議会での質問・答弁

2020年12月09日

2020年第8回 12月定例会 一般質問 きせ康平議員

1.核兵器禁止条約について
2.黒い雨裁判の判決、及び市が県や国と控訴したことについて
3.新型コロナウイルス感染症対策と市民支援について
 ①市内の介護職員・特定医療従事者の定期検査状況について
 ②保育園の危機管理対策について
 ③市民生活支援について
4.子どもの貧困と子ども子育て支援について
 ①こども医療費補助について
 ②就学援助について
 ③放課後児童クラブについて
5.上安産業廃棄物最終処分場について


1.核兵器禁止条約について

(きせ康平議員)
 日本共産党の吉瀬康平です。会派を代表いたしまして、一般質問を行います。
 初めに核兵器禁止条約についてお聞きしてまいります。
 去る、10月24日、中米ホンジュラスが50か国目の核兵器禁止条約の批准国となり、90日後の1月22日に発効することが確定し、被爆地の悲願の実現に、喜びで胸躍る思いです。
 被爆地が喜びで沸いている一方で、岸信夫防衛大臣が「有効性に疑問を感じざるを得ない」と述べるなど、政府は核兵器禁止条約への参加を拒絶しています。広島・長崎両市がもとめる締約国会議を日本でという提案にも、菅首相は「日本は批准していないから」と否定的です。
 広島市議会は、11月の臨時議会で「日本政府に核兵器禁止条約の批准」をもとめる二度目の意見書を採択し、長崎市も同様の意見書を国にあげました。今年6月の日本世論調査会の調査によれば、日本政府が核兵器禁止条約に参加すべきと答えた人は72%に達し、核の傘が必要だという人は、8.6%にすぎません。
 日本政府は参加しない理由として、核保有国が参加しない条約には実効性がないとしています。しかし、国際法で『非人道的で違法な兵器』と位置づけた国際規範ができたことによる影響は大きく、だからこそ、米ロなど核兵器国が「実効性がない」と主張しながら、各国にこの条約に賛成・批准しないよう繰り返し圧力をかけてきました。こうした条約の発効を妨害する行動は、この条約による道義的・政治的な圧力を核保有国が恐れていることの表れです。今後、禁止条約への支持と参加が広がっていくなかで、核保有国は、核兵器廃絶への行動をいっそう強く迫られることになるでしょう。
 この核兵器禁止条約の実効性についてまず、どのようにお考えか、市長のご見解を伺います。

(市長)
 吉瀬議員の御質問にお答えします。「核兵器禁止条約について」のうち、「核兵器禁止条約の実効性について」の御質問がございました。
 核兵器禁止条約は、世界の市民社会が「ヒロシマの心」を共有するための新たな国際的な枠組みとなるものであり、核兵器禁止条約の発効を機に、核兵器はいらないという市民社会の声を世界の潮流にしていく必要があると考えています。
 しかしながら、同条約には、核保有国や核の傘の下にある国も批准しておらず、また、同条約では、核廃棄義務の履行を確保するために不可欠な「検証」の規定は概略的なものとなっており、実効性の高いものにするための取組が次の課題となります。条約発効後に開催される締約国会議において、具体的な措置が検討されることになっており、この議論を核保有国及びその同盟国の参加の下で行うことが、条約の効果的な運用と発展に欠かせません。
 このため、本市は、平和首長会議加盟都市と連携し、全ての国に同条約の批准を求めるとともに、核保有国とその同盟国に対して、批准するまでの間、オブザーバーとして締約国会議への参加を要請することとし、批准国が50か国に達した本年10月に、このことを要請する公開書簡を全ての国連加盟国へ発出しました。またく第一回締約国会議が開催される際には、平和首長会議の代表団を派遣し、条約の実効性を高めるための議論が前進するよう、加盟都市やNGOと連携しながら、国連や各国政府代表に要請したいと考えています。
 この核兵器禁止条約は、被爆者をはじめ平和を願う多くの方々の労苦が結実したものであり、未来への希望でもあります。 本市としては、同条約が核兵器廃絶の真の推進役となるよう、世界165か国・地域の約8,000の平和首長会議加盟都市とともに取り組んでまいります。

(きせ康平議員)
 これまで日本政府は、核保有国と非保有国の「橋渡し」をすると主張してきましたが、もはや「橋渡し」論の破綻は明白です。日本政府は核兵器禁止条約に反対する一方、国連総会に毎年核兵器廃絶決議を出していますが、今年出した決議案の賛成は過去最少で、一昨年と比べると21か国もの減少です。決議案は、米国に配慮して、核兵器禁止条約に一切触れず、核兵器廃絶を「究極」の課題と先送りしているのに加えて、核兵器の非人道性への「深い憂慮」としていたのを「認識する」へと大きく後退させたことも問題視されました。
 特に、共同提案国が、2016年は109カ国だったのに、今回は26カ国へと激減しました。過去のNPT再検討会議の合意について「履行すること」という文字を削除したこと、包括的核実験禁止条約の批准を求める記述が曖昧になったことから、NATO加盟国の中からも支持できないとの声があがりました。
 市長は、日本政府の「橋渡し論」についてどのようにお考えか、伺います。

