議会での質問・答弁

2022年09月26日

2022年第7回 9月定例会 議案質疑 中原ひろみ議員

1.第87号議案 令和4年度広島市一般会計予算(第5号)
2.第87号議案 令和4年度広島市一般会計予算(第5号)のうち放課後児童クラブについて
  第91号議案 広島市児童館条例の一部改正について

第87号議案 令和4年度広島市一般会計予算(第5号)

(中原ひろみ議員)
 お疲れ様です。日本共産党市会議員の中原ひろみです。
 会派を代表いたしまして、令和4年度9月定例会に上程された議案のうち、第87号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第5号)、並びに第91号議案、広島市児童館条例の一部改正について質疑をいたします。第85号議案令和4年度広島市一般会計補正予算に関しては、G7広島サミット関連の三つの事業について伺います。
 まず平和祈念資料館の情報発信機能を強化する事業についてです。この事業は、原爆ドーム保存事業等基金から約480万円を充てて資料館のホームページをドイツ語、イタリア語でも発信できるようにするというものです。世界各国から1人でも多くの方に被爆地を訪れていただくためには、より多くの国の言語で核兵器の非人道性核兵器廃絶の被爆地の願いを発信することは重要であります。
 これまでも市議会で、多言語化による情報発信を求めてきたところでありますが、現在ホームページでの発信は日本語を除けば、英語のみとなっています。
 この間、多言語化による発信に関して、リーフや音声ガイドなども含めて、どんな取り組みをされてきたのかうかがいます。
 さらに、日本の隣国となります韓国や中国などのアジア地域の言語の発信も必要と考えますが、どのように進めていかれるのかおたずねをいたします。

(市民局長)
 第87号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第5号)についてのうち、平和記念資料館の発信力の強化に係る2点のご質問にお答えいたします。
 初めに、多言語化による発信に関してどのような取り組みをしてきたのかについてです。
 平和祈念資料館では、海外からの来館者に被ばくの実相をより深く理解してもらうため、展示解説等の多言語化に取り組んできました。
 具体的には、昭和39年度から館内を案内する音声ガイド導入し、言語の追加や解説内容の更新を行いながら、現在14言語で運用しております。また、平成6年度には、本市でのアジア競技大会の開催を機に、展示の概要や資料館の歩みを伝えるリーフレットを12言語で作成したほか、、平成31年度の館内のリニューアルに合わせて展示構成ごとに解説するタッチモニターを導入し、手話を含めた17言語で運用しております。
 また、ホームページについては、平成10年度に日本語と英語の2言語で開設していますが、情報発信機能のさらなる強化と、核兵器廃絶に向けた国際世論を醸成するため、来館者の使用頻度の高い音声ガイドの上位5言語、年に1件ずつ追加するよう計画し、今年度はフランス語を作成しております。
 次に、日本と隣国になる韓国や中国などアジア地域の言語の発信も必要と考え、どのように進めていくのかについてです。ホームページに導入する言語については、来館者による使用頻度の高い音声ガイドの上位の言語を優先して導入することとしており中国語については、来年度以降に導入することを計画しております。
 中国以外のアジア系の言語およびその他の言語につきましては今後の各国からのホームページへのアクセス数や来館者の主要言語の状況等を踏まえ、順次導入していきたいと考えております。

