議会での質問・答弁

2016年10月18日

2015年度決算特別委員会 経済観光環境関係 村上あつ子議員

企業立地補助金について

(村上あつ子議員)
 地域経済の活性化についてお聞きをいたします。
 私たちは,地域経済を支えているのは中小零細企業だというふうに考えているわけなんですけれども,まず初めに,市内の事業所数,これを教えてください。

(産業立地推進課長)
 総務省の統計局が行った平成26年経済センサス基礎調査によりますと,市内の企業数は3万4596,そのうち中小企業基本法の定義による中小企業数は3万4474と,全企業の99.6%を占めております。

(村上あつ子議員)
 全企業の99.6%,ほとんどがそういう企業だということになるわけですけれども,そこで,まず,市が今取り組んでいる事業について二,三お聞きをするんですけれども,企業立地促進補助金事業というのがあるわけですけれども,まず,この補助金制度の目的をまずお聞きをいたします。

(産業立地推進課長)
 企業立地促進補助金の目的についてお答えします。
 企業立地促進補助金は,本市への企業立地を進めるとともに,本市からの企業流出を防止し,産業の集積と雇用機会の拡大を促進し,これらを通じて地域経済の活性化を図ることを目的としております。

(村上あつ子議員)
 この事業は,17年度に制定をされて,19年度から交付が始まったわけなんですけれども,当初,この制度の目的をお聞きしたときには,雇用の創出と税収の増加と,今先ほども言われました地域経済の活性化ということを言われてたと思うんですけれども,目的が変わってきたというふうに認識してよろしいんでしょうか。

(産業立地推進課長)
 目的としましては,先ほど申し上げましたように,本市への企業立地の推進を進めることと企業流出を防止することで,産業の集積と雇用機会の拡大を促進し,地域の活性化を図るということについては,当初から目的のほうは変わってございません。

(村上あつ子議員)
 当初から変わってないと言われました。
 それでは,質問を進めていくんですけれども,この補助金なんですけれども,昨年度,27年度の補助金を交付した企業数と金額,それから雇用者数を教えてください。

(産業立地推進課長)
 平成27年度の企業立地促進補助金は,24社に対し,総額12億7324万円を交付しており,この24社における交付申請時点での常用労働者数は1,707人となっております。

(村上あつ子議員)
 27年度に交付したのは24社ということなんですけれども,この制度は一括交付するのと,分割で交付するというのがそれぞれあって,それを含めた24社というふうに思うんですけれども,27年度で新規で初めて交付した企業は,今の24社の中でどれだけあるんでしょうか。

(産業立地推進課長)
 委員が言われました5分割と一括なんですけれども,補助金の交付は原則5分割で行っております。ただ,西風新都及び市有地に立地した企業につきましては,一括,または分割交付を選択できることにしております。それで,平成27年度に交付した24社のうち,補助金を新規で交付した企業数ですけれども,一括で交付した企業が5社,7億4409万円,5分割の1回目を交付した企業が4社,3364万円となっております。

(村上あつ子議員)
 合わせて9社あったということなんですけれども,この今の先ほど言ったこの9社の中で,雇用者数なんですけれども,正規と非正規というふうに分けたらどういうふうになりますか。

(産業立地推進課長)
 先ほどの9社の中での正規,非正規という分けは,済みません,今ちょっと数字を持ち合わせておりません。

(村上あつ子議員)
 済みません,じゃあ,後で教えてください。
 今新規で立地する企業が27年度9社だったわけなんですけれども,これは大体平均的な数というふうに受け取っていいんでしょうか,この間のこの制度が始まってからで。大体新規で立地する企業数は,この9社は多いほうなんでしょうか。

(産業立地推進課長)
 ここ数年,平成25年ぐらいから新しく補助申請を認める企業数はふえてきております。ちょっと具体的に今何社かというのを持ち合わせておりませんけれども,リーマンショック後,一旦新規立地は減ってきたんですけども,ここ3年間ほどはふえてきている状況にございます。

(村上あつ子議員)
 ふえてきているということなんですけれども,一つちょっと,決算の資料の中に不用額が出てたんですけれども,1億4786万,これはどういう理由なんでしょうか。

(産業立地推進課長)
 執行残が生じた主な理由ですけれども,申請のあった24社のうち15社について,申請額が当初の予定を下回ったことにより,約1億1000万弱の執行残が生じました。また,このほか,3社について,年度内の補助金の交付申請が間に合わずに,約4000万の執行残が生じました。その結果,合計約1億4800万円ほどの執行残が生じたものです。