(市民局長)
 日本政府が表明している「橋渡し」とは、核保有国が核兵器禁止条約に反対する状況の下で、核保有国と非核保有国との分断を解消し、共通の基盤を形成するためのものであるとしていることから、唯一の戦争被爆国である日本がその橋渡し役を果たそうという意思を表明していることは意義があると考えます。
 そうしたことを前提に、日本政府には、今後、同条約を包括的で実効性の高いものにしていくための議論が始まるというこの潮流を見極めていただき、橋渡し役を果たすためにも、締約国会議への出席などを通して議論に貢献していただきたいと考えています。そのため、先月、広島・長崎両被爆地、及び平和首長会議国内加盟都市の総意として、同条約の締約国となること、そして締約国となるまでの間、当面は締約国会議にオブザーバーとして参加していただくよう要請したところです。

(きせ康平議員)
 今年9月21日、NATO加盟国の内20か国と日本・韓国の22か国の56人の元首相や元外相らが自国の政治指導者に対して「勇気と大胆さを示して核兵器禁止条約に加わらなければならない」と訴える公開書簡を発表しました。同盟国の米国に対して、「友人」として「命を危機にさらす向こう見ずな行動をおこなおうとするとき、率直に助言できるし、しなければならない」と述べ、米国の同盟国にも変化が生まれています。NATO加盟国のベルギーが政権交代後、批准に前向きと伝えられ、ドイツの国内世論も、禁止条約への加盟に賛成が過半数を占めていると言います。
 日本が批准すれば、同じ核の傘の下にある国に広がる可能性がでてきます。そうなれば、残るは、核大国5か国と4つの保有国のみとなり、いよいよ国際世論から包囲されることになります。唯一の戦争被爆国日本政府が批准することは、道義的・政治的な責任でもあり、被爆国にふさわしいイニシアチブを発揮してこそ、核大国を動かし、核兵器廃絶へ前進できます。
 市長は、日本政府が核兵器禁止条約を批准することが、核兵器廃絶に向けてどのような力を発揮するとお考えでしょうか、伺います。

(市民局長)
核兵器禁止条約の発効が確定した今、その実効性の確保が次なる課題となっている中で、唯一の戦争被爆国である我が国が同条約を批准するならば、核兵器はいらないという市民社会の声を世界の潮流にしていくための強力なメッセージとなるどどもに、「ヒロシマの心」を世界に発信している本市や被爆者の方々の取組の後押しにもなると考えています。

2.黒い雨裁判の判決、及び市が県や国と控訴したことについて

(きせ康平議員)
 次に、黒い雨裁判の判決、及び市が県や国と共に控訴したことについて3点伺います。
 まず、今回控訴を主導した国は、原判決が「十分な科学的知見に基づいたとは言えない判決内容となっている」と主張していますが、そもそも、現行の対象区域自体、残留放射線量や被ばく線量など、国が言う科学的根拠を求めていないにもかかわらず、今回だけ「科学的根拠」を求めるのは、現実的でもないし筋も通らないと思いますが、市はどのようにお考えでしょうか、お答えください。

(保健医療担当局長)
 昭和51年の第一種健康診断特例区域の指定については指定時、原爆放射線の広がりや原爆放射線の人体影響に関する科学的知見は必ずしも十分蓄積されていなかったものの、「黒い雨」降雨地域内の一部で高濃度の放射能が検出された事例の報告があったことや、広島市及び周辺町村が昭和48年に宇田雨域内の地区に居住する住民に対して行ったアンケート調査において健康状況が「弱い」又は「病気」と回答した住民が約4割いたことを踏まえ、被爆者援護の立場に立った政策判断から行われたものと認識しています。
 こうしたことも踏まえ、本市では、従来から黒い雨降雨地域の拡大に向けた国の政治判断を求めてきたところです。

(きせ康平議員)
 次に、松井市長は、8月12日の記者会見で、控訴に至る経緯と理由について説明をしておられます。その中で、第一に、国から、「黒い雨降雨地域」の拡大も視野に入れた再検討を行うとの方針が示されたことを重く受け止めたこと、第二に、被爆者健康手帳交付事務は法定受託事務であり、法律上適切に履行していかなければならない立場にあることから控訴の判断をした、という趣旨を述べておられます。
 また、判決をまえにした7月13日の記者会見の中で、被爆者援護法に基づく事務は法定受託事務であり、「国の手足として動」かなければならない立場であるとの趣旨の発言をしておられます。
 まず、第一の問題ですが、市長は、この判決をどのように理解されたのか、疑問です。控訴しなかった場合、84人の原告だけが被爆者健康手帳の対象となるとのご認識でしょうか、お答えください。

(保健医療担当局長)
現行の被爆者援護制度は、国の法令により定められており、本市はそれを運用するという立場にあります。
したがって、本市が控訴をせず、この度の広島地裁判決が確定した場合、判決に従い、現行の法令に基づいて84名の原告の方に、被爆者健康手帳を交付することとなります。

(きせ康平議員)
 判決は、第一種健康診断特例区域外であっても、原爆が投下された際及びその後において、「黒い雨」を直接浴びるなどしたり、「黒い雨」降雨域で生活したりして、「黒い雨」に曝露したものは、健康管理手当の支給対象となる11種類の疾病に罹患したことを要件として、被爆者援護法1条3号に該当すると解するのが相当である、と述べています。
 つまり、今回の原告以外のものが、「黒い雨」を浴びたと証言し、それが不自然不合理な点がなく、なおかつ、11種類の病気を発症していれば、被爆者健康手帳の交付ができるということです。別に、新たな検証など必要はありません。
 この点について、市はこの判決をどのように受け止めたのか、お答えください。

