議会での質問・答弁

2021年02月22日

2021年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議案質疑 中森辰一議員

第121号議案
1.財源等について
2.新型コロナウイルスワクチン接種事業について
3.高齢者いきいき活動ポイント事業団体へのタブレット端末貸し出し事業について
4.飲食店事業者応援支援金負担金について
5.雇用調整助成金申請書類作成支援について
6.サッカースタジアム建設の推進について
7.補正予算策定のあり方について
8.学校の情報環境整備について
9.子ども医療費補助事業の減額補正について
10.第128号議案及び第136号議案 家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの支援事業の減額補正について
11.第141号議案 契約の締結について


1.財源等について

(中森辰一議員)
 日本共産党市議団を代表して、令和2年度関係の議案について、質疑を行います。
 質問が多岐にわたりますので、しばらくの間ご協力をお願いします。
 まず、補正予算です。補正予算総額225億7800万円余りのうち国の補正予算等に伴う補正ということで170億5600万円余りが計上されています。
 まず、国の補正予算に伴う補正額170億円余りの内、国から支出される財源はどれだけか、お答えください。

(財政局長)
 国の補正予算等に伴う一般会計補正額170億5,606万5千円のうち、国庫支出金は136億8,223万1千円です。

(中森辰一議員)
 また、この補正予算170億円余りの内、新型コロナウイルス感染症対策関連ということで、23項目にわたる112億5300万円余りが計上されていますが、この中で、市が事業委託している団体に対する委託額の追加措置や現実に令和3年度分と表記した事業も複数あります。この23項目の内、執行時期や対象となる期間が令和3年度となる事業は何項目か、お答えください。

(財政局長)
 新型コロナウイルス感染症対策関連の一般会計補正予算23事業のうち、令和3年度に全額繰り越す事業は、バス、路面電車などの交通事業者支援事業など17事業です。


(中森辰一議員)
 また、112億5300億円余りの事業費の内、どれだけが国から支出される財源か、お答えください。

(財政局長)
 また、この23事業の予算額112億5,388万5千円の財源のうち、国庫支出金は111億4,102万9千円です。

(中森辰一議員)
 また、コロナ関連として計上された112億円余りの予算に関わる国の財源は、コロナ関連としてであれば、どのような事業にも活用可能な財源なのかどうか、お答えください。

(財政局長)
 この国庫支出金の中には、新型コロナウイルス感染症への対応を目的とする各種の地方単独事業に充当できる地方創生臨時交付金のほか、特定の事業に使途が限定されている国庫負担金などが含まれています。

(中森辰一議員)
 国の令和2年度第3次補正予算でコロナ対策として広島市に配分される財源の内、広島市が独自の事業に活用できる財源はどれだけあるのか、お答えください。

(財政局長)
 国の第3次補正予算により措置された地方創生臨時交付金の本市への交付限度額は、36億6,111万円です。

2.新型コロナウイルスワクチン接種事業について

(中森辰一議員)
 次に、新型コロナウイルスワクチン接種事業で69億円余りが計上されています。
 総括質問の中でも質問があったテーマですが、改めて確認させていただきます。
 69億円余りの内、事務費が14億円余りあり、接種券の送付、コールセンターの運営などとなっています。一般市民への接種は4月からとされていますが、接種券の送付はいつまでに完了する計画でしょうか。

(保健医療担当局長)
 現時点における国からの通知を踏まえ、65歳以上の高齢者の接種券については、3月下旬に発送できるよう準備を進めています。
 また、65歳未満の方への接種券については、国からは具体的な日程は示されていませんが、4月中に発送できるよう準備をしておく必要があるとされています。

(中森辰一議員)
 また、コールセンターはどこに委託するのか、その委託先を選定した理由は何か、その委託費はどれだけか、それぞれお答えください。

(保健医療担当局長)
 新型コロナウイルスワクチン接種に係るコールセンターについて、一般的な相談や間合せに対応するコールセンターは、広島県が県内分を一括して業者に委託し、各市町に費用負担を求めることになっています。委託先は複数業者に見積もりを依頼した結果、日本トータルテレマーケティング株式会社に決まり、県からは相談窓口の設置費用として、令和2年度2月補正予算額で1億8千764万5千円を計上していると聞いています。なお、本市の費用負担額については、現在県と調整しているところです。
 また、接種予約を受け付けるコールセンターは、本市単独で設置することにしていますが、現時点では、コールセンター業務の実績等を有する事業者と内容を協議しているところであり、委託先は決まっていません。

