議会での質問・答弁

2020年12月14日

2020年第8回 12月定例会 経済観光環境委員会 藤井とし子議員

議案 競輪事業について
請願第13号 佐伯区八幡東四丁目(高井地区)の山林部における土砂堆積事業計画の中止について
付託案件外 上安産業廃棄物最終処分場について

議案 競輪事業について

(藤井とし子議員)
 競輪事業について伺います。
 場外売上げの収入減1億9,400万円とありますけれども、これの内訳はどういうふうになっているのかをお答えください。

(競輪事務局次長) 
 1億9,400万円の場外車券売上収入の減ということでございますが、これにつきましては、先ほど御説明申し上げましたけども、コロナのために他の競輪場が開催を中止している期間、特に4月、5月でございましたが、この間、広島競輪場でも発売できなかったことから、これに係る収入がなかったということで今回の減額補正ということでございます。

(藤井とし子議員)
 それでは、もう一つ、歳出の方の38億2,900万円の詳しい内訳も教えてください。

(競輪事務局次長)
 この度の補正であります歳出予算38億2,900万円の内訳につきましては、車券売上げの約75%を占めております払戻金が30億1,100万円、それからインターネット発売に係る委託料等の車券売上げに係る経費などが8億1,800万円、これを合わせまして合計38億2,900万円の増を見込んでいるものでございます。

(藤井とし子議員)
 コロナの影響でいろんなところで歳入とか歳出があるということなんですけども、もう一つ、令和2年度末のインターネット売上げの見込みは、どれぐらい見込んでいるのか教えてください。

(競輪事務局次長)
 本年度のインターネット発売による車券売上げの収入の見込みでございますが、今年度当初予算では43億8,700万円を見込んでおりました。これは補正後で申し上げますと、87億6,200万円を見込んでおります。

(藤井とし子議員)
 いろいろ経費とか払戻しがあるので、額は増えてもそれほどではないということだと思うんです。業者とは包括委託契約ということでやっているということを伺っておりますけども、これは市との関係でどういう形になっているのか、契約委託料については幾らなのか教えてください。

(競輪事務局次長)
 広島競輪場では、平成27年度から包括委託契約を実施しております。当初、平成27年度から平成30年度の4年間につきまして、車券の発売、払戻し、広報宣伝、イベントなどの実施、また施設の管理などの競輪開催業務を民間事業者へ包括的に委託をいたしました。
 委託料につきましては、第1期目になりますけれども、平成27年度から30年度の4年間について、年間約3億1,100万円でございました。現行の契約期間であります平成31年4月から令和4年3月までの3年間におきまして、委託料は年間約3億5,500万円でございます。

(藤井とし子議員)
 年間大体3億円から3億5,000万円を払いながら、収入があった場合に、幾ら広島市に繰り入れられるんでしょうか。

(競輪事務局次長)
 一般会計の繰入れでございますが、今年度の予算といたしましては、2億4,100万円を繰り出すということで計上しております。

(藤井とし子議員)
 これは収入が増えれば増えるほど増えるのか、それとももう2億4,100万円っていうふうに決まっているのか、教えてください。

(競輪事務局次長)
 2億4,100万円ということで予算上は計上しております。これにつきましては、毎年度、売上げとそれに伴う経費ということで、収支の結果、繰出額ということの考え方でございますが、今年度につきましては、当初見込みました2億4,100万円ということで増減はないということでございます。

(藤井とし子議員)
 実際には市から見たら3億1,100万円、3億5,500万円の経費を使いながら市には2億4,100万円が返ってくるということで言えば、掛かる経費の方が高いというのが実態かというふうに思うわけです。
 それでは、87億円の75%の65億円を払戻しして22億円が残るわけですけども、これは実際、年度末にならないと収益というのは分からないんでしょうか。それとも2億4,100万円ということなんでしょうか。

(競輪事務局次長)
 先ほども申しましたとおり、今年度の予算額としましては2億4,100万円という収益計上の上、一般会計へ繰り出すという見込みでございます。実際には今年度が終わりまして、決算を見ないと確定的な数字というのは当然分かりませんので、それについては決算後に決まっていくというふうに考えております。