(保健医療担当局長)
この度の判決は、原告の方々の請求を全面的に容認するものであり、心身に苦しみを抱えてこられた黒い雨体験者の方々の長年の切なる思いと、「黒い雨降雨地域」の拡大を目指す本市の思いが、司法の場で認知していただいたものと受け止めております。

(きせ康平議員)
 第二の問題ですが、市長のご見解は、以前の機関委任事務と、それを廃止して設けられた法定受託事務を混同しておられるのではないでしょうか。旧機関委任事務は、確かに国が決めたとおりに、国の指導に従って事務を行わなければなりませんでした。しかし、それは、地方自治の趣旨に反するということから見直しが行われた結果、旧機関委任事務は廃止され、それに代わって法定受託事務が導入されました。
 地方自治法245条では、自治権が保障されている地方自治体の事務に国が関与するには、法律またはこれに基づく政令によらなければならないと定められており、法定受託事務については、①助言、勧告、資料の提出の要求、②個別の法令に根拠規定がある場合に、同意、許可・認可または承認、③是正の指示、④代執行ができることが定められています。
 被爆者援護事務の場合、国の考えと違うという場合は、国は是正の指示ができるということになります。その場合、地方自治法245条の7第1項は、法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適性を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるとき、と是正の指示を行う場合の条件を定めています。
 広島市が被告となった裁判での敗訴に対して、控訴を断念して判決を受け入れることが、法令の規定に違反しているのでしょうか、著しく適性を欠き、かつ、明らかに公益を害するものなのでしょうか。市はどのように考えられたのか、お答えください。

(保健医療担当局長)
本市が独自に控訴を取り下げ、判決を受け入れること自体は、法令の規定に違反し、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認められるものではありません。
なお、判決を受け入れると、(本件訴訟がいわゆる義務付け訴訟のため、)原告の方々に手帳を交付することとなり、一方で、原告以外の黒い雨体験者の方には、(本判決の効力が及ばないため、)手帳を交付できないという状況が生じるものと考えます。

(きせ康平議員)
 市は、県とともに、控訴断念の判断をするにあたって、国と協議し、その承認を得ようとしましたが、承認を得ることができず、国の要請に従って控訴しました。しかし、市が判決に対してどのように対応するかは、自治権の問題ではないでしょうか。控訴するかどうかを判断する際に、国との関係での「協議」や「承認」や「要請」は、地方自治法のどのような根拠に基づいて行われたのか、お答えください。

(保健医療担当局長)
本件訴訟における被告は、本市及び広島県であり、訴訟参加人の立場で厚生労働大臣が訴訟に参加しています。本市としては、こうした態様の下で、控訴するか否かを判断するに当たって、被爆者援護法及びこれに関係する法令等に基づき、これまでも事務処理を行ってきていること、また、高齢化した黒い雨体験者の一刻も早い援護のための「黒い雨降雨地域」の拡大を要望していることから、控訴手続についての国の判断を確認するために、打合せを行ったものです。

(きせ康平議員)
 国の「科学」の名による「検証」など信用できません。判決を素直に読めば、救済できる「黒い雨」被害者は原告以外に広げることができます。
 広島市は自治権をもった自治体として、控訴を取り下げ、直ちに原告に被爆者健康手帳を交付するとともに、原告以外の「黒い雨」被害者に手帳交付の可能性があることを知らせるべきです。市の迅速な対応を要請します。
 どのようにされるか、お答えください。

(保健医療担当局長)
本市としては、黒い雨体験者の皆様の高齢化が進んでいる中、黒い雨体験者の切なる思いを踏まえ、裁判に参加していない黒い雨体験者をも救済できることが肝要であると考えており、国に対して「黒い雨降雨地域」の拡大も視野に入れた検証の結論が早期に出されるよう求めるとともに、科学的知見を超えた、被爆者援護の立場に立った政治判断についても、引き続き、強く求めてまいりたいと考えています。

3.新型コロナウイルス感染症対策と市民支援について
 ①市内の介護職員・特定医療従事者の定期検査状況について

(きせ康平議員)
 次に新型コロナの対策と市民支援についてです。
 全国の新規感染者が2,000人を超し、第三波の感染拡大が起こっています。菅首相は感染拡大への「最大限の警戒感」をいうだけでPCR検査も8月のピーク時(1週間平均2.6万件)を下回ったままであり、爆発的な感染を抑止するためにも「大規模な地域集中的な社会的検査」をはじめ「保健所の抜本的強化」「医療機関の減収補てん」など医療崩壊を起こさない体制整備と、そのための財政支援が不可欠になっています。
 広島県はこの冬に向けてインフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に対応するため、検査能力を3,800件から年度末には5,700件に拡充するとして、11月12日時点で県内の978箇所のクリニックで唾液によるPCR検査採取ができる体制がつくられ身近なところで検査ができるようになっています。
 また、広島県は中四国最大の歓楽街、広島市流川に臨時診療所「流川積極ガード診療所」を開設し12月28日までの毎週月曜日の16時~20時、医師と看護師2人体制で、1時間に10人程度の診察による唾液PCR検査を実施しています。この取り組みは全国的にも先進的な取り組みです。これは、コロナ感染から県民の命を守るための日本共産党の申し入れに県知事が答えたものです。
 県は多数の市民と接触する医療従事者や重症化しやすい高齢者や障害者が入所している介護施設の職員への定期検査も実施するとして、475の介護施設、障害者施設の18,000人の職員への月1回の抗原検査と、検体採取やコロナ患者を受け入れている49の医療機関の医療従事者に月1回の定期的PCR検査を実施するとされていますが、実際にPCR検査が実施されている病院は7病院しかないといいます。医療従事者のPCR検査が進まない理由の一つとして、検査の結果、無症状の陽性者が発見された場合に、2週間の保護・隔離により現場の医師や看護師、医療スタッフの確保ができなくなることに対する不安が大きいと聞きますが、広島市内での対象の医療機関および、介護施設職員の検査は、どのような実施状況でしょうか。お答えください。