(中森辰一議員)
 また、広島市内の接種は集団接種、医療機関での個別接種、両方考えられますが、どのように進めていくのか、方向性は出ているのかどうか、それはどういうものか、まだなら、いつごろをめどにそうした方向性が出されるのか、お答えください。

(保健医療担当局長)
 本市が行う市民への接種は、これまでも御答弁しているとおり、各区の保健センターなどの公共施設や、民間商業施設などに会場を設置して接種を行う「集団接種」と、医療機関等で行う「個別接種」とを、どのようにして組み合わせると利便性が高くなるかという視点に立って検討を行っており、65歳以上の高齢者に接種券を発送する3月下旬までには方向性をお示ししたいと考えています。

3.高齢者いきいき活動ポイント事業団体へのタブレット端末貸し出し事業について

(中森辰一議員)
 次に、高齢者いきいき活動ポイント事業を実施する団体にタブレットを貸し出してオンラインで体操などを実施するという事業が行われていましたが、その通信費を令和3年度も負担するために、国の補正財源を活用するということです。
 タブレットを貸し出す対象の地域団体の内、どれだけの団体に貸し出されたのか、その実績を教えてください。
 また、貸し出しを受けたいと手を挙げた団体すべてにタブレットが行き渡ったのかどうか、お答えください。

(健康福祉局長)
 タブレット端末については、地区社会福祉協議会を窓口として、ポイント事業の登録団体から利用希望を募った結果、申し出のあった450団体全てに貸与しています。

(中森辰一議員)
 また、貸し出されたタブレットが、有効に活用されているのかどうか、どのように活用されたか、そうしたことについて調査されたのかどうか、調査されるお考えがあるのかどうか、お答えください。

(健康福祉局長)
 タブレット端末については、具体的な活用を予定していた複数の団体の状況を確認したところ、活用事例として、

・高齢者交流サロンの会場に設置したタブレット端末を高齢者の自宅のスマートフォンとリモートでつなぎ、同会場に集まった高齢者と在宅の高齢者が画面を通して会話する

認知症講座の会場に設置したタブレット端末を遠隔地にいる講師や一部の参加者のパソコン等とリモートでつなぎ、同会場に集まった高齢者と遠隔地の高齢者が同時に講座を受講する

・地区社協に設置したタブレット端末を特別養護老人ホームや病院のパソコンとリモートでつなぎ、地区社協会長等が見守りを兼ねて入所者又は入院中の高齢者との面会を実施するなどがありました。
 今後は、適宜、タブレット端末を貸与した全ての団体の活用状況を把握したいと考えています。

4.飲食店事業者応援支援金負担金について

(中森辰一議員)
 次に、飲食事業者応援支援金への負担金として1億4000万円が計上されています。
 これは、県が実施する第2次新型コロナ感染防止集中対策期間において、営業時間の短縮等の要請対象外となっており、かつ、令和2年12月又は3年1月の売り上げが前年同月比で30%以上減少している飲食店等を運営する事業者に対して、1店舗30万円を支給する事業での広島市の負担金です。
 これは、これまで時短要請の対象となっていた店舗に対する支援だけではなく、そうでない店舗も売り上げが落ち込んでおり、支援の対象として追加したものです。これらの支援金の対象となる飲食店等の経営の現状は、最も身近な行政である広島市として把握しておられるものと思いますし、私たち日本共産党市議団も飲食店等に限らず繰り返し支援の必要性について、市にも要請してきたところですが、そうした実態を考えると、今回の支援措置では、まだまだ不十分ではないかと思うところです。市長は、現状の支援についてどのようにお考えでしょうか、答弁を求めます。

(経済観光局長)
 新型コロナウイルス感染症により影響を受けている事業者の支援については、国・県・市の役割分担を念頭に置いた上で、本市は「共助」による取組を支援することとしています。
 また、この考え方を基に、2月2日に県から 「第3次新型コロナウイルス感染拡大防止集中対策(素案)」に対する意見照会があった際にも、「営業時間の短縮等の要請を行った飲食店の取引先や、不要不急の外出及び移動の自粛により影響を受けた事業者も幅広く支援されるよう、国及び県において一層の措置を講じること」を本市の意見として表明しているところです。

