議会での質問・答弁

2021年03月09日

2021年第1回 2月定例会・予算特別委員会 建設関係 中森辰一議員

1.広島駅南口再整備について
2.市営住宅について
 ・空き家について
 ・高須市営住宅の建て替えについて
3.住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進について

1.広島駅南口再整備について

(中森辰一議員)
 発言通告に従って質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、広島駅南口再整備について伺います。この事業は当初、広電の電車のルートを変更して、駅前大橋を経由して、建て替えられる駅ビルの2階部分に乗り入れるのが中心で、そのために南口広場の構造を変える事業費は155億円程度という説明でありました。およそ6年前になるかと思います。この事業のために、軌道の変更などの手続きに関する議案が議会にかけられたりしましたし、昨年でしたか、駅ビルの電車の乗り入れ口に屋根をつけるとか、ペデストリアンデッキの数が増えるとか拡張するということが報告されましたけれども、議会の受け止めというのは、やはり155億円の事業費というのが前提であったと思います。
 ところが、突然360億円、2.3倍だと発表されたのがついひと月余り前のことであります。皆びっくりしました。
 こうした経過の途中で、事業費がどのように増えるという報告はなかったんですけれども、なぜ突然2.3倍の事業費を発表することになったんでしょうか。

(広島駅南口整備担当部長)
 本事業につきましては、平成26年9月の基本方針の公表以降、逐次進捗状況を議会に報告してきておりまして、この中で特に平成31年3月には、大屋根や周辺各方面へのペデストリアンデッキの設置などを盛り込んだ、魅力的な駅前空間の創出についての整備方針を公表しております。
 また、多くの関係者との協議を完了した直後の昨年の9月には、広場のレイアウトをお示しするとともに、事業費についても見直し作業を進めている旨を報告しています。
 このように議会に対しては、適宜事業の進捗状況などをご説明してきたところでございますが、実施設計が終わって工事が本格化する前に、見直し後の事業費を報告・公表したものでございます。

(中森辰一議員)
 昨年の2月に発表された、令和2年度からの財政運営方針では、4年間で110億円の財源不足だということになって、それを克服するための施策がいろいろと書かれておりました。
 今回の360億円の事業費の中で、広島市の直接負担分が170億円となっておりますが、18億円の広電の負担を除いた半分が広島市の負担だと考えますと、155億円の場合は、広島市の負担分は70億円程度だったということになると思います。そう考えますと、この事業費が2.3倍になったことで、広島市の負担が100億円増えたということになるんですけれども、この110億円財源不足だとしていた財政運営方針では、これは予定していた負担なんでしょうか。

(広島駅南口整備担当部長)
 昨年2月に公表いたしました財政運営方針には、本事業において増加する本市の負担額は見込まれていませんが、財政局と協議のうえ、増加する本市の負担については、これまでも複数のプロジェクトの同時並行的な進行を実現させているように、プロジェクト間での優先順位付けや、進度調整などの調整を図ることで対応していくこととしております。

(中森辰一議員)
 そもそも、その並行して進めていくという事業の調整ということもこの100億円はもともと含まれてなかったわけですよね。また総務関係でやりたいと思います。
 2月4日の都市活性化対策特別委員会では、委員の中から、この計画は見直せないのかという質問が出ました。当局は、この計画は他の関係機関と調整したものなので、後戻りはできないという答弁がなされました。
 事業費が突然2.3倍にも膨張したら、誰でも財政のことを考えますし、見直しの声が上がるのは当然だと思います。そうした声に全く断る余地がないほどに、出来上がった形で議会にこの事業費を報告する、これはもう後戻りできない、見直せないものなんだという形で報告するというのは、議会に対して極めて傲慢な姿勢ではないかと私は受け取めましたけれども、その点についてはどうお考えですか。