(保健医療担当局長)
 議員御指摘の広島県が実施するPCR検査は、今月から民間検査機関の活用もできるよう拡充されており、市内の9医療機関が検査を希望していると聞いています。

(健康福祉局長)
 広島県が、今年度介護施設職員向けに定期的に実施する抗原検査については、本市において受検を希望する市内の介護施設の取りまとめを行っているところであり、12月4日時点での申込みは82施設、職員5,602人で、今月中には初回の検査が実施されると聞いています。

②保育園の危機管理対策について

(きせ康平議員)
 さらに今、医療崩壊だけでなく保育崩壊を懸念する声が現場から出されています。自然災害時には、地域防災計画で避難場所が定められていますが、感染症に対する対応方針を定めた危機管理マニュアルはありません。
 保育園でクラスターが発生し、園を閉鎖しなければならない事態の際、在園児はどうするのか、また、保育士が感染して長期に職場を休まざるを得ない場合に代替の保育士はどう確保するのかなど、安心して保育サービスを提供し、保護者の雇用を守ることができるように、感染症に対する危機管理マニュアルを市が策定すべきだと思いますが、市の考えをお聴きします。

(子ども未来局長)
 保育園では、様々な感染症対策に当たり、衛生管理を始めとした予防方法や感染症発生時の対応等を示した国のガイドラインに基づいて対応することを基本にいたしております。
 これに加えて、新型コロナウイルス感染症に関しては、国から随時、その対応方法等が通知されており、本市では、その都度、全ての園に国通知を送付しているほか、職員や園児等に関する感染防止対策、行事開催に当たっての留意事項などについては、別途ポイントをまとめた通知文を発出して周知を図っています。
 また、仮に園の関係者の陽性が判明した場合には、園内での感染拡大防止のために、臨時休園や施設消毒の実施など、状況に応じた対応が必要になる可能性があることから、園内で感染の疑いが生じた段階で至急連絡するよう呼び掛けており、事前相談に対しても個別に支援を行っております。
 今後とも、こうした対応を着実に行ってまいります。

③市民生活支援について

(きせ康平議員)
 新型コロナの第三波が到来するもとで、自治体が「公助」の力を発揮して、市民の命とくらし、営業を守ることがこれまで以上に求められています。
 中小の事業者からは国の持続化給付金は「もう使いきった」「とても足りない」という声がでており、年末にむけて倒産・廃業が急増することが懸念される事態です。
 また、貧困世帯への影響も大きくとりわけひとり親世帯では、半年以上続くコロナ禍による収入減で「お米が買えない」「放課後児童クラブのおやつ代の負担が大きい」など子育てと暮らしが大きく脅かされている実態にあります。
 コロナで職場が倒産し、非正規で複数の仕事をこなしながら、なんとか収入を得て暮らしをつないでいるという市民からは、公営住宅使用料や上下水道料金を減免してほしいとの声が届いています。特に、貧困が深刻化しているひとり親世帯に対し、臨時交付金を活用し市独自の応援金を早期に出して、命とくらしを支えることが必要です。
 国の地方創生臨時交付金を活用してコロナ禍で生活苦に陥っている市民生活を支援として、上下水道料金の減免、売り上げが減少した事業者へ一律5万円など、独自支援をすべきではありませんか。

(企画総務局長)
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大のもと、市民の命とくらし、営業を守ることが求められている中、国・県・市の役割分担を明確にした上で、必要な措置が講じられることが極めて大事な局面になっています。
 企業の業績や資金繰りの悪化、世帯の所得減などを直接的に緩和するための諸措置については、基本的に国及び県において講じられるべきものと考えており、本市としては、国・県の動向も踏まえながら、地方創生臨時交付金を最大限活用し、「共助」の精神に基づく地域での支え合い、事業者同士が連携した取組への支援など、国や県の「公助」による下支えの補完・補強に資するような対策を講じてまいりたいと考えています。