請願第13号 佐伯区八幡東四丁目(高井地区)の山林部における土砂堆積事業計画の中止について

(藤井とし子議員)
 請願についてなんですけども、この件について住民への説明等はどうなっているんでしょうか。

(森づくり担当課長)
 この開発行為に係る地元説明会については、事業者の方から一度開催されたというふうに聞いております。

(藤井とし子議員)
 こういう問題は、住民からのいろんな意見がある問題だと思うんですけれども、どういう意見が出てどういう対応をされているんでしょうか。

(森づくり担当課長)
 事業者による説明会につきましては、事業者の主催の下に地元の皆さんがお集まりになられて説明したというふうに聞いております。ただ、その内容については私どもは参加しておりませんので、把握しておりませんが、地元の住民の方は納得されていないというふうに聞いております。

(藤井とし子議員)
 こうした問題、納得されないまま許可をしていくということになっていくと、本当に山が大変なことになるんだと思うんです。ここでも請願の中にあります3番目です。搬入される土砂に有害物質が含まれていない保証は何もない。下流には農地や井戸もある。5年後、10年後に被害が判明しても取り返しがつかない。一方、森林伐採による保水能力低下は下流の水田等への水確保を困難にするという、ここにいろんな懸念が示されています。あえて中止をと、佐伯区の議員さん全てが紹介議員になられて請願されているわけですけども、そういったところの説明が市民に本当にできるのか、そこをとても心配をしてるわけです。その点について納得されてないから、これからどうされるんでしょうか。

(森づくり担当課長)
 この度の林地開発許可申請の審査を進めていく中で、事業者に対して改めて地元に対して説明を丁寧に行うように指導してまいります。

(藤井とし子議員)
 取り分けダンプカーが非常にたくさん入るとか、本当に環境が今までとっても良かった所にこういう開発が進むということは、私自身も本当に反対の思いでいっぱいなんですけども、住民の方が納得できるような形で是非進めていただきたいことを申し上げておきます。

付託案件外 上安産業廃棄物最終処分場について

(藤井とし子議員)
 発通に従って質問したいと思います。
 本会議で吉瀬議員が質問したことに続いて、上安産業廃棄物最終処分場について伺っていきたいと思います。
    (ディスプレイに資料を表示)
 まず初めに、今、全国でもこうした最終処分場がたくさんあるわけですけども、これをちょっと調べてもらったんですが、全国の最終処分場、平成29年度の産業廃棄物行政組織等調査報告書によりますと、1,650か所あり、そのうち北海道が289か所と一番多く、2番目は愛知県の98か所、そして3番目が広島県の84か所となっているようです。知らない間に広島県は至る所で最終処分場が許可され産廃が持ち込まれています。広島県には産廃について規制する独自の条例がなく、また国からは、事実上、県外からのごみの受入れを求めた指針も出されていて、処分場が新設されると全国からごみが持ち込まれるようになることが今懸念をされているわけです。
 そのうち安定型という処分場、本会議でも言いましたけれども、化学的に雨にさらされてもほとんど変化しない安定5品目が処分される条件ですので、特別な遮水溝や排水設備等こういうのは義務付けられていない。だからなくても大丈夫なんです。こういうのが今その6割。そして施設整備費も維持管理費も管理型よりも安いために、産廃の最終処分場はこの間でごみそのものは85%も減少しているのに、今も各地で造られているようです。
 そこで、安定型と言われる上安産廃処分場ですが、まず場所についてですけども、皆さんも一度は安佐動物園に行かれたと思います。安佐動物園に上がる手前の所からの方向で見ていただくと、こういうふうに今造成地のような埋立処分場が見えてきます。ここは下の動物園に上がる道路です。下周辺には高取の方面から見た所の写真です。アップにするとこんな感じで今、これは野登呂山のちょうど中腹辺りでこういうふうに今進んでいます。全体がなかなか見れないんですけども、航空写真で見るとこういう状態になっています。今もう既に行っていて、右の上の方はもう既に前の会社がやった所で、今そこも引き継いで全体をJABさんがやっていらっしゃいます。
 今回、拡張申請をされたことに今様々な住民や市民団体からも意見が出されています。多くの住民の方はなかなか知ることができません。それは縦覧が僅か1か月余りで、その後、意見があれば出しなさいと、そういう中ですので、ほとんどの方は具体的な内容を知らされておりません。
 そしてもう少し詳しく言いますと、こういう計画です。この間、時期的にはもともと当初、松一企画という事業者がやっていたのを、その後事業者の名前が変わってフロンティアっていうところも先ほどの所をやっていたんです。その後、平成28年に今のJABさんが受け継いで、平成31年に拡張申請を一度しています。これは、埋立量で言ったら約10万立方メートルだったわけです。今回、令和2年5月に出した申請が約59万立米です。ですから、その時よりも約6倍近い量の埋立てをしますという、こういう申請の中身です。
 こういう中身がどういうふうに実際なるかというと、この縦覧の資料にあるものですけども、これを見てもらいますと、大体、野登呂山は400メートル以上の山なんですけども、その中腹でここは標高が大体240メートルの等高線、ここなんです。それの盛土の最上部の標高が295メートルとなります。計画によりますと、標高よりも45メートルのこうした廃棄物の山を造ろうという計画なんです。
 もう一つ言いますと、水に関してどうするかというと調整池です。調整池は四つ造る計画になっていまして、谷に向けて、今ここが第1調整池で動物園に向かう道からよく見える所にあります。今二つ目、三つ目、四つ目と谷に向けての排水をする計画になっています。こちらの右の方も、これも現地形よりも非常に高い327.5メートルということで言えば、もう58万立米というのはこういう状態になるんだと。まだイメージしかないので実際にならないとよく分からないんですけども、地質学者から見たら、こういうのが今度これだけ上げれば、こちらにも土砂災害などがあれば安東側にも崩れる危険があるという意見もされております。
 これほどの大きな開発、土砂埋立地をJABさんが今申請をして、この間、本会議でも言いましたけれども、一応基準には合格してるので、3日に許可をしましたと、そういう報告がありました。本当に残念で、もっと慎重に、もっと住民の皆さんに知っていただいて、納得できるところまで話合いができてからの許可なら分かるんですけども、ほとんどそれがされてないことで、本当にこれからも皆さん納得されないのではないかなというふうに思います。
 一般質問で言いましたけど、排水の問題です。市民団体の方が8月に現地を訪れて直接見て、そして排水溝から川に流れる所の水を取って検査をしたり、いろいろなことをやってこられました。ここも第1調整池の排水溝から白い泡水、色水、茶色の水もあったりして、それが直接、荒谷川に流されています。これは市の方も確認をされていると思いますが、これも9月18日の時点です。そしてこちらもそうです。安佐南区側だけじゃなくて、裏のちょうど分水れいに当たりますので、安佐北の方にもこうやってため池、処分場からの水が流入したり土砂も流入している所を見て確認をされています。これも市民団体から頂いたんですけども、これが第1調整池から実際に出て、そして県道の下を通って荒谷川に向かう水路で撮った写真です。この時、泡が本当にひどい状況だったと思うんです。
 こういうことだったんですけども、それで市民団体の方が市の方に何度もきちっと指導したり検査をという要望も出されてきたわけですけども、一般質問で立入調査、この間、広島市は4回行ったと答弁されましたが、処分場の中に入って調査したのか、またどのような状況であったのかお聞きいたします。