(中森辰一議員)
 また、新型コロナの感染拡大で営業の自粛や休業を要請した飲食店等に対しては、店舗の規模に関係なく一律であることなど、極めて不十分ではありますが、一定の額の支援が行われますが、対象となる飲食店等への納入業者に対しては、何の支援もないということが各方面から指摘され批判されています。また、飲食店等やそこへの納入業者ではない業種でも、この1年の新型コロナ感染拡大の影響で、売り上げが大きく落ち込んだりして経営がひっ迫している事業所はたくさんありますが、1回きりの持続化給付金ではとても賄えない状況でしょう。
 そうした広島市内の事業経営者の実態を考えたとき、県が実施する一律の支援措置の財源を負担するというだけでなく、市としてもっと実態に即した独自の支援措置を実施するべきではないかと思います。あとで出てくる、市内飲食店への15万円の支援措置がありますが、これは到底足りる金額ではありません。
 新型コロナウイルスのために、つまり、何も経営上の責任がない状態で存続の危機に追い込まれている事業者を尻目に、巨額の予算を立てて大型事業をいくつもスタートさせる余裕があるなら、まずは広島市で事業活動によって税金を払い、そういう形で市の事業を支えてきた、数多の事業者のために、市独自に、積極的に支援を行うように考えるべきではないか、というのは困難に直面している多くの事業者の率直な思いでしょう。県の事業を支援するというこの補正予算措置を考えるにあたって、やはり市の姿勢が問われているのではないかと考えますが、どのようにお考えかお答えください。

(経済観光局長)
 現在、生じている個々の事業者の経営努力では遠く及ばない厳しい状況は、新型コロナウイルス感染症対策として、国で制定した法律に基づき、経済活動を抑制してでも新型コロナウイルスの感染拡大防止を優先するとの判断め下で、県が実施した営業時間の短縮や不要不急の外出の削減等の要請に起因するものであり、これへの対応措置については、基本的には国及び県が責任を負うべきものと考えています。
 こうした認識の下、国民からの税金を用いて行う支援策については、国・県・市の役割分担を念頭に置いた上で、事業者に対する直接的な支援の取組は国・県で行い、それを補完・補強するための事業者同士が連携した「共助」による取組の支援を本市で行うこととしているところです。
 そうした中で、2月19日に、県から、「外出機会の削減要請等による影響を受けた県内中小企業者を支援する市町に対して、県が事業費の一部を補助する制度を創設する。」との発表がありました。
 本市としては、今後、県の市町に対する補助制度の内容を確認した上で、これまでと同様の考え方の下、この補助制度を活用した支援策について検討していきたいと考えています。

(中森辰一議員)
 次に、雇用調整助成金の申請書類の作成を社会保険労務士に委託する中小企業者に対して、その委託費を支援する事業を継続するとして、1億円の予算が計上されています。
 この予算額1億円は、どの程度の件数を見込んでいるのか、これまでの制度で、どれだけの利用があったのか、お答えください。

(経済観光局長)
 まず、これまでの利用状況ですが、この補助事業は、令和2年6月から実施しており、令和3年2月16日現在で、申請件数は1,202件、申請額は1億982万9千円、そのうち交付決定件数は1,140件、交付決定額は1億426万4千円となっています。
 また、この度の補正予算に計上した1億円は、雇用調整助成金の特例措置が延長されたことを踏まえ、これまでの申請実績からその件数を1000件と見込んでいます。

5.雇用調整助成金申請書類作成支援について

(中森辰一議員)
 雇用調整助成金制度の特例措置は、いまのところ4月末までの制度となっていて、感染が拡大している地域に対してだけ6月末まで延長するとされています。つまり、新型コロナで苦しんでいる企業や労働者を救済しようというこの制度は期限があるわけです。しかし、新規感染確認数が随分と減ってきている広島市でも、いまだ終息が見通せる状況ではない中で、経営的に苦境に陥っている企業が労働者を解雇しようとする事態は当分続くと考えるべきだと思います。そうすると、4月末までという制度では実態に沿ったものとは言えません。
 市として、市内の企業の経営状況や労働者が置かれている実態を把握し、政府に対して制度の大幅延長を要請する必要があると考えますが、どのようにお考えかお答えください。

