議会での質問・答弁

2022年10月07日

2021年度決算特別委員会 全体会議 総括質疑 中森辰一議員

広島市行政のあり方について
①人事異動のサイクルについて
②現場からの要請に対応する姿勢について(安佐動物公園のクマ出没対応)

③国に何を要請するかについて(児童館整備)

①人事異動のサイクルについて

(中森辰一議員)
 大きくは一つですが、三つの項目で発言をさせていただきたいと思います。
 今の広島市行政のあり方ということで、その一部を切り取ったようなことになると思いますが、私が問題ではないかと思っていることを取り上げておきたいと思います。
 松井市長は、自助・共助・公助ということを強調してこられましたが、社会福祉の現場ではまさに公助の業務が行われております。今日は公助の最先端である社会福祉の現場のことについて、私なりに問題を指摘し、改善を求めたいと思います。
 まず人事のあり方についてうかがいます。市には様々な部局がありますが、その業務の内容は様々です。毎年春になると大規模な人事異動が行われてまいりました。
 課長などの役職は、違う分野への移動も含めて3年程度でどんどん変わってるなと私たちも受けとめてきましたが、管理職ではない一般の職員の場合は、大体どれくらいの年数で職場の異動を行うようにしてきたのかを教えてください。

(人事課長)
 一般の職員の人事異動のサイクルについてですが、まず職員の人事異動は、新たな業務や職責を経験することによる職員の能力開発、気分一新による事務能率の向上や、短縮等に伴う欠員補充など適正な執行体制の確保などを目的として行っているものです。
 異動のサイクルについてですが、本市は基礎自治体であり、その行政分野は非常に幅広く多様化していることから、市民のニーズに適切に対応するため、職員には幅広い知識経験が求められており、こうした職員を養成するため、一般的には3年程度の期間を目安として人事異動を行っています。
 なお、社会福祉職や心理職など、より専門性の高い採用職種の職員については、一般的な期間よりも長い期間で人事異動を行っています。

(中森辰一議員)
 一般の職員も大体3年ぐらいだというお話でした。新人の職員が配置されたところでの業務に精通をしていく、迅速で的確に業務をこなしていけるようになるために一定の時間がかかるんではないかと思います。
 せっかく配置され業務を覚えていくわけですから、その人にとって適正な配置ではなかったという場合以外は、その業務をしっかりこなせる、一定のキャリアになるようにしていくということも大事なことではないかなと思っています。
 管理職以外の一般職員がそれぞれの職場でのスキルを高めていくために、人事異動のタイミングはそういうことを考慮して、職場のありようによってはそこら辺は配慮していくという考え方とはすごく大事だと思うんですけども、この点はどうでしょう。

(人事課長)
 先ほど答弁しました通り、人事異動につきましては基本的には3年程度を目安として行っているところですが、一方で、専門性が高く特定の知識や相当な経験が必要な職務につきましては、ある程度の期間在職させたり、同一分野の中で人事異動を行うことにより、専門性の高い職員の育成を図っております。

(中森辰一議員)
 特に福祉の制度というのは年々複雑化しております。そういう制度を駆使して、憲法をはじめとする法律に基づいて、必要な人に的確に制度を適用していく、該当する市民の人権を守り生活の安定を図っていくという、福祉の現場、特にその最前線は福祉センターということになりますが、それぞれの現場の職員というのは、頻繁に私は移動させるべきではないんじゃないかと思ってきました。
 実際にどの程度の年数で違う部署に配置替えをしているのか、高齢福祉・介護保険、それから障害福祉、児童福祉およびひとり親家庭に対応する部署、生活保護の担当の職員、以上の4分野の職場の場合どうなっているのか、それぞれ教えてください。

(人事課長)
 令和4年度定期異動の例で申し上げますと、各区厚生部の異動者の平均在課年数は、高齢介護の職場が約3年3ヶ月。障害福祉の職場は約2年8ヶ月。児童福祉の職場は約3年8ヶ月。生活保護の職場は約3年2ヶ月となっています。
 そしてこの中には、例えば生活保護の部署での区間の配置替えや、障害福祉の職場から高齢介護の職場や本庁制度所管課への配置替えなど、福祉分野の中での人事異動があり、実際には今申し上げた年数以上に長く継続して福祉分野に在籍することになるケースが多く含まれております。

