議会での質問・答弁

2021年10月14日

2020年度決算特別委員会 建設関係 中原ひろみ議員

1.広島高速5号線シールドトンネル工事について
2.市営住宅について
3.道路占用料納入通知書・督促状の発送漏れについて

1.広島高速5号線シールドトンネル工事について

(中原ひろみ議員)
 それでは、三項目準備いたしました。
 まず、広島高速5号線のシールドトンネル工事について質問したいと思います。
 2018年9月にシールドマシンによる区間、1,407メートルの掘削が始まったということですけれども、当初の完成予定は2020年7月だったと思っておりますので、本来であれば既にもう供用開始されていなければいけませんが、いまだに完成となっておりません。1年3か月、現時点で遅れているということであります。
 それで、現在までの年度ごとの掘削距離と進捗率を教えてください。
 いつの完成を目指していらっしゃるのかも教えてください。

(高速道路整備担当課長)
 シールドトンネル工事は平成30年9月に掘削を開始しており、年度ごとの掘削距離は、まず平成30年度が92メートル、令和元年度が190メートル、令和2年度が233メートル、今年度は現時点で126メートルとなっております。また、各年度末の進捗率、これでいいますと平成30年度末が7%、令和元年度末が20%、令和2年度末が37%、今年度は現時点で46%となります。
 完成の見通しについては、現行の整備計画においては、本線は令和4年度の完成予定としています。現場の状況ですが、硬い岩盤の発生などにより、牛田地区の着工が8か月遅れ、またその後の牛田地区の掘削においても安全・安心を最優先とした施工管理を行いながら工事を進めており、これらに時間を要した期間を取り戻すのは厳しい状況もあるかと思っております。公社からは、今後のシールドトンネルの掘削状況を踏まえるとともに、事業全体の工程回復にできるだけ努め、見通しを立てた上で改めて完成時期を示したいと考えていると聞いております。

(中原ひろみ議員)
 令和2年度の決算額を見てみますと、予算は36億5000万円ついているんですが、2年度ではその3分の1、11億9700万円ぐらいしか執行されていなくて、3分の2が繰り越されております。ここにも事業が順調に進んでいないということが実績からも示されているわけですけれども、順調に進んでいない理由は何かということを改めて聞きたいんですが、先ほどの答弁と同じでしょうか。牛田地域の岩盤が硬かったということですか。

(高速道路整備担当課長)
 先ほどと重なる部分もありますが、事前調査で想定した以上の岩盤強度が確認されたこと、掘削により予期せぬ粘性土が形成されてカッターに固着して回転を阻害したことなどによって、カッターの摩耗、割れ・欠けが起きて、当初計画を上回るカッター交換や対策を実施する必要が生じておりました。また、これまでの掘進実績を踏まえまして、住宅地である牛田地区の掘削に際して、想定を上回るリスクに備えておくことが安全・安心の確保の観点から重要であると考えており、計画カッター交換や地表面沈下を抑制する止水対策工の検討にも日時を要したことから、牛田地区の着工は8か月遅れて本年の4月となったものです。

(中原ひろみ議員)
 最初につまずいたのは、やはり75メートルのところだというふうに思います。平成30年12月でした。ちょうど12月議会が終わって数日したときに、カッターが破損したということで、私たちも驚きましたけれども、その原因と対策というのはどんなふうになったんでしょうか。

(高速道路整備担当課長)
 シールドマシンは前面の面板に取り付けられている73個のカッターを岩盤に押しつけながら面板を回転させることで岩盤を掘削する仕組みとなっております。平成30年12月に発生したシールドマシンの損傷は、マシンを推進させる際のカッターの押しつけ力が過大であったことが主な原因で、面板から一部のカッターが損傷・脱落し、その状態のまま回転させたことによって面板が直接岩盤に接触し、その一部が削り取られたものと考えております。シールドマシンの損傷に対するその後の対策ですが、カッターの押しつけ力が過大とならないよう新たな指標を設け、管理を強化するとともに、カッターの摩耗や破損を早期に発見できるよう摩耗検知装置の増設や金属探知機の新設が行われております。

(中原ひろみ議員)
 そういう新たな指標を設けたとか検知器をつけたということでありますけれども、そういうことをやられた結果、その後の75メートル以後のカッター交換などの効果は出たんでしょうか。改めてカッター交換の回数、従来の計画との差を教えていただけますか。