(産業廃棄物指導課長)
 本会議の一般質問において、環境局長が答弁しましたとおり、上安産業廃棄物最終処分場への立入調査を行いました。その結果、廃棄物への覆土の一部が不十分であること、進入防止柵の追加設置が必要であること、調整池の排水に泡と臭気があることを確認したことから、事業者に対して改善を指導いたしました。

(藤井とし子議員)
 立入調査で指導しましたということなんですけども、8月26日以前に今年度いつ処分場に立入調査をされたのか。その時はどうだったのか、お答えください。

(産業廃棄物指導課長)
 産業廃棄物処理施設の設置等に関する指導要綱では、処分場の増量変更に当たって、事前に事業計画書を提出することになっており、その計画書が令和2年4月16日に提出されたことから、令和2年4月27日に立入調査を行いました。定期立入調査では、埋立増量の確認、覆土の状況等を確認いたしました。

(藤井とし子議員)
 その時は、今回のような指導はされなかったのでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 4月の立入調査は定期立入調査であるため、このような指導はしておりません。ただし、全ての基準に適合しておりました。

(藤井とし子議員)
 毎年、事業者は水質検査すると思うんですけれども、事業者が行った昨年度の水質検査では異常なかったと一般質問でも答弁されましたが、水質検査については以前はどうだったんでしょうか。一度も異常はなかったんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 事業者は毎月BOD(生物化学的酸素要求量)の水質検査を行っており、事業者が公表した資料によりますと、BODの値は平成30年1月と10月に基準値を超えて検出されております。しかし、事業者が昨年度実施しました水質検査の結果には異常はありませんでした。

(藤井とし子議員)
 値が上がったこともあったと。BODは1リットル当たり20ミリグラムだったと思うんですが、事業者が実施した水質検査の結果、異常が確認された場合、一般的にはどういうふうに対応するべきなんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 通常の数値と異なる数値を検出した場合、事業者自らが検証を行い、調査する必要があります。事業者が検証や調査をしない場合は、本市では指導を行います。