(中森辰一議員)
 制度に精通するということと、そうした職場にふさわしい人を見る考え方であるとか、そういうふうなことを養っていくということが必要なるんじゃないかと思っています。
 私はだいぶ以前に、常任委員会だったと思いますけども、福祉の思想ということを言ったことがあります。
 単に市民から申請を受けて必要な施策制度を適用し利用できるように手続きを進めるというだけではなくて、窓口に来られた市民の状況をよく知って、どうしたらその人が人間らしく生きていくことができるか、その家庭がしっかり子育てができるようになるか、安心して老後の暮らしができるようになるか、障害があっても人権が保障され、人間らしい社会生活ができるようになるか、そうしたことが阻害されていないか、ケアをするという姿勢で対応していくということが必要ではないかと思っています。
 もちろん、通所入所の施設とか本訪問介護などのサービスに繋いだら、そうしたことをそれぞれの機関が担っていくということになるんですが、適切な機関に繋ぐ、あるいはそこでのケアがうまくいかない場合はどうしたらいいのか。
 その当事者の立場に立って考え、相談し、より適切な施策に繋いでいくという、そうした立場に立って業務を行っていただくことが求められているんではないかと思います。
 そうした立場に立てるように研修をしていく。福祉の思想、先ほど言いましたけど、そういうことをはじめとした、業務を行うための資質を培っていく。それは座学で学ぶということもあるでしょうし、現場で経験を積み、職場の先輩たちから繰り返し学ぶということもあると思います。
 年々変化する制度に精通していく、これはもちろん大事なことです。そのようにして、築いた能力を生かして現場で適切な業務経験を積みながら、中堅、ベテランになっていく。今度は新人などに教える立場になっていく。そういうことがより大事な職場が福祉の職場ではないかなと私は思ってきました。
 人事異動を計画するにあたって、そういったことは特に福祉職場では重要な要素になるし、そういうスキルを養うためには相当な年数が必要だと思っています。
 先ほど少し長めにするとか、同じような職種で区間で異動するとかいうこともおっしゃいましたが、そういうことを考えた異動のあり方ということに基づいて、異動を計画していくということが必要ではないかと思うんですけども、その点どうでしょうか。

(人事課長)
 人事異動につきましては、先ほどお答えした通りですが、どのような職員を採用しているか、それから職員の資質の向上等についてどのような取り組みをしているかということでお答えさせていただきます。
 委員ご指摘の福祉職場に従事する専門性の高い採用職種としまして、例えば先ほど答弁いたしました社会福祉職を平成23年度から一種の採用試験において、また令和3年度からは職務経験者枠でそれぞれ採用しております。各区の生活課や児童相談所に配属しております。
 これらの職員は、おおむね3年から4年程度で福祉分野の中での異動を重ねながら、福祉のスペシャリストとしての専門性を高めております。
 また、行政職として採用した職員につきましては、専門性が求められる分野、例えば福祉課税収納デジタルなど職員が自ら能力を極めたい分野を選択することで、それを踏まえた人事異動を行う職業キャリアコースの制度を設けて、各分野を担うスペシャリストの養成に取り組んでいるところです。

(中森辰一議員)
 私は今言ったような資質、つまりその業務に求められる専門性を培うための研修というものもあるかなと思いますが、それはどういったふうに計画的に行われているのか教えてください。

(健康福祉企画課長)
 各区厚生部などの福祉関係の業務を行っている職場におきましては、業務ごとに作成しているマニュアル等を用いた研修を行うことなどにより、業務に必要な知識の習得を図っている他、各職場におけるOJTなどにより窓口対応の技術の向上に努めております。
 また、生活保護のケースワーカーや児童相談所職員、保健師などの専門性の高い相談支援業務に携わる職員につきましては、各所管課において別途初心者研修を実施している他、専門機関への派遣研修などにより、専門的な知識や面接技術の習得に取り組んでいるところです。