(高速道路整備担当課長)
 対策を実施した後は過大な押しつけ力によるカッターの損傷は発生しておりません。カッターの摩耗や破損についても早期発見により大きな損傷につながる前に適切に対応ができています。カッター交換についてはこれまで37回行っております。当初の計画では5回のカッター交換と見込んでいたため、その差は32回ということになります。

(中原ひろみ議員)
 当初計画の5回のところが37回というわけですから、7.5倍のカッター交換が行われたということですよね。先ほども想定しない硬い岩があったとかいうようなこともおっしゃいました。やはりこれは事前調査が、ボーリング調査が悪かったのか、それとも請け負っているJVのほうに能力がないのか、どちらかなと思うわけでありますけれども、この7.5倍のカッター交換となった理由というのは、改めてどういうことなんですか。75メートルのときの破損を体験して、事前事前に、壊れる前に早めに換えておこうということだったんですか。どうして7.5倍ものカッター交換をしなきゃいけなくなったんですか。

(高速道路整備担当課長)
 事前調査で、75メートル以後のことですが、その地点で岩盤強度の調査も改めてしております。掘削当初の事前調査で想定していた岩盤強度以上のものがその段階で確認されたその後の掘削管理においても、そういう硬い岩質が出ているだろうということが確認されたこと、それから掘削により予期せぬ粘性土というものが形成されまして、これがカッターに固着して回転を阻害したことなど、これらによってカッターの摩耗、割れ・欠けが生じたものです。なお、粘性土の固着に伴うカッター交換については、対策を実施しておりまして、それ以後は発生しておりません。

(中原ひろみ議員)
 やはり事前の想定と実際の状況が随分違ったということなんだと言わざるを得ません。住民がおっしゃるには、75メートル時点でのカッターの破損を受けていろいろ対策はしていただいたけれども、結局カッターが壊れないように、なるべくカッター交換をしないで済むようにはなってないじゃないかというふうにおっしゃるわけです。カッター交換をしなければしないほど地盤沈下を起こさないということで、地下水が漏れませんから。極力カッター交換はせずに掘削できるのが一番ベストなわけですよ。
 住民がおっしゃるには、結局75メートルのときに、カッターが壊れて、その破片が出てきて目の前にカッターの破片を見ているのにもかかわらず、それがカッターの破片なんだと気がつかずに、気がつかないんですよ、施工者のJVが。先ほども答弁があったように、そのまま掘削作業をしたんですよ。壊れたまま掘削作業をしたもんだから、面板そのものが27センチメートルも削り取られたと、これ素人じゃないかとおっしゃるんですよ。私も、あっ、そりゃあ素人だなというふうに思いますよ。こういう業者にこのままシールドトンネルで一番の最大の課題になっている住宅直下を掘らせていいのかと。それは不安でしょう、不安ですよ。それはいろいろこれまでの体験からいろんな事前の手だてをされているというのは私も理解します。しかし、このJVにそういう能力がないというのは、改めて私は指摘をさせていただきたいと思うのですよね。
 住民は不安だから、いろいろと工事の状況の資料を提出してくださいというふうに求められるんです。それで、出された資料の中に、シールドマシンの掘削スピードというのがありまして、それを見ると、すごいスピードでがんがん掘るときとすごいゆっくり掘るときと、もう急降下のグラフになると、ジグザグ・ぎざぎざのグラフになると。本来であれば、道路の運転でも同じですが、猛スピードで走ったりゆっくり走ったりしたら事故になりますよね。ある程度一定のスピードで掘り続けるというのが、普通誰が考えてもそうだと思うんですが、そういうスピード感にも大きな違和感があると。こんなやり方では、そりゃカッターが壊れるんじゃないかというふうに言っておられます。
 それから、やはりカッターがなぜ壊れたのか、その理由をお尋ねになったんだそうですが、これは企業秘密だから公表できないというふうにおっしゃったというんです。それで、これは企業秘密でも何でもなくて、あまりにも不細工過ぎて公表できないんじゃないかとおっしゃっていました。
 住民が最も大きな不安を抱いていらっしゃるのは、マシンには17インチの大きさのマシンと20インチの大きさのマシンが2種類使われていて、17インチが中央部に8個、ツインで整備されていて、その周りに20インチがあるわけですが、シールドマシンを造ったロビンス社のカタログによりますと、17インチのカッターは20インチのカッターと比べて、スラスト荷重という専門用語で私も理解が難しいんですが、要するに耐久性、そういうものが3分の1しかないというふうに書いてあるんですよ、数字で。つまり、17インチのほうが20インチよりも耐久性が弱いと。硬い岩盤にはもたないと。しかし、それが使われているわけですよね。もともとシールドマシンそのものが壊れやすいような設計になっているんじゃないかと。そんなもので自分たちの住宅の下を掘ってほしくない、こんなふうにおっしゃっているんです。これも私は住民からすれば当然の思いだというふうに思っています。
 それで、改めてお聞きするんですけれども、これまでの37回のカッター交換でしたか、17インチと20インチのカッター1個当たりの交換回数というのはどうなっているのでしょうか。17インチのほうが交換回数が多いんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