(藤井とし子議員)
 その結果が自ら調査をして改善をしたから、問題にしなかったということでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 そのとおりでございます。

(藤井とし子議員)
 行政も当然検査をこの間行っていると思うんです。BODというのは生物化学的酸素要求量という項目ですけども、こういうのが出たら、本当は出てはいけない有機系のものが一緒に処分されているんじゃないかということが疑われるんです。市のやった行政検査でBODの値はどうだったんでしょう。

(産業廃棄物指導課長)
 本件におきましては、水質基準に適合しておりました。

(藤井とし子議員)
 基準内であったと報告をされていますが、CODの値はどのような結果でしょうか。CODというのは化学的酸素要求量。どちらか一方で良ければいいと判断をされたんだと思いますが、CODはなぜ測定しないのかお答えください。

(産業廃棄物指導課長)
 廃棄物処理法における維持管理の基準では、BOD(生物化学的酸素要求量)又はCOD(化学的酸素要求量)のどちらかを検査することになっており、処分場を廃止する際の基準がBODの値を対象としていますことから、本市ではBODを測定しております。

(藤井とし子議員)
 CODが幾ら高くても、それは分からないということになります。CODを測定していないということで市もしていない。これは何かもう本当、CODを測るべきだと思うんです。市民団体からいろいろ聞いてきたんですけども、広島市の場合、今回、市民団体がいろいろ指摘をして、何とかここも変えてこうしなさいと言ったところは、今回直されたというところで評価をされてると思うんですが、CODについては、ちょっと納得ができないんです。市民団体は独自に調査を行っています。それによりますと、8月は既に基準値の40ミリグラムを超える50ミリグラムだった。10月に再度調査しても60ミリグラムと40ミリグラムを大幅に超えていた。こういうことも指摘をされているんですけども、CODについてはこれからも測定しないんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 これまでお答えしましたとおり、私どもはBODの値を基準として測定しておりますので、CODの測定はしておりません。本市としてもBODをそのまま継続して測定していく所存でございます。

(藤井とし子議員)
 業者もしない、行政もしないということでは、市民は納得できないというか、安心できないというのを改めて思うんですけども、排水処理設備を付けて水質が改善されたから許可したと言われましたが、設備が付けられた以降も泡水はまだ出続けていました。多くの方が見ていらっしゃいますし、写真も提供をしていただきました。これが同じ場所ですけれども、12月過ぎてもまだこういう状況が続いているわけです。
 調整池の排水からの泡水、これはなぜ発生するのか、また泡が発生する原因の調査は行っていないのか、それについてお答えください。

(産業廃棄物指導課長)
 排水が泡立ちやすい状態になっていることなどから、泡が発生してくるものと考えられますが、新たに設置した排水処理設備で処理した排水は、設置前と比較して泡の発生が抑えられています。
 なお、廃棄物処理法では、泡についての検査項目が入っておりませんので、調査しておりません。

(藤井とし子議員)
 普通の水ではないと思うわけですけども、それも明らかにしないまま許可をしたのは、本当にこれは住民に説明できないというふうに思うわけです。
 この度、指導でこうした排水処理設備を付けて改善したからということであるんですけども、本来こういう排水処理設備はないのが普通というか、なくても排水の水質は守られるというか、基準内であるのが本来だと思うんですが、それを付けたのを評価をして認めたということですが、この水質検査の結果に問題がなければ排水処理設備を設置しないはずだと思うんです。これは市も業者もそういう水が出ると、異常な水が出る可能性があるということを認められているのではないでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 広島市産業廃棄物処理施設の構造に関する指針において、最終処分場内の排水を河川等に放流する場合で、生活環境の保全上、必要と認められるときは、当該排水を処理するための処理設備等を設けることが規定されております。この度の変更許可に当たりまして、本市が水質改善の指導を行い、事業者が設置したものでございます。

(藤井とし子議員)
 水質改善を指導するいうことは、水質改善しないといけない状況をこの事業者はずっと行っていたということで、長年にわたってそういう水を流し続けてきたということになるんだと思います。
 もう一つ聞いていきますけども、BOD、先ほどのCODの値が高いという場合は、専門家の意見では、有機系の廃棄物が含まれているのではないか。また、ヒ素についても以前検出されたことを縦覧書類の中でも記載をされています。この時、事業者は公表されたのか、また、市は把握されているのかお答えください。

