を担う子どもの育成についてのうち、未来を担う子どもたちへの投資こそが、少子化や人口流出の歯止めになるのではないかと考えるがどうかについてお答えします。
 本市では「未来を担う子どもの育成こそが、これからの広島の発展の礎になる」という考え方のもと、全ての子どもが幸福に暮らし、様々な個性や能力を伸ばし、自立性社会性を身につけ、自立した大人へと健やかに成長できるよう、社会全体で子どもの成長を支えていく環境作りに取り組んでいるところです。
 こうした中、国においては、2022年の合計特殊出生率が1.26と過去最低になったことなどを受け、少子化は我が国が直面する最大の危機と捉え、こども・子育て政策を抜本的に強化する「こども未来戦略方針」を6月13日に閣議決定し、今後のこども・子育て予算倍増に向けた大枠が示されたところです。
 今後年末までにこの方針を具体化した「こども未来戦略」が策定されることとなっており、本市としては、こうした国の動向を注視するとともに、子どもや子育て世帯のニーズを的確に把握しながら、子ども・子育て支援の取り組みを全体としてさらに充実させていきたいと考えています。

(1)こども医療費補助制度について

(中原ひろみ)
 この4月から、こども家庭庁が発足し、「子どもを社会全体で支える」ことを謳ったこども基本法が施行されています。しかし、今、国の少子化対策は、子育て世帯の医療費負担軽減を求める声にこたえるものではありません。
 岸田首相は、18歳までの医療費無料化に対し「子どもにプラスになるとは必ずしもいえない」などと後ろ向きです。医療費の無料化は、子どもの命と健康を守る上で大変重要な制度であり、子育てにがんばる保護者を支える制度でもあります。
 20の政令市で、通院の医療費助成が小学6年生までなのは、広島市と札幌市のみです。さらに広島市は、医療費補助制度の対象に所得制限をもうけている上に、通院の自己負担にも所得基準があります。
 二重の所得制限がある広島市は子どもと子育て世帯に一番冷たい街になっています。市は、2016年(平成28年)の付帯決議に沿って、「他の地方自治体と比較してもまったく遜色のない制度」へ対応を検討するとしていますが、すでに遜色ありすぎです。待ったなしの対応が求められます。
 鳥取県では、18歳まで所得制限なしの医療費無料に踏み切りました。平井鳥取県知事は、「お子さんの幸せな時代というのを社会全体で作っていこう」と語っています。
 また、子育て支援策に所得制限を設けていない明石市の泉元市長は、「サービスの利用料を市民は税金として「前払い」「支払い済み」だとし、国や行政が「一定以上の所得がある」だけで対象外とするのは納得されにくい」と述べています。
 実際、中間所得層からは、子育てと仕事を両立させる努力をしながら高い税金を納めているのに、所得制限で対象外となり子育て支援制度が利用できないのは不公平との声が届いています。
 せめて多くの地方自治体が実現している通院補助を中学3年生までに拡大させるとともに、所得制限の撤廃も必要です。
 現在の制度のままで通院補助の対象を中学3年生まで拡大した場合、所得制限をなくした場合、完全な無料する予算額はそれぞれどのくらい必要か伺います。

(保健医療担当局長)
 未来を担う子どもの育成についてのご質問のうち、こども医療費補助制度について、現在の制度のままで、通院補助の対象を中学3年生まで拡大した場合、所得制限をなくした場合、完全に一部負担金をなくした場合の予算額はそれぞれどのくらい必要となるのかとのご質問にお答えいたします。
 補助制度の令和5年度の当初予算額は約25億8000万円となっており、通院補助の対象を中学3年生まで拡大した場合に追加で必要となる経費扶助費について試算いたしますと、現行の制度では、約4億4000万円、所得制限をなくした場合は約11億6000万円。さらに一部負担金もなくした場合は、約19億1000万円が必要となります。

(2)放課後児童クラブについて

(中原ひろみ)
 放課後児童クラブは、4月からの有料化され基本料金は5000円ですが、負担軽減措置により「世帯ごとの適正な利用料」になると市は説明されてきました。ところが負担軽減措置は「申請主義」のため、3000円、あるいは無料の減免を受けるには保護者が「広島市放課後児童クラブ利用申込書」に必要事項をチェックして申請しなければなりません。しかし、市が利用料金の減免申請手続きを保護者にまともに説明していないため、利用料金区分に応じた申込みが必要である事を知らない、知っていても申込書の記入欄にどう書けばよいかわからず必要事項を記入せず提出してしまい、結局「負担軽減措置を受けていない世帯」が生まれています。このような実態を市はご存じですか。大問題との認識をお持ちですか。
 減免申請していれば3000円だったのに、5000円を払っていた世帯はどのくらいありますか。払いすぎた利用料は返還すべきですが、どうされるのですか。