(村上あつ子議員)
 わかりました。
 この制度が始まって9年になるわけですけれど,じゃあ,この間の9年間での実績は,企業数と交付額をお聞きします。

(産業立地推進課長)
 平成19年度から平成27年度までの9年間に53社に対し,総額57億2542万円を交付しております。

(村上あつ子議員)
 53社で57億,これ,以前聞いたときに,6年間だから,3年前です。約10億2000万だったんですね。ということは,立地した企業も相当いうか,ふえてきていて,交付額もふえているというふうになるんですけれども,じゃあ,この9年間で撤退した企業はあるんでしょうか。

(産業立地推進課長)
 この9年間のうちで,これまで当該補助金を交付した企業が撤退したという事例はございません。

(村上あつ子議員)
 補助金を交付する期間が5年間で,5年過ぎたら撤退は自由というふうに一応なってたんですけれども,この間,撤退する企業はいなかったと,いないということなんですけれども,この補助金事業の活用によって本市の経済効果がどういうふうになって,どういうふうに市として評価をされているかということなんですけれども,ごめんなさい,まず,もう一個聞かにゃいけんことがあったんですよ。
 税収がどれぐらい増収したかというのがわかれば教えてください。

(産業立地推進課長)
 この9年間に補助金を交付しました53社についてでございます。税収について,これら53社の固定資産税,都市計画税及び事業所税を推計しますと,27年度までで累計約25億円,さらに,法人市民税や従業者による個人市民税などの増収も見込まれると考えております。

(村上あつ子議員)
 53社で25億円ということなんですけども,24年度だったと思うんですけど,この制度の見直しをしまして,雇用奨励金がなくなって,当市だけの一本になって,その理由が企業のほうが参入しやすいように,立地しやすいように,ややこしい要件は省いたということだったんですけれども,先ほど来からお聞きをしておりますと,25年,見直しをしてからずっと新規の立地がふえてきているというふうにお聞きをしているので,そういう意味では,進出する,立地する企業の数でいえば,見直しは成功したのかなと思うわけですけれども,雇用のほうはどうなったのかなというふうにちょっと私なりに調べてみましたら,1年目,2年目,3年目というふうに交付されてるんですけど,ふえてきている。減ってるところもあるんですけど,減った企業は本当数人で,結構ふえてるんですね。だから,安定してそこで事業が展開をしてきているのかなというふうに思うんですけれども,この質問の本来の企業経済効果について,どのように評価をされているんでしょうか。

(産業立地推進課長)
 企業誘致の効果としましては,先ほど申し上げました税収の増加のほかに,雇用の創出,それから地域経済の活性化などがございます。雇用についてですけれども,これまでに補助金を交付した53社の操業開始1年後の常用労働者数は合計で3,048人と,雇用の創出に大きく貢献しております。また,地域経済の活性化については,これら53社による建物,それから機械設備などへの直接の投資額が約323億円に上るとともに,これらの企業の事業活動に伴う地場の企業への仕事の発注,それから従業者の方による消費活動などの効果があり,地域経済の波及効果は大きいものと考えております。

(村上あつ子議員)
 波及効果は大きいという評価をされているということでしたけども,もう一つ,今のは企業立地なんですけども,もう一つ違う視点で,地域を元気にというところで,商店街振興というのは,またこれも欠かせないことだというふうに思うんですけれども,この商店街振興事業について,大きく二つが主要な施策の成果でも載っているんですけれども,まず最初に商店街の活性化事業費補助,これについてお聞きをします。この事業の概要と昨年度の実績を教えてください。

(商業振興課長)
 商店街活性化事業費補助金でございますが,商店街が3年以上継続して取り組むにぎわいづくりなどのソフト事業に対しまして,その実施に要する経費の一部を補助するものでございます。昨年度の実績でございます。本事業を活用しまして,広島市タカノ橋商店街振興組合でのアーケード下の空間を利用した飲食イベントやコイン通り商店街振興組合での地域の大学との連携によるコンテストイベントなど,6事業,新たに実施されております。

(村上あつ子議員)
 6件の新規採択で事業が実施されたわけなんですけれども,ここでも不用額が出ているんですけど,この理由は何でしょうか。

(商業振興課長)
 商店街のイベント補助の関係でいいますと,当初予算では新規採択分につきましては,1区1件を想定して,計8件の560万円の予算を計上しておりましたけども,新規採択実績としては6件分ということで388万円だったと,この理由でございます。