(経済観光局長)
 雇用調整助成金による事業者への助成は、新型コロナウィルス感染症により影響を受けた事業者が労働者の雇用を維持する上で、非常に重要な制度であると考えています。
 そのため、国に対して、指定都市市長会と連携し、これまで累次にわたり、雇用調整助成金の特例措置の期間延長について要望を行ってきたところであり、本年1月にも重ねて要望したところです。

6.サッカースタジアム建設の推進について

(中森辰一議員)
 次に、コロナ関連以外の国の第3次補正予算に伴うものとして、「サッカースタジアム建設の推進」18億8400万円が計上されています。「サッカースタジアム建設の推進」という予算項目は、令和3年度当初予算にもあり、54億3071万6千円が計上されています。この来年度当初予算にある54億円余りの予算項目にはサッカースタジアム建設関連の4項目がすべて計上されていますが、この補正予算にある、18億円余りの予算はサッカースタジアム等整備と説明されています。
 この補正予算の18億円余りは、スタジアム本体の建設費だけか、それ以外の費用を含むのか、その内容を説明してください。

(都市整備局長)
 2月補正予算では、スタジアムだけでなく、スタジアムと合わせて一括発注を行う広場エリア、ペデストリアンデッキの整備に係る事業費が含まれています。

(中森辰一議員)
 今回の補正予算は来年度当初予算と一体の予算であり、来年度から建設工事をスタートさせるものです。しかし、県は来年度予算ではサッカースタジアム建設について、何らの予算も計上しておられず、事業費の総額およそ271億円の内50億円余りが不明のまま建設工事をスタートさせることになります。
 この事業についての市民負担は、未だ定まっていないということであり、仮に、後から市の負担が増えるということになった場合は、市民に負担について誠実に説明をしなかったということになります。これは、後から大幅に市民負担が増えることになった高速5号線の問題と同じようなことに、結果として、なるのではないでしょうか。

(都市整備局長)
 サッカースタジアム建設の費用負担については、県が「応分の負担をする考えであり、事業スケジュールに支障のないよう適切に対応していく」という考え方を示す中で、本年度末には県が求めている実現可能な具体案を明らかにし、できるだけ早期に県との応分の負担について合意できるよう取り組んでいるところであり、5号線の問題と同じようになるとの御指摘は当たらないものと考えています。

7.補正予算策定のあり方について

(中森辰一議員)
 補正予算の説明では、補助内定による追加額8億円と国の補正予算に伴う追加額10億8400万円で構成されている、となっています。補助内定による追加額8億円は、もともと予定されていたものですが、国の第3次補正予算に伴う補正10億8400万円は、今年度としては予定外の補正を行うことになります。
この補正予算部分は実際は来年度に動いていく部分だということでしょうから、来年度は、当初予算では54億3千万円余りの予算を組んでいるところですが、実際は、国の15か月予算の施策に乗って、サッカースタジアム建設関連の総事業費およそ271億円のうち、73億円余りの事業が行われるということでしょう。
 このような予定外の補正が今回は多いと思いましたので、今回の補正予算全体でどうなっているか、リストアップしてみました。すると、国の第3次補正予算に伴う補正の内、緊急性のあるコロナ関連以外の補正予算項目で、特に市が新たに市債を起こしたり、一般財源を工面したりする必要のある事業が18項目あり、予算総額でおよそ50億円ありました。これに伴って新たに起こした市債は総額で28億円余りです。これとは別に、企業会計で1項目、12億7400万円の補正予算がありました。
広島市にとっては、少しでも事業が進んでいくことは望ましいことだ、ということになるのでしょうし、これらの予算項目一つ一つが必要のない事業だというつもりはありませんが、果たしてこんなやり方がいいのか疑問です。
 そもそも、国にしても地方自治体にしても、1年間にどれだけの事業を実施するかを、国民、市民の暮らしの実態、国の経済、地域経済の実態、人々の要求の実態とそれぞれの財政状況をみて検討し、1年間の予算を編成し議会に提案、議決して執行するのが当初予算です。補正予算は、様々な事情から当初予算に組み込むことができなかった事業や、災害や今回のコロナの感染拡大など、緊急に必要となった事業を行う、あるいは事業費の過不足を補うために臨時に編成するものです。
 次年度に行う事業として当初予算で計上するべきものを、15か月予算などと称して、前倒しして当年度の補正予算に組み入れて、結果として次年度の1年間の事業費を大きく膨らませてしまうと同時に当年度の予算規模を大きく膨らませてしまうのは、事業の是非などだけではなく、税収などの増減や債券の発行額の規模やその是非などの財政の検討を含めた当初予算の審議を形骸化し、当初予算で予定した財政状況を悪化させかねない、財政規律をも無視するやり方で、大きな問題があると考えます。国が補助金を出すとは言っても半分ですから、残りは市債などということで、市の財政にも影響を及ぼします。
 市民に対する説明という点でも、実際は令和3年度に行う事業が、それだけ増えるということで、現実の予算規模が当初予算で示した額と違うわけですし、新たに発行する市債総額も最初から42億円余り多いものになることが、当初予算の説明だけではわかりません。
 市債も伴う建設事業は、市の将来の財政見通しも含めて検討される必要があるものですから、当初予算で見通した以上に市債が大幅に増額されるのは問題があると思います。財政当局はこのことについて、どのようにお考えか、お答えください。