(教育長)
 未来を担う子どもの育成についてのご質問のうち、3項目について順次お答えをいたします。まず放課後児童クラブについてのご質問についてです。
 利用料金区分に応じた申込手続きがわからず、負担軽減措置を受けていない世帯が発生しているがこのような実態を把握しているか。負担軽減措置を受けていれば3000円だったのに5000円払っていた世帯はどのくらいあるのか。払いすぎた利用料金は返還すべきと考えるがどうするのかというお尋ねについてです。
 放課後児童クラブの申し込み手続きについては、利用申し込みの際に配布しているしおりの中で負担軽減措置の該当状況を含め、具体的な記載例を示すとともに、記載漏れがないか確認するためのチェックシートを合わせて配布し、保護者への周知に努めてきたところです。
 しかしながら、利用料金を記載した納入通知書を送付した後に保護者の方から利用料金が間違っているのではないかとの問い合わせがあり、確認をしたところ、負担軽減措置の措置状況が申込書に記載されていなかったことが原因で、本来月額の利用料金が3000円であったところ5000円支払っていた世帯が現時点で95世帯、判明しております。
 このことについては、利用者負担導入の初年度であり、結果として負担軽減措置の該当状況を記載する必要性が十分伝わらなかった方がいらっしゃるということだというふうに考えております。
 なお、こうした世帯につきましては、該当状況についての変更申し出書を提出していただくことで、申し出日の翌月以降の利用料金は本来の金額に変更するとともに、既に支払っていただいた利用料金と本来の利用料金との差額は返還することにしております。

(中原ひろみ)
 今後は保護者の「申請」なしで負担軽減措置が受けられるようなシステムに見直すべきてはありませんか。

(教育長)
 次に、今後、保護者の申請なしで負担軽減措置が受けられるようシステムを見直すべきではないかについてです。
 負担軽減措置対象世帯のうち、就学援助受給世帯については、年度当初の認定結果が確定するのが例年4月下旬から6月上旬となり、2月上旬の放課後児童クラブの利用承認に当たり、システム上で受給状況を確認できないため、利用申込書の中に、申請中であることを記載していただき、認定されるまでの間、就学援助世帯として取り扱っているものです。
 また、こども医療費補助の受給世帯などについて、継続の方はシステム上で確認できますが、新たに受給される方は認定状況がシステムに反映されるまでにタイムラグがあることから、利用承諾の際に負担軽減措置に該当していることが確認できない場合があります。
 こうしたことから、利用申し込みの際に、該当状況を記載していただくことにしているものであり、まずは申込書の様式の改善や周知方法の工夫を図ることで、保護者にもれなく記載していただけるよう努めてまいりたいと考えています。

(中原ひろみ)
 有料化の前後の利用者数の変化も教えてください。

(教育長)
 次に、有料化前後の利用申込者数はどう変化しているかについてです。
 令和5年度の利用申込者数は1万2200人で、令和4年度の1万2903人と比較して703人の減となっております。

(中原ひろみ)
 市は有料化すれば、室内イベントの開催や第二土曜の開所など、サービスが向上すると説明してきましたが、これらのサービス向上策を担うのは指導員です。
 現場からは「指導員が欠員状態のままの『サービス向上策』では仕事が回らない」と悲鳴が出ています。
 サービスを担う指導員が欠員したままでは、サービス向上も「絵に描いた餅」です。指導員の欠員が解消するまで有料化は延期すべきではありませんか。

(教育長)
 次に、指導員の欠員が解消されるまで有料化を延期すべきではないか。指導員の欠員はいつまでにどのように解消するのかについてです。
 放課後児童クラブについては、子育て施策を全体として充実していく上での基本的な考え方に基づき、令和5年度から、保護者ニーズの高いサービス向上策を実施するとともに、適切な負担軽減措置を組み込んだ利用者負担を導入したものです。
 その前提として、サービス提供に必要な人員は適正に配置すべきものと考えており、やむを得ず正規の指導員に欠員が生じた場合でも、配置基準を下回ることのないよう、有資格の臨時指導員を配置することで基準を満たす人員を確保しています。
 指導員の欠員解消に向けては、採用試験を2ヶ月に1回程度実施するとともに、様々な広報媒体を活用した広報や昨年度から新たに退職教員に対して学校長から案内してもらうなどの取り組みを進めているところであり、令和5年4月の欠員数は昨年度よりも11人減少しております。
 今後もこうした取り組みを鋭意進めることにより、欠員が解消できるよう努めてまいります。

(中原ひろみ)
 いつまでにどのように欠員を解消されるのか、指導員の定数、欠員数、再雇用者数、勤続5年以上の指導員数とその割合もお聞きします。

(教育長)
 次に、指導員の定数欠員数、再雇用者数、勤続5年以上の指導員数とその割合はどのくらいかについてです。
 本年4月1日時点での正規の指導員の定数は563人、欠員は64人で、定数から欠員を除いた正規指導員499人のうち、再雇用者は58人となっています。また、勤続年数が5年以上の指導員は280人で、正規の指導員に占める割合は56%になります。

