議会での質問・答弁

2023年03月06日

2023年第1回 2月定例会・予算特別委員会 総務関係 中森辰一

1.財政について
2.中央図書館について

1.財政について

(中森委員)
 今日は2点について伺います。まず、財政の問題について一点だけ聞いておきたいと思います。今回の当初予算は地方選挙があって、市長が変わる可能性も考えて、骨格予算ということになっております。同時に、市債の満期一括償還のタイミングと重なったし、政府の政策等でどうしても入れないといけない新規の施策があったので、前年度当初予算より予算規模が大きくなったという説明がありました。
 しかし、満期一括償還の問題や新規の施策を除いても52億円、前年度より規模が大きくなっております。社会保障費が増えているということもありますが、これは今回だけの問題ではなく今後も予定されるべきものであります。
 そうすると今回の予算が示していることは、広島市の財政収支が全くの硬直化した状態になっていて、一定規模の予算を伴う新たな施策を行う余地が極めて限定されている状態だと受け止めましたけれども、財政当局の認識を伺っておきます。

(財政課長)
 本市ではこれまで財政運営方針を策定し持続可能な財政運営を目指して、方針に掲げた取り組みを着実に進めてきているところです。
 今後とも社会保障費の増加が見込まれる中にあって、将来世代の負担に配慮した財政基盤を構築するために臨時財政対策債残高等を除いた市債残高や将来負担比率等の減少に取り組むとともに、社会経済情勢の変動に備え、財政調整基金残高の確保にも努めており、現状において、委員ご指摘のような財政状況にあるとは考えておりません。
 また、将来に備えて、税源涵養に繋がる社会資本整備等を計画的に行っていくことが不可欠となっていることから、大規模プロジェクトについても事業の選択と集中を一層徹底しながら広島の街の発展とともに圏域経済発展に繋がるよう取り組みを進めていく必要があると考えています。

(中森委員)
 財政としては市長の求めに応じていろいろやりくりをするというのが仕事ですけれどもね。しかし現状は、もうこれ以上大きな開発事業をどんどんやっていくという余地は全然ないと私は思っております。
 いずれにしても、市民の様々な暮らしの願いがたくさん上がっております。そういうことに応えていこうと思ったら、今の大きな開発をどんどんやっていくという考え方を見直していかないといけないし、この間も出ておりましたけれども、地域の様々な道路建設の要求もありますけども、そういうことが後に追いやられていくそういうふうなことになっていくんじゃないかなというふうに思っております。

2.中央図書館について

(中森委員)
 次の問題、中央図書館等の再整備について、本会議で行われました市の答弁についていくつか確認をしていきます。
 本会議で、「議会・利用者・有識者に理解を得ること」という付帯決議がつけられたことについて聞いたところ、市民局長が、「比較検討資料を作成して、関係者に説明するという手続きが課されたものと受け止めている」と答弁しております。
 しかし、付帯決議というのは、これは理解を得ることということになっておりまして、説明すればいいという手続きを課したものではありません。これは議決によって認めた予算を執行するための条件として丁寧に説明して理解を得るということです。
 本会議の答弁は、説明して理解を得るという条件を付けたこの付帯決議を、説明すればいいという手続きにすり替えた、いわば付帯決議の内容を勝手に変更してしまった。これではきちんと付帯決議を履行したことにならないのではないかと思いますが、どうお考えでしょうか。

(生涯学習課長)
 本市としては、付帯決議において説明し理解を求めるということであったため、当然に理解していただくべく説明を行ってきたところであり、付帯決議で課された手続きを果たしてきたものというふうに考えております。

(中森委員)
 本会議の答弁の中で、議会の質疑の中でもありましたけれども、市が、「本市の判断が客観的に成立し得ないものであるということが明確になるようであれば見直すことになる」と述べたことが紹介をされておりましたが、市の判断が客観的に成立し得ないものであることが明確になるためには、市民はどうしたらいいんでしょうか。