(中森辰一議員)
 長くなりますが、私が経験した二つの事例を紹介しておきたいと思います。
 一つは、これは昨年の6月のことでしたが、ひとり親家庭の子育てと、人間としてのくらしを支援する区の地域福祉センターの担当部署のことです。
 発達障害があることがわかっている高校生の子どもを一人で育てている母親で、児童扶養手当とひとり親家庭医療費補助制度を利用して、何とか頑張って子どもと一緒に家庭生活を支えてこられました。今一緒に生活している子どもともう1人上の子どもがいて、今は離れてますが、その子とは自立して以降どういうわけか意思疎通ができなくなってしまっただけではなくて、その子の借金まで背負ってしまっているというなかなか大変な状況にある母親でありました。
 当然少しでも生活に必要な費用を減らせないかと考えるのは当たり前のことだと思います。職場の同僚で、隣の区に住んでおられる独身の男性から、自分が確保した戸建ての住まいを持っているが、引っ越しが面倒で空き家のままにしているので、そこに今住んでいる住居より安い家賃で住んでもいいという非常にありがたい申し出を受けて、少しでも生活費が少ない方がいいと考え、その男性が所有する隣の区の住宅に引っ越しをされました。
 当然、引き続き利用していた諸制度を利用するために新たな住所の区の地域福祉センターに届け出に行きました。それを受けた福祉センターの担当者は、通常より安い家賃で住むことができたということに、その男性と関係ができているのではないかと疑って、その母親はそのように行政の対応を受け止めたわけですが、その男性との内縁関係がないことを証明する書類を提出するように求めました。
 しかし、元々そういう関係などない男性がただ善意で申し出てあげただけなので、そういう書類を作ることを面倒がって、当該の母親の方も遠慮して、すぐに書類を提出することができませんでした。そのような状況の中で、内縁関係がないことを証明できないことから、児童扶養手当もひとり親家庭医療費補助制度も、引っ越しをした時点にさかのぼって打ち切られてしまいました。
 それでどうしたらいいかわからなくなって、児童扶養手当を復活したいという一心で、やむを得ず、せっかく引っ越しをしたその同僚男性の住宅を、急いでいたという事情もあって、結局高い家賃の住宅に引っ越してしまいました。
 それでもなかなか児童扶養児童扶養手当などの申請が受理されないという状態で、私のところに相談に来られたという事例でした。
 その後、昨年度末にやっと児童扶養手当などの手続きが進みだしましたが、本人は引っ越しの費用もなく、新たな借金をしてそれで賄ったりしていて、その借金の支払いもできず、新たな借金もできない状況になっております。
 私は、これはもう生活保護を受けるしかないんじゃないかと勧めましたが、いろいろ思いや都合があるようで、生活保護を受けることは拒否されたままになっております。
 その後が気になっているんですが、私が問題だと思っているのは、本人の行動に不十分なところがあったかもしれませんが、元々男性と内縁関係などないにもかかわらず、市の窓口の方で勝手にその内縁関係を疑うような形になってしまって、今紹介したような事態におちいってしまったこういうことです。
 本人には責任がないことなのに、行政の手続きにならなかったということで、本人にとっても扶養する子どもにとっても極めて深刻な不利益を受けるということになりました。
 私は、ここにはまさしく福祉の心、思想というものが足りなかったんじゃないかと思っております。母親には医者にかかるべき病気も持っていたのですが、この親子にとっては命綱である制度がせっかく利用できていたにも関わらず、引っ越しをした時点からあっさりと取り上げられてしまったと。行政の側もじっくりと余裕を持って構えて親身になってこの親子に対応できていたら違う展開になったんじゃないかと私は悔やまれます。
 もう一つの事例。これは今年2月の生活保護の現場でのことです。
 病気を抱えていて仕事ができなくなって、生活保護を利用して医療を受けながら生活をしていた一人暮らしの男性ですが、その病気に関わるのでしょうか、一定まとまったお金が下りることになりました。