(中原ひろみ)
 放課後児童クラブは、児童福祉法「放課後児童健全育成事業」に基づく事業ですから、この事業に関わることは地方自治法244条の2、第一項に規定されているように「設置及び管理に関する事項は条例」でこれを定めなければなりません。
 しかし今回の「放課後児童クラブ有料化」は、その根拠となる条例の提案、議会での議決等はありませんでした。保護者会が条例設置について市当局に問い合わせた際、市の担当課長は「市が保護者と入所契約をする際の市の立場は『私人』であり、保護者との契約は『私人と私人』との間で行われるものだから、議会の議決や条例の制定は不要」と回答しています。この回答は広島市の放課後児童クラブ事業が児童福祉法が定める「放課後児童健全育成事業」ではないということでしょうか。いつからこの事業が「私的な事業」となったのか伺っておきます。改めて、条例の制定を求めます。

(教育長)
 この項目の最後に、条例で利用料金を定めるべきではないか、いつから放課後児童健全育成事業が私的な事業となったのかについてです。
 放課後児童クラブは、児童福祉法に基づく放課後児童健全育成事業として実施しているものですが、利用申し込みに対する決定行為については、行政処分に当たらず、市と利用者との私法上の契約行為例に当たることを国に確認しており、本市においては利用料金を条例でなく、要綱で定めているものです。

(3)学校給食の無償化について

(中原ひろみ)
 全国で、学校給食費の無償化をすすめる自治体が広がっています。
 コロナ臨時交付金を財源にした自治体の場合、その大半は交付期限後の4月以降の継続を「未定」「徴収再開予定」としていますが、「自主財源から捻出する」自治体も東京や千葉など首都圏を中心に広がっています。
 東京都内では2023年度から中央区などの7区で、この6月からは大田区が無償化を実施しています。鈴木太田区長は「給食費の無償化は、子どもたちが家庭の経済状況に関わらず、等しく給食を食べられる大変意義あるものだ。」と話しておられます。給食費の未納・滞納に子どもの責任はありません。給食費を払っていないからと子どもに肩身の狭い思いを与えてはなりません。
 クラスの皆で安心して給食を食べる環境の整備こそ、子どもの成長する権利を保障する大人社会の責任です。
 国に対して学校給食費の無償化を働き掛けつつ、国の幼児教育保育の無償化で浮いた32億円の財源も使い、広島市独自で学校給食費の無償化の決断をすべきでありませんか。

(教育長)
 次に、学校給食の無償化についてです。本市では、学校給食に係る経費については、学校給食法第11条で定められた経費分担の原則にのっとり、学校給食の運営に要する経費は、設置者である本市が負担し、食材費は学校給食費として保護者に負担していただいています。
 その上で、従来から就学援助制度等により、一定所得以下の世帯の学校給食費を援助しており、その他の世帯についても、昨今の物価高騰下でも負担が増加しないよう、国の交付金を活用して支援しているところです。
 議員から御指摘のありました学校給食費の無償化については、国民における公平性確保の観点から、基本的には国の責任において統一的に実施されるべきものと考えており、本市独自で無償化を実施することは考えておりませんが、指定都市市長会を通じて全国一律の負担軽減措置を創設するよう国に働きかけているところです。

(中原ひろみ)
 改めて、給食費無償化に必要な財源額と、令和3年度の給食費を滞納している子どもの人数もお聞きします。

(教育長)
 次に、学校給食費無償化に必要な財源はいくらか、また、令和3年度の学校給食費未納者の数は何人かというご質問です。
 中学校における選択制のデリバリー給食の解消により、全員喫食に移行する予定の令和8年度時点の学校給食費は総額で約49億5000万円になると見込んでおります。
 このうち、就学援助制度などによる公費負担額は、現在と同程度の割合で試算すると、約11億7000万円となり、これを差し引いた約37億8000万円が学校給食費の無償化に必要な金額となります。
 次に令和3年度における学校給食費の未納者数は合計で35人であり、児童生徒全体の0.04%となっております。

【再質問】

(中原ひろみ)
 それから給食ですが、やりませんという冷たい答弁でしたね。総理府の「少子化対策のための国際世論調査2020年」というのがありまして、これには子育てに何を望みますかという質問なんですが、教育の教育費の負担軽減というのが7割なんですよ。教育費の一つは給食費ですね。やっぱりこれ無料にすることが大きく子育て世帯への願いに、そういうものだと思います。
 今物価高騰で、どの人も大変ですが、月に5000から6000円の給食費が入りますね。放課後児童クラブを使うお子さんは、また5000円そこに上乗せをされていきます。子育て世代にとっては、子ども1人に毎月1万円を超える今負担があるわけです。やはりここは、何らか解消すべきだと私は思います。
 それで、言いたいのは、今公会計ですから、どの子が給食費を納めてないかどうかわかりません。だけど、納めていない子ども自身はわかりますよ。その35人だと0.04%だなんて、少ないんだみたいなご答弁の雰囲気でしたけれども、1人でも、給食を気持ちよくみんなと一緒に食べるっていう思いにできるように、つらい思いをしないように、滞納している子どもがね、やはり給食時間つらいと私は思うんですよ。そんなことをさせたくないというのが私の思いです。
 やはり家庭への経済的な支援にとどまらず、クラスみんなが等しく安心して食べる、これが本当にクラスのまとまりや子どもの心を育むんだと私は思うんです。その点について市教委の認識を取ります。