(村上あつ子議員)
 もう一つ,地域商業自立促進事業費補助っていうのがあるんですけれども,これの昨年度の事業の概要と昨年度の実績を教えてください。

(商業振興課長)
 地域商業自立促進事業費補助でございますが,商店街が国の補助金を活用して行う共同施設整備のハード事業に対しまして,その実施に要する経費の一部を国と協調して補助するものでございます。昨年度は,広島金座街商店街振興組合ではカラー舗装の改修及びアーケード照明のLED化を実施しました。また,牛田商店街振興組合では,LED街路灯24本を設置しております。

(村上あつ子議員)
 国の補助事業に伴うというふうに言われたんですけれども,事業費の内訳はどういうふうになりますか。

(商業振興課長)
 まず,金座街商店街の振興組合のカラー舗装の件でございますけども,この場合には総事業費は1億9116万円でございました。その中で,国の補助金が1億1720万円,市の補助額が4667万3000円,商店街の負担が2728万7000円となっております。同じく金座街商店街でございますけども,アーケード照明のLED化につきましては,総事業費が1900万8000円で,そのうち国の補助金が1173万3333円,市の補助額が264万円,商店街の負担が463万4667円となっております。最後に,牛田商店街のLED街路灯の設置につきましては,総事業費は1393万2000円,このうち国の補助額が860万円,市の補助額が193万5000円,商店街の負担額が339万7000円となっております。

(村上あつ子議員)
 今言われた,お聞きしたように,国の補助と市の補助で,地元の負担はそれほどなくても事業ができているということなんですが,実はこの牛田商店街は私の地元でありまして,街路灯がこの事業でできてるんですけれども,ぜひ皆さん行っていただきたいと思うんですけど,中区から牛田大橋を渡って,牛田のほうに入りますと,街灯が両脇に立ってるんですけど,ホオズキの形をした街灯になっておりまして,これは女学院の学生と一緒にデザインの企画をしてなったもので,ほおずき通りという名称にもなっておりまして,とても雰囲気がよくて,こういう事業に乗っかっていい環境ができたなというふうに思ってるんですけれども,国のこうした事業に乗っかってというか,地元の負担はそれほどなくてもできたというんで,そういう意味では,またいいことだというふうに思うんですけれども。
 そういう意味で商店街に対してもそれなりにと言ったら失礼ですね,事業を進めて,地域の商店街が活性化できるようにというふうに取り組んでいらっしゃるんですけれども,今企業と,そして商店街とお聞きして,一番肝心なといいますか,中小企業への支援なんですけれども,これは午前中,三宅委員のほうからもありましたが,金額的には大変大きな金額,事業費の金額としては大きいんですけれども,言ってみれば,これは中小業者に貸し付けをして,返していただくというものでありますので,原資を置いとってというものであるわけなんですね。そういう意味では,しっかり貸し付け,企業のほうにしたら,お金を借りて,返せる営業ができるという,そういうふうになっていかないといけないというふうに思うんですけれども,この執行残が二十八.何%でしたか,あるわけですよ,あるんです。これは,市が当初予算を見込んで,それほどまで貸し付けされなかったということなんですけれども,理由はどういった理由だったんでしょうか。

(ものづくり支援課長)
 本年度の執行残28.7%でございますが,この預託金の制度というのは,景気の動向にも左右されまして,景気がよくなると一般的に使われなくなると,景気が悪くなると需要がふえるとか,そういう経緯がございます。これ過去の話に少しさかのぼりますが,過去,リーマンショック時に資金需要が急激に伸びたことを考慮しまして,景気の変動に迅速に対応できるよう,それからは余裕を持って予算措置をしておりました。ただ,平成25年度以降が景気が回復傾向にありまして,融資残高が減ってきておるため,執行残の割合が多くなってきているものと考えます。

(村上あつ子議員)
 今のをもう少し数字で詳しくお聞きするんですが,融資残高が減っている,執行残がふえているというのは,具体的に予算額に対してどのぐらいの執行残になっているか,数字をこの5年間,教えてください。