 そこで一定期間は自立して生活できるということで、行政の方は生活保護廃止じゃなくて、生活保護の停止という措置を取りました。生活保護の停止という場合は、生活費が出ないだけではなく、医療費も自己負担ということになるんですが、停止という措置の意味するところが、この男性はよくわかっていませんでした。
 それで、生活保護基準より少し上回る額を月々消費した結果、5ヶ月近く経ってお金がなくなってしまいました。そこで、生活保護に戻りたいと窓口に申し出たところ、まだ生活費が残っているじゃないかと。残っているということになっているから、生活保護に戻れないと言われました。男性が言うには、窓口から受けられないと言われたということなんです。
 私のところに相談に来られた際は、停止中だということは言われなかったんです。生活保護を受けたいのに生活保護の窓口が、あと1ヶ月は受けられないとの一点張りだと言われておりました。
 しかし、もうお金もわずかしかないし、医者にもかかれない、どうにかならないだろうかということで私のところに相談にこられました。
 その方と一緒にその区の生活保護担当者と話をして初めて、この方は生活保護の停止中なんだということがわかりました。生活保護の停止中は、生活費は生活保護基準の枠内で使うということになっているのですが、それを超えて消費したために、行政が予定していたよりも早くお金がなくなってしまった。生活保護基準で計算して、そのまとまったお金がなくなる予定の時が来ないと生活保護には戻れないということになっていたわけです。
 しかし、今の生活保護基準の生活費は、安倍政権のもとで2回にわたって切り下げられており、生活保護受給者は極めて厳しい生活を余儀なくされております。多少なりともまとまったお金があると生活保護基準を超えてしまうこともあり得ることだと思います。
 自立できる収入が入るようになっても、すぐに生活保護を廃止せずに半年間は生活保護の停止の措置をとって、安定した収入を得られる状況になっているかきちんと見極めた上で廃止をするように、という国の通達があるんですが、「その通りにしております。だからだめなんです」と担当者は言いました。
 しかしこれは、新しい仕事が見つかって、生活保護基準を上回る収入が得られるようになっても、本当にそうした状態が安定して続くかどうか、半年程度は生活保護を廃止せず見守る必要があるという措置なのであって、それを適用するかどうかというのは、それぞれの状況に応じて柔軟に対応すればいいことじゃないかと私は思っていますし、そうするべきだと思います。
 今回は、まとまったお金が尽きたら、病気の状態が改善するまでは生活保護受給することになる。これはもうはっきりしていたのです。別に収入の道があったわけじゃないですから。ですから、半年見守る必要なんかなかったわけです。
 生活保護基準の生活費が極めて厳しく限定されているということを考えれば、当人が今後のために必要なものを購入するということも含めて、ある程度は自由にお金を使えるようにするべきだったと思いますし、そもそも当人は保護の停止ということがどういうことなのかよく理解していなかった。
 ということですから、そこをきちんと理解させるという点でも、行政の担当の方に落ち度があったんじゃないかなと私は思います。このケースの場合は、その場でいったん本人の意思で保護の廃止を申請をして廃止した上で、改めて生活保護の申請をし直す、こういう形で生活保護を受給できることになりました。
 ここでも、やはりケースに応じた柔軟な対応ということが必要な場面だったのではないかと思います。この方は病気を治されて、新しい仕事を見つけて、もう生活保護から離脱をされました。
 今、二つの事例を紹介しました。社会福祉の業務一般について聞いてみます。
 社会保障の制度に精通するということは当然重要なことでありまして、その上で、一人一人の状況や個々の世帯の状況は千差万別ですから、一定のパターンを想定して作られた制度は適用していかなければなりません。
 しかしこの制度を駆使しつつも、柔軟な発想でいかに目の前にいる市民の人権を守り生活の安定を図り、子どもの成長発達に一つ最大限の利益を提供することができるか、社会福祉の仕事をしているという意識に立って業務にあたっていくということが、社会福祉の業務の現場には求められているんじゃないかと思うんですけども、どうお考えでしょうか。