(教育長)
 それから先ほどのもう一点の、給食費のことでございますけど、もちろん経済的な理由で受けられないということがないようにという配慮は、どのような制度でも我々考えているところでございます。
 放課後児童クラブの今回の利用者負担の導入につきましても、そういった負担能力に考慮した料金設定ということはしておりますので、そういう意味で経済的な理由で必要なサービスを受けられない方が出ないようにという配慮はこれからもしていきたいと考えております。

(中原ひろみ)
 時間が短いですが、やはり税金の使い方のところが一番のネックかなというふうに思ってます。
 市民の多くは、自分たちが納めた税金はやはり子どものためや、それから命を守るために最優先で使ってほしいというふうに思っているということを、申し上げたいというふうに思います。
 教育関係ですが、これ核兵器を使わせないという努力を、引き続きやっていただきたいと思います。

(4)学校のプールについて

(中原ひろみ)
 市教委は、市内の小中学校200校に整備されているプールのうち、築40年を超えるものが過半数で老朽化の進行により今後、10~30年で多くが更新時期を迎え、全てのプールを改築する場合、約460億円が必要とし、財政負担が大きいことを理由に①市営プール、民間プールなど既存ストックの活用 ②共同プールとしての改築を学校ごとに工夫するとしています。
 しかし、老朽化したプールを建替えずに、近隣の学校や民間プールなど、借り物プールでの水泳授業で「よし」とすることは、学校の根幹である「授業」を財政負担を理由に、ないがしろにするものです。教育環境の整備費用を出し渋るのは大問題です。
 だいたい、施設が老朽化することは当たり前のことです。計画的に改修・整備をおこなうことが設置者である教育委員会の責任ではないのですか。
 プール以外の校舎や体育館などの施設に対する市の基本的なお考えを伺います。

(教育長)
 最後に、学校のプールについてのご質問についてです。
 まず、施設の老朽化に対して計画的に改修設営整備を行うことが設置者の責任だと思うが、プール以外の校舎や体育館などの施設に対する市の基本的な考え方はどうかというおたずねです。
 校舎や体育館等の児童生徒が日常生活を送る主たる施設については、令和3年2月に策定した「広島市学校施設長寿命化計画」に基づき、計画な維持保全に取り組み、施設の長寿命化を図るとともに、更新時期を迎えた際には必要な改築を行いたいと考えております。

(中原ひろみ)
 近隣プールへのバス移動で、授業時間の短縮はさけられません。授業時間が短くなれば、プールがある学校の子どもたちと実質の授業時間に格差が生じることになります。これを市教委は容認されるのですか。
 水泳の授業時間を確保するために子どもたちの休憩時間が削られることがあってはなりませんが、外部施設を活用する際の条件を往復30分以内の施設とする根拠は何ですか。

(教育長)
 次に、外部のプール施設を活用することで、授業時間が短くなれば、プールがある学校の子どもたちと授業時間に格差が生じることになるが、市教委は容認するのか。外部施設を活用する際の要件を往復30分以内としている根拠は何かについてです。
 小学校の水泳授業は通常2コマ続けて実施しており、移動時間が往復30分以内であれば、他の授業時間も確保しつつ、約60分の実技時間を確保することが可能であり、その時間が確保できれば、学習指導要領の内容が実施でき、教育効果を上げることができると考えています。

(中原ひろみ)
 すでに昨年の夏、南区の黄金山小学校では地盤沈下による影響で学校プールが使用できなくなり、急遽、低学年は楠那小学校へ、中・高学年は東雲プールと楠那中学校のプールを使用して授業が行われています。
 この時の状況を教師や関係者にお聞きすると、バス移動で渋滞に巻き込まれることもあり、大きく授業時間が削られることもあったといいます。小学校の水泳授業は一回、二時間(45分×2コマ=90分)ですが、実質の授業は実技時間が削られ泳力をつけることはできないという声もお聴きしました。
 特に胸が痛むのは、子どもからも多くの不満の声が出たという事です。
 この事実を市教委は把握されていますか。課題をどう分析されたのですか。

(教育長)
 次に、昨年度、黄金山小学校において水泳事業の実技時間が削減されたことや、子どもから不満の声が出たという事実を把握しているか。課題をどう分析しているかについてです。
 黄金山小学校では、昨年度地盤沈下の影響により、学校プールが使用できず、急遽近隣の学校や市営施設のプールを使用せざるを得なくなったという状況が生じました。
 その際、授業を実施することを優先し、移動時間の制約を設けていなかったため、学校から聞き取りを行った際に、移動に片道15分以上かかったケースもあったと聞いておりますが、このたび新たに活用を予定している施設については、片道15分以内で移動できることを確認しており、約60分の実技時間は確保できると考えております。