(生涯学習課長)
 中央図書館等の再整備については、これまでの議会での質疑において具体的な移転の理由を例示され、それで間違いないかとの質問に対し、間違いないことを強調するために、本市の判断が客観的に成立し得ないものであることが明確になるようであるならば見直すことになるということを申し上げているところです。
 その後再整備候補地の比較検討を行った結果においても、中央図書館等をエールエールA館に移転することが最も合理的であることは明らかになったところであり、委員のご質問に対して本市としてはお答えしようがございません。

(中森委員)
 いや明らかになったと言いますけれども、それ自体市民は納得していないわけですよ。今日時間があまりありませんので、用意した質問淡々と進めていきますけれども、この判断が客観的に成立し得ないものであることが明確になるということを市民に証明をしろというふうに言っているようなものじゃないか。市の判断が客観的にどう誤っているかを説明しろ、証明しろと言ってるようなもんじゃないかと思うんです。
 これは一般の市民に対して、いろんなデータを持ち調査する力も市民に対して卓越した力を持っている市行政が、市民に高いハードルを課しているんじゃないかと私は思いました。そういう点で、市の行政として極めて市民に対して傲慢な態度ではないかなと私は受けとめたんですよ。その点はどうでしょう。

(生涯学習課長)
 本市としては、議会をはじめとした関係者に丁寧に説明するという付帯決議に沿った手続きを行うことで進めていくという方向性で引き続き対応していきたいというふうに考えております。