(健康福祉課長)
 職員は社会福祉分野に限らず、どの分野におきましても自己の職責をよく認識し、常に市民の立場に立って、よりよい市民サービスを提供するために努力して仕事に取り組むことが求められていると考えております。

(中森辰一議員)
 そういうふうなことを経験していますと、どうも私が先ほど述べたような、資質を培うという面でまだ不十分な人たちがたくさんいるんじゃないかと思ってしまうわけですよ。
 この点で、私が先ほど述べたような考え方の人事が行われてきたんだろうかと疑問に思って今回質問をさせていただくことにいたしました。
 実際の問題として、私を含めて、福祉の現場と関わっている福祉団体のところでは、やはり一番問題があると思ってるのが生活保護のところなんですよ。
 人事異動のサイクルがずいぶん短いじゃないかというのが今問題になっております。各区の生活保護のケースワーカーの中で、その業務に就いて、3年未満の職員というのは全体のどれだけを占めているでしょうか。

(保護自立支援課長)
 令和4年4月1日時点で、本市の生活保護のケースワーカーのうち経験年数が3年未満の職員は全体の77.9%を占めております。

(中森辰一議員)
 ですから、生活保護の各区の福祉センターには沢山職員がおられますが、その中で3年未満の経験しかないという人の比率が77.9%、大方を占めているという実態があります。
 その中には当然、1年目、2年目のこういう職員も含まれているわけです。毎年同じ数だけ移動させているということであれば、3分の1ですから、3年未満の職員のうちの3分の1は1年未満。さらに3分の1を2年未満という、こういうことだと思います。
 人事異動は毎年あって、職員の新陳代謝もあるわけですから、まだ経験年数が短い職員が一定数いることは当然です。だけども、その比率が非常に高いというのが問題ではないかと私たちは思っているわけです。
 生活保護の担当職場の場合は特に短期間で人が入れ替わっているんじゃないか。これは異常なことではないかと。先ほど言った、そういう能力、考え方、資質を培っていくにしては短いんじゃないかと思うんですけども。どうなんでしょうか。

(保護自立支援課長)
 基礎自治体でございます本市の行政分野は非常に幅広く、複雑化、多様化していることから、ケースワーカーににつきましても、他の職員と同様に幅広い分野の業務経験を積ませるため概ね3年程度を目安に人事異動を行うというものでございます。

(中森辰一議員)
 実際にこの77.9%の生活保護現場の職員、短い経験年数しかない職員がこんなに多かったことは以前はなかったと思います。いつ頃からこういうふうな状況になったんでしょうか。

(保護自立支援課長)
 ケースワーカーにつきましても従前から、概ね3年程度を目安とする人事異動が行われているものと認識をしております。

(中森辰一議員)
 広島市の生活保護率は年々上がってきていて、私が議員になったころとは、今日はずいぶんと状況が違っています。当然現場の職員の数も増えています。ですからその過程の中で、一定経験の浅い職員がたくさん増えてくるということは仕方がないことだとは思います。
 今はそうではなくて、この生活保護率の数字もほぼ横ばい状態ないしは少し最近は微減という、そういう状況もあるかなと思うんですけど、そうすると、そういう中で急速に現場の職員の数を増やすということ、必要性はないわけですから、もっと現場でじっくりと研修をしてもらうというか、経験してもらう勉強してもらう、そういうふうな考え方を取ってもいいんではないかと思うわけです。
 先ほど申し上げたことも含めて、本当に受給者の立場に立ってケースワークをしているのか疑問符がつくということを私の周りの市民団体の人たちは皆一様に経験をしておられます。十分に研修を重ねて制度に精通するということは当然ですけども、さらに経験を重ねて現場で学び、社会福祉の思想というものを養い、利用者市民の立場に立って物事を考え、人権と生活を支えるために一生懸命に取り組む。
 そのためにじっくりと仕事に取り組めるように、やはり一つは負担を軽くするということも必要だと思います。今大体平均100人ぐらい、80人から100人と非常に多い。まともにケースワークができる数かなと思うんですよ。
 そのことと、相当な経験が積めるだけの年数、その職場で頑張れるような人事のあり方というものも必要ではないか、この仕事を本当にやりたいんだという職員をいかに増やすか。すごく大事なことではないかと思うんですよ。
 私たちはどうも、この仕事がいやで3年でどんどん代わっていくんじゃないかと。そう受け止める人たちもいるぐらいの状況ではないか。そういうことではまずいんじゃないかなと思うんですが、どうなんでしょうか。

(保護自立支援課長)
 ケースワーカーにつきましても概ね3年程度を目安に人事異動が行われている中で、保護自立支援課が実施をします研修等に加えまして、経験豊富な管理職等で構成されます検討会議におきまして、困難事例への対応をサポートするなど、職員の育成に力を入れてるところでございます。
 この他、毎年度おおむね10名程度の社会福祉職の職員がケースワーカーとして区の生活課に配属されておりまして、それらを職員が習得してきた知識を他の職員と共有することで、各種の社会福祉制度に対する理解の向上を図っているところでございます。
 今後もこれらの取り組みを行うことで、より適切な相談支援等を行えるように努めてまいりたいと思います。

