議会での質問・答弁

2018年10月02日

2018年第4回 9月定例会 議案討論 中森辰一議員

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【発言動画】
YouTube 広島市議会動画チャンネル 平成30年広島市議会第4回定例会

 日本共産党広島市会議員団を代表して議案に対する討論を行います。
 上程された16の議案のうち、反対の議案は、第98号議案と第102号議案です。
 意見を付して賛成の議案は、第93号議案と第101号議案です。
 他の12の議案には賛成します。

 まず、第98号議案、広島市競輪事業会計補正予算(第1号)と、第102号議案、広島市競輪条例の一部改正について、一括して反対の理由を述べます。
 これらの議案は、広島市の競輪事業の業務について、今年度までの4年間を民間事業者に包括委託していたのを、さらに3年間延長するとともに、収益を増やす方策として、広島競輪場以外の競輪場を利用して、観客なしで深夜に競輪を実施しようとするものです。
 広島市が競輪を始めたのは、戦後、他の都市がそうであったように、都市の復興のために大きな財源が必要だったからで、競輪事業には、市の財政への大きな貢献が求められました。本来、刑法で処罰を受けるギャンブルで、地方財政への大きな貢献ということがあまり意味をなさなくなれば、違法性だけが残ります。
 自転車競技法には、自治体への財政貢献とともに、他の目的も書かれていて、実際に広島競輪も、年額1億9千万円の交付金を公益財団法人JKAという団体に収めています。全国の競輪事業者からJKAに収められた交付金は年額で120億円を超えます。実際は、これにオートレースの事業者からも交付金がありますから、さらに大きな額になるでしょう。しかし、JKAが公益事業などとして発表している補助金は、年額で50億円程度しかありません。目的の一つである「機械工業の振興」にしても、日本の製造業に対して、研究開発減税という形で、政府が6000億円もの大規模な補助金を出していること一つを考えても、もうギャンブルの補助金でやるという時代ではありません。
要するに、違法なギャンブルをあえて公共が実施する時代ではありません。
 今回、包括委託を3年間延長した先には、老朽化した競輪場を他のレジャーなどとの複合施設として建て替えて、競輪を続けようということになっています。しかし、施設の建て替えをするとなると、30年、40年先も競輪事業が続けられる、つまり相当な財政貢献ができるという見通しがなければならないはずですが、そういう見通しを示すことは当然できません。これは、責任ある提案とはとても言えないのではないでしょうか。
 ミッドナイト競輪を実施する、これからはインターネットでの車券売り上げが増えるんだと言いますが、それは、我々の見えないところで、競輪というギャンブルにのめりこむ人が増える可能性が大きくなるということであり、ギャンブル依存症に陥る人が増える可能性が大きくなるということではないでしょうか。
 日本で、遠く、飛鳥時代からずっと、国家としてギャンブルを禁止してきたのは、人間を堕落させ、闇の勢力とつながる機会となり、社会正義に反するからです。公正でなければならない行政が、社会正義に反するギャンブルを続けるべきではありません。

 次に、意見を付して賛成の第93号議案、一般会計補正予算(第4号)ですが、この中で、急傾斜地崩壊防止対策事業を実施するとなっていますが、広島市内の対策が必要なところは、まだ500か所も残っています。今のペースでは100年かかる計算になりますが、これでは市民の安全を確保する責任を果たすことはできません。県も市も、思い切った予算の増額を行う必要があることを指摘しておきます。
 また、豪雨災害で被災した農業者を支援する補正が行われるとなっています。大いに実態をみて、災害を機に農業をやめるところが出ないように取り組んでいただきたいですが、被害額が40万円に満たないところが対象外となっています。庄原市が実施しているように、対象外になっているところも、対象にして支援できるような措置を検討いただくよう求めておきます。営農を続けるために欠かせない軽トラックが被災した場合も、修繕や取得費用に補助が出せるよう政府に働きかけていただくよう求めておきます。

 最後に、第101号議案、広島市都市計画関係手数料条例の一部を改正する条例についてです。
 住宅確保要配慮者とされる、単身の高齢者やひとり親世帯などが、安価で快適な住宅を容易に確保できるようにするために、国が昨年「住宅セーフティーネット法」を改定しましたが、セーフティネット住宅の登録件数が1年経っても広島市内ではゼロです。このことは、法律が生かされていない状態であり、何のための法改正かと言わざるを得ません。
 このたびの条例改正により、セーフティネット住宅としての登録費用を6500円から400円へと大幅に引き下げることで、登録住宅を増やしたいとの思いがあることは理解できますが、民間住宅の所有者が、住宅確保要配慮者を受け入れて、要配慮者世帯の住まい確保の課題を進めるには、何よりも家賃補助制度を創設することが必要です。広島市として、住宅確保要配慮者の入居を受け入れようとする登録住宅の目標値を持つとともに、家賃補助制度を導入されるよう求めておきます。
 以上で、討論とします。

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