(中原ひろみ議員)
 二つの事業について再質問をさせていただきたいと思います。
 まずは平和記念資料館の情報発信機能の充実強化であります。様々な取り組みをされてきたという答弁でありましたけれども、私はアウシュビッツに私費を使って、行ったときに30カ国以上の多言語のパンフレットが有料なんですけどね、ありました。日本語があるだろうかと思っておりましたけれども、日本語はありました。アウシュビッツインフォメーションということで、これを見たときに、日本語というものがきちっと受け入れていただいているということで少し安心もしたということが記憶に深く残っております。
 全ての言語をやるのはなかなか難しいですが、やはり被爆地の責務として、少しでも多くの言語で被爆の実相、こういうものを伝えていくというのはもう基本的な責務だと思うし、これは長崎と広島がそれぞれ何か能力に応じてあるみたいなことじゃなくて、やはり国としてきちっと二つの被爆地がしっかり情報発信できるような下支えを私はすべきだというふうに思っております。
 長崎の資料館に行きますと、長崎もホームページは日本語と英語だけなんだけど、グーグルのサービスで16カ国語利用できるようにしましたとおっしゃって、どうしてそういうことをされたんですかと聞きますと、コロナ禍で、資料館を閉館したり、来館者が少なくなった状況の中でも、やはり被爆地として、何らかの情報発信したいということで、2021年7月に、地方創生臨時交付金を一部使ってグーグルサービスで4カ国語から16カ国語に増やしたんだそうです。私はこういう取り組みに非常に敬意を表したいというふうに思いました。
 今回G7の対応でイタリア語とドイツ語をホームページでできるようにするっていう、これはこれで異議はないんですが、やはり考え方として、G7サミットっていうことだけにとらわれるのではなく、日頃から被爆地の情報発信としては、発信力を強化充実するという取り組みをもっと積極的に行うべきではなかったかと思っております。
 私は感染症、パンデミックでなかなか人がこれない場合にも、SNS、ネット環境を通じて被爆の実相を届けるというような、こういう取り組みに力を入れるということの重要性についてどのように受けとめていらっしゃるか聞きたいのと、それから先ほど、隣国の韓国、中国などの言葉については、中国語は次に、韓国はまた状況を見てという。来訪者が少ないから後に回すというようなことでしたけど、私はそれは違うんじゃないかと思うんですよ。来訪者が少ない国ほどきちっと発信できる取り組みが私は重要じゃないかと思っておりますが、その辺の認識を聞きたい。

(市民局長)
 今の議員の2点のご質問ついてお答えいたします。
 まず最初の一点目についてですけど、これはご指摘のとおり、被爆の実相をあらゆる国々の人々に伝え、広島の心の核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に寄与していく、ということがもう広島市の使命でございますので、発信力を引き続き強化していくということはしっかりやっていきたいと考えております。
 そしてもう一つ、中国、韓国と来訪者が少ない場合ということですけれども、これにつきましても先ほどご答弁しましたように、今後の来館者の主要言語の状況、あるいはホームページのアクセス状況を見ながら、やはり優先順位をつけて処理していかなければいけないことでもあると思いますので、そこについては引き続きそういった状況を勘案しながら、しっかり整備していきたいと考えています。

(中原ひろみ議員)
 優先順位、それはそうなんですけども、やはり私は隣国の言葉、やはり同じアジア地域の皆さんの言語は早急に優先順位高く、多言語化するべきだということを思っております。

(中原ひろみ議員)
 次は街路樹及び、公園樹の剪定並びに道路環境整備について伺います。
 いずれもG7サミットの成功に向け想定される会場周辺や移動ルートになる道路沿いの安全警戒対策のため、約18億円の財源を投じて公園や街路の樹木の剪定、道路補修、防護柵の改修、道路照明灯の補修を行うというものです。
 これらを整備する上での選定基準、あるいは改修基準はどんなものなんでしょうか。それぞれについて教えてください。
 財源内訳を見ますと、樹木剪定は、国と市が折半ということになっておりますが、道路補修、防護柵の改修照明等の補償については、国の負担は、事業費総額の約4%にとどまっております。公園と道路関係で国の事業費総額に対する負担割合が大きく違う理由をお尋ねをしておきます。
 ここからはコロナ禍における感染症患者を搬送する経費の追加措置についておたずねをいたします。この事業は3億7717万円で、全額県の補助金ですが、まず、現在の感染症患者の搬送体制がどのようになっているのかおたずねいたします。