(高速道路整備担当課長)
 先ほど委員から御説明していただきましたカッターの面板の位置ですけれども、面板に取り付けられているカッターは全部で73個で、面板中央の部分8個が17インチのツインディスクカッターになって、その他外周部分の65個が20インチのシングルディスクカッターとなります。これまでのカッター1か所当たりの交換回数ですが、17インチカッターでは7.5回、20インチカッターでは2.7回となっていますけれども、17インチカッターについては、カッターの押しつけ力が過大であったことによる面板の損傷や予期せぬ粘性土が形成されてカッターに固着したことによるカッターの損傷といった特殊な要因のものも含まれておりまして、交換回数が多くなっているものです。
 なお、17インチカッターを配置しています面板中央部においては、限られたスペースで切り残しが発生しない均等な切り込み間隔となるサイズのカッターを選定するということが求められまして、当工事ではこれを満足するものとして17インチディスクカッターを採用したものであります。仮にここに20インチカッターなどを配置した場合、切り込み間隔が広くて不均等な配置となりますので、切り残しが発生することになると公社のほうからは聞いております。

(中原ひろみ議員)
 もう17インチのカッターでやるしかないんだと、住民がどんなふうに不安を持ってもやるしかないんだということのようでありますけれども、2016年の着工当時に説明会があって、ここでは住宅直下のカッター交換は極力回避するというふうに住民に約束をされたと。しかし、先般、今年の3月29日、8月19日の住民説明会では、3回ほどカッター交換をやらせていただかなきゃいけなくなったということなんですが、これはなぜ約束が守れなくなったんでしょうか。

(高速道路整備担当課長)
 先ほどの答弁で御説明しましたように、二葉の里地区から牛田地区に至るまでの掘進過程において、様々な事象がありました。これによって当初計画を上回るカッター交換や対策を実施する必要が生じたことから、牛田地区の掘削に際しては、想定を上回るリスクというところに備えていくことが安全・安心の確保の観点から重要であると考えており、掘進計画を見直しまして、住宅地直下において3回のカッター交換を行うこととしたものでございます。

(中原ひろみ議員)
 住宅直下の3回の場所についても、もう既に亀裂が入っている住宅のすぐ真下で行われるとか、その場所についても非常に皆さん強い不安感を抱いていらっしゃるんですよね。カッター交換をすれば、止水防止をやるというふうに市も言われるんだけど、本当にそれで100%住宅への被害が起きないのかといったら、誰もそれを、はい、そうですとはなかなか言えないんじゃないかと思いますよ。それで、もし民家への被害が発生すれば、さらに工事は遅れていくし、カッター交換が増えれば事業費もどんどん交換回数分だけ増えざるを得ませんよね。天井知らずに事業費も増えると。一体誰が負担するのか、自分たちの家屋の補償はちゃんとされるのかというようなことが、本当に不信や怒りが渦巻いているのが牛田地域の皆さんですよ。
 それで、こんなふうにまで事業が遅れるというのは異常なことでしょう。今日の午前中の質疑でも、いつまでにやるのですか、早くやりなさいということは各委員からいろんな事業に求められてきたところであります。この5号線についてはもう1年3か月も遅れていると。工事遅延の損害賠償をJVに広島高速道路公社は請求すべきではないのかと。いつまで工事が遅れてもどこまで事業費が膨らんでもいいのかと、それを受け止めるのかと、そんな事業はあり得ないでしょう。この点について市はどう考えていらっしゃるんでしょうか。

(高速道路整備担当課長)
 工事遅延に伴って発生する費用とかについては、現場条件を確認の上、契約図書に基づき、受注者との協議において、どちらが負担するか確定することになると聞いております。本市としましては、できるだけの早期の完成を求めておりまして、こうした費用については適正な負担とすべきであると考えております。