(中森委員)
 説明をしただけに終わってるということなんだと私は繰り返し申し上げております。そもそも図書館の再整備が必要になっていて、これをどうするかを議論しているっていうことを市民は知っておりました。少なくとも、市が公開した情報によって知ることができる状況にはありました。しかしエールエールA館に移転すると市が発表したのは極めて唐突だったと思います。図書館のあり方に関心のある市民のイメージとあまりにもかけ離れたことが発表された。
 こういうことから、やっぱり反発を呼ぶし、反対の声も市民の間で急速に上がるということになったわけです。市はそういう状況の中で、移転する方針を発表してたった4ヶ月で、もう移転のための経費を予算化しました。決定したことだという強硬な態度を示したわけです。だから当然議会でも様々な反発の議論もありました。けれども結局のところ、ギリギリのところでその予算は議決をされました。
 しかし、実際にはまだ異論がたくさんあって、市民からも反対の声が広がっておりましたし、議会への働きかけもそういうことでありました。そういうことで全会一致の付帯決議で利用者・有識者・議会の理解を得ることという予算執行に当たっての条件がつけられたわけです。
 市は、市が言ってることが理解できるだけの説明をすればいいんだ、手続きだというふうなことを言っておられますけれども、理解を得るというのは市の方針に納得したから賛成だ、少なくともまだ異論があるけれども市の方針を認める、合意するということでなければ、理解を得たとは普通は言いません。
 ところが本会議では手続きだと言いました。さらに、納得を得ることではないとまで述べられました。自分たちのやることに反対する人たちには言わせておけばいいんだというふうな態度に見えました。これでは市の行政に対する不信が広がるばかりじゃないかと思います。
 世界恒久平和を誠実に実現しようとする理想の象徴としての平和文化都市。この重要な施設であるべき中央図書館が、もう四半世紀も経った商業ビルの一角でいいのか。こういう素朴かつ根源的な疑問を持って、多くの市民の皆さんが市の方針に反対の声を今でも上げ続けておられます。被ばくによって壊滅した広島市の復興が世界から注目されていた中で、広島市だけに適用する特別な法律によって、いわば全国民の支持支援をいただきながら、全国のあらゆる都市の中でも特別な平和記念都市として今日の広島市に復興して参りました。
 そういう原爆被爆からの復興という特別な歴史とともにあった中央図書館が、平和祈念館広島市の市民の知の拠点、知の殿堂として、また各区の図書館や公民館の図書室など広島市の図書館ネットワークの中枢機能を果たす、通常の図書館とは違う特別な図書館としての二重の役割を担って一層の発展を期待されてきたんだと思います。
 それが建物として老朽化し、不具合も増えてきたので作り替えることになった。どのような図書館になるのかと期待していたら、できてから四半世紀経った中古の商業ビルに移転するというわけですよ。
 2月20日の本会議で、市長がなぜそうするのかということを言われました。外国から広島市は市民の努力で国内外から多くの人々を引きつける街にするということをおっしゃいました。すでに外国からもたくさんの人々が世界平和の殿堂としての広島市にやって来られるようになりました。広島市の外からも大勢の人々が平和都市広島被爆都市広島にやってくるようになりました。コロナ前までは年々広島市に来る国内外の人々は急速に増えてきておりました。すでにそういうことがもう実現しているわけですよ。文化度の高い暮らしが営めるようにすることを目指しているということも言われました。広島市の都心の大改造をバランスよく行うんだということも言われました。広島市はすでに十分にぎわう街になったのではないかと思います。
 それでももっとにぎわいが必要だということで、広島駅前の大改造や紙屋町周辺の大改造も進めようとしておられます。そのバランスのために中央図書館を広島駅前のビルに移設するということなんでしょうけれども、外国の方々や、他都市の人々がイメージする平和都市の知の殿堂、平和文化を発信する拠点、世界平和の殿堂、こういうイメージには、駅前の商業ビルの上層階というのはどうもそぐわないんじゃないかと思うわけです。
 外国の人々が持つ広島市の知の殿堂としての図書館というのは、とりわけ先進国である日本の中の120万の人口を擁する大都市の図書館というのは、やはり独立した、世界平和に向けた世界の様々な取り組みも、平和文化も、被爆の歴史や技術に関する情報など、平和に関するあらゆる情報を含めて、そこに行けばあらゆることを知ることができる、さすが広島市の図書館だと言ってもらえるような外観も内観も備えた建物のイメージではないかというふうに思います。
 平和文化の発信拠点は市内の各地にあっていいと思うわけです。このことに関する情報発信の中心はやっぱり平和記念資料館と中央図書館、これらをセットで平和公園と中央公園に置くべきだというのが平和の取り組みや文化に関わってこられた方々の共通の思いではないかと思います。
 広島への訪問者が来られる入り口である広島駅前のビルにも発信拠点がサテライトとしてあってもいいと思いますけれども、しかしそれは中央図書館である必要はありません。商業ビルへの移転に反対の声というのは本当に根強いんです。だから、定例の市議会議員選挙の直前で、市議会としては最後の定例会で、審議は1回しかないということがわかっていても、市の方針の見直しを求める請願があえて複数出されております。
 そうした市民に対する、本会議での「納得してもらわなくてもいい」こういう答弁は、こうした強い市民の思いや願いを無視するもので、民主主義に反するんじゃないかと私は思うんですけれども、どうお考えですか。

(生涯学習課長)
 本会議において、市民局長は委員が述べられた「市民に納得してもらわなくても良い」との答弁はしておりません。
 2月21日の本会議では、吉瀬議員からの「丁寧に説明していくという言葉はあったが、理解を得ていくという言葉はない。説明するだけで理解を得るつもりはないという考えなのか」というご質問に対し、市民局長は、理解と納得は別だということで、我々は納得していただく状況を作ると申し上げました。
 その後、馬庭議員からの同様の質問があった際にも、市民局長から吉瀬議員のご質問にも関わることを前置きした上で、市としては付帯決議において説明し、理解を求めるということであったので、当然に理解していただくべく説明を行ってきたところであり、議員の立場、あるいは意見として説明できていない、あるいは説明していても理解できていないということかも思われますけども、最終判断は付帯決議を作成した市議会に委ねられているものと考えています、とお答えしたものです。