(道路交通局長)
 第87号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第5号)について、2点のご質問にお答えいたします。
 まず想定される会場周辺や移動ルートにおいて、樹木の剪定道路補修、防護柵の改修、道路照明灯の補修をする基準は何かについてです。
 このG7広島サミット関連事業は、参加する首脳等の移動の安全性を確保するとともに、開催時やその後もサミット開催地として多くの来訪者を迎えることを想定し、道路の安全安心な利用や良好な景観の形成等の観点から、環境整備に取り組むものです。
 補修等の内容ですが、道路補修については、舗装が亀の甲状にひび割れている箇所や、車の走行による○○が発生している箇所など、樹木の剪定および防護柵の改修については、警備上の観点から見通しをよくする必要があると思われる箇所など、道路照明灯の補償については、倒壊を予防するための老朽化の程度などを確認し、補修などが必要と判断した箇所の整備を行うものです。

 次に樹木の剪定の財源は、国と市が折半となっているが、道路、防護柵、照明灯の国の負担は事業費の約4%と国の負担割合が違う理由は何かについてです。
 財源となる国庫補助金は、前回の伊勢志摩サミット時に創設された警備上の観点からの支援を目的とした外務省の補助制度の活用を想定しています。また維持管理が中心の今回の対象事業は国土交通省の補助制度の対象にはなっていません。樹木の剪定については全てが補助対象になり、必要経費の半分が国費となります。一方、道路環境整備については、防護柵の改修のみが補助対象となり、道路補修や道路照明灯の補償については対象となりません。この結果道路、防護柵、照明灯の国の負担は約4%になったものです。

(中原ひろみ議員)
 新型コロナウイルス感染第7波により8月は、1日の陽性者数が広島市だけでも3500人にも上る事態になりました。今回提案された感染症患者を搬送する追加措置経費はどのようなレベルの感染状況を勘案して決められたのか、算定根拠を教えてください。
急増しました8月の搬送状況も伺っておきます。
 第7波は全国でも救急車の到着後も搬送先が決まらない救急搬送困難事案が相次ぎました。とりわけ基礎疾患があるコロナ患者の受け入れはさらに厳しく、搬送先がなく、自宅や救急車の中で亡くなる事例も発生しております。この広島市でも例外ではありません。 受け入れ先の病院がなく、3日間高齢者施設での待機を余儀なくされ、やっと入院できたと。病院が決まって搬送されたけれども、翌日にはなくなったという事例が出ております。陽性と判断された時点ですぐに入院できて、必要な治療が受けられていたら助かったのではないかとご家族との悲しみと怒りは察するにあまりあるものがあります。陽性者を安全確実に療養施設や病院に搬送する体制があっても、陽性者を受け入れる病院の体制がなければ、命を脅かすことになります。
 県や広島県に対し国や広島県に対し、病院の体制の強化をはじめ、感染自体を抑制する取り組みを、求めるとともに、市としても感染症対応がしっかりできる医療体制にすべきですが、どのようにされているのかもうかがっておきます。

 

(保健医療担当局長)
 第87号議案令和4年度広島市一般会計補正予算(第5号)についてのうち、新型コロナウイルス感染症にかかる患者搬送経費の追加措置について3点のご質問にお答えいたします。

 まず、患者の搬送体制はどのようになっているかについてです。
 新型コロナウイルス感染症患者の搬送については、本市が保有する感染症対策が施された専用の車両等を本庁、区などに配備し、民間のタクシー事業者2社に運送を委託して自宅から宿泊療養施設や、医療機関や患者を搬送するとともに、夜間における緊急対応を行っております。
 搬送体制は現在、宿泊療養施設への搬送に8台16人体制。医療機関への患者搬送に8台8人体制。夜間対応に1台1人体制の計17台25人体制としております。

 次に、今回提案された追加措置経費はどのようなレベルの感染状況を想定したものか、また急増した8月の搬送状況はどうかについてです。
 今回提案した追加措置は、1日の新規患者数が最大3000人を超える感染状況となった本年8月の搬送体制を来年3月まで維持できる経費として計上したものです。
 本年8月の搬送状況については、先ほどご答弁いたしました通り、最大17台25人体制で対応し、1ヶ月で合計約2700回の搬送を行いました。