(産業廃棄物指導課長)
 BODとCODは水質の汚れを表す指標として用いられています。この値が高いとしても、地質や落ち葉といった自然由来からの影響もあることから、一概に廃棄物によるものとは言い難いと考えています。
 事業者が公表した資料によりますと、ヒ素は平成29年9月と12月、平成30年5月に基準を僅かに超えて検出されましたけれども、事業者はその水質結果については、紙媒体により公表しております。ヒ素については自然由来と考えられ、BODは毎月測定しておりますが、継続して基準値を超えていないことから、経過観察といたしました。

(藤井とし子議員)
 市は立入調査をして、調整池の排水溝から年1回水質の調査も行っていると聞いてますけれども、これは公表をするべきだと思うんですが、その点についてはどうでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 本市の水質検査は、処分場の維持管理の把握が必要となる場合に事業者指導のために行うもので、事業者の任意の協力の下、事業者の民有地の調整池内で採水したものです。この検査は公表を前提に行っているものではなく、これまでも公表していません。

(藤井とし子議員)
 市民は、どういう水が出て、どう水質に問題があるのかというのを知るすべがありません。業者は公表をしていると言いましたけれども、今どういう公表の仕方をしているんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 事業者におかれましては、処分場と隣接する事務所で閲覧をしておりまして、紙媒体による公表になっております。

(藤井とし子議員)
 行ってみてそれを見れる状態になってるけども、今、インターネットの公表もということで要望もしていただいていると思うんです。いつでも見れるという状況を作っていかなければ、市民は分からないという点で本当に水質に対する不安は払拭できないということだと思います。
 水質検査についてですけども、市民団体の方が8月、独自に行った結果について分析をされた資料を頂きましたけども、これを紹介します。非常に悪い状態だった時ですけども、熊本学園大学の中地重晴教授ですけども、この方が実際にここで採取をした先ほどのこちらです。ここで採取した結果について書いていらっしゃるのをちょっと紹介しますけども、特徴的な測定結果を示すと、まずCODが50ミリグラムパーリットルと安定型処分場の維持管理基準を超えていることが判明したと。今回の採水地点は、1号調整池の流末の排水管から近くの側溝で採取したために希釈されている可能性が高く、上安処分場の浸出水は更に高い可能性があると指摘をしています。また農業用水基準6ミリグラムパーリットルを大幅に上回っている。このことも指摘をされています。次に、ヒ素が0.009ミリグラムパーリットルと環境基準は辛うじて下回る濃度で検出された。溶解性マンガンが7.1ミリグラムパーリットルと比較的高い濃度で検出されたということと、また、電気伝導度が190ミリジーメンスパーメートルですけども、高濃度で検出されたと。電気伝導度は、一般的に河川水や地下水などに不純物が混入していると電気を通しやすくする性質を利用した指標で、数値が大きくなるほど不純物が多いことを示します。雨水が廃棄物層と接触して、廃棄物中の物質を溶かし出して発生する浸出水に多くの不純物が含まれていることを示す。農業用水基準では0.3ミリジーメンスパーセンチメートルですか、これはもう今回の測定結果は約6.3倍の高濃度であったと。さらに全窒素が22ミリグラムパーリットル、高濃度に検出されたと。農業用水基準の1ミリグラムパーリットルを大幅に上回っただけでなく、その多くがアンモニア性の窒素として存在していることも分かったと。アンモニア性窒素が20ミリグラムパーリットルで、全窒素の9割を占める排水が悪臭を発する原因物質として注意を要するということで、農業用水としては使用することは不適だとはっきり指摘をされております。
 やはりBODとCOD両方測定するのが一般的であると。それをあえてしないのはこれは不適切な対応だと言わざるを得ないというふうにも指摘をされています。
 広島市は公表もできない。実際どうしてそういう状態になってるかも、なかなか説明もしてもらえない。公表も是非していただくようお願いをしたいと思います。法的ないろいろなことがあるかと思うんですけども、それをできる方向で動いていただけたらと思うわけです。
 それから、例えばCOD、BODでも、どちらかというかCODが本当に基準以上だったら、本来止めなければならないのではと。こういうふうに搬入を止めさせて改善をさせる、こういうような提案もすべきだというふうにこの先生は言われております。
 いろいろと市の方は検査の公表はしないということも今言われましたけれども、もう一つ、地質も非常に問題です。地質について大学の先生、専門家5名に意見を聴取されたと言いますけれども、基盤は同じような花こう岩という、これも縦覧の書類ですけども、花こう岩で下には別に遮水シートもなく、こういう浸出のためのものはない。そういう構造にはなっておりますけども、地下水への心配があると思うんです。地質学の先生なんかは、花こう岩は固いようでも非常に亀裂が起こりやすいと。こういう具合に花こう岩は縦に亀裂も起こりやすいので、長年にわたる劣化の中で、今は大丈夫でも地下水への影響があると指摘をされています。
 そこでお聞きしますが、地下水への影響がないと専門家は言われたということですけども、どのように判断をされたんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 事業者からは、処分場の浸出水は地下埋設管により集水しているため、地下水への影響はほとんどないと考えているが、継続した地下水の水質監視を行い、必要性が認められた場合は対策を行うとの回答があり、専門家からも異論はなく、本市としても地下水への影響がないと判断したものです。本市としましては、引き続き事業者から水質検査結果の報告を求め、監視に努めてまいりたいと思います。