(広島駅南口整備担当部長)
 先ほども答弁いたしましたように、適宜ご報告できるうる情報についてはご報告させていただいていると認識しております。

(中森辰一議員)
 事業費は報告されてないわけですよ。だから皆2.3倍だと聞いてびっくりしている。この間も、昨日もこの点についてのご質問もあったと思うんですけど、2.3倍に膨れ上がるということ、相当に増えるんだということはもっと早くに報告できたんではないかと思うんですけども、それがなかったというのが問題だと私は思うんですよ。私はこの155億円の事業費が出た時から、お金もないのになぜ今やるのかと反対してきましたし、今の時点では市民への説明でもこれは問題があるよという報告もしてきました。それが2.3倍の360億円と聞いて、本当にとんでもない話だと思ったわけです。
 他方で、この間、子ども医療費とか就学援助、放課後児童クラブ、高齢者交通補助、こういった財政のとの関わりを含めてどうするかという議論も、こういう問題についてしてきましたが、そういう中での2.3倍という問題なんですよ。
 コロナで今でも生活困難とか事業が立ち行かない状況が続いておりまして、これから先も予断を許さないという状況があります。こういう中で、新年度は税収減になるとしておりますし、令和4年も税収減になるかもしれません。
 国の税収は実際はこの30年間まともに増えていないんですけれども、そういう中で、地方交付税措置などの国の税収による穴埋めが将来にわたってなされるのか、これもまた安心できる状況ではないと私は思っています。
 市民の厳しい実態を考えると、市民生活を支える分野の支出が増えていくことも考えられると思います。こういうことを考えますと投資は慎重にあるというのが当然で、少しでも事業費を縮小できないかと考えるのが当然だと思います。
 新年度の予算策定にあたっての依命通達では、新たな借り入れは引き続き抑制せざるを得ない状況にあると書いてあります。まだ工事に着工しているわけでもないのに、どうして見直しができないということなのか。それを説明してください。

(広島駅南口整備担当部長)
 広島駅の周辺地区は、今後とも広域的な交通結節点としての機能を強化していく必要がございまして、陸の玄関にふさわしいまちづくりを進めていくことにしております。
 このうち、広島駅南口は都市計画100年の体系で見ても、広島の顔となるような重要な場所でありますことから、管理機関でありますJR西日本や広島電鉄と連携して、広島の顔にふさわしい場所になるようにしたいと考えております。
 このため、施設規模の削減といった見直しをする予定はございませんが、連携するJR西日本や広島電鉄などの関係者と調整を図りまして、コスト縮減には努めてまいります。

(中森辰一議員)
 ちょっと具体的に聞いておきたいと思うんですけれども、関係機関との調整なんかはやり直しは可能だという風に思いますし、国との関係も、補助金が減るという方向で異を唱えることはないだろうと思うんです。
 例えば大屋根はどうしてもないと電車の乗り入れに問題があるのかどうか。ペデストリアンデッキは7メートル幅ではなくて当初に計画したように4メートル幅に縮小できないのかどうか。そのペデストリアンデッキも、当初計画通りのAブロックとBブロックだけにできないのか。バリアフリー化が非常に大事なことですけども、さしあたってエレベーターだけではいけないのか。新駅ビルの2階への電車の乗り入れがこの事業の中心になっていますが、これと合わせて新たに循環ルートを作るということになっておりますけども、こういった新規ルートも、今やらないといけないのかどうか。こういう風に見直すことができるようなところはいくつもあるんではないかと思います。
 この今申し上げた5つの点について、見直せないのかどうか、見直せないとしたら、どうしてできないのか戸別お答えいただきたい。

(広島駅南口整備担当部長)
 5つの点について順次ご説明をいたします。
 まず大屋根についてでございますけども、路面電車乗降場や、にぎわい空間を覆うといった機能面はもちろん、広島の陸の玄関にふさわしいシンボリックな空間を創出するためになくてはならないものと考えております。
 次に、7メートル幅のAブロックBブロックへのペデストリアンデッキについては、広島駅と広場内の各施設や、周辺外構へ連絡する機能を持つと共に、新駅ビルや大屋根、路面電車が駅に進入する様子などダイナミックな空間を最も感じられる場所になります。このため4メートルの幅の歩行空間とは別に、植栽付きのベンチなどを設置し、行き交う人がゆっくりと憩える幅3メートルのゆとり空間が必要であると考えております。
 またこれ以外のCブロック、日本郵便の新ビルへのペデストリアンデッキについては、基本方針にも示していた通り、構想はあったものの当時接続するCブロックの関係者との調整が整っていなかったことや、接続先の日本郵便の新ビル計画自体が未確定であったことから、当初は事業費を計上することができなかったというものでございます。
 それから、バリアフリー化については、エレベーターの他にエスカレーターを設置することにしております。エスカレーターは現状でも地下広場から南口広場へ、南口広場から自由通路につながる経路に設置をされておりまして、1日あたり約15万人が利用する中四国最大のターミナル駅である広島駅の歩行者に対し高いサービスを提供するため、官民が連携して広場や周辺各建物内に設置する不可欠なものであると考えております。
 次に新駅ビル2階へ乗り入れる路面電車の駅前大橋ルートとは別の、循環ルートについてです。循環ルートは駅前大橋ルートと同時並行して整備することを前提として、地元町内会から提案があったものです。これを踏まえて本事業の実施を判断していることから、その整備を後送りにするということはできません。
 このように、陸の玄関にふさわしいまちづくりを進めていくためには、いずれも必要なものであると考えております。