(中原ひろみ議員)
 適正な負担は、誰がするんですか。広島市がするのですか。

(高速道路整備担当課長)
 協議によって、まず公社がその費用について適正な負担である額を確定するということが必要でございます。それに伴って事業費の中で出資金、貸付金という形で県・市のほうの負担が出てくるところは、市の負担というところが出てまいります。

(中原ひろみ議員)
 要は今後どこまで事業費が増えるか分からないということじゃないですか。これまでも5号線の事業費は整備計画の変更で347億円増額されてきました。これでも驚き桃の木山椒の木ですが、カッター交換で一層また増えざるを得ない。私はこんな事業はやはりやめることが必要じゃないかというふうに思っております。今無理だという話もありましたけど、進めたんだから戻れないということはありませんよね。そんなことを言ったら、今から住宅の下を掘って2.5センチメートルの沈下が起こったと、買い上げると。県の住宅供給公社が買い上げるんだからいいんだみたいなことですから。結局住民の税金なんじゃないですか、県民の。
 2013年9月8日に広島県知事が最大沈下量は2.7ミリメートルと、二次管理値として2.4ミリメートル以内に沈下を収めるんだというふうに約束されているんですよ。これを満足できる業者を選んだはずなんです。この面板をカッターが壊れても分からないような、そのまま知らずに掘ってしまうようなそんな業者だったら、知事が約束した2.7ミリメートルの沈下量を超えてしまうんじゃないか。これを満足できる業者じゃないんじゃないかと。これまでの実績から見て、現在のJVには沈下量2.7ミリメートル以下に抑える、そういう能力はあるのかないのか疑念を抱くような状況じゃないかと思うんですよ。
 それで、もともと5号線のトンネル工事は緊急性も必要性もなかったんですよ。広島空港まで市内から10分早く行けるなんていって整備が始まったんです。その後、年数がたつうちに200万人広島都市圏構想が出てきて、岡山からも山口からも島根からも鳥取からも、市内に来たり帰ったりできると言うんでこの5号線が必要なんだと、こういうふうにだんだんなってきたわけでありますけれども、住民は、空港を使うんだったら10分早く起きるからこんな巨大なトンネル工事をしてもらわなくて結構と言って裁判まで起こして工事の差止めを求めたんですよ。住民は要らないと言っているところを無理に掘っているんですから。そこに持ってきて、こんな能力が懸念されるような業者に任せて、実際、住宅直下はカッター交換しないと言いながら、3回ほどさせてくださいと。おまけにその場所も、盛土が10メートルの上に住宅があって、もう亀裂が今でも入っているその下でカッター交換をやるという、これはどう考えたって被害が出ないほうがおかしいじゃないですか。そんなことで本当にいいのかというのを問われるわけですよ。
 私がここで一人言ってもこの工事は進んでいくのかもしれませんが、進めるのであれば、例えば住民が要求した資料は全て出す。企業秘密なんて言っちゃ駄目ですよ。そんなこと言うから不信が広がるんでしょう。
 それから、家屋の補償ですね。例えば2.5センチメートル以下でも2.4センチメートルを超えたような家が出たらば、きちんと補償するようなそういう形も示さないと2.5センチメートル以下であなたのところは2.4センチメートルだから駄目ですと、補償対象外、こんなふうに切り捨てられたんじゃたまらないというふうに思われているわけですよ。それはそうでしょう。ぜひその辺も、このまま17インチが変えられないというのであれば、住民にとことん寄り添った対応をしていただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょう。

(高速道路整備担当課長)
 公社ではトンネル掘削に当たりまして、先ほど委員から説明もありました地表面沈下についての管理値、一次管理値は1.3ミリメートル、それから二次管理値は2.4ミリメートルといった厳しい管理値を設定して計測管理、これも各地点かなり数を設けて行いながら施工しております。仮に一次管理値1.3ミリメートル、これに達した場合は、牛田地区の中で計測頻度、これの強化、それから現場点検などの監視体制の強化、これを行うこととしております。さらに二次管理値2.4ミリメートルに達したら、この場合は掘削を一旦停止し周辺の家屋調査を行い被害の有無を確認して、それとともに専門家の意見を聴きながら要因分析、対策案の検討などの対応を行うこととしております。こうしたように、公社では被害を出さないように最善を尽くす計画を立てておりまして、被害が出てもやむを得ないという姿勢で臨んでいるわけではないというところでございます。安全・安心を第一に施工をするということでございます。