(中森辰一議員)
 一つ言っておきたいと思うんですけども、例えば、制度にきちんと精通できてない中で、例えば間違った適用してしまうとその人に不利に働いてしまう、そういうことはあってはならないことだと思うんです。その一人一人にとって。
 でもそういう事態に置かれてしまう人がおられるわけです。そういう人たちが我々のところに相談にこられて、それはおかしいねということで、実際に一緒に現場に行って問題を指摘する、そして是正をされたことはいくつもあります。でも我々のところに相談に来られなかったらそのままになってしまうんですよ。
 そういう点では、いかにそういう事態が起きないようにしていくかということをぜひ現場では考えていただきたい。取り組んでいただきたい。
 もちろん研修は大事です。でも実際には1年目の職員からケースワーカーとして仕事をしていくわけですよね。別に3年も4年もたった職員だけじゃなくて1年目の職員だって一定の数のケースを抱えてやっていくわけですから、そういう中で、いかに間違いが起きないようにしていくかということはぜひやっていく必要があるということと、そういうことをいつでも相談できる、ちょっと自分がわからないなというところは、常に隣に座ってる人がベテランであれば、すぐに相談できると思いますよ。そういう体制をぜひ作っていく、そのためには、もうちょっと経験の長い人が身近にいるような、隣にいるようなそういう人事体制、職員体制っていうのをぜひ作っていただきたいなということ。これを重ねてお願いをしておきたいと思います。

②現場からの要請に対応する姿勢について

(中森辰一議員)

 次に一つ問題を指摘して、対応の改善を求めたいと思います。
 昨年のことですが、安佐動物公園で起きました。安佐動物公園は山の自然を生かして作られておりますが、そうはいっても、動物公園の敷地内と敷地外を区切る柵は当然設置してあります。ところが昨年、その柵を越えてクマが侵入したということがわかったんです。そこですぐに、どこからクマが侵入したか調べてほしい、柵が壊れているのかどうか、そうでなければ、どう侵入したのかということを調べて対策を講じてもらいたい、ということを現場の人たちが要請をしたんだが、なかなかきちんと対応してもらえなかった。そういう声が私どものところに聞こえてきております。
 職員の安全ということもありますが、何よりもこの動物公園に来てくださる市民の安全に関わる問題であると思いますけども、なぜこういうふうな声が上がってきたんでしょうか。

(緑政課長)
 委員ご指摘の件は昨年10月と11月に、安佐動物園の西園の奥において、クマの糞が確認された事案だと考えます。いずれの場合も、糞が確認された後、来園者および職員の安全を確保するため、直ちに現場周辺への立ち入り規制を行うとともに、園内をくまなく調査しましたがクマの個体の姿や足跡は確認できず、外周フェンス等の施設にも損傷などの異常がなく、侵入の方法や経路の特定には至りませんでした。
 このため職員にはクマよけとしてクマ鈴を携帯させるとともに園内にセンサーカメラを設置して監視を強化しました。併せてクマの侵入に対する危機管理体制を職員間で再度確認し、来園者および職員の安全確保手順の徹底を図りました。
 また、クマの習性を熟知した職員が糞を分析した結果、柿の実しか食べていないということが確認され、園内には柿の木はございませんので、園外周辺の柿の実を捕食するために園内を通過することを学んだそのクマの個体がフェンスを乗り越えて園内に侵入をし、糞をした後再びフェンスを乗り越えて園外に出たものと、このように推定をいたしました。
 こうしたことから、クマの生息域である山林と安佐動物公園敷地との間にクマが身を隠すことができない緩衝帯を設けることが園内への侵入防止に有効であると判断しまして、今年1月に外周フェンス付近の雑木を帯状に伐採して見通しを確保する、すなわちそのクマが隠れることができない対策というのを講じたというものでございます。
 これらの対応を2ヶ月余りで実施した結果、現在までの約1年間、この間に新たなクマの目撃や侵入の痕跡は確認されておらず、可能な限り迅速に有効な対応ができたものと考えております。

(中森辰一議員)
 きちんと対応したんだというご答弁だと思いますけども、考えていただきたいのは、どうして現場からそういう逆の声が上がってきたのかということではないかなと。ここに問題が一つあるかなと思うんです。
 もう一つ、これは質問にはしませんが、学校の給食室の現場から声が上がったことなんですけども、建物の老朽化が問題になっておりますが、使っていれば設備も老朽化とか不具合は避けられないと思います。
 要は安全に職員に過大な負担をかけずに滞りなく毎日の給食調理ができるように教育委員会の方で配慮して、必要なら迅速な対応をしていただくということが必要なことではないかなと思います。
 それと、現場とやはりその企画立案し執行するというところとは、日常的に信頼関係を持っておくということも大事なことではないかなと思いますので、その点はぜひ、日頃からよく考えていただきたいと思います。