(中原ひろみ)
 借り物施設での授業では、水泳授業の目的が達成できないだけでなく、子どもの学習を受ける権利や、教育の機会均等に反するのではありませんか。市の見解をお聞きます。

(教育長)
 最後に、子どもの学習を受ける権利や教育の機会均等に反するのではないかというご質問です。
 今年度の黄金山小学校での水泳事業の実施に当たっては、使用する施設までの移動時間を30分以内とし、約60分の実技時間を確保することにしております。
 また、屋内の民間施設を活用することで、天候に左右されず計画的に授業が実施できることや、インストラクターの活用により指導体制が充実するといったメリットもあると考えております。

3.県の高度医療・人材育成拠点基本構想について

(中原ひろみ)
 広島県が昨年11月に公表した「高度医療・人材育成拠点基本構想」では、広島都市圏の8つの病院の再編計画を発表し、2030年度を目標に県病院をJR病院・中電病院と統合し、広島駅の北口に1000床の新病院を建設する計画です。
 県病院が移転すれば、地域医療や地域経済に大きな影響が出ることは避けられません。
 日本共産党市議団が今年1月に実施した県病院周辺地域へのアンケートでは、85%が移転反対でした。県が開催した社会福祉協議会会長などわずか15名を対象にした地域懇話会では、南区の社会福祉協議会会長から、「高齢者を中心に住民の不安が大きく、県病院がなくなることは反対だ」「県病院を残してほしい」との明確な意思が示されています。
 しかし県は9月には、地域の医療体制及び土地の活用方針とともに、新病院の基本計画をとりまとめるとしています。地元に細かく丁寧に説明し、住民と合意を図る場もないまま、「県が勝手に移転を決めるな」という怒りは、日々大きくなっています。
 そこで、お聞きします。地域懇話会には南区役所や中区役所の副区長、および保健センター長が構成員となっています。地域懇話会に出席されるにあたり、地域の声をどのように把握されたのか、どのような意見を述べられたのかお聞きします。

(保健医療担当局長)
 県の高度医療人材育成拠点基本構想について、数点のご質問に順次お答えいたします。
 まず、県が開催している地域懇話会において、南区や中区の副区長、保健センター長が出席するに当たり、地域の声をどのように把握し、どのような意見を述べたのかについてです。
 県に確認したところ、地域懇話会は、地域の方々が引き続き安心して医療が受けられるよう、必要な医療のあり方について検討するため、地域の意見をしっかりと聞く趣旨で設置されたものであるとのことでした。
 南区や中区の副区長、保健センター長については、地元の学区社会福祉協議会や区医師会の会長等とともに出席した上で、県に対し、今後の方向性について、住民の意見をしっかり得ながら、丁寧に進めていただくよう申し入れを行ったと聞いております。

(中原ひろみ)
 また、県病院がある現在地(宇品神田)は南海トラフ地震で津波、高潮により浸水するというのが移転理由の一つです。そうであるならば、これまでなぜ、災害に強い自治体病院になるように対策をしてこなかったのか。災害拠点病院としての機能を果たせないから「移転やむなし」と移転を強行するのは、地元住民の理解は得られないでしょう。市の見解をお聞きします。

(保健医療担当局長)
 次に、県病院は災害拠点病院としての機能を果たせないから移転するというのは、地元住民の理解を得られないと考えるかどうかについてです。
 新病院の整備予定地については、県において、南海トラフ巨大地震を想定した防災上の観点だけではなく、必要な病床数を確保するための建築面積や交通の利便性など、様々な要因を総合的に勘案し、決定したものであると認識しております。

(中原ひろみ)
 そもそも、県の「基本構想」は、2019年に国が公表した全国440の公立・公的病院の再編統合により、急性期病床など20万床を削減する計画の具体化です。狙いは公的医療費抑制を進めることにあります。実際、県病院・JR病院・中電病院の統合だけで、235床のベットを削減する内容になっています。
 コロナ禍を体験し、全国市長会は「コロナ感染症の対応について、公立病院は強力だった」「公的病院がなくなってしまうと大変な地域の問題になる」「急性期の病床を削減するということでなく、感染拡大の時は感染症病棟へ転用できるよう、一定程度の余力を持つ考え方も必要だ」との意見を述べています。
 市は再び、コロナ禍のような感染症が発生した場合、どのようにして病床を確保されようとしているのか伺います。

(保健医療担当局長)
 次に、病床が削減される中、コロナのような感染症が発生した場合、どのようにして病床を確保していくのかについてです。
 感染症が発生した場合の病床確保については、改正感染症法に基づき、都道府県の役割とされており、現在、県において複数の医療機関と病床確保に係る協定を締結していくための取り組みを進めているところです。
 本市としても、複数の医療機関で感染症患者に対応できる連携体制を構築していく必要があると考えていることから、県と連携し、こうした取り組みの促進を図ってまいりたいと考えております。