(きせ康平議員)
 ひとり親世帯の暮らしの実態に対する広島市の認識もお尋ねします。

(子ども未来局長)
 新型コロナウイルス感染症の影響に伴うひとり親世帯に対する経済的な支援策としては、「特別定額給付金」や「子育て世帯への臨時特別給付金」のほか、「ひとり親世帯への臨時特別給付金」の支給を行っており、また、各区の窓口で生活相談を受けた場合は、個別の状況に応じて「緊急小口資金」や「住居確保給付金」等の制度を紹介してきたところです。
 議員御提案の、市独自の応援金については、国民における公平性の観点から、本来国め役割として全国で統一的に実施されるべきものであると考えています。こうした中、国において「ひとり親世帯への臨時特別給付金」を再支給する方針が示されたところであり、本市としては、国の動向を踏まえながら適切に対応していきたいと考えています。

(きせ康平議員)
 市は、家賃負担の軽減を行うテナントオーナーを支援する約30億円の予算を確保していますが、活用されているのは6億円にしかすぎません。なぜ、2割と低い活用になっているのか、苦慮されている事業者の実態に沿った施策ではなかったのではないかと思いますが、市はどのように分析されていますか。

(経済観光局長)
 本事業の予算額については、新型コロナウイルス感染症が拡大する可能性も視野に入れつつ、また、コロナ禍で自らの経営も厳しい中、家賃減額を行うテナントオーナーを最大限支援するという考え方のもと、不動産関連団体等へのヒアリング結果や、類似の補助事業を実施している政令市の実績を参考に、最大で2,500件、5,000店舗、1店舗当たり最大60万円の申請を見込みました。
 これまでの申請は、12月7日時点で、1,188件、3,631店舗、1店舗当たり約17万円の申請となっており、当初の見込みより少ないことから、申請金額ベースで予算の約2割の執行額となっています。
 事業としては、テナントオーナーやテナント事業者から、当補助制度に対し多くの感謝の声が寄せられていること、さらには、不動産管理会社からは、当補助制度の活用により、事業継続にっながっているテナント事業者がたくさんいるといった話も伺っていることなどを踏まえると、その効果は確実に出ているものと考えています。

(きせ康平議員)
 大家の協力や理解がなければ活用できない「靴の上から足を掻く」ような「共助」の制度ではなく、家賃の支払いに苦慮している事業経営者を直接に助ける家賃補助制度へと制度を見直すべきです。どのようにお考えですか。

(経済観光局長)
 新型コロナウイルス感染症による影響は、テナント事業者のみならず、テナントオーナーにも及んでおり、家賃の減額や、テナント事業者の廃業等により、家賃収入が減少し、今後の先行きが見通せない中で、多くの方が日々の経営に苦労されています。
 このような中、国はテナント事業者への支援策として、「家賃支援給付金」を設けていますが、一方で、テナントオーナーは、テナント事業者の家賃減額等を行い、家賃収入が減少したとしても、これへの支援策はありません。
 国は支援策を重複させることなく、「公助」を展開しようとして、こうした状況となっていることに本市は着目し、「共助」の視点に立って、テナントオーナーに対する補助制度を設けることとしたものであり、本事業は、テナント事業者の事業継続とともに、テナントオーナーのテナント経営の安定化にもつなげていくために実施しているものです。
 その結果として、先程御答弁させていただいたように、多くのテナントオーナーやテナント事業者の支援につながり、双方から感謝の声もいただいています。
 現在、市内の感染者数が増加している中、今後更に経営が悪化し、事業の継続が困難となるテナント事業者の増加が危惧されることから、本事業の補助対象期間や補助限度額を拡大し、申請期間も令和3年1月31日まで延長しています。
 本市としては、本事業により、テナントオーナーとテナント事業者による支え合いを促し、共に厳しい経営環境を乗り越えていただけるよう、引き続き、しっかりと支援してまいります。

(きせ康平議員)
 国に対し、広島市から年末までの制度とされている雇用調整助成金の延長や、持続化給付金の複数回支給、家賃補助制度の期間延長など、営業と雇用を守るための既存制度の継続、充実を求めることが必要と考えますが、市の考えをお聞きします。

(経済観光局長)
 本市では、本年3月以降、国に対して、指定都市市長会と連携し、累次にわたり要望を行ってきたところであり、本年11月には、 悪化を続ける雇用情勢を踏まえ、令和2年12月末で期限を迎える「雇用調整助成金」の特例措置を更に延長することや、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、事業継続を下支えするため、「持続化給付金」などの既存の支援策について再給付を実施することなどの要望を行いました。
 こうした中、国は、昨日(12月8日)、新たな経済対策を閣議決定し、
・雇用調整助成金の特例措置に関する現行措置の来年2月末までの延長や、
・民間金融機関を通じた実質無利子・無担保融資の来年3月までの延長などの
施策を取りまとめたところです。
 引き続き、本市の経済の状況及び国・県の支援策の動向をしっかり把握しつつ、国・県・市の役割分担を念頭に置きながら、感染拡大防止と経済活動のバランスに配慮し、本市の経済の回復に向けた取組を進めるとともに、適宜、国に対する要望も行っていきたいと考えています。