 最後に、市としても病院での感染症対応がしっかりできる体制をどのように確保しているのかについてです。
 新型コロナウイルス感染症対策については、新型インフルエンザ等対策特別措置法や、感染症法に基づき、県と保健所設置市である本市が役割分担し対処しており、医療提供体制については、感染症指定医療機関の指定等の権限を有する県が、県内の感染状況や医療機関の体制等を勘案しながら県内で必要となる病床数を確保するとともに、患者受け入れ調整本部を設置して一元的に患者の入院先の調整等を行っております。
 一方で本市では、保健センター等による日々の健康観察を通じて患者の健康状況を把握し、医療支援が必要な方を早期に発見するとともに、迅速に医療機関へ搬送し的確な医療に繋いでおります。
 このように県と市が連携しながらそれぞれの役割をしっかり果たすことにより、迅速かつ的確に患者に対して医療提供できる体制の確保に努めています。

 

2.第87号議案 令和4年度広島市一般会計予算(第5号)
  のうち放課後児童クラブについて
  第91号議案 広島市児童館条例の一部改正について

(中原ひろみ議員)
 次は放課後児童クラブについてです。定員不足を解消するため、来年4月の開所に向けて、新たに17学区でクラスの増設を行うというものです。この増設を含め、市内の放課後児童クラブの数はいくつになるでしょうか。
 民間公立の区分公立の中でも、空き教室プレハブ児童館内など施設別の内訳もおたずねしておきます。
 今回17クラブを増設すれば、来春の待機児は解消できるのでしょうか、教えてください。
 増設される17クラブのうち、可部、上温品、大河は、児童館内の工作室や図書館、集会所を児童クラブの専用室として使うとしています。例えば、東区にある上温品児童館では、図書室を児童館内のトイレに繋がる廊下に移動して、図書室だった部屋を空けて、その部屋を放課後児童クラブの専用室にする計画と聞きました。
 しかしこれは児童館に自由来館する子どもたちに狭い場所での読書を強いることになり、不自由さを強要するものとなりますが、市教育委員会にはそのような認識はないのかおたずねをいたします。 放課後児童クラブの増設に当たっては、まずプレハブ整備などを検討すべきですが、増設に当たり、どんな検討をされてきたのか、お聞きしておきます。
 来春から実施されようとしております有料化を考えれば、子どもの最善の利益が確保できる施設整備を基本にして、施設間での環境の差を解消することが必要です。市はそのために取り組まれていることがあるんでしょうか。あれば具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
 特に、トイレの環境は人権に関わる切実で重要な問題です。放課後児童クラブの現場からは、放課後児童クラブのトイレは使いたくないと、子どもたちがトイレを我慢している実態があると聞いております。なぜか。子どもたちにとって、工事現場で使うような仮設トイレは怖くて使えない。古くてすきま風が入り、雨が降ればトイレットペーパーに湿りが出る。こんな実態があるからです。大人でも使いたくありませんよね。市はこのような状況ご存知でしょうか。
 言うまでもなく、男女別のトイレ整備洋式化などは有料化する上での必須条件だと考えますが、市の見解をおたずねします。
 現在の放課後児童クラブの男女別トイレの有無、洋式化率はどうなっているのか教えてください。
 次は指導員の確保についてお尋ねいたします。施設を開所し、運営するには指導員が不可欠です。来春の増設に向けて指導員は新たに何人必要になるでしょうか。
 お聞きすれば、恒常的に指導員は欠員していると聞いております。現在の欠員数は何人でしょうか。
 現場によると、賃金に見合う仕事ではないと言って、1ヶ月程度でやめていく指導員もあるということです。これはとても残念なことではないでしょうか。指導員として働き続けてもらうために、何らかの手立てが必要じゃないんでしょうか。市はどのようにお考えかお聞きをしておきます。
 最後に、第91号議案広島市児童館条例の一部改正について伺います。これは、竹屋児童館を建て替えるというものですけれども、竹屋児童館と同じく中区に整備されている築51年を迎える吉島児童館からは老朽化が激しく、早期に建て替えて欲しいという声が出ております。竹屋児童館は築57年が経過した施設でしたけれども、市はこのように、老朽化した自動化の建て替え計画を持っていらっしゃるでしょうか。
 50年以上が経過した児童館はいくつあるんでしょうか。具体的な説明もお教えてください。
 また、児童館のない未整備学区はいくつ残っているのかもお尋ねをしておきます。以上で質疑をいたし、終わりといたします。