(中森辰一議員)
 ゆとり空間と申し上げましたけども、歩行者を大事にするのであれば、例えば南北自由通路、ここは本当に歩行者、通る人を大事にしている空間になってるのかどうか。北口だってそうです。そういうことがきちんとできているかどうか、
 これまでも提案してきましたけれども、取り組んでいくという方向性は全く示されていませんよね。炎天下の中で、交通がすごくたくさんあるところで、ゆとりということになるのかどうか。そこら辺もよくよく考えて見る必要があるのではないか。
 いずれにしても、駅を立派にしたら人がたくさん来てくれるという事ではないと思います。特に広島の場合は、広島のアイデンティティを大事にするまちづくりをきちんとやってこそ、内外から多くの方々が来てくださると思いますので、駅ビルだけでこういうことをやっていくということにはならないと思います。
 事業費が発表された都市活性化対策特別委員会で、多くの議員が疑問の声を上げました。155億円だと思っていたら200億円どころか300億円も一気に飛び越えてしまったわけですよ。これまでのいろんな大型事業の経緯を考えますと、400億円になるかもしれません。この360億円の事業の中身を知ったのはわずかひと月前ですよ。これでは市民の声を聞く間もありません。あまりにも安易に事業規模を膨らませたんじゃないか。
 第三セクターの南口開発の経営危機のツケを40年先まで市民負担という形になりました。地下街開発も元々危機が続いていたわけですけれども、コロナでより厳しくなったと思います。
 アストラムラインも市が単年度貸付けを繰り返すという特別措置で乗り切ってきましたが、これもコロナによる乗客減が避けられない中で延伸事業が同時に進められているのです。これまでの大型事業の危機が同時並行で進んでいる。そういう中でこういう巨大事業を安易に進めるべきではないんじゃないかと思います。 この点を改めて申し上げ、財政問題についてはまた総務関係でやりたいと思います。

2.市営住宅について・空き家について

(中森辰一議員)
 次に市営住宅の空き家についてです。広島市が管理する市営住宅の管理戸数はおよそ1万4,600戸ありますが、そのうち市民に現に利用されている戸数と、建て替えなどのために政策的に空けている空き家を除いて、修繕すれば公募できる空き家の戸数をそれぞれ直近のデータで教えてください。

(住宅管理担当課長)
 令和2年4月1日時点で、市民が入居している市営住宅は1万1,752戸で、空き家のうち、いわゆる政策空き家を除く一般空き家は1,541戸です。

(中森辰一議員)
 同じく、市営住宅に入居していた住人が退居して、新たに空き家になったのは最近の1年間でどれだけあるのか教えてください。

(住宅管理担当課長)
 昨年度返還された住宅は522戸です。

(中森辰一議員)
 もう一つ、広島市では年に4回公募しておりますが、今年度令和2年度の空き家の公募数はどれだけあったのか、のべではなくて実数を教えてください。

(住宅管理担当課長)
 今年度、定期公募において461戸の住宅を公募しました。

(中森辰一議員)
 空いた数が522で、公募した数は461ということですから、空いた数よりも公募できた数が少ない。これが今から申し上げる問題の大元になっておると思います。市営住宅は、市民に使ってもらって市民福祉の向上に役立てるためにあるわけですから、市営住宅が空いていれば、基本的に全部を市民に提供できるようにするのが当然だと思います。
 ただ現状で政策空き家があるのは当面やむを得ないとして、修繕して公募に出して、市民に提供するべき市営住宅が、1,541戸空いているにも関わらず、実際に修繕して市民に提供するために公募できたのは461戸しかない。単純計算ですが、修繕さえすれば市民にに提供できる市営住宅が1,000戸余りも空いた空いた状態になっています。せっかく貴重な税金を使って建設した市営住宅が、修繕さえすれば市民に提供できる、市民の福祉の向上に活用できるのに、修繕費が足りないので市民に使ってもらえない状態の市営住宅が1,000戸余りもあるのです。いわば政策目的に反する状態になっているのではないか。こういう住宅が1,000戸余りもある状態、これは当局としてどのようにお考えでしょうか。