4.子どもの貧困と子ども子育て支援について
 ①こども医療費補助について

(きせ康平議員)
 子どもの貧困は先ほど述べたように、新型コロナで更に深刻となっていますが、子どもの貧困はコロナ前からの課題であります。
 市が2017年に行った「広島市子どもの生活に関する実態調査」の結果、小学校5年生・中学校2年生ともに4人に1人が生活困難層であると明らかになりました。
 広島市は、新たな基本計画に、社会的支援の必要性が高い子ども・家庭へのきめ細かな支援を掲げ、更に「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すSDGsも取り組んでいます。
 これを踏まえて、先日広島市が出した3つの子育て支援の見直しついてお聞きします。
 まず子どもの医療費補助ですが、この度の見直しで通院の対象年齢を小学校3年生から小学校6年生に拡大し、未就学児の窓口負担が初診時のみとなることとなります。私たちはこの間、年齢拡大を含めた制度の拡充を求めてきましたので、一歩前進だと受けとめています。
 しかし、17年の実態調査では、生活困難層のうち、小学校5年生・中学2年生ともに医療機関への受診抑制の経験が一定数あり、市も「生活困難度が高いほど医療受診を抑制する傾向がみられる」と結論づけている中で、この度の見直しでは、経済的問題で受診できていない中学生たちを救えず、実態に合いません。
 全国では中学校卒業以上を補助している自治体が9割となっています。この度追加予算は6億2千万円ですが、あと4億円追加すれば中学校卒業まで補助できることが明らかになっています。昨年10月「幼児教育・保育の無償化」で年間32億円の財源ができたにもかかわらず、なぜ中学校卒業まで引き上げられなかったのかお答えください。また、引き続き拡大の検討を行うとのことですが、他の自治体同様、中学校卒業までの補助はいつから行うのかお答えください。

(保健医療担当局長)
 子ども・子育て支援施策に関しては、令和元年度に、国において所要の措置を講じることが本来の姿であるとして、幼児教育・保育の無償化が行われました。
 本市は、これを受けて、増加し続ける社会保障費を賄うと同時に、健全な財政運営を目指す取組を進めている中で、社会保障の分野を中心に本市として行うべき裁量的な施策に、ようやく自主財源が充当できたと言えるようになったものと考えています。
 こうした中、こども医療費補助制度については、引き続き、 国に対し、国の責任において、こども医療費補助に係る統一的な制度を創設するよう要請することを前提にしつつ、先ほど岡村議員に答弁しましたとおり、まずは通院の補助対象年齢を「小学6年生まで」に拡大するとともに、継続的な通院治療を必要とする未就学児の医療費の負担軽減を図る必要があると判断し、今回の見直しを実施することとしたものです。
 今後のこども医療費補助制度の見直しについては、平成29年の制度改正後の様々な検証結果も踏まえながら、更に検討を進めていくこととしています。このため、現時点で、いつ通院の補助対象年齢を拡大するかということについてお答えすることはできません。

(きせ康平議員)
 受益者負担の措置だとし、全国でも広島市のみが行う二重の所得制限の問題は、この間何度も指摘してきました。保護者からは「所得に応じて応分の税金を納めているのに、所得に応じて補助が受けられないのはおかしい」、「周りの保護者に所得がわかってしまい気まずい」との声が多く寄せられますが、これも「自助」でということでしょうか。所得制限ない自治体は全国で8割りと所得制限をなくす流れが強まる中、所得制限に加え所得基準を設けていることを、市長は恥ずかしいと思われないのでしょうか。認識を伺います。
 更に、制度の早期拡大が望まれていることから、2022年の元日からではなく、年度開始の2021年4月1日から開始すべきと考えますが、市の考えをお聞かせください。

(保健医療担当局長)
 本市における子ども・子育て支援施策は、家庭内での子育てである「自助」を支援し、将来の広島を担う子ども達の育ちを社会全体で支えていくことが基本になると考えています。これを踏まえ、こども医療費補助制度の所得制限や一部負担金の額を区分する所得基準は、市民における公平性の観点から、受益者の負担能力を考慮し設定しているもので、適当であると考えています。
 また、今回の見直しについては、令和3年2月に条例改正議案及び制度改正に伴う福祉情報システム改修費等の令和3年度当初予算案を上程し、.議決の上は、令和3年4月以降、福祉情報システムの改修に着手することとしています。福祉情報システムの改修と改修後のシステムの検証に概ね9か月を要することから、実施時期を令和4年1月からとしています。

②就学援助について

(きせ康平議員)
 次に、就学援助についてです。この度の見直しは、これまで認定基準額を算定する際、生活保護基準額に係数1.14を掛けていたのに対し、今度は係数を1.0に引き下げ、結果、現在受けられる2万4千人の児童のうち1,060人を排除するものです。
 広島市は認定率が25%と4人に1人が受けており、政令市の中で1番です。しかし、認定基準額が高いわけではなく、基準額は政令市で11番目と低いのが実態です。
静岡市では、広島市と同様に所得からから社会保険料を引いた額を審査用所得額としながら、認定基準額は生活保護基準に係数1.3を掛けているため、認定基準額が広島市より高くなっています。
 広島市の認定率が高いのは、長年の市民からの要望に応え、市が周知徹底の努力をしてきた結果であり、大いに誇るべきことだと思いますが、市はこの結果をどう受けとめているのでしょうか。認定率が高いことが悪いとの認識なのでしょうかお答えください。

(教育長)
 政令指定都市における平成31年度の就学援助の認定率は、本市が最も高く25.8%で、最も低い都市は、7.9%、単純平均では15.4%となっています。
 就学援助制度は、学校教育法に基づき各自治体が実施しているもので、認定基準はそれぞれ異なっており、一概に比較することはできませんが、政令指定都市において、その市民の所得水準に大きな違いがないと仮定すれば、結果として、本市では、低所得世帯をより広く対象としてカバーすることができていると考えています。