(市民局次長)
 恐れ入ります。ただいまの答弁でちょっと訂正をさせていただきたいと思います。吉瀬議員からのご質問に対し市民局長がお答えしましたのは、「理解と納得とは別だということで我々は理解していただく状況を作る」と申し上げたということでございます。その後馬庭議員から同様の質問があった際に、市民局長から吉瀬議員のご質問にも関わるということを前置きをした上で、市としては、付帯決議において説明し理解を求めるということがあったので、当然に理解していただくべく説明を行ってきたところであり、議員の立場、あるいは意見として説明できていない、あるいは説明していても理解できていないということかと思われますけれども、最終判断は付帯決議を作成した市議会に委ねられているものと考えていますとお答えしたものでございます。

(中森委員)
 理解と納得は違うという考え方自体がおかしいんじゃないかと思うんですよね。
 本会議の答弁で、図書館協議会と社会教育委員会議は審議会であるということもおっしゃいました。一般的に審議会というのは特定の問題についての市の諮問に対して、委員が調査研究し、意見を交わして、その審議会として何らかの答申を出す、あるいは市に対して助言する機関だというふうに思います。
 つまり審議会というのは市が任命、あるいは委嘱したその時々の委員で構成する機関としての責任に基づく結論を出すところというふうに認識しておりますけれども、どうでしょうか。

(生涯学習課長)
 本市としては、中央図書館等に求められる機能等について、意見を聴取するにふさわしい専門家を委員として選任している広島市立図書館協議会および広島市社会教育委員会議の委員から、この度は付帯決議に沿って、委員それぞれの専門的見地に立った意見をお伺いし、その後、再整備候補地の比較検討の資料を丁寧に説明して理解していただくという手続きを果たしたところでございます。

(中森委員)
 ですから聞く機関だということなんですよね。
 図書館協議会というのは図書館法で公立図書館に図書館協議会をことができるというふうにされておりますけれども、その役割は、図書館の運営に関し、館長の諮問に応ずるとともに、図書館を行う図書館方針につき館長に対して意見を述べる機関であるというふうにされております。
 社会教育委員会議は社会教育法に規定されていて、社会教育に関する計画の立案や調査研究などを行うことによって、社会教育に関して教育委員会に助言をする役割を果たしている方々の行う会議だというふうに思います。
 図書館協議会というのは、個々の委員が図書館長に対して意見を述べる機関であり、社会教育委員会議は社会教育に関して教育委員会に助言する機関です。
 それぞれ専門的な立場の方々がおられますけれども、今回の問題である図書館をどこに作るか建て替えか移転かについて市が示した方針について、賛否を明らかにする場ではありませんし、諮問機関としての結論を出す機関でもありません。
 そういう場ではないんだということを、いずれの会議でも、その座長、会長あるいは議長が各委員の疑問などに対してきちんと言明しておられますよ。
 有識者の機関として、市の方針に対して市が説明している意味は理解できるが、その方針そのものがいいとか駄目だとかそういう場ではないと有識者の会議の責任者が言ってるのに、理解を得る、つまり、それでいいと賛意を示すことにならないことは明らかです。
 この理解を得るという意味、後でまた言いますけれども、図書館協議会では各委員の立場そういうものだということについて、何を言ってもしょうがないといった思いが述べられておりましたし、市の方針にそのままでは納得できないと言われる方も他にもおられました。
 社会教育委員会議では、はっきりと「納得という意味の理解はできない」と言われた方もおられました。そういう立場の人たちに、付帯決議の履行の責任を負わせたということに対する抗議の意味も込められていたのではないかなと受けとめました。
 市長が記者会見で、こうした会議に説明だけはする、まさに単なる手続きに過ぎないといった趣旨のことが言われたことに対しても、「これでは自分たちが何を言っても仕方がない」というような発言も図書館協議会では行われておりました。
 図書館協議会も社会教育委員会議も広島市の審議会だと市民局は言われましたけれども、一連の会議も会議として賛否を言う立場にないどころか、その委員が個々に理解することさえ言えないようなところになっております。
 そういうところに説明をして意見を言わせただけで、有識者に理解を得ることという付帯決議を履行されたとはとても言えないことは明らかだと思います。この点についても認識を伺います。