(中原ひろみ議員)
 それは当然なんですよ。こんなことしてやっているんだみたいなことじゃいけませんよ。公共事業で市民の財産に影響を与えるというのはしたらいけないんですから、分かっていますか。その辺きちんと指導してくださいね。
 では、ちょっとついでですが、管理値の1.3ミリメートルとかいろいろおっしゃいましたが、そういう被害が出れば工事を止めて検証をして、そして住民に説明会をして対応するというふうに決まっています。そういう手続を踏もうと思えば、物理的にも時間がかかります。そうすると、令和4年度の完成なんて先ほどおっしゃっていたけど、それもまた絵に描いた餅にならざるを得ない。本当にいつ完成するか確実な見通しもないような事業というのはあり得ないことでしょう。こんなことを言ったらどの事業も、先ほど岡村委員が言われたようないろんな事業も、令和10年度末、だんだんだんだん遠のいていつやるか分かりませんが、できたときが完成時期ですみたいなことになってくるじゃないですか。そんな公共事業があっていいはずがないじゃないですか。そのことを言っておきたいと思います。高速5号線は特別扱いですよ。広島市の様々な公共事業がありますけれども、やはりスーパーウルトラ不要不急の工事の象徴だなというふうに思いますよ。

2.市営住宅について

(中原ひろみ議員)
 次は市営住宅です。令和2年度では高齢者等対応改善その他整備ということで、高齢者等対応住戸改善、これは1億4300万円ぐらいですかね。それから車いす常用者向け住戸改善で4750万円というような決算額ですが、どのような改善がされたのか、内容と改善戸数を教えてください。

(住宅整備課長)
 高齢者等対応住戸改善として、住戸のバリアフリー化を図るため、浴室・便所などへの手すりの設置、住戸内の段差解消や建具のレバーハンドル化などを行いました。実績は令和2年度で36戸でございます。また、車いす常用者向け住戸改善として、屋外から住居まで及び住戸内での車椅子の円滑な移動経路を確保するためのスロープと手すりの設置、玄関の引き戸化及び住戸内の段差解消や建具の引き戸化に取り組むとともに、高さを調整できる流し台・こんろ台などの設備の設置を行いました。令和2年度の実績は3戸となっております。

(中原ひろみ議員)この間、高齢者の独り暮らしの世帯も増えましたし、障害を持つというような方も増えてきました。それで、こういう住戸改善はどうしても不可欠な要素だと思いますけれども、今、令和2年度を聞きましたが、これはいつもこのペースでやっていらっしゃるのか、これは進んだ状況なのか、どういうふうな認識でおればいいでしょうか。

(住宅整備課長)
過去3年間の実績を順に述べさせていただきますと、高齢者等対応住戸改善は平成30年度が24戸、令和元年度は31戸でございます。車いす常用者向け住戸改善の過去3年間の実績については、平成30年度が3戸、令和元年度は1戸となっております。こうした住戸改善のほか、市営住宅の新築・建て替え事業や基町住宅再整備事業などにより、高齢者等対応住戸の数は令和2年度末時点で約4,200戸、車いす常用者向け住戸の数は約100戸となっております。市営住宅の全管理戸数に対する割合は約30%となっている状況でございます。

(中原ひろみ議員)
 高齢者対応のほうは少しずつ戸数も増えているというふうに理解をしたところです。
 それで、改めて聞くんですが、高齢者や障害者といった要配慮者と言われる人たちのこの3年間の入居応募者数、それからくじに当たらないと入れませんけれども、実際の入居者数というのはどんなふうな状況でしょうか。

(住宅管理担当課長)
 定期公募における高齢者及び障害者の応募者数及び入居者数について過去3年間の延べ人数でお答えいたします。平成30年度は高齢者や障害者の応募者数は3,771人で、入居者数は187人です。平成31年度は応募者数3,765人で、入居者数は189人です。令和2年度は応募者数3,682人で、入居者数は172人です。