(教育長)
 第87号議案一般会計の補正予算のうち、放課後児童クラブの開設準備について数点のご質問にお答えいたします。
 まず、このたびの増設を含めると、市内の放課後児童クラブの数はいくつになるか、また、民間と公設の内訳、公設のうち施設別の内訳はどうかというご質問です。
 来年度の本市放課後児童クラブのクラスについては、このたびの増設により公設が290クラス、民間が86クラスとなり、合わせて376クラスとなります。
 また、公設における施設別の内訳については、児童館内が140クラス、学校の余裕教室が76クラス、プレハブが72クラス、その他既存施設を活用しているものが2クラスとなります。

 次に、このたびの増設により来年度の待機児童が解消されるかというご質問です。
 このたびの補正予算は、来年度待機児童が生じないよう、学区ごと学年別の来年度の児童数を推計し、これに近年の放課後児童クラブの利用申し込みを申込率の伸び等を加味して、学区ごとの利用者数を推計した上で、定員を上回ると見込まれる学区について、クラス増設を行うものです。これを計画通り進めていくことで待機児童が生じないようにしていきたいと考えております。

 次に、放課後児童クラブは児童館内に増設することにより自由来館する児童に狭い場所での読書や工作を強いることになる。不自由さを強要することになるかどう認識しているか、増設に当たってはまずプレハブ整備を検討すべきと思うが、どのような検討したのかというご質問です。
 放課後児童クラブのクラスの増設に当たっては、増設後の運営のしやすさや増設に係る経費を考慮し、まずは児童館初出の利用を検討し、次に学校の余裕教室の活用を検討し、これらが困難な場合に、プレハブ整備、また民間事業者への補助により増設を行うこととしております。
 このたび児童館内でクラス増設する3館のうち、温品、可部については児童館内で移転することに伴い、図書室や工作室の面積が減少しますが、子どもたちの利用の現状からすれば、大きな支障はないものと考えております。

 次に、施設の格差の解消や、子どもの最善の利益を確保するために取り組んでいることがあれば、答えてほしいというご質問です。 放課後児童クラブは、児童館諸室の利用学校の余裕教室の活用、プレハブなど開設方法に違いはありますが、いずれの施設においても、児童が安全安心に過ごせるよう、同一の基準で必要な面積を確保するとともに、指導員を配置しております。
 一方施設によっては設備の老朽化といった課題があることは認識をしております現場からの要望を踏まえ、雨漏りの修繕や畳等の内装品の取り替えエアコンの更新など必要な環境整備を順次行っているところです。

 次に、男女別トイレの整備、トイレの洋式化などは放課後児童クラブを有料化する上で必須条件と考えるが市の認識はどうか、現在放課後児童クラブのトイレの男女別洋式化はどうなっているかというご質問です。
 トイレの環境整備は、利用料金の有料化に関わらず取り組むべき事項であると考えており、これまでも順次整備を進めてきたところです。
 洋式トイレについては、民間分と公設のうち学校のトイレを利用している余裕教室分を除いた便器数で申しますと、令和4年度当初で647個のうち484個が洋式化されており、割合は74.8%となっています。
 現在全てのクラブにおいて最低でも一つは洋式便器が使用できる環境になっていますが、全ての便器の洋式化に向けて、今年度は洋式便器が一つしかない12クラブについて、洋式便器の複数化に取り組んでいるところです。
 男女別トイレにつきましては、先ほどと同様民間分と余裕教室をのぞいたクラスで申しますと、令和4年度当初で211クラスのうち91クラスで男女別トイレを設置しており、割合は43.1%となっております。近年整備した児童館および放課後児童クラブについては、男女別トイレを設置しておりますが、それ以前に整備した古い施設については、スペースの制約等があることから、男女共同トイレへの簡易な間仕切りの設置など運用上の工夫により、プライバシーの確保に努めているところです。引き続き現場の声を意見を聞きながら適切に対応していきたいと考えております。