(きせ康平議員)
 就学援助は、生活保護世帯と生活保護に準ずる世帯に対しての制度です。生活保護世帯は課税・医療費・介護保険料、水道料金、NHKの受信料などなど様々な扶助・援護を受けていますが、今回の制度改正では生活保護と同等の支援とはならないため、保護に準ずる世帯は実質生活保護以下の生活となります。仮に見直しを実行する場合、生活保護世帯が扶助・援護されているものを全て考慮すべきと考えますが、市の認識をお答えください。

(教育長)
 今回の見直しでは、社会保険料控除の重複を解消する方策として、生活保護基準額に乗じる係数を「1.0」とするととにしました。
 それに合わせ、算定式に用いる生活保護基準額について、生活保護の要否判定に用いる教育扶助の全項目を算入するとともに、学習支援費を対象項目に追加し、審査用所得の算定においては、加入する医療保険の種類によって負担額に大きな差があり、その額も大きい社会保険料の実額を差し引く取扱いは継続することにしました。
 その結果、見直し後の認定率の試算を見ても24.7%でほぼ4分の1の世帯をカバーしており、生活保護を受けるための直接的な基準は満たさないとしても総合的に判断したときに同程度の者である「準要保護者」への支援としては、十分な制度になっていると考えています。

(きせ康平議員)
 市は2020年から4年間、累積赤字が110億円となることが行政経営改革推進プランなどで示され、この度の見直しを行うとしています。しかし就学援助の見直しでの削減額は8,000万円しかありません。たった8,000万円の削減のために1,060人の児童を排除するなど、言語道断です。
 市は排除する児童を社会的支援は必要ないとの考えなのでしょうかお答えください。
 国の施策で年間32億の財源ができ、4年間で128億円浮くではありませんか。削減は別の事業からすべきであり、国も児童のために使うべきとする32億の財源を使い、排除者を出す削減ではなく、制度拡充し、対象者を増やすべきではないですか。市の考えをお聞きします。

(教育長)
 今回の見直しは、要保護者に準ずる程度に困窮している者に対する経済的支援策である就学援助制度を、本来あるべき姿に改め、持続可能性を高めようとするものであり、結果として、平成31年度の実績に基づく試算では、認定者数や支給金額が4.4%減となったものです。
 見直しに伴い、令和3年度に就学援助を受けた一部の者が就学援助を受けられなくなることがあった場合は、急に援助が受けられなくなり、計画的に生計を維持していくことが難しくならないように、支援額を徐々に減らしていく激変緩和の手法で救済していきたいと考えています。
 具体的には、経過措置として、1年目の令和4年度には3/4、2年目の令和5年度には1/2、3年目の令和6年度には1/4と、段階的に減額して支給することにし、丁寧な対応に努めます。

③放課後児童クラブについて

(きせ康平議員)
 次に放課後児童クラブについてです。見直しは「今後サービス向上を行う」とする一方、有料化にすることが明らかとなりました。そこで市の考えるサービス向上とは何なのかお答えください。

(教育長)
 平成30年に実施した利用児童の保護者を対象としたアンケート調査の結果、ニーズが高いことが把握できた項目としては、「長期休業中等の昼食提供」、「施設面の改善」、「第2土曜日の開所」、「市によるおやつの提供」などがあります。
 現在、こうした項目を中心に、費用対効果や指導員の負担等を考慮しながら、サービス向上策の具体的な実施方法などの検討を行っているところであり、詳細が固まりましたら、改めて、議会に報告させていただきます。

(きせ康平議員)
 また、見直しの際、経済的理由で利用困難とならないように配慮をするとのことですが、経済的理由とはどういう世帯なのか、市の見解をお聞きします。

(教育長)
 負担軽減策については、現在 料金体系とあわせて検討を行っているところです。
 今後、検討を進めていく中で、経済的な理由で利用が困難とならないよう配慮したいと考えています。

(きせ康平議員)
 この度の就学援助の見直しにより、今後対象外となる約1,000名を除いた2万3千人は生活保護基準以下の生活状況にあると市は認定したことになります。そのうち約1,500人は生活保護を受けていると聞いていますので、約2万1,500人の児童が保護を受けず、保護基準以下の生活状況にありますが、それでも有料化を行うことについて市はどう考えるのかお答えください。全国の自治体で有料化が広まった中、無料で行っていることは、胸を張って誇れることであり、引き続き無料で行うべきだと思いますが、市は無料で行うことを恥だと思っているでしょうか。お答えください。

(教育長)
 本市における放課後児童クラブは、平成27年度以降、児童福祉法に基づく事業として実施しており、その運営経費については、2分の1を利用者が負担し、残りを公費で負担するという考え方が国から示されているところですが、この事業の前身となる留守家庭子ども会において、対象児童が低学年に限定され、また、利用率も低く、結果どして、財政負担もそれほど大きくなかったことなどから、長年、受益者負担を求めておらず、その扱いを現在まで継続していました。
 しかしながら、児童福祉法に基づく事業となった平成27年度以降、対象児童が全ての学年に拡大され、また、利用率も年々上昇していることに伴い、運営経費も増加しており、このままでは現行のサービス水準を維持しながら、持続的に運営していくことも困難になる可能性があります。
 また、保護者アンケートの結果、9割近くの方がサービス向上を求めていることや、7割を超える方がサービスの維持・向上のためには一定の負担もやむを得ないと考えていることが明らかになっています。
 こうしたことから、今後、保護者のニーズに応え、満足度がさらに高まるようなサービス向上策を実施しつつ、将来にわたって放課後児童クラブを安定的に運営していくためには、運営経費の一部について、受益者負担をお願いする必要があると考えたものです。