(住宅管理担当課長)
 市営住宅の空き家は、返還を受けて、空き家となってから入居に至るまでには、入居者が退去した後、残置物を整理して、返還手続きを終え、住戸を修繕した後、公募や入居の手続きを行う必要があります。
 また、部屋の状況により異なりますが、多くの空き家の修繕を計画的に実施する必要がありますので、最低でも半年程度、実際には1年以上かかりますので、常に一定数の空き家が発生することは避けられません。そのような一定数の空き家についても、一般空き家に含めて整理しています。
 毎年度500戸程度の住宅が返還されますので、修繕期間を考慮すると1,000戸程度の住宅が空き家となりますが、残りの数百戸については必ずしも有効に活用できていないという面もあると考えています。

(中森辰一議員)
 来年度の当初予算の説明資料を見ましたけれども、これから一年間にどれだけの市営住宅は修繕して公募に出そうとしているのかということが分かる説明がないんです。この予算ではどうなってるでしょうか。

(住宅管理担当課長)
 令和3年度予算では、指定管理料に占める空き家修繕費は約3億4千万円です。5年前の平成28年度と比較して約8,500万円多い予算を確保しようとするものです。住宅の修繕に要する費用は、それぞれの住宅の状況により異なりますが、昨年度は一戸あたり平均修繕費は約67万円ですので、これを単純に当てはめると約500戸になります。

(中森辰一議員)
 来年度の予算では、およそ500戸作る予算になっているということでした。それだけの修繕をして、公募に出すとなった場合、結局1,000戸あまり空くということになるんじゃないでしょうか。大体返還数500戸余りあるわけですから、この1,000戸というのはなかなか埋まらない。
 先ほど、空いても修繕などに長くて1年間ほどかかるとおっしゃいましたが、それにしても年間500戸しか修繕しないのなら、この1,000戸はずっと空きっぱなしです。500戸空いたら500戸直すのに1年かかるのであれば、残りの500戸を修繕する計画が必要だと思います。
 この予算では来年と同じぐらいの戸数しか埋められないということになります。一挙には空き家を解消できないでしょうから、予算を増やして、500戸を3年程度で修繕していくという取り組みをやる必要があると思いますが、この点はどうでしょう。

(住宅管理担当課長)
 入居者が退去した後、空き家を修繕し、新たな入居に至るまでの間、さらに一定数の空き家が生じることは避けられませんが、それを超える空き家については、その解消に向けた取組が必要であると認識しています。
 このため、まずは空き家の状況を詳細に確認・分析し、活用するための課題を整理した上で、対応を検討することとしており、今後、この分析・検討作業を踏まえて計画的に空き家の解消を図るための取り組みを進めていきたいと考えています。
 この分析の中で、空き家については、設備の問題、退去者の残した残置物の問題や、交通等の利便性が悪く市民ニーズの低いものなど、様々な要因があり、これらが複合的に重なっていることが明らかとなってきました。
 それが表れている一例として、昨年度ののべ567戸の住宅を公募したところ、約3割に相当する175戸については応募がなく、これらの住宅を先着順で申し込みができるよう提供しましたが、申し込みがなく空き家となってる住宅があります。
 また、定期公募における応募者数も、5年前の27年度は延べ7,549人だったのに対し、昨年度は6,101人、今年度は5,723人と減少傾向にあり、実数でも5年前の3,715人程度から、昨年度の3,037人と減少しております。
 こうした状況を踏まえ、これまではなるべく多くの住宅を修繕して公募する戸数を増やすよう取り組んできましたが、今後は多少修繕単価が高額になったとしても、応募が見込まれる一定の市民ニーズのある住宅を優先的に修繕し、公募を行うことも検討していきたいと考えています。
 いずれにしても、空き家の解消に向けた分析検討作業には今しばらく時間を要すると考えております。