(藤井とし子議員)
 ほとんどないと言ってもあるかもしれないということですし、ずっと何年も先まで影響を及ぼす可能性があることですし、地下水の検査を事業者はやっていらっしゃると言われたんですけども、広島市はやっているんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 浸透水のみ検査しております。

(藤井とし子議員)
 地下水はやっていないと、事業者はやっている、だから事業者のやってる値を信じなさいと、そういうことではないかと思うんですけども、これもなかなか住民としては納得できにくいところだと思います。
 それで、水についてですけども、今回、10月に排水処理設備を設置し、水質の改善がなされたため許可をしたと言いますけども、これは抜本的な解決になっていません。今後どう事業者を指導していくつもりか、この点についてはどうでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 調整池に排水処理設備を設置したため、水質は改善されています。今後も調整池の水質検査に併せて、河川水についても水質検査を行うこととしており、継続して監視していくこととしております。

(藤井とし子議員)
 河川水も調査をするということですか。それは事業者がですか。

(産業廃棄物指導課長)
 行政の検査でございます。

(藤井とし子議員)
 是非、河川水の調査を行っていただきたいと思います。
 それも公表はしないんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 これまでお答えしたとおりでございます。

(藤井とし子議員)
 河川水は外ですから市の所です。それも公表しないという答弁ですけども、それも指導のためという理由でしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 行政の水質検査結果は公表を前提に行っているものではなく、これまでも公表しておりません。

(藤井とし子議員)
 きちっとする業者ならいいんですけども、なぜこういうふうに市民団体の方が広島市の上安処分場を見に来て検査までやられているのかということは、特に本郷で同じJAB協同組合がやっている処分場の建設については、同じJABの事業者の方の対応が非常に悪いということがそもそも大きな原因になっています。だから、きちっと適正にやってくれる事業者ならば、こういう裁判にまで訴えてやるということにはならなかったと思うんです。だから、いろんな問題は、本郷の方では住民の方とかなりの紛争じゃないですけども、そういう運動も今起こっているということは、本当に住民に対して誠実に対応するという姿勢がないということが、この本郷の裁判闘争、運動にも表れていると思うんです。業者がやることを全て信用しなさいと市民に言われても、同じ業者ですので、なかなかそれは信用しにくい。そこで、広島市がきちっと間に入って対応していただくことが求められるわけで、市の検査についても、市もちゃんとやってこれでよしというふうに市民が分かれば、それはまた安心できることだと思うわけです。
 河川も今回やられるということです。税金を使って検査をしてるわけですので、市民に責任を持って公表するべきだというふうに思います。
 この水は安佐北区側では太田川につながり、そして安佐南区側は荒谷川から安川へ行って太田川に流れる。正に水源地にあるこの処分場ですから、ここが汚れたものをずっと出し続けたら、広島のカキにも影響する。それと農業、農業用水にもこれはもう基準を超えたものが流れているということが明らかになっているわけですから、こういうものを見過ごしていくということは本当にできないんじゃないかというふうに思うわけです。ですので、住民の不安を払拭、そして業者に対してきちっと対応していただきたい。
 水質と同時に盛土造成、これはこれまでも議会で言ってきたことがあるんですけども、盛土した所が地震で崩れやすいということは度々災害なんかで分かってると思うんです。東日本大震災で盛土造成地が地震の揺れで液状化して、こういうふうに家が崩壊したと。こういうのは近年よく指摘をされています。ここで南海トラフが9年以内にはあるのではという予測もされている中で、こういう土砂が崩壊したら、下の団地へも影響します。そして土石流災害などになれば、住民の命も奪われる可能性もあるわけです。だから、本当に地域の人や地質学の防災士の方たちも、こういう所にこれほどの廃棄物の処分場、そしてこんなにたくさん盛り上げるようなものを本当に造っていいんだろうかという疑問が出るのも、本当に当然だと思うわけです。ここの上安地域も震度が5弱から5を超えるということ。市内はほとんど震度5から6ということで、先ほどのこれから言っても崩れる方向は安佐北、安佐動物園の方にも崩れる、そして上安側にも崩れる、萩原側にも崩れるだろうと、そういう土石流災害が起こりかねない。このことも防災士の方は本当に声を詰まらせて訴えていらっしゃいます。基準がきちっと合ったからと言われるけれども、こうした災害に対する基準については、まだよく法的にもきちっと位置付けられてないのではないかと思うわけです。土砂災害防止対策をこの間もやってるわけですので、是非ここはしっかりと安全なやり方、そしてきちっと指導をしていただきたいと思うわけです。
 もう一つ、疑問なところを少し聞いていきますけども、市は年2回、立入調査を行っているわけですけども、日常的に検査が行われているのかどうかっていうのは、分からないのではないかと思うんです。例えば、廃棄物が処分場に持ってこられて、車から降ろして、そこで検査をするのが展開検査というふうに聞いたんですけども、そういう展開検査をきちっとされているのか分からないと思うんですが、事業者は展開検査をきちっと実施しているのか、それをまた市はどうやって把握されているのかということをお聞きしたいんです。