(中原ひろみ)
 さて、再編計画では舟入病院の16床の感染症医療機能は維持するとしていますが、感染症病床を残しただけでは必要な医療を提供することはできません。舟入病院が他の病院に先駆けて感染症対策に貢献できたのは、舟入病院に小児救急の医療機能を果たすための医師や看護師が加配され、医療スタッフが充実していたからです。しかし、県の計画では、舟入病院の小児救急医療は丸ごと新しい病院に移すとされています。
 急性期から回復期へと転換すると医療スタッフが半数程度まで少なくなり、感染症の中等症患者を受けいれることができなくなるのではと懸念されます。市は、この点についてどのように県と調整されるのか、感染症から命を守る公的病院の責任をいかに果たすお考えかお聞きしておきます。

(保健医療担当局長)
 最後に、舟入市民病院の急性期病床が回復期病床に転換すると、医療スタッフが少なくない感染症の中等症患者を受け入れることができなくなると懸念されるが、どのように県と調整するのか。公的病院の責任をいかに果たすのかについてです。
 舟入市民病院の小児医療機能の移転に伴い、急性期病床の一部を回復期病床に転換したとしても、一定の配置数を確保し、急性期に準じた形で対応することにより、感染症医療機能を引き続き担っていけるよう、県や市立病院機構と協議・調整していくこととしております。

4.マイナ保険証について

(中原ひろみ)
 マイナンバーカードをめぐる誤交付、誤登録が続き7割の国民が導入に不安を訴えているなか健康保険証を廃止してマイナンバーカードを強要する「改定マイナンバー法」が強行採決されました。
しかし、これまで マイナ保険証に別人の情報が登録されていた誤りが7300件以上も起きています。別人の保険情報がひも付けられていた件では、投薬情報も別人のものが表示されました。他人の医療情報に基づく誤った診断や薬の処方は、医療事故を起こしかねない危険なトラブルです。
 法案審議の参考人質疑では障害者団体の代表が、マイナカードの申請を巡る深刻な実態を告発しました。車いすに乗っている人が、顔写真にヘッドレストが写っていることを理由に申請を却下された。黒目のない人が顔写真を撮り直すよう言われたと言います。許しがたい障害者差別です。
 要介護高齢者も置き去りです。特別養護老人ホームなど多くの要介護者が入居する施設では、管理者がカードの保管や暗証番号の管理の責任を負わされます。個人情報が流出すれば、処罰もありうる重い負担です。
 システムを導入した医療機関の中には、マイナカードで保険情報を読み込んだ上、確認のため、保険証の提示を患者に求めているところもあり、マイナカードへの信頼は地に落ちています。
 全国ではマイナカードが信頼できないとして返却する方が増えていますが、市内ではどのくらいありますか。市内のマイナンバーカード交付率、マイナ保険証としての登録率、トラブルなどの現状について教えてください。

(保健医療担当局長)
 続きまして、マイナ保険証についての数点のご質問に順次お答えいたします。
 まず、市内でマイナンバーカードが信頼できないとして返却された件数、マイナンバーカードの交付率、健康保険証としての登録率、トラブルの現状はどうかについてです。
 本市におけるマイナンバーカードの交付率は、本年4月末現在で73.1%となっています。本年5月以降、各区市民課に返却されたマイナンバーカードは107件ありますが、そのうち理由が「信頼できないから」と明らかになっているものは20件です。
 マイナンバーカードの健康保険証利用の登録率について、本市として把握可能な国民健康保険被保険者に関して言えば、本年4月末現在で51.5%の方が健康保険証の利用登録をされております。
 また、本年5月以降にマイナンバーカードの健康保険証利用に関し、医療機関の窓口で「無資格」と表示されたことに係る各区保険年金課への問い合わせは9件あったことを把握しております。

(中原ひろみ)
 政府は保険証廃止後、マイナカードを持たない人には「資格確認書」を発行するとしています。が、有効期限があり一年ごとに申請が必要です。結果、保険資格があるのにそれを証明できず、医療を受けられない「無保険」者が出ることが危惧されます。
 全国保険医団体連合会の調査で、医療機関で「無効」「当該資格なし」とされた事例が38都道府県で776件あったことが6月21日付けの中国新聞でも紹介されています。『無保険』扱いなら、窓口10割負担となります。市内の医療機関においてどのような事態になっていますか。

(保健医療担当局長)
 次に、医療機関で「資格なし」となった事例が全国で発生しており、保険資格があるのに無保険扱いとなったら窓口10割負担となるが、市内の医療機関においてはどうかとのご質問です。
 本市として把握している事例としては、医療機関からの請求により、10割負担となったものの、相談を受けた区保険年金課から本人または医療機関に説明することにより、適切に払い戻しされたというものが、西区と安佐南区からそれぞれ1件あったとの報告を受けております。