(中原ひろみ議員)
 大体三千七、八百人の要配慮者の方が毎年諦めずにといいましょうか、応募の人は替わるのかもしれませんが、随時この規模の人たちが安い安価なバリアフリーの住宅を求めていらっしゃるということです。本来ならこの人たちがスムーズに入れるように住宅を整備できれば一番ハッピーなんですが、なかなかそれが難しいという状況があります。
 私どものところにも何とか市営住宅に入らせてもらえないだろうかというふうに来られる方がいて、まずは申し込んでいただいて、もうそれはくじなんですよと言って、何かこうすごい心が痛むんですけれども、今そういう中で、国も独り暮らしの高齢者が民間の賃貸住宅になかなか入居できない。孤独死するんじゃないかとか、火の始末ができなくて火事になるんじゃないかというようなことが大家の御心配があって、独り暮らしの高齢者の方はちょっとお断りですというふうに言われて、なかなか住めないんですよね。
 だから、いつまでも雨漏りがするような住宅に住んでいらっしゃって、本当に何とかしてあげなきゃいけないなというふうに思うところなんですが、国が平成29年10月に改正セーフティネット法というのを施行しました。民間住宅をバリアフリー化するときに国が支援する。そういう国の支援で住宅をバリアフリー化した大家は、高齢者の入居を拒まない、要配慮者の入居を拒まない住宅とし登録をするというような制度で、既に施行から4年たちますけれども、この法改正がされた後、この4年間、広島市はどういう目標を持って具体的にこのセーフティネット住宅というのは幾らぐらいまで前進してきたんでしょうか。

(住宅政策課長)
 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給を促進し、居住の安定確保を図るため、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づくセーフティネット住宅の登録を促進する必要はあると考えております。現在、本市のセーフティネット住宅の登録戸数は4物件54戸となっており、立地、家賃、間取りなど住宅確保要配慮者の多様なニーズに対応するためには、より多くの住宅の登録を進めていく必要があると考えております。このため、セーフティネット住宅の登録について、不動産関係団体や福祉関係団体、広島市などで構成する広島市居住支援協議会において、不動産関係団体へ登録が進んでいない理由についてお聞きしたところ、入居者の家賃滞納とか孤独死の懸念、そういった賃貸人の不安が要因にあるのではないかという意見がありました。そこで、これらに対応するため、広島市居住支援協議会において、高齢者の見守りなど必要な居住支援サービスについて整理するなど、賃貸するに当たっての心配事に対する具体的対応策をまとめたパンフレットを作成し、不動産関係団体等を通じて賃貸人への情報提供を始めたところです。こうした取組を行うことでセーフティネット住宅の登録を促進していきたいと考えております。
 平成29年に法改正がされまして、平成30年に手数料の減額をさせていただきました。そのことによって、当初、登録住宅がゼロ件ではあったんですが、それが今現在4物件54戸というところまで進んできております。ですから、今後そういった数を増やすというのも確かに必要ですし、それと並行して賃貸人の不安を解消すると。それで安心して継続的に安定した住宅セーフティネットを構築していくということが大変重要だと思っております。ですから、賃貸人の不安解消のために、福祉関係団体等と協議しまして、いろいろ情報提供とかそこら辺に努めてまいりたいと思います。

(中原ひろみ議員)
 市の取組でゼロから少し進んできたということですけど、4物件54戸、これは安佐北区のほうが多いんじゃないかなというふうにも聞いておりまして、どこの区でもやはりそういうものが、セーフティネット住宅が確保できるように取り組んでいただきたいということもお願いしておきたいと思います。
 それから、続いて維持管理についてです。令和2年度の決算で、大規模修繕その他補修ということで1462万円執行されているんですが、この内容を教えてください。

(住宅管理担当課長)
 大規模修繕その他補修の令和2年度決算額の内訳は、井口住宅の火災復旧に係る設計費及び工事費が1202万5000円、戸坂東浄アパートの耐力調査が259万6000円となっています。

(中原ひろみ議員)
 ここで私の疑問とお願いは、市営住宅にはドアがあります。黄色いドアとか青いドアとかいろんな色があるんですけれども、夏に日焼けすると皮膚がぽろぽろと剥げますよね。あんなふうにドアのカラー塗装の色が剥げて、コンコンとノックするのでも、ちょっと何か遠慮するような状況なんですよ。よく陸の玄関広島駅、海の玄関宇品港といいますが、それぞれの住宅の玄関のドアが日焼けのようなぼろぼろの塗装で、私はこんなことでいいのかなとすごい思って、何でこれ塗らないのと言ったら、大規模改修でないとできないんですという答弁でした。広島市はそうなのかもしれません、行政の理屈は。だけど、市民一人一人からすれば、市長は全体最適なんだと言うかもしれませんが、これは部分最適が必要でしょうよ。やはりドアの塗装を今後しっかり大規模改修の中に積極的に入れ込んでいただいて、汚いドアは美しいドアにしてあげてほしいと思いますが、どうお考えでしょう。