(中森辰一議員)
 計画的に取り組むとおっしゃいました。確かに利便性の悪いところはあります。そのことと、今のマネジメント計画は7年までですが、次の段階でどう考えていくのか、検討の余地があるかとおもいます。ただ、14,600戸ある管理戸数をどうするのかというのは、民間住宅の状況であるとか、ニーズも捉えていく必要があると思いますので、その点も含めてお考えいただきたいと思います。

・高須市営住宅の建て替えについて

(中森辰一議員)
 続いて、高須市営住宅の建て替えのことです。高須の市営住宅を建替えて、12階建ての高層建物を作るという計画に対して、地域住民の反対の声が極めて大きく、一旦中止を余儀なくされました。これについて昨年6月以来質疑を行ってきました。
 その際に、建て替えが必要になるほど老朽化が進行しているということですから、当然建て替えは必要です。それで、来年度予算で何らかの措置ができるように検討を急いでくださいと要請してきたところです。
 ところが今回の予算には何も入っていません。一旦中止を決めて以降の建て替えについての検討はどうなっているのかお答えください。

(住宅整備課長)
 高須住宅については、周辺住民から、一定数存在する市営住宅の空き家のあり方を疑問視する意見もいただいております。本市としても、区内の空き家調整を含めて、まずは市営住宅における空き家状況の調査分析や、空き家に関わる考え方の整理などを行っているところでございます。
 合わせて高須住宅から他の市営住宅へ移転を希望された方に対しては、移転先の空き家修繕行うなど、移転の準備を行っているところであり、今後も引き続いて、入居者の意向に沿った形で丁寧な対応をしていきたいと考えております。

(中森辰一議員)
 ということは、予算もないわけですから、来年度は全くこの問題は進まないということですか。

(住宅整備課長)
 来年度におきましては、先ほどご答弁させていただきました通り、引き続き空き家状況の調査分析などを行う予定としておりまして、これと並行しまして市営住宅マネジメント計画に沿った方法として、どのような対応が可能なのかについて内部で検討を行うこととしております。

(中森辰一議員)
 先ほど利便性の問題も言われておりましたが、高須は非常に利便性の高いところです。バス便でも電車の便でも、非常に近いところにありますし、平地ですから特に高齢者や障害のある方にとっては、きちんとバリアフリーの対応をすれば、需要の高い場所になるんではないかと思います。
 ここに建て替えないということは考えられません。マネジメント計画は、来年度から後半の期間に入っていきます。だから前半のうちに取り掛かるということなったわけです。後半の部分にはもう予定があると思いますから、これを放っておくと当面の計画の中から外れる可能性もあるのではないかと危惧しています。そうならないよう、予算はついていませんが、ぜひ来年度のうちに見通しをつけていただきたいのですが、その点はどうでしょう。

(住宅整備課長)
 今回の、一旦中止に至った経緯などを考えますと、空き家状況の調査分析や、空き家戸数の検討などを踏まえて、住宅戸数の方向性について整理した上で、周辺住民の方にもお示ししていく必要があると考えております。
 その上で、実際に建て替え計画の検討を行う際には、地域のまちづくりの動きや、都市計画のルールや、周辺の建物の将来的な動向を踏まえながら、市営住宅マネジメント計画に定める方針に沿って、私有地の有効利用、最適な利用が図れる観点から改めて整理していく必要があり、一定の時間を要するものと考えております。

(中森辰一議員)
 交通が遠いなどで、いくら募集をかけても応募者がいないところはいくつもありますが、それとは違い、ただ老朽化して建て替えの必要があるというだけの住宅なんです。この敷地も大事にしていただきたいと思いますし、早急に方向性が出せるように取り組んでいただきたい。
 また折を見て取り上げていきますので、よろしくお願いします。

3.住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進について

(中森辰一議員)
 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律というのがありまして、平成19年に公布され、平成29年に改定されました。この法律の対象となる世帯が、民間住宅を含めた、その属性に応じた適切な規模・構造等を有する賃貸住宅に円滑に住むことができるようにするために、国と自治体が一緒になって計画を立てて事業を推進することで、市民生活の安定・向上と社会福祉の増進に寄与することを目的とする法律です。
 対象世帯は、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯と法律に書いております。広島市では、さらに性的マイノリティ、海外からの引揚者、原子爆弾被爆者、戦傷病者を加えたと先日の建設委員会で報告されました。
 この政策を推進するにあたって、地方自治体の役割は大変重要だと思っています。広島市として、この事業の必要性重要性について、どのように認識しておられるのか、それから政策を実効あるものにするために市としてどのように進めていくのか教えてください。