 次に増設に向けて指導員は新たに何人必要になるか、また、現在指導員の欠員は何人になるかというご質問です。
 放課後児童クラブの指導員については、職員の配置基準において、一クラスあたり、保育士等の有資格者を2人以上配置することとしています。このたびのクラス増設により、公設を7クラス増やすこととしているため、指導員は14人必要となります。
 次に、9月1日現在の正規指導員の欠員については64人となっています。なお、欠員が生じたクラスには保育士等の資格を有する臨時指導員を配置し、配置基準を下回ることなく運営を行っております。
 次に、賃金に見合う仕事ではないとの声がある指導員に働き続けてもらうためには何らかの手立てが必要だが、どう考えているかというご質問です。
 本市の指導員については、令和2年度の会計年度任用職員への移行の際、初任給を増額した他、期末手当や時間外勤務手当を支給することといたしました。さらに本年2月から国の補助金を活用し、収入を3%程度引き上げる措置を行ったところです。
 今後とも、必要な人材を確保するため、処遇改善がさらに進むよう国に対し財政措置の充実を要望してまいります。

 次に、第91号議案広島市児童館条例の一部改正についてお答えいたします。
 老朽化した児童館の建て替えについて何か計画はあるか、また、建て替えるための基準があるか、築50年以上の児童館をいくつあるか、またそれはどこの児童館かというご質問です。
 老朽化した自動化については、現在、耐震性のない児童館を優先して建て替えることとしています。
 耐震性のない児童館のうち、今議会に議案を提案しております竹屋児童館については、このたび建て替えを行ったところであり、残り3館については順次建てかえを進めていくよう考えています。
 また築50年以上の児童館については、耐震性のない3館以外に東雲、宇品東、草津南、舟入、吉島、宇品、江波、南観音、五日市の10館であり、順次大規模修繕を行ってきているところでございます。
 最後に、児童館の未整備学区はいくつ残っているかというご質問です。
 児童館の未整備学校については、整備工事、または設計に着手した学区を除きますと残り18学区となります。

(中原ひろみ議員)
 放課後児童クラブについて少し具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
 先ほど気になることをおっしゃいました。経費の面から、今回の放課後児童クラブの増設に当たっては、どこに設置をするかっていうのを考えたと。
 それは財源というのは、打ち出の小槌であるわけではありませんから考えるのも当然かもしれませんが、その結果、子どもたちを例えば上温品児童館のことで言えば、図書室をトイレに繋がる廊下に移動させても大きな支障はないというご答弁でした。
 私はこの大きな支障はないというこの教育長の答弁に、納得できません。大きな支障がないって誰が決めたんですか。これは勝手な広島市の都合でしょう。市の都合、大人の都合、教育委員会の都合じゃないですか。
 私は上温品児童館に、きせ康平議員と一緒に行ってまいりました。児童館の館長さんにご案内いただいて、お話も聞きましたけれども、館長さんが開口一番、「いつまでそうなるんですか」とおたずねになって、いやいつまでっていうかずっとそうだと思いますよって私は申し上げたんですけど、まずこの上温品の放課後児童クラブは、一次しのぎの対応になるのか。その辺まず聞かせていただきたいし、大きな支障はないということは、これはもう上温品児童館は、図書室というものはなくても良いと、やむなしという認識でよいということですか。