(住宅管理担当課長)
 玄関ドアの塗装など、市営住宅の軽微な修繕については、広島市市営住宅等条例において、入居者の方に負担していただくことになっています。ただし本市が市営住宅建物の外壁改修工事を行う際には外壁の塗装も行うことから、玄関ドア外側の塗装を併せて行っております。市営住宅の修繕は入居者の安全・安心につながるもののうち緊急度の高いものから順次行っております。

(中原ひろみ議員)
 じゃあ、玄関のドアの汚いのは緊急度はそう高くないと、玄関のドアはどんなに汚くても市民生活の命に関わるものじゃありませんと。だけど、気持ちですよね。私は言ったんですよ、私にペンキとはけを下さいと。ドアの1枚、私が塗りますと。やはりそんなふうに言いたくなるぐらい汚かったんですよ。だから、これまでは大規模改修の一つとして、ドアの塗り替えをやるということだったのかもしれませんが、やはりそれは状況を見て、これは早くやってあげなきゃいけないなということで、積極的に美しいドアにしてあげてほしいと思います。今日は写真をお見せできないのが残念ですけど、(中原委員、写真を掲げる)遠目から見えますか、よく分からないかもしれませんね。とにかく汚いんです、汚い。このドアの向こうにはどんな人が住んでおられるのだろうと、ちょっと気持ち悪いでしょう。あんなことにしちゃいけませんよ。きれいなドアにしてあげてくださいよ。広島市、大家なんですから。ぜひお願いをしておきたいと思います。
 それで、時間がありませんので、市営住宅の御近所トラブルはまたの機会に回させていただきたい。それから霞住宅の排水溝のことも次の建設委員会でというふうに思っております。

3.道路占用料納入通知書・督促状の発送漏れについて

(中原ひろみ議員)
 最後は、道路占用料納入通知書・督促状の発送漏れについて伺います。
 先般9月議会で財務に関する事務に関わる内部統制の体制の評価の結果というのが出て、道路占用料の納入通知書とか督促状の発送漏れがあったということがありました。改めて道路占用料とは何なのか、どんな業務をされているのか、それから本来ならいつ頃この請求書を発送すべきだったのか、どの程度遅延したことになるのか、それから占用料の請求書の発送漏れによって令和2年度の占用料への影響はあったのかなかったのか、教えてください。

(道路管理課長)
 道路占用料とは、道路に電柱や看板などの物件を設置する際に、設置者が道路管理者に対して支払う使用料です。各区維持管理課では、設置者から道路占用の許可申請書が提出された場合、これを審査の上、道路占用許可証を発行する、道路占用料の納入通知書を発送する、その納入を確認する、未納者に対しては督促状を発送する等の事務を行っております。
 次に、いつ頃発送すべきだったかということでございます。納入通知書につきましては、納入期限の10日前までに道路占用者に到達するように通知しなければならないとされております。今回の事案では、納入期限が令和2年4月末と6月末の2種類のものがあり、それぞれ4月20日、6月20日までに道路占用者に到達するよう納入通知書を発送する必要がありましたが、発送の遅れが生じた納入通知書の発送の完了は令和3年3月上旬となりました。
 それから、道路占用料の令和2年度決算への影響でございますけれども、令和2年度に発送遅れが生じた納入通知書、これは994件でございましたけれども、令和3年3月上旬までに全件の発送を完了し、道路占用者側の都合により未納となっている5件を除き令和2年度内に道路占用料の徴収を完了しております。

(中原ひろみ議員)
 請求書の発送が遅れたけれども、市民のほうはそれを受け止めていただいて、通常どおりの納入があったということのようでありますけれども、改めて昨年の12月にこの内部統制が実施されなければ、案外、丸々忘れてしまったと、最悪の事態になった可能性もあるわけですけれども、この内部統制の初年度に、重要リスクというふうに書かれているので何か重い感じもするんですが、不備が指摘されたことについて、市の受け止めはどうでしょうか。

(道路管理課長)
 今回重要リスクに選定しておる業務において不備が発生したことについては、本市の道路管理行政に対する信用の低下を招いたものと受け止めております。

(中原ひろみ議員)
 これを機に再び同じ過ちを繰り返さないようにしていくことは当然なんですけれども、道路占用料の請求業務というのは、突然この令和2年度から始まった業務ではなくて、ずっとこれまで、担当者はいろいろ替わったかもしれませんが、行われてきたわけであります。今回は突然こんなふうに発送漏れになるというのはどういうことなのかなと思いますし、過去には同じような誤りはなかったんでしょうか。