(ものづくり支援課長)
 平成23年度からまいります。平成23年度が執行残の割合が予算額258億9300万円に対して16.2%,平成24年度が予算額263億5100万円に対して13.4%,平成25年度が予算額265億5200万円に対して26.4%,平成26年度が予算額266億2500万円に対して36.1%,それで,平成27年度が予算額220億3800万円に対して28.7%となっております。この経緯につきましては,先ほど申し上げたとおり,リーマンショック後,景気の変動に迅速に対応できるように余裕を持った予算措置をしておったものが,平成25年度以降,景気が回復傾向になり,融資残高が減ってきており,執行残の割合が多くなっております。また,平成27年度,28年度につきましては,景気の回復傾向も見つつ,予算額を減少させております。今後も融資制度が中小企業のセーフティーネットとして機能するよう,必要な予算額を確保するよう努力を注いでまいります。

(村上あつ子議員)
 景気が悪いときに今の貸し付けがふえてくるということでいくと,25年度から大体景気の回復傾向にあって,それに伴って執行残もふえて,前年度の実績を見て,また,景気の様子を見ながら,次年度いうか,当初予算を決めていくので,当初予算もこの間少なく減ってきていると。裏を返せば景気がよくなってきているんだということのようなんですけれども,景気がよくなってきているということはとてもいいことだと思うんですけれども,一方で,市内の企業の倒産状況をちょっと見てみますと,この手元の資料でいきますと,24年度が132件であったのが,27年度が91件ということは,倒産件数も少し少なくなって,回復してきているのかなというふうに,これを見ても思うんですけれども,どの年も倒産件数で一番やっぱり多い業種は建設業なんですね。建設業が4分の1前後ぐらいの,3分の1とか,そういう建設業がやはり多くあるということは,ちょっとそこには少し何か考えなくちゃいけないんじゃないかなという思いがしてるんですけれども。
 そこで,私たちは住宅リフォーム助成制度の,広島市もぜひこの制度をつくったらいいという提案をしてきているんですけれども,これはずっと建設,住宅関係なので,建設関係でずっと言ってきていたわけなんですけれども,でも,建設関係だけじゃなくて,やはり地域の経済を考えるときには,とてもここの局も無関心ではいられないんではないかなというふうに思うわけです。
 それで,こういう提案をするんですけれども,この住宅リフォーム助成制度は今,全国の自治体がどんどんこの制度をつくっているんですね。2010年の調査では175の自治体で取り組んでたのが,その1年後には倍近く,330になったんですね。一番直近の調査では,2015年に603の自治体がこの制度を実施しているんです。広島県では4市2町なんですね,県内でも。6の,六つの自治体が取り組んでて,どこでも経済効果がもう10倍近く,10倍以上になっているということがどこでも言われております。
 これまで,当局の答弁でいきますと,住宅改修については,介護保険の中で住宅改修ができて,それを補填する形で高齢者の住宅改修がありますよ,耐震改修の補助もありますよ,だから,それで十分対応できるんじゃないんですかというふうに,そういう考えを示されていたんですけれども,しかし,この今の介護保険を中心とした高齢者の住宅改修ということになりますと,対象者が高齢者,基本的に65歳以上の方ということになるわけですけども,住宅改修をしたいという人はそれだけじゃないですよね。この住宅リフォーム制度を取り組んでいる自治体では,対象者を高齢者,障害者,子育て世帯というふうにしているところもたくさんあるんです。つまり,この3世帯を対象にしたら,もう市民ほとんどみんな対象になるということで,若い子育て世代の人でも住宅改修をしたいという要求はありますし,一つの1軒を住宅改修をする中にはいろんな業者さんが活躍するわけですね。電気とか,窓とか,サッシとか,そういう,もちろん大工さんもそうですけれども,それを地域の業者さんがその仕事を請け負っていけば,先ほどありました99.6%の業者,事業所さんに大きく仕事が波及するということで,広島の経済の活性化に大きく貢献できるというふうに思うわけですけれども,この点について,市の見解をお聞きして,私の質問を終わろうと思います。

(産業振興部長)
 委員から今,住宅リフォーム制度につきまして,取り組んだらどうかという御指摘いただきました。
 ただ,本市におきましては,午前中,三宅委員に御答弁したとおり,中小企業の支援につきましては,各種融資制度を中心にしまして,広島市中小企業センターによる経営相談や広島市工業技術センターによる技術指導などによりまして,資金面,経営面,技術面から中小企業を支援しておりまして,地域の工務店等の中小企業さんにつきましても,こうした各種支援制度により支援してまいりたいと考えております。

(村上あつ子議員)
 終わろうと思ったんですけど,融資は,融資を受けたら返さなくちゃいけないですよね。仕事をやっぱりあげて,それで仕事をしてもらって税金を払ってもらうという,それがいいと思います。終わります。

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