(教育長)
 まずおたずねの上温品について、一次しのぎの対応かどうかということで今回、9月補正で17クラスの増設を挙げております。そういう中で、三つほど、児童館内のクラス増設ということでやっております。
 これは先ほどもご答弁申し上げましたが、運営のしやすさであるとかもちろん経費面というのもございます。ご指摘のあったプレハブということになれば、建設費等の開設費が約900万円、毎年リース料が140万円ぐらいだったと思いましたけどもかかるということで、放課後児童クラブのクラス増設については、やはり需要が増大する中での対応として、既存の施設で利用可能というところがあれば、それを活用するということを優先順位の第1でやっております。
 そういう中でも、やはり大きな支障があればそれはできませんので、今回は17クラス増設のうち三つがそういう形になっております。運営のしやすさという面から申しますと、やはり同一館内にひとクラスが現在あります。そこにもうひとクラスを作った方が職員間の連携であるとか、総括責任者である児童館長との連携とかいう形で連携がしやすいということもあります。そういった経費面、運営のしやすさということを考えてやっておるところです。
 いつまでここの状態が続くかというご質問だと思いますけれども、これはやはり、放課後児童クラブの利用者が現在これで2児童館に2クラスになりますから、ひとクラス分になればそこは空くということになります。
 それから、現状において支障がないと誰が判断したのかというご質問がありました。これも私が聞いておる範囲では、現状においても、職員が詰めている部屋の玄関部分、廊下部分ここら辺りで図書の閲覧コーナー的な使用を現状においてもしていると聞いておりますし、そういう状況がある中で現在、上温品が1階と2階にわかれて、児童館機能が複数階にまたがっておりますけども、それがワンフロアに集約されて、事務室の前の目の届きやすいところに行くということを考えれば、大きな支障はないということを我々もいろんなことを聞く中で判断をしたところです。
 それからもう一つが、図書室はいらないのかということですが、当然図書室というのも児童館機能の一つでありますから、その機能というのは、何らかの形できちっと確保していく必要があるというふうに考えております。

(中原ひろみ議員)
 何らかの形で図書室を維持していきたいっていうんだけど、今の図書室は45平米あるんです。この廊下が何平米なのかわかりませんけども、見取り図を見ますと、どう考えても3分の1ぐらい、もっと少ない4分の1ぐらいしか面積的にはないんです。
 児童福祉施設の設備および運営に関する基準というのがありまして、設備の基準は、児童厚生施設、第37条児童館等屋内の児童厚生施設には、集会室、遊戯室、図書室および便所を設けることとなっております。図書室は設けることということになっております。
 今回図書室はなくなっちゃって、そこが放課後児童クラブの専用室になるんですが、それは本を読む場所は何か机を置いておけばそこでできるかもしれませんが、それって図書室と呼べるんですか。私は疑義があります。
 視察に行ったときに、(そばに)2013年に廃園になった上温品幼稚園っていうのがありまして、平屋の施設なんですが、そこは地域の方が校庭開放ということで、ダンスの教室に使ってらっしゃるというようなことでした。
 地域の方に相談して、放課後児童クラブの専用室としてそこを使えないのか、また旧上温品幼稚園の敷地もかなり広いなと思いました。車が何台か駐車してありましたけれども、その敷地の一角にプレハブを建てることもできるなと思いました。
 児童館の図書室をなくして、窮屈な思いをさせて、基準にも違反するようなことまでして、放課後児童クラブを新設しなくても、プレハブを建てるまたはプレハブでなくても旧上温品幼稚園の施設を使うというようなことも検討されなかったのかと率直に思うんですが、そのあたり再度聞かせていただきたい。
 やはり廊下に図書室を移動するっていうのは、私は児童福祉施設の設備および運営に関する基準違反ではないかと思いますし、その移動する廊下には消火栓、消火器も整備してありましたし、児童館としての、来館する子どもたちにスケジュールや楽しい行事のお知らせをする大きな掲示板もありまして、そこに本なんか置けないと思いました。
 消防法の視点からも、設備運営の基準に関しても、私は法令違反基準違反になるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