(中原ひろみ)
 本来、資格を有することを示す保険証を被保険者に届けることは、国・保険者の責務であり、申請しないと交付されないマイナ保険証や、資格確認書に置き換えるのは責任放棄です。
 カードを普及するために国民のいのちを守る国民皆保険制度を壊すことがあってはならないと思いますが市の見解をお聞きします。
 健康保険証ならすべての被保険者に送られ、そのまま使えます。患者の資格を確認するために医療機関が専用システムを導入する必要もなく、紙の保険証を廃止すべき理由は何ひとつありません。
 市民の命を守る責任を持つ自治体として、国にシステムの運用中止と、保険証廃止の撤回を強く求めるべきと考えますが、市の見解をお聞きする。

(保健医療担当局長)
 最後に、保険証を被保険者に届けることは国保険者の責務であり、申請しないと交付されないマイナンバーカードや資格確認書におきかえるのは責任放棄であり、カードを普及させるために国民皆保険制度を壊すことがあってはならないと思うがどうか。また、国にシステムの運用中止と保険証廃止の撤回を強く求めるべきと考えるかどうかについてです。
 マイナンバーカードの健康保険証利用は、マイナンバーカードが全ての国民に行き渡った場合により良い医療を提供していくための情報化の基盤となるものですが、現状を配慮し、法改正により、マイナンバーカードのない方でも、無保険扱いになることのないようにするための手続きが新たに定められたものと考えており、本市としては、制度の安全・安心な運用を進めるべきものと考えております。

5.中央図書館の移転について

(中原ひろみ)
 2022年3月に市議会は、中央図書館等の移転について「現地建替え・中央公園内建替え・エールエールA館移転の3案について比較検討の上、説明し、理解を得ること」との付帯決議を採択しましたが、この決議を市は単なる手続きにすり替え、「説明すれば足りる」「移転ありき」で進められたことは、民主的であるべき平和都市の市政としては極めて残念だと言わなければなりません。
 比較検討の結果を説明した文書自体、駅前ビルへの移転に誘導しようとの意図を感じさせるものでした。このようなやり方に対して、納得されなかった市民の方々が改めて、エールエールA館への移転の撤回を求める請願が本市議会に提出されたことについて、移転を進めている市として、どのように受け止めておられるか、お答えください。

(市民局長)
 中央図書館の移転について、数点のご質問にお答えいたします。
 初めに、改めてエールエールA館一定の撤回を求める請願が、本市議会に提出することについてどのように受け止めているのかについてです。
 中央図書館のエールエールA館への移転につきましては、広島市議会令和5年第1回定例会において、移転整備を具体化するための費用が議決され、現在、基本・実施設計に取り組んでいるところであることから、引き続き着実に移転整備を進めてまいりたいと考えております。

(中原ひろみ)
 昨年12月に発表された、広島市立図書館再整備方針では、中央図書館のサービスや機能について、新たなものが15項目組み込まれています。
 これらは当然、現場の司書などの職員が担うことになるわけですが、機能拡大をどう進めていくのか中央図書館の司書や職員と現場レベルでの具体的な検討が行われていますか。
 また、これだけの新たなサービスや機能を毎日滞りなく進めるには、人員体制の強化が必要となるはずですが、これまでの体制に加えてどれだけの司書等を増やすお考えか、お答えください。

(市民局長)
 次に広島市立図書館再整備方針に基づく新たなサービスや機能拡大について、現場の中央図書館の司書や職員と具体的な検討が行われているのか。また、新たなサービスや機能を毎日滞りなく進めるには、人員体制の強化が必要となるが、これまでの体制に加えて、どれだけの司書等を増やす考えなのかについてです。
 現在中央図書館の職員と広島市立図書館再整備方針基づく新たなサービスの実施について、具体的な検討を進めているところです。
 人員の体制につきましては今後、新たなサービスや開館時間の見直しなどを踏まえた全体の業務量を把握した上で、必要な人員を確保することにしております。

(中原ひろみ)
 次に、再整備方針で新たに盛り込まれた機能の中に、学校などと連携した読書活動や学習活動の支援という項目があります。学校には学校図書館、学校図書室が設置されているのに、「学校図書館などとの連携」とせず「学校などとの連携」とされた理由をお聞きします。

(市民局長)
 最後に、再整備方針では、学校図書館などとの連携ではなく、学校などとの連携としたのはなぜかについてです。
 本市の図書館では、学校での「調べ学習」や「総合的な学習」、読書活動のための「団体貸出」を行っており、さらにこども図書館では市内の幼稚園や小中学校、特別支援学校などを対象に、学年やクラス単位で館内の案内やおはなし会を行う「図書館招待」の実施や、調べ学習に役立つ図書を集めた「調べ学習用資料コーナー」の設置など、広く学校での学習の読書活動の支援に取り組んでいるところです。
 このため、「広島市立図書館再整備方針」におきまして、「学校などとの連携」と記載したものです。

(中原ひろみ)
 学校に通う子どもたちにとっては学校図書館や学校図書室が最も身近な図書館施設ですが、学校図書館の専門的職務をつかさどる司書教諭は、教科の授業など他の業務が多く、実態として図書館業務が負担となっていると聞いています。
 こうした現状を放置したままで、読書活動の支援と言っても「本気度」が疑われます。
 子ども達が学校図書館をしっかり活用できるように、司書教諭に加えて司書を増やすべきと思いますがいかがですか。