(道路管理課長)
 平成29年度に道路占用料徴収事務におきまして、一部の区で、確認不足等により納入通知書の発送が遅れた事案が27件発生しております。

(中原ひろみ議員)
 人がやることですから、ヒューマンエラーといううっかりミスというのは当然想定されるわけでありますけれども、そういううっかりミスをなくしていくためにも、やはりこれはシステムそのものを少し見直したほうがいいのかなと私は思ったりするんです。
 それで、今後再発防止に向けて、市としてはどんなふうなことを考えていらっしゃるんでしょうか。

(道路管理課長)
 不備の再発を防ぐため、今年度からは、道路占用料の徴収事務を行っている各区維持管理課において、納入通知書及び督促状の発送等の手続をチェックできる台帳を作成し、担当者だけでなく、上司を含めた複数人で事務処理が適正に行われていることを確認し、当該事務が確実に実行されるよう組織的に対応しています。また、制度を所管いたします道路管理課においても、区役所から台帳の提出を求め、進行管理を行っております。

(中原ひろみ議員)
 お聞きしますと、道路占用許可業務はパソコンに入力をして、許可証というのがシステムからプリントアウトされるんだそうです。それとはまた別に請求書をまた打ち込まなきゃいけないということで、1人の人に許可証を発行する、請求書も発行するんだけれども、二度手間だというふうに聞いたんです。ここをやはりなくすためには、最初の1回ぱちぽち入力して許可証を出す業務をすれば、許可証も出るし自動的に請求書も出てくるというふうにシステムを変更すれば、ヒューマンエラーは極力なくなっていくんじゃないかなと思うんですが、そういう検討はできないものなんですか。

(道路管理課長)
 委員が御紹介のとおり、道路占用許可に関する事務については、最初に道路占用物件等管理システムにより許可申請書の内容の入力、次に道路占用許可証の発行を行い、その後、財務会計システムにより道路占用料の調定、納入通知書の発行等を行っております。この道路占用許可証と納入通知書を同時に発行するためには、この二つのシステムを連携する必要がございます。現在、道路占用物件等管理システムは各区ごとに独立したシステムとなっており、連携には大規模なシステム改修が必要となるため、今後システムの連携の課題や効果等を整理するなど検討を行いたいと考えています。

(中原ひろみ議員)
 それぞれ二つのシステムで、それを統合するのはなかなか時間もお金もかかるというようなことですが、やっぱりどこかで踏み出すことが必要だというふうに思いますね。今コロナ禍で、PCR検査の陰性の人に、あなたは陰性でしたよとかいうことを連絡したりするのに他部署からたくさん応援に行って、もともとの部署の仕事が大変になるというような、市役所の皆さん一人一人は精いっぱい働いているんだけど、いろんな事情で人間うっかりミスをするということは当然あるので、どんな状況に追い込まれてもルーチン業務はきちんと確実にこなしていけるような、それがそういうシステムでできるなら私はされたほうがいいというふうに思っております。
 それと、私もマツダで働いていたときには、一OLでしたけれども、自分の業務を一日にする仕事、午前中にしなきゃいけない、午後からでもいい、それから1週間単位の仕事、それから上旬、中旬、下旬の仕事、1か月に1度すればいい仕事、半月に1度すればいい仕事、1年間に1回すればいい仕事と、こういうふうにきちんと自分で忘れないように書いて、10月はこれやったね、あっ、忘れているとか、そういうふうに自分で管理できるようなことをやっていたと自己評価しているわけでありますけれども、それはどんな事務でも基礎的な自己管理じゃないかなというふうに思っていて、今、複数の目で今度チェックするんだということで、それはそれをおやりになればいいけど、まずは自分の担当した仕事はきちんと自分がこなすというのが、やっぱりそれこそ大切な責任ある業務ですから、まずそういうことがきちんとできているのかなとこの辺は分かりませんけど、多分されているんだろうということだと思いますが、ぜひそういうルーチン作業の見える化、この辺もやっていただければなと思いますが、いかがでしょうか。

(道路管理課長)
 一般的な仕事の進め方として、委員からそういったアドバイスいただいたことをこういった業務に携わる者に伝えまして、そのように努めたいと思います。

(中原ひろみ議員)
 ぜひ内部統制がいい結果に終わると、結びつくというふうな形にしていただければなというふうに思います。
 随分質問をはしょってしまいましたけれども、これで終わります。

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