(教育長)
 確かに上温品の10年以上前に、幼稚園を廃園して、幼稚園の建物も確かにあります。今地域の方が使っておられます。それは器だけでトイレもありませんし、実は冷房等もありません。一方で敷地の方は十分にあります。1000平米を超える敷地がありますから、物理的にはプレハブは建つし、学校のグラウンドをいじめることなく建ちます。
 ただ、先ほどの繰り返しになりますけども、放課後児童クラブの増設ということに当たっては、まず既存の施設の中で活用できるところがあるかないか、これを第1順位としてやっております。従って、ご指摘の児童館内にできるというふうに判断をいたしましたので、プレハブ等の検討ということはやっておりませんし、そういう判断で今後とも進めていきたいと思っております。
 それから、基準違反ではないかということで、確かに玄関を入ってすぐのロビー的なところを含めて、確か図書室は従前は20平米というふうに資料ではなってるんですけども、一応面積的には十分でないにしても、機能的には確保されるということで、基準違反にはならないと思っております。
 それから消防のお話がございました。消防に関しては、一応消防局の方と協議した中においては、避難路としての空間が確保されていれば大丈夫であるということで、この案になっているというふうに聞いております。

(中原ひろみ議員)
 活用できるところを活用してというふうにおっしゃいましたが、これは活用したらいけない場所じゃないんですか。児童館の元々図書室なんですよ。だからそれは児童館の図書室として使うべきものでしょう。私はそこおかしいと思いますよ。
 財政面ということが一番立ちはだかるんでしょうけど、やっぱり子どもたちの放課後、その居場所をどうするかっていうのは、とても大事なことだし、自由来館の子どもたちの放課後を守るというのも同時に大事なことです。どちらも大事にしてやらなきゃいけません。両者が、自由来館の子が不自由な思いをするようなことは、私は受けいれられません。
 やっぱり両方の、留守家庭の子どもも自由来館の子どもも、放課後を豊かに過ごせる場所にするためにはどうしたらいいかというのを考えるのが広島市でしょう。敷地がしっかりあるけど、活用してはいけないところを活用して、活用できるところを活用するってのはおかしいでしょう。私はそのことをもう少し申し上げたいですね。
 竹屋児童館が建て替わって、この竹屋児童館は男女別のトイレもあるし、洋式化100%ということです。
 子どもたちの放課後、未来を担う子どもたちのためには、やはり財源という視点から見るんじゃなくて、最善の利益を確保するためにはどういう施設がいいのか、さっき10館ほどまだ老朽化した施設があるとおっしゃっていましたが、こういうところは早急に建てかえなきゃいけないし、不要不急の巨大開発よりも、私はこの子どものための予算をしっかりしていただきたいというふうに思います。質疑なので、教育長の思いを聞いて終わりにしたいと思います。

(教育長)
 子どもたちの最善の利益ということで、その答えにおいては疑義があるわけではございません。度々話にもあるように、やはり我々行政の仕事ということで、財源ということを考えなくてよければ、より良い施設を作りたい、より多く作りたい、より多くの給付をしてあげたいという、そこは気持ちとしてはあるとしても、やはり前提として限られた財源の中で、いかにいろんなニーズに応えていくかということを考えたときに、先ほどこの児童館のクラス増設については、もし使えるところがあるならば、そちらを第1順位にしようということでやっております。それは今回17クラスありますけども、そのうち三つについては、それが可能であるだろうという判断でそうしたものです。
 当然他のところでは、それは難しいという判断が入ったということ、それと今ご指摘の上温品で、確かに今回のクラス増設によって、児童館利用ということでマイナスの影響が出ますけども、やはり放課後児童クラブのクラスを増設するというのも、その学区の子どもたちの利益に繋がることであって、限られた財源の中でトータルで考えれば、子どもたちの利益に繋がっていると考えております。 今後とも、実際に放課後児童クラブの増設に当たっては、そういった子どもたちにどういう影響があるかというところをしっかり見ながら考えていきたいと思います。

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