(財政局長)
 本年度の2月補正予算に計上している建設事業については、国の「15か月予算」で措置された国費を積極的に活用し、令和3年度に執行する予定の事業を前倒して編成したものなどであり、このことにより、市債が大幅に増額されるというものではありません。
 市債残高については、財政運営方針を踏まえ、臨時財政対策債等を除いた残高の抑制を図ることなどにより、引き続き、健全な財政運営に努めてまいります。

8.学校の情報環境整備について

(中森辰一議員)
 次に、国の第3次補正予算に伴う補正予算として、学校の情報教育環境整備として、2250万円が計上されています。全額国の補助金で賄うということですが、広島市立高等学校等の低所得世帯の高校生にタブレット端末を貸し出すために、そのタブレット端末を購入するための予算だとされています。
 低所得世帯で、自前でタブレット端末を購入するのが困難な世帯の状況を考えての事業である、となると、自宅でのWi-Fi環境も貸し出すことが必要になるのではないかと考えるわけですが、それも併せて予算化されているのか、そうでないとしたら、この点はどのようにされるお考えか、お答えください。

(教育長)
 自宅にインターネット接続環境がない児童生徒に対しては、子どもの学びを保障する観点から、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う学校の臨時休業等の際には、モバイルWi-Fiルータを貸し出し、通信料についても本市で負担することにしています。貸し出し用ルータについては、昧に予算化済みで、本年度末までに600台を整備することとしており、広島市立高等学校の生徒もその対象に含まれています。

 一方、高等学校の生徒については、こうした臨時体業等の緊急時以外においても、家庭学習などでインターネットを日常的に利用することが想定されますが、各家庭における多様で幅広い利用の中で、家庭学習等での利用を特定することは困難であり、緊急時以外の、通信料を含むインターネット接続環境は各家庭の負担としていただくよう考えています。
 その際、低所得でその負担が困難な家庭への支援策として、住民税所得割非課税世帯等を対象に(端末の貸し出し対象と同じ)、通信費を含む教育費の一部を国が給付する丁広島県高校生等奨学給付金」があり、また、その対象とならない場合でも、一定の収入基準額以下であれば、「広島県高等学校等奨学金」の貸付制度がありますので、こうした制度を積極的に活用していただくよう、制度の周知を図っていきたいと考えています。
 なお、この取扱いは、本年度から先行してタブレット端末を導入している広島県立の高等学校と同様となっています。

9.子ども医療費補助事業の減額補正について

(中森辰一議員)
 補正予算の最後に、子ども医療費補助が4億2千万円余り不用額として減額補正されています。23億円余りの予算の内2割近い予算を残してしまったわけですが、その原因について、市のお考えをお聞かせください。