5.上安産業廃棄物最終処分場について

(きせ康平議員)
 最後に上安産業廃棄物最終処分場についてです。
 近年、全国で安定型産業廃棄物最終処分場について周辺住民との生活や環境への影響に関するトラブルが多発し、訴訟などが頻繁に起こるようになっています。日本弁護士連合会は2007年に廃棄物処理に関する法令の改正にあたって、安定5品目いわゆる廃プラ類、金属くず、ガラス陶磁器、瓦礫など性質が科学的に安定している廃棄物を処分する安定型であっても、それ以外の廃棄物の混入はさけられず環境汚染を引き起こすような汚染物質が流出する実態があるとして、新たに安定型産業廃棄物最終処分場は許可しないよう求める意見を国に上げています。
 広島市は現在、安定型産廃最終処分場は6か所すべて民間業者が管理運営しており、そのうち5か所の処分場が稼働しています。その一つである上安産廃処分場は安佐南区と安佐北区両区にかかる野登呂山の中腹にあり、太田川の水源地にあります。35年ほど前に事業が開始され、この間も、たびたび拡張申請が行われ、マツダスタジアムの1、7倍にまで拡張しています。現在、処分場を運営しているJAB協同組合は、今年5月にさらなる処分場の拡張許可を広島市に申請し、住民からは意見書等が出されていましたが、それへの回答を行わないまま12月3日に許可したと聞きました。
 現地では市民団体「上安・本郷産廃処分場連絡会」の方々が今年の7月以降毎月、現地調査・確認をされています。その結果、本来出るはずのない異臭や白い泡の混じった水が排出されているのを第一調整池や近くの荒谷川で確認されました。更に、独自に荒谷川で取水した汚染水の水質検査も行い、環境基準を超えていることも確認し、広島市にたいして、処分場の水質調査や適切な指導をするよう要請しました。私たち党市議団も9月23日と11月20日に現地に行き、泡など河川の異常を確認しました。広島市は8月26日に、現地を確認し、10月に年1回の立ち入り調査を行い、水質検査も行うと答えておられます。そこで改めて許可監督権者である広島市の指導管理について伺います。
 8月26日以降の現地確認の際、調整池への排水状況と処分場はどういった状態だったのか。その後、当該処分場の管理状況について、JAB協同組合に対して、いつどういった指導を行ったのかお答えください。

(環境局長)
 本市は、上安産業廃棄物処分場を拡張するための変更許可を行うにあたり、8月26日から4回にわたり立入調査を行いました。
 立入調査の際、処分場内の廃棄物への覆土の一部が不十分であること、侵入防止柵の追加設置が必要であること、調整池の排水に泡と臭気があることを確認したことから、事業者に対して改善を指導しました。
 その結果、事業者は、十分な覆土を行い、侵入防止柵を追加設置し、調整池の清掃を実施しています。また、新たに排水処理設備を設置、稼働させており、本市として、調整池の水質改善が図られたことを確認しています。

(きせ康平議員)
 国は平成22年に廃棄物処理法の改正おこない、事業者に定期検査や、処理施設の維持管理に関する情報の公開を定めています。これまで事業者が行った検査の結果の公表について、どういった指導をされてきたか。
 また、直近の事業者が行ってきた水質検査結果について、異常はなかったのかお答えください。

(環境局長)
 廃棄物処理法において、処分場の水質検査結果など維持管理情報の公表は、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならないとされており、現在、当該事業者は、処分場に隣接する事務所において紙媒体により公表を行っています。
 本市としては、地域住民等が、随時、維持管理情報を確認できるよう、インターネットによる公表もあわせて行うよう申し入れているところです。
 また、昨年度、事業者が実施した水質検査の結果に異常はありませんでした。

(きせ康平議員)
 JABの計画変更の申請によるとかなりの高さまで盛土にする計画になっているが、昨今、頻発する集中豪雨や南海トラフ地震も予期される中、自然災害が起こった場合、埋め立て地の崩壊、土石流被害も心配されます。
 市は専門家の意見を聞き、拡大許可を出したとのことですが、専門家が問題ないとした根拠を教えてください。

(環境局長)
変更許可申請書における計画では、「広島市産業廃棄物処理施設の構造に関する指針」に基づき、処分場外への土砂の流出を防ぐ沈砂池や埋立地の崩壊を防ぐ堰堤を設置する設計となっていることから、専門家からは特に異論はありませんでした。

(きせ康平議員)
 市民意見に回答せず、拡張申請の許可を出されたことに、周辺住民の不安が解消されるどころか、不信感を募らせています。どう対応するのかお答えください。

(環境局長)
周辺住民等からの生活環境保全上の意見は、専門家が実状に即して、より適切な意見を述べる参考とするためのものであり、これに対する回答は、許可するか否かの判断に関連するものであることから、許可後、意見提出者に郵送したところです。

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