③国に何を要請するかについて

(中森辰一議員)
 もう一つのことですけども。広島市の財政についていくつか市としてのお考えを確認しておきたいと思います。
 令和3年度はコロナの感染拡大の様々な対応という問題もあって、繰り返し補正予算を組んだ上に、年度末に大型の補正予算が組まれました。そのために、それまでの各予算項目の中でっていうのは目指されてしまって、実態がよく見えにくくなっております。なかなか評価しづらいなというところもありますので、いくつか教えていただきたいと思います。
 特に気になっているのが土木費です。令和3年度の当初予算の土木費は968億円余りでしたが、補正予算を組んだ結果、最終的な予算は1359億円余り、391億円も大きく膨らんでおります。この要因は何でしょうか。

(財政課長)
 当初予算額と最終予算額の差約391億円の内訳については、令和2年度から令和3年度への繰越額が約290億円。令和3年度中の補正額が約101億円となっております。

(中森辰一議員)
 年度末に大きく膨らんじゃったわけですけども、実際には25%、4分の1使い残したような形になっております。これはどうなってるのか、それから、元々繰り越す予定で組まれた補正予算だったんだろうと思いますが、これは令和4年度の当初予算に組み入れるということはできなかったんだろうか。この二つについて。

(財政課長)
 まず最終予算額と決算額の差についてお答えします。最終予算額、約1359億円と、決算額約1019億円の差は約340億円であり、この差額と最終予算額に占める割合は25%となっておりますが、その内訳は令和3年度から令和4年度への繰越額が約307億円、それから不要額が約33億円であり、差額の全てが不要となっているわけではございません。最終予算額に占める不用額の割合は約2%となっております。
 それから令和3年度の2月補正予算は令和2年度の当初予算に組み入れることができなかったのかというお尋ねですが、国は新型コロナウイルス感染症対策などに対応するため、いわゆる16ヶ月予算の考え方で、令和3年度補正予算と令和4年度当初予算を一体的に編成をいたしました。
 本市においても、同様の考え方のもと国の補正予算で措置される財源を活用するために、令和4年度当初予算を前倒しして令和3年度2月補正予算で所要額を措置をしたというものでございます。

(中森辰一議員)
 要するに前倒しで国が組んでくれたのを大いに活用させてもらったということだと思います。令和3年度の決算カードがまだ出ておりませんので、確認することができないんですけど、当初予算の土木費に投入されることになっていた一般財源はどれだけでしょうか?

(財政課長)
 土木費の当初予算額約969億円のうち、一般財源は約378億円となっています。

(中森辰一議員)
 決算の土木費の一般財源はどうでしょうか?

(財政課長)
 土木費の決算額約1019億円のうち、一般財源は約417億円となっております。

(中森辰一議員)
 ありがとうございました。令和3年度の最後の補正予算で、国が前倒しでお金を出してくれるということで、補助の認可が下りたということで、大きな補正予算を組むことになったんですけども、これは令和4年度の予算組みにどういう影響を及ぼしたということになるんでしょうか。

(財政課長)
 令和3年度2月補正予算は先ほどご答弁申し上げた通り、国において令和3年度補正予算と令和4年度当初予算は一体的に編成したことを受け、国の補正予算で措置される財源を活用するため、本市の令和4年度当初予算を前倒しして措置したものです。
 この前倒しした予算相当額が令和4年度当初予算額から減少することになりますが、令和3年度補正予算、前倒した予算と一体的に捉えれば、予算措置額への影響はなかったものと認識しております。

(中森辰一議員)
 これはまた後で、また考えていきたいと思うんですけど。令和3年度の年度末の補正予算で国の大きな補助を受けるということになりましたが、こういったことは今年度の年度末にもこれは起こりうると考えておられますか。

(財政課長)
 今後の国の動向が見通せないため、年度末までに本市に多額の国庫補助金等が追加配分されるかどうか、そういったことは現時点では不明でございます。

(中森辰一議員)
 経済対策ということでね、建設に関わるところに国が事業を促進するような形の施策が行われたわけですが、例えば広島の場合でいうと、長年にわたってなかなか進んでこなかった、まあ進んできましたが、遅々とした形でしか進んでこなかった児童館の整備という課題があります。この事業に国の政策を活用して推進するこういったようなことというのはあり得るのだろうかと思うんですけどどうなんでしょう。