(保健医療担当局長)
 こども医療費補助事業の令和2年度の執行状況について、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発せられていた昨年4月及び5月は、令和元年度の同時期と比べて30%から40%程度減少しており、その後、10月には前年度とほぼ同様の氷準となりましたが、本市における新型コロナウイルスの新規感染者が急増した11月以降は再び減少に転じ、12月には令和元年度の同時期より約20%減少しています。
 また、令和2年度は、小児科における感染性胃腸炎や手足口病等の感染症の発生報告が例年と比べて大きく減少しており、秋から冬にかけては、インフルエンザの発生がほとんどありませんでした。
 こうした状況から、執行残が生じた原因は、新型コロナウイルス感染症が拡大している中で、子どもの保護者が、御自身や子どもへの感染を心配して受診を控えたことや、子ども特有の感染症等が大きく減少したことによるものではないかと考えています。

10.第128号議案及び第136号議案 家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの支援事業の減額補正について

(中森辰一議員)
 次に、一般補正のうち、開発事業特別会計で184億587万6千円及び利息を限度額とする債務負担行為を設定するものがあります。権利の放棄、という第136号議案と合わせて質問します。
 この債務負担行為の内容は、184億円余りを広島駅南口開発株式会社に貸し付けている11社の銀行団に対する令和39年度までの、広島駅南口開発株式会社借入資金損失補償金、となっており、同会社が借り入れた借入資金とその利息について、同会社が債務不履行に陥った場合は、銀行団に対して債務不履行分の補償を行うものです。
 この補正予算と合わせて、権利の放棄について、という第136号議案があって、これは、広島市が平成16年と平成17年の2回に渡って広島駅南口開発株式会社に貸し付けていた、総額41億5千万円の貸付金について、来年度から貸付利率を1%から0.1%に引き下げることで失うことになる利息額に対する広島市の財産権を放棄しようとするものです。
 放棄しようとしている利息額は、総額6億6046万円に上ります。
 広島市が再開発事業で建設したエールエールA館が開業して20年が経過し、核テナントである福屋との契約更新を行うにあたり、そのテナント料が大幅に引き下げられることになったようです。そのため、契約更新の際の敷金の額が大幅に下がるため、当初契約と更新契約の敷金の額の差額48億円を返還する必要があることと、駅ビルが建て替わることによって集客力が大きくなる影響を避ける、早く言えば、できるだけ客をとられてしまわないようにと、エールエールA館に新たにペデストリアンデッキを整備するなどの工事が必要だとして、両方を合わせた60億円を追加で銀行団から借り入れを行うことになっています。
 南口開発株式会社は経営報告で黒字に転換したという説明をしていましたが、預り金である敷金を返却するのに、同額の借り入れをしなければならないというのは、敷金を全部使ってしまわないと経営できないほどに、厳しい経営状況になっていたということです。
 その追加の借り入れを加えた借入総額が184億円余りとなるわけですが、これまでの借入金返済の枠組みでは返済不可能であるため、返済期間を令和39年度まで延長するとともに、借入利率も引き下げることを銀行団に要請することにした。それを銀行団が受け入れる条件として広島市が損失補償することを求めたために、今回の債務負担行為が設定されることになったものです。
 こうした銀行団への返済期間の延長に伴って、広島市が貸し付けた41億円余りの貸付金の返済時期も令和39年度を過ぎてからとなりました。
 いま私がこの議案について申し上げた認識について間違いがあれば、ご指摘ください。

(都市整備局長)
 先ほどの御質疑の中で、基本的な認識の相違があります。まず、「預り敷金を全部使ってしまうほど、南口開発(株)の経営が厳しい」との御発言についてですが、南口開発(株)は、設立当初から、預り敷金などの手持ちの資金を計画的かつ有効的に活用して金融機関からの借入金をできる限り圧縮するという方針の下で経営を行ってきています。
 例えば、Aブロック再開発事業の参加組合員として事業に参画し、施行者である再開発組合からの保留床の取得にあたり、当初拠出を受けた預り敷金を充当しています。
 また、核テナントから追加で拠出を受けた敷金を原資に金融機関からの借人金を繰上償還することを前提とした関係議案についても、平成17年6月議会で承認を得ています。
 次に、「金融団に対して、借入利率の引下げと返済期間の延長について要請した」との御発言についてですが、エールエールA館の活性化に必要となる資金については、南口開発(株)が金融団と検討する中で、「南口開発(株)の信用を本市が補完することができるならば、市場に比べて有利な条件で資金融資並びに既存融資の返済条件見直しが可能となる」との提案が、金融団からあったことを受けて、南口開発(株)で決定したものです。
 