(産業廃棄物指導課長)
 定期的な立入調査において、事業者の展開検査の様子や展開検査記録を確認しております。今年度は4月27日に定期立入調査を実施しまして確認いたしました。

(藤井とし子議員)
 これだけ入ってくるとなると、毎回市は立ち入るいうことはできないんじゃないかと思いますが、その点はどうやって把握するんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 ただいま回答しましたとおり、定期立入調査において把握しております。

(藤井とし子議員)
 これは定期ですから、毎日ということではできないということには変わりないかと思うんですけども、マニフェスト伝票なんかを直接確認されるんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 委員が申し上げられましたとおり、私どもはマニフェストの伝票を確認しております。

(藤井とし子議員)
 どこから入ってきたとか、入れた会社とかというのが出てくるんだと思うんですけども、そういう確認をされて、廃棄物に入れられてはいけないものは入れないよう、業者への指導をきちっとしていくことが必要かと思います。もう一つ、上安産業廃棄物最終処分場、実際この間、一体どこから廃棄物を受け入れているのか、そしてこれからどうなんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 事業者からの報告では、県内約5割、県外約5割となっております。

(藤井とし子議員)
 何県とか、そういうことは言えないんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 詳細についてはお答えできません。ただし、関東、関西方面というふうには事業者からの聞き取りをしております。

(藤井とし子議員)
 同じ事業者が建設しようとしている先ほどの三原の本郷処分場もほぼ同規模の計画で、県内5割、県外5割ということで同じなんですが、計画書によると排出場所は岡山、島根、大阪、京都、岐阜や静岡、愛知からと広域から廃棄物を集めて処分するということです。ですから、上安のあの地域に広島県でない大量の廃棄物をこれからやるわけですけども、これはいつまでやるとか、そういうことは分かってるんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 この度の変更許可におきましては、許可日から10年間の許可となっております。

(藤井とし子議員)
 10年間にわたって58万トン余りの大量な廃棄物を入れる計画だということが今分かったわけなんです。もう一つ、本会議でも質問しましたが、市民団体の方も今指摘をしておられますけども、廃棄物を埋め立てするときの覆土の問題です。事業者の計画書では、廃棄物をまず2メートル積んで、その後、覆土を0.5メートル、だんだん積んで一番最後は2メートルという、これで間違いないでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 廃棄物は十分締め固める必要があり、最終的には廃棄物の1層の厚さを2メートルとし、中間覆土は0.5メートル、最終覆土は2メートルとする計画となっております。

(藤井とし子議員)
 これは、きちっと計画どおりに締め固めもされるというのは、きちんと監督して確認をされるんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 本市の立入調査の際には、廃棄物の1層の厚さや覆土の高さについては目視確認しておりまして、今後必要に応じて測量や埋立処分の進行状況等について、写真等を活用して適正に覆土されているかどうかを確認していきたいと考えております。