(住宅政策課長)
 本市においても、法の趣旨と地域の実情等に応じて、委員御指摘のセーフティネット住宅制度及びその登録制度を運用していくことが重要であると考えています。
 この制度を実効的に進めていくためには、広島市居住支援協議会のお話を聞いたところ、例えば高齢者など住宅確保要配慮者による家賃滞納や孤独死に対する懸念など、賃貸人の不安が登録の妨げになっているのではないかなどの意見がありました。このため、先ほど広島市居住支援協議会において、住宅確保要配慮者の実態把握に努めるとともに、高齢者の見守りなど、必要な居住支援サービスについて整備し、不動産関係団体等を通じて、賃貸人への情報提供などを行うことにより、セーフティネット住宅の登録を促進していきたいと考えております。

(中森辰一議員)
 まだ広島市として取り組もうとしてる内容が、よくわからないところがあるんですけども、広島市内で民間の賃貸住宅がどの程度空いているのか、分かっている範囲でいいので市がつかんでいる状況を教えてください。
 それから、その中で今回の施策目的に適う住宅がどの程度あるとお考えでしょうか。
 もう一つ、広島市内でこの施策の対象者はどれだけか。世帯数もしくは人数をわかる範囲でお答えください。

(住宅政策課長)
 まず賃貸住宅の空き家がどの程度あるのか、平成30年の住宅土地統計調査によると、本市の民間賃貸住宅の空き家空き室は4万1,400戸でございます。
 同じく住宅土地統計調査を基に推計いたしますと、耐震性や床面積などの登録基準を満たす空き家空き室は約1万5,000戸となっております。
 施策対象者は、国の方針では高齢者や障害者などの住宅確保要配慮者のうち、民間賃貸住宅への入居にお困りの方であるとされています。
 本市における住宅確保要配慮者に該当する属性の世帯等については、例えば、高齢単身者世帯が5万9,000世帯。障害者手帳保持者が約6万7,000人ですが、実際に入居にお困りの方ということになると、今のところ実数は不明でございます。

(中森辰一議員)
 実は、困っている人、特に高齢者はこれからどんどん増えていきます。未知の数ではありますが、実際に民間住宅に住んでおられて、建て替えなどいろんな理由で出なければならない場合、新たに引っ越そうと思っても、引っ越し先がなかなか見つからないという実態が現にあるのです。
 住宅はあらゆる福祉施策の土台です。これがないと福祉の施策が成り立ちません。市民が住宅を安定して確保できるようにすることが、行政の福祉施策の中で、柱に位置付ける必要があります。そのように位置づけることになっているのでしょうか。
 それから、国が公表しているデータによると、要配慮者用として登録された住宅は、昨年7月までに全国では8万戸余りになっており、今年度末までの目標17万5,000戸、もう3月ですからそこまでできないとは思いますが、目標はそうなっています。そういう数字から見ると、広島市ではまだ30戸しかないんです。広島の動きは大変遅いと思います。対象となる市民に対して、人間らしい暮らしができる住宅を確保できるようにするために必要な施策を取ることが必要です。
 そこで、供給促進計画を作ることなっていると思いますが、いつまでに作ろうとお考えなんでしょう。

(住宅政策課長)
 先ほど一部申し上げましたが、本市は平成30年度に住宅部局及び福祉部局が事務局となり、広島市居住支援協議会を設立し、連携して取り組んでいるところです。
 広島市居住支援協議会において、先ほどお話ししたとおり、高齢者の孤独死など、賃貸人が住宅確保要配慮者の入居に不安を感じていることから、セーフティネット住宅の登録促進において課題があるとの意見があったことから、当面はこの課題に重点的に取り組んでいくと共に、入居制限などの実態、実数の把握についても努めてまいりたいと考えています。
 このため、現状においては賃貸住宅供給促進計画を作成する状況にはないと考えています。

(中森辰一議員)
 いずれにしても、相談しながら計画を作っていく必要があると思いますので、引き続き見守りつつ、時期を見てまた提案をさせていただきたいと思います。

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