(中森辰一議員)
 問題は、なぜ銀行団が広島市に損失補償を求めたか、ということです。
 銀行団がこの案件について検討した結果、広島駅南口開発株式会社が経営を維持し、これまで貸し付けた資金が回収されるためには、60億円の追加貸し付けと利率の引き下げを認める必要があるとの結論になった。しかし、銀行団が専門的立場での経営見通しの検討を行った結果、新たな枠組みどおりに資金が回収され利息が支払われるかどうか疑念があり、そうならない可能性が大きいと判断した結果ではないか、と考えます。この点についての市としてのご認識をお聞かせください。

(都市整備局長)
 エールエールA館の活性化に必要となる資金に対する損失補償については、金融団から「南口開発(株)の信用を本市が補完することができるならば、市場に比べて有利な条件で資金融資並びに既存融資の返済条件見直しが可能となる」と提案されたことから、「市場に比べて有利な条件」になるならと判断し行うこととしたものであり、金融団に疑念があったものとは受け止めていません。

(中森辰一議員)
 仮に、銀行団に対する債務が不履行となったら、広島市がその債務を負わなければならず、市民の税金で埋め合わせをすることになります。さらに、そうなった場合、38年先以降に返済を先延ばしされた広島市の貸付金41億5千万円も返ってこないことになると思いますが、その通りか、お答えください。

(都市整備局長)
 南口開発の今回のスキームは、核テナントである(株)福屋との間で、改めて締結する、今後20年間にわたる次期賃貸借契約をベースに、長期にわたる安定した賃料収入によって、年5〜6億円程度の償却前利益を安定的に確保できるようにすることにより、金融団から、市場に比べて有利な条件で借り受けている融資について、着実に返済ができるようになっているものです。
 このスキームは、関係者の共通認識が前提になって成立しているものであり、ご懸念のようなことにはならないと考えています。

(中森辰一議員)
 そうならないようにします、ということを市は言われると思いますが、広島市はすでに、地下街開発株式会社と高速交通株式会社の二つの債務について、損失保証を行っています。シャレオもアストラムラインも広島市の、つまり市民の税金をあてにした枠組みで成り立っているわけです。
 このうち地下街開発株式会社の問題は南口開発株式会社と同じような構造になっています。広島市という行政機関が不動産開発を行って、経営危機に見舞われていて、市民の税金で後始末をつける枠組みに陥っているということです。地方自治体は市民生活を守ることを第一の仕事としている行政機関ですが、そこが、巨額の資金を投入して不動産開発を行い、民間企業と同じように商売を行うということが示しているのは、見通しの甘さとともに、最後は税金に頼る逃げ道がある無責任な発想による事業は、結局うまくいかないということではないかと思います。
 今後、このような不動産開発を市がやるというのはやめるべきだと思いますが、今回の事態を受けて、市はどのように教訓を得たのか、お聞かせください。

(都市整備局長)
 先ほど桑田議員のご質問にも答弁させていただきましたが、第三セクターは、地方公共団体の施策の実現や、公共性、公益性の高い事業の効率的な実施などを行うにあたり、民間の資金やノウハウを活用するための有効な手法の一つと考えています。
 本市としては、南口開発(株)の今回の一連の対応において、南口開発(株)や広島高速交通株式会社など、本市が設置する第三セクターが、本市が目指す、まちづくりの実現に確実に貢献できる存在であり続け、必要な取組を確実に行っていく重要性を痛感したところです。