(藤井とし子議員)
 そういうこと一つ一つにやっぱりきちっと監督が要るのかなと思います。年2回だけの立入調査だけで、今後100万トン近い産廃を運び込まれて展開検査をして、その後、埋め立てられていく、そういうことを本当にきちっと指導監督できるのか。年2回だけっていうのは、本当に厳しいんじゃないかというふうに思うわけですけども、測ったり目視だけではなくということで、しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 最後、本会議で計画書の縦覧後の住民からの意見について質問したと思うんですが、許可の要件になっていないと答弁されました。意見を出した人への回答についても、意見を出した人が回答を下さいと言わなければ、これは回答しなくてもいいことになっているんでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 周辺住民等からの生活環境保全上の意見は、専門家が実情に即して、より適切な意見を述べる参考とするためのものですので、本市では提出された方に対して、提出された意見に対する事業者の見解を情報提供しております。

(藤井とし子議員)
 ほかの意見も情報提供しているということでしょうか。

(産業廃棄物指導課長)
 あくまでも本市に提出された方に対して、提出された意見に対する事業者の見解でございます。

(藤井とし子議員)
 そういう仕組みというか制度になってるということだと思うんですけども、だから許可されてしまった後に意見が返ってきたという、これは本当に出した人に対しても、余りいい対応ではないかというふうに思います。
 こういうふうに、住民の意見を無視して許可していくことにするから全国で裁判なんかが頻発するようになっていると思うんです。本会議でも吉瀬議員が述べましたけれども、やっぱり日本弁護士会が本当に長年そういうことに携わってきて、裁判所はもう安定5品目とそれ以外の物質の分別は極めて困難であるという、こういう実態を直視をして、相次いで住民側の訴えを認めているんです。安定型処分場の設置、操業の差止めを容認するという、こういう事例が今増えてきていると言われています。すなわち安定型処分場のこうした概念が、もうこれは絶対大丈夫だと安全だという概念がもう破綻をしていると、いろんな裁判に関わってきた弁護士会が指摘をしてるんです。特に水道水源地に安定型処分場が設置、操業されれば、水道水源が汚染され、多数の住民らに健康被害をもたらすであろうという蓋然性があることを多くの裁判例が認定しているというふうに弁護士会は言っているわけです。ですので、安定型で安全だという、これは今やもう通らないという、展開検査をしても必ず入り込むという、入り込みかねないということが今懸念、警鐘を鳴らされています。
 行政が水質検査をしても、その結果を市民に公表されなければ、市民の不安を無くすことはにはなりません。水質検査の全ての公表と、特にBODだけでなく、CODの検査も規定にきちっと入れていただいて測定をするべきだと思っています。
 また、土砂災害防止の観点からも、標高240メートルもある野登呂山の中腹の谷に標高よりも更に50メートルも産廃を盛土としていく、これが安全だという科学的な根拠を市民に示さないと市民は納得できません。周辺住民の命に関わることなのに、住民への説明も合意もなく許可を出すことは、本当に問題だと改めて指摘をしたいと思います。
 もう一つ最後ですけども、最後に写真を一つお示しします。この看板の字がよく見えないかと思いますけども、ここが調整池の外の柵です。ここに関係者以外の立入禁止、許可なく撮影を禁ずと、こういうふうに大きな看板が動物園に上がる時の右側に立っております。この看板が立つ前に、私も地域の住民の人と一緒に調整池を見に行きました。撮影などもした人もおります。そういうところにある職員が来て、勝手に入るな、そして写真も撮るなと厳しく抗議を受けまして、道路からすぐの所で見える所なんですけども、こういう態度を取られているのが今の業者であります。今からこういう処分場をきちっと整備するという業者が、市民に対してこういう態度っていうのは問題だと思うんですけども、これを含めて今後の市の対応についてどのように考えているのか、最後にお聞きいたします。

(業務部長)
 今回の変更許可に当たりまして、事業者に対しましては、事業者自らが周辺住民等に説明し、理解を得るよう指導しているところでございます。本市といたしましても、今後、周辺地域の生活環境の保全上の支障が生じることがないよう、また処分場周辺住民の安全と安心につながるよう定期的に処分場の立入調査を行うほか、周辺住民の方から不安の声があれば、随時、事業者を指導し、適切に対応していきたいと考えております。
 なお、先ほど委員が申されました河川水につきましても、公表することも検討していきたいと考えております。

(藤井とし子議員)
 一般質問の次の日だったと思うんですけども9日の新聞報道で、住民の指摘や不安の声があれば不定期でも調査をするということも書かれております。これは一般質問の中の再質問でも答弁もなかったので、取材に対して課長さんが答えられたのかと思います。是非、こういう不安の声があるということも知っていただいて、やはりCODも含めて検査もしていただきたいということも要望して終わります。

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