(教育長)
 中央図書館の移転についてのご質問のうち、子どもたちが学校図書館を十分活用できるよう、司書教諭に加えて、学校司書を増やすべきではないかというご質問にお答えをいたします。
 本市においては、12学級以上の学校全てに司書教諭を配置した上で、学校司書を原則2中学校区に1名配置し、各学校の司書教諭をはじめとする教職員と連携協力しながら、蔵書管理等の環境整備や授業の支援、読書活動の支援等に努めているところです。
 引き続き、現在の体制において成果が上がっている学校の好事例を普及することを通して、子どもたちにより親しみやすく、活用しやすい学校図書館となるよう努めるとともに、学校司書の拡充の必要についても検討してまいります。

6.広島高速5号線シールドトンネル工事について

(中原ひろみ)
 2017年10月に着工した高速5号線シールドトンネル工事に要する工期は31ケ月で2020年7月に完成する契約でしたが、トラブル続きで約545mの掘削区間を残したまま今も停止しています。計画では月に50mを掘削する予定だったが、実際は3分の1程度の15m~16mしか掘削できていません。このままの掘進速度で進めた場合は、順調に掘削できてもあと2年半はかかります。
 工期が伸びれば事業費が膨らみます。1日延長されるとどのくらいの事業費増になりますか。

(道路交通局長)
 広島高速5号線シールドトンネル工事について、3点のご質問にお答えいたします。
 まず、シールドトンネル工事について、工期が延びれば、事業費が膨らむが、1日延長されると、どのくらい事業費増になるのかについてです。
 事業主体である広島高速道路公社からは、「現在、受注者側から建設工事紛争審査会に調停申請されているところであり、掘削に時間を要していることなどに伴う追加費用の負担について確定していないことから、現時点では1日延長されるごとの増額はわからない。」と聞いております。

(中原ひろみ)
 直近の見直しにより供用開始は令和4年度となっていますが、事業の遅れにより入らなくなった料金収入はどのくらいになりますか。

(道路交通局長)
 次に令和4年度に完成し供用開始すると言っていたが、未だに完成していない。供用開始日の遅れは収支計画に影響を及ぼすが、供用開始の遅れに伴い、いくらの通行料が入らなくなるのかについてです。
 公社からは、「高速5号線の完成時期については、牛田地区の掘削の見通しが立った段階で示すことにしており、これを踏まえて、供用開始時期も示すことになるため、現時点においては、完成時期の遅れに伴う料金収入の収入減少分はわからない。」と聞いております。

(中原ひろみ)
 現在、JVが工事費増額を求めて中央建設紛争審議会に調停を申し立てていますが、「工期」も「市民の安全・安心」も「事業費」もすべて失敗というべき事態になっています。なぜ、このような事態になったのか理由を教えてください。
 なぜこんな事態になったのか、その理由をお尋ねをして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

(道路交通局長)
 最後に、現在、JVが工事費増額を求めて中央建設工事紛争審査会に調停を申し立てているが、工期も市民の安全安心も事業費も全て失敗というべき事態となっている。なぜこのような事態になったのかについてです。
 「工期」や「事業費」に変更が生じた場合は、契約約款において、「発注者と受注者等が協議して定める」こととなっており、協議が整わない場合には、「建設業法による建設工事紛争審査会のあっせんまたは調停により、その解決を図るものとする」と規定されております。
 公社からは「今回の受注者からの調停は、この契約約款の規定にのっとった手続きである。」と聞いております。
 また工事着手前に、安全安心の確保とトンネル工事の円滑な推進との調和を図るため、地域住民との合意の上、「地表面変位、騒音・振動の計測方法や管理値等について定めた調停を結んでおりますが、公社からは、「その調停内容に沿って掘削を進めるとともに、建物等の変状の申し出があった場合には、早急に状況確認を行い、応急措置を行うなどの対応を行っている。」と聞いております。
 したがいまして事業の遅れはあるものの、「すべて失敗というべき事態になっている」というご指摘は当たらないと考えております。

【再質問】

(中原ひろみ)
 たくさんの質問をしましたけれども、多くは委員会で引き続き議論をさせていただきたいと思います。
 まず高速5号線シールドトンネル工事ですよ。何を聞いても言えないっていう隠蔽体質はいかんでしょう。それじゃあ信頼はできないというふうに思いますよ。地元の皆さんは、もう9ヶ月おうちに帰れない人がいるんですよ。ご存知ですか?我が家に住みたくても住めない、ホテル住まいを余儀なくされている方がいるのに、順調に行ってますということはあり得ないことでしょう。認識を聞かせてください。

(道路交通局長)
 高速5号線シールド工事が順調に行っているとは言えないという受再質問だったという理解しております。
 繰り返しになりますけれども、事業の遅れはあるものの、公社におきましては、事前に地域住民と合意した調停に沿って、適切に対応しているというふうに聞いております。

TOPへ