(中森辰一議員)
 次に、国の補正予算と関わりのない補正予算の内、減額補正として「家賃負担軽減を行うテナントオーナーへの支援」事業の予算が9億2200万円も不用額として減額されることになっています。
 これだけの減額補正をする前に、別の事業に10億円を流用していますから、この事業そのものの減額幅は事実上、19億2200万円になります。
 この事業は新型コロナウイルス感染の拡大状況の中での市民に対する行動の自粛・変容、飲食事業者への営業自粛などで大幅に売り上げが減って苦境にあるテナントに対して貸しビルなどのオーナーが家賃を減額する場合にその減額分の一部を市が負担する事業です。事業費は30億円となっていました。
この問題は、総括質問でも日本共産党市議団の近松議員が質したものですが、要するに、コロナで困窮する事業者に家賃支援しようとしたのはよかったのですが、共助でないとやらないと、間接的な支援にこだわって家主の善意に頼る制度になってしまった、もっと言えば、家主が思い切った家賃の減額をしなければ利用がたくさんあっても一つ一つの減額幅が小さいために利用額全体は伸びないということです、そのために、半年も事業期間があったのに、結局、想定した予算の3分の1しか活用できなかったということです。
 コロナで困窮しているテナントに対して、直接の支援をしようとしなかった結果だということですから、この点について、市は反省し、困窮する市民の要求をきちんと把握し、そこに直接支援する考え方に転換する必要があります。
 聞きたいのは、減額補正となった9億2200万円を除く20億7800万円のうち、10億円が、飲食店の事業者団体でつくる実行委員会が実施する1店舗15万円の応援金支給の財源として流用されたことについてです。
 このように30億円の事業費の内10億円も別の事業に流用したということが、この補正予算ではわかりません。
10億円を流用するということは、私も電話で説明を受け、了解しましたが、この10億円を流用したことについては、予算上、未だ何らの文書も出されていません。この補正予算だけ見ると20億7800万円がテナントオーナーへの支援に使われたことになります。しかし、実際はテナントオーナーへの支援は10億7800万円しか使われませんでした。
 市内の飲食店6500店舗を対象に、事業者団体でつくる実行委員会が実施する事業に補助金を支出するという事業に10億円を予算措置したという、予算上の文書を出して説明する必要があると思いますが、どうされるかお答えください。

(経済観光局長)
 広島市飲食店応援実行委員会への支援については、2月議会を待っての補正予算対応では時機を失することから、商工費であるテナントオーナーへの支援事業の執行残からの予算振替によって対応しましたが、市議会の正副議長、各会派幹事長、経済・観光環境委員会委員に対し、文書により、その概要を個別に説明し、了解いただいた上で、全議員に当該文書を届け、実施したものです。
 したがって、この事業の執行状況については、今後、令和2年度の決算として、議会に報告することになります。

11.第141号議案 契約の締結について

(中森辰一議員)
 最後に、第141号議案、契約の締結について、として、祇園中学校屋内運動場新築その他工事があります。この工事の入札では、2社が応札し、契約の内容に適合した工事がされないおそれがあると認められる場合の基準、として設定している調査基準価格を、この2社とも大幅に下回っていましたが、一番下回っていた会社が落札しており、予定価格より約17%、調査基準価格より8%低い落札額となっています。
 調査基準価格を下回っているわけですから、この会社には、きちんとした工事ができるかどうかの調査をして落札を決めたのでしょうが、予定価格より17%も低い価格で工事をするとなると、私は現場で働く労働者の賃金がどうなるかが心配です。私は、これまで、落札率に応じて賃金の水準が下がるのは問題だと考え、何度か市当局と議論してきましたが、特に重層的な下請け構造の下で工事が行われることを前提としているだけに、現場の労働者の賃金がどういう水準になるのかは重要だと考えています。
しかし、こうした低入札の場合の賃金の水準について、これまで市は、最低賃金を下回らなければ、予定価格で積算した際の賃金が落札率に応じた形で下がることを容認するとした答弁を行ってきました。今回も、予定価格の積算の際よりも17%程度下回る賃金を容認することになるわけです。しかし、賃金の水準は作業を現場で担う労働者のモチベーションに直結するものです。
 何よりも、最低賃金を下回らなければいいとなると、予定価格で積算に用いる賃金というのは、一体何なのか、ということになるわけです。現場でいい仕事をしてもらって、よりよい屋内運動場という建物ができ上るようにするために、一番下の下請けの現場の労働者の賃金が、その労働にふさわしいものとなるよう指導する必要があると思いますが、いかがお考えか、お答えください。

(指導担当局長)
 契約前に広島市建設工事競争入札取扱要綱に基づいて行いました低入札価格調査の結果、今回低入札となった主な要因は、安全資材等を再利用すること、諸経費の低減を行うことや、協力業者が仮設資材や運搬車両を自社保有していることなどによるものであり、これによって下請の労働者に特段のしわ寄せが来るとは考えていません。
 なお、労務者単価については、本市の単価と比べて相当程度低いと認められる場合には、当該単価の設定理由を記載した書類等の提出を求めるなど、詳細な調査を行うこととなりますが、今回はこのケースには該当していません。

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