(生涯学習課長)
 昨年12月下旬に開催した両審議会において、中央図書館の再整備候補地の比較検討について案を説明するとともに、委員からその場でいただいた疑問点については丁寧に説明しており、付帯決議に沿った対応を得て本市の考えは理解いただけたものと考えております。

(中森委員)
 今回理解いただけたというのは、要するに言ってる意味がわかったということだと思いますよ。社会教育委員の1人が個人として、他の市民の方々と専門的に議論できる委員会が必要ではないのかと思われて要望書を出されました。それに対して市長が記者会見の中で、「社会教育委員会議には十分に専門性がある、要望を出した人に専門性がないだけだ」と言われたと強い疑問を呈しておられました。この方が言われる専門性というのは、社会教育委員も図書館協議会の委員も持っていない、建築や防災の専門性のことを言っておられたわけです。
 これは新しい図書館専用の建物を作る場合は、そういう専門性を持つ人が必ずしもいらないかもしれません。
 しかし、既存の建物、目的が全く違う商業ビルの上層階に重量のあるものを設置する図書館を作るのに、大丈夫なのか、こういう判断が自分たちではできないから、そういう判断ができる専門家にも参加してもらう委員会が必要ではないかというふうにおっしゃったわけで、そういう専門性がこの委員たちにないのは当たり前です。
 それを十分に専門性があるという市長の発言は全く妥当ではないというふうに思います。そもそもそういう専門性を持っていない市民局の内部で商業ビルに移転することを決めてしまうことは私は無責任じゃないかと思います。
 それから、図書館建築についての専門性も建物の構造計算の専門性が持っているわけではないと思いますが、そういう広島駅南口開発の幹部がエールエールA館に移転を要請するということ自体無責任なことじゃないかというふうに思うんですが、どうなんでしょうか。

(生涯学習課長)
 広島駅南口開発株式会社からは、中央図書館等の移転整備は可能であると聞いて意見を決定いたしましたが、この度整備候補地の比較検討を行うに当たって、エールエールA館の設計を行い、定期調査報告を行うなど、既存の建物全体の構造や維持管理状況を熟知している事業者に詳細な検討を業務委託し、具体的な書架のレイアウトを踏まえた構造検討や、建築基準法および消防法など法令関係等の検討を行い、これらに問題ないことを改めて確認しているところです。

(中森委員)
 だからそういう専門家に委託をしてやらないとわからなかったわけでしょ。それよりも以前に、勝手に唐突にうちの方に移転してほしいと要望書を出す、これは無責任じゃないかということを言ったわけですよ。構造上の問題がクリアできるという科学的な根拠を、そのときに南口開発は持ってたんですか。

(生涯学習課長)
 繰り返しになる部分がありますけれども、そもそも今回の調査をしたところは、エールエールA館の設計を行い定期調査報告等を担っている会社に対して委託したもので、その会社が管理しているということであれば、当然その会社にもある程度のことを聞いた上で要はそういった依頼をしているというふうに思っております。

(中森委員)
 もう一つ疑問なのは、そういうちゃんと諮問というか、答えを出してくれる相手を持っているのに、どうしてわざわざ金をかけて設計事務所にそのための資料作りを委託したんでしょうか。
 私は南口開発は責任を持って、エールエールA館に移転をしてほしいという要望を出す時点できちんとした根拠を持って要望書を出すべきじゃなかったと思うんですが、非常に無責任じゃないかというふうに思ってるんですけども、どうなんでしょう。

(生涯学習課長)
 今回はですね、調査業務に出すというのものにつきましては付帯決議に沿って、比較検討を行う上で必要だということで詳細な比較検討をさせていただいた上に、委託したものでございます。