(放課後対策課長)
 国の令和3年度補正予算における交付金などを活用した施策のうち、放課後児童クラブや児童館に関するものとしましては、放課後児童クラブ指導員の処遇改善に係るものや、児童館の新型コロナウイルス感染症対策のための改修に係るものなどは含まれていましたが、児童館の新設整備に活用できるものは含まれていませんでした。
 今後、国から新たに児童館整備に活用が可能なメニューが示されれば、活用を検討することになると考えております。

(中森辰一議員)
 これまで児童館の整備にどれくらい年数がかかったんでしょうか。

(放課後対策課長)
 本市では原則小学校区ごとに児童館の整備を進めていますが、政令市のうち、本市同様に小学校区ごとに整備する方針としているのは3都市となっています。
 このように本市では、政令市の中でも手厚い整備方針のもと、児童館の整備を進めてきたところであり、現在最初の児童館設置から58年が経過しています。

(中森辰一議員)
 広島市はそういう点では独自の努力をしてきたということなんですが、いかんせんかなり年数がかかってしまっているというのは、やはり問題があるなということなんです。
 広島市行政にとって大きな公共事業、開発事業も大事かもしれませんが、子どもたちと保護者にとっては、児童館とか放課後児童クラブの施設も含めて、その整備や更新も大変大事なことだと思います。
 広島市全体に児童館の恩恵が及ぶのにこれほど年数がかかっている施策っていうのは、おそらく他にはないんではないかなと思うんですが、それだけ、いわば納税者に対して不公平な状態がずっと続いているということではないかと思うんですよ。
 こういう状態をいかに早く解消するか。市民全体あるいは個々の地域全体に政策の恩恵が公平に及ぶようにすべき行政として、知恵を絞っていくということも必要があるんではないかなと思いますし、市の方でもっと早く整備が終わるように計画して、国に対してそういう施策を求めることを積極的にしていくことも必要ではないかと私は思うんですけども、その点はどうでしょう。

(放課後対策課長)
 現在児童館が整備されてない学校においても、保護者が就労などにより家庭にいない児童を対象に放課後児童クラブを設けている他、放課後児童クラブのない学区では放課後プレイスクール事業を実施しているところですが、全児童に健全な遊びの場を提供するためには、児童館未整備学区への整備ペースを速める必要があると考えています。
 そのため、諸室の共用化による部屋数の見直しや、余裕教室の活用などにより、整備にかかる経費縮減に取り組むことで、整備ペースの向上を図っているところです。
 ご指摘いただきました、国に対する働きかけにつきましては、現在21大都市児童福祉主管課長会として、児童館の活性化に向けた事業費への財政措置の充実を要望しているところであり、これとあわせて児童館の施設整備に係る財政措置の充実についても要望できないか、関係者と協議してみたいと考えています。

(中森辰一議員)
 児童館を作るということを、建設事業ということで考えれば、経済政策の一つになりうると思うんですよ。
 いずれにしても今のペースだと、全部の小学校区に児童館が整備されるまで、あと15年はかかるんじゃないかと思います。生まれたばかりの子どもが中学校を卒業する頃にやっと児童館が行き渡るということになるんだろうと思います。
 そういう時間のかかるやり方ではなくて、あと18学区しか残っていないわけですから、思い切って予算を増やして短期間で整備を終えるように取り組んでいくべきではないかと思いますし、やはりそのためには積極的に国に力を貸してもらいたい、こういうことも言ってもいいんじゃないかと私は思うんです。
 大きな開発事業は熱心に国にも働きかけて事業の促進に取り組んでこられたと思いますが、この児童館整備の事業はやはりもっと熱意を持ってぜひ取り組んでいただきたいなと思うんです。
 今年から広島市の就学援助制度の所得基準が切り下げられ、利用できない子どもがこれまでより1000人増えるということになりました。来年度からは放課後児童クラブが有料化されて、子育て世代の負担が増えるということにもなっています。
 今全国で子育て支援というのを進めて、少子化に対応しようと取り組んでおります。広島市でもやってないわけではありませんが、一方で、そういう流れに逆行するような事態も広島では起きていると私たちは受け止めております。
 広島市の子ども施策をもっと全体として、物事が前に進んでいくという方向にぜひ取り組んでいただきたいと思います。いずれにしても、この児童館の整備には思い切った対応をしていただきたい。岸田首相も、子ども関係予算を倍増すると最近おっしゃっておられますので、市が積極的な計画を立てて、広島ではこれをやりたいんだと積極的に働きかけてもらうということをぜひやっていただきたいということをお願いして終わります。

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