(中森委員)
 いずれにしても設計しようと思ったら、そういうきちんとした構造検査なんかもして、設計していかなきゃいけないわけでしょ。それよりも以前に、移転するということを要請したりそれを決めたりしたという手続きの中で、そういう根拠のある構造計算みたいなことをやってないじゃないかということを私は今言ってるわけです。
 いずれにしても賛成か反対か、市の考え方、市の方針の説明を受けて、なるほどそれならいいというふうに理解、つまり了解を得たか納得してもらえたかということが、この二つの有識者会議のどちらでも各委員に問われてはおりません。しかし説明したことを理解したかということさえも問われてはいない。そういうものがですね、我々が普通に考えている審議会であるということはないというふうに思いますし、そんなことでこの有識者の審議会に判断を増えたことにはならないというふうに思います。
 理解を得るというのは日本語の意味としてははっきりしております。説明や説得により同意や了解を得ることができる様、言葉で相手の理解と承服を得るということではないでしょうか。私は、納得を得ることじゃない、先ほどの答弁では理解と納得は違うんだということを言われましたけれども、市が言っている意味がわかるように説明しさえすればいい、こういうふうなことではないかと思います。
 手続きを重ねたものというふうにも答弁をしました。丁寧に説明をすれば、相手が了承をしなくてもいいんだ。だから手続きだということになるんじゃないかと思います。広島市政の主人公である広島市民に対して、市民が何を言っても市が決めたことは変えないんだと、説明をきちんとやれば相手がわかるような説明をすればいいんだというのは、民主的な行政の態度ではないと私は思いますけれども、改めてお考えを伺います。

(生涯学習課長)
 市民の皆様から様々な意見や要望があったことから、付帯決議に沿ってしっかりと説明する必要があるものと受けとめてこれまでも対応してきており、今後もその方向性は変わっておりません。

(中森委員)
 だから市民は納得しないといつまでも反対の声を上げ続けるということですよ。
 あと2点聞きます。もう時間がないのでまとめて聞きます。
 本会議での答弁でエールエールA館1階の荷捌き場に加えて隣接する場所も図書館専用の荷捌き場として使用する。蔵書の収納については、これまでの三つの階のフロアの他に、7階および地下2階のフロアのそれぞれ一部を使用するとしております。99億円から114億円にも事業費が膨らんでおりますけれども、この三つの階の他に7階と地下2階の一部が加わることによって、この事業費が加わるわけですけれども、この事業費は114億円に含まれているのかどうか、お答えください。
 それから荷捌き場に使用する隣接する場所ってのはどういうところでしょうか。
 それと地下2階を使うということになりますと、本会議でも指摘されていた水害対策を万全にすることが必要ですけれども、この問題もクリアしているのかどうか。クリアしていないのであればそのための事業費はどうなるのか、あわせてお答えください。

(生涯学習課長)
 エールエールA館の8階と10階の他に、7階と地下2階の一部が加わっているということについて、それが114億円に含まれているかということに対しましては、7階と地下2階の一部の事業費は、広島市立中央図書館等再整備基本計画でお示しした取得費用などの約114億円の中に含まれております。
 荷捌き場に隣接する場所はどういうところかというご質問については、エールエールA館において、1階西側に核テナントである福屋の荷捌き場があり、そこに隣接している部分を図書館専用の荷捌き場として整備するよう調整しているところでございます。
 地下2階を使うことになれば、本会議でも指摘されていたその水害対策を万全にすることが必要だと考えるが、この問題がクリアされているのかということですけども、移転先のエールエールA館は、おおむね10年に1回程度の強い降雨が発生しても浸水しない区域に位置しております。
 一方、近年の異常気象を踏まえると、おおむね1000年に1回程度の降雨によりデルタ地帯のほとんどが浸水するような事態が起こらないとも限りません。このため本市としては貴重な図書等については浸水の被害が及ばない7階から10階に設置する閉架書庫に配置していますが、地下2階に設置する閉架書庫で扱う一般書も貴重書と同様に、万全に保管するために必要となる措置を講ずることについては、今後の整備計画の策定にあたり検討を行うこととしております。
 水害対策がクリアされていないのであればそのための事業費はということですけども、今後の検討によって、仮に一般書も貴重書と同様に、万全に保管するために必要な措置を講ずることとし、それに伴い追加費用が発生する場合には議会のご判断を仰ぐことになるというふうに考えております。

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