議会での質問・答弁

2018年03月13日

2018年第1回 2月定例会・予算特別委員会 厚生関係 中森辰一議員

2018年3月6日 厚生関係 福島第二保育園について

(中森辰一委員)
 福島第二保育園を廃園にするという市の方針だが、廃園する時期はいつでしょうか。

(保育企画課長)
 平成31年度末を予定しています。

(中森辰一委員)
 私たちは、この公立保育園を廃園にすることに反対してきたが、改めて廃園の理由を確認します。

(保育企画課長)
 福島第二保育園につきましては、園庭の四方を市営住宅に囲まれており、開園当初から周辺住民に対する騒音問題を抱えておりました。地元から移転要望を受けていたような状況でした。
 加えて、建物の老朽化等によりまして、現施設では保育環境等の改善を図ることが困難であったということから、閉園とすることとしたものです。一方で、福島第二保育園がある地区における多様な保育ニーズ等に対応するために、旧食肉市場跡地に民間保育園を開園することとしました。
 こうした市の方針のもと、平成27年4月に民間の『みどりの森みらい保育園』が開園いたしまして、福島第二保育園については平成26年度末時点の在園時が卒園する平成31年度末をもって閉園すつこととしたものです。

(中森辰一委員)
 福島第二保育園がある地域は、長らく衛生環境、住環境を含めた生活環境についても、教育環境を含めた子育て環境も他の地域より劣悪な状態にありました。そういう中で、地元の住民たちが改善運動に立ち上がり、行政による環境改善事業を要求するとともに、特に子育てや教育環境の改善には、地域住民が自主的に、学力向上や情操教育に取り組んできた歴史がある。 そうした取り組みの拠点になってきたのが、教育集会所や公立保育園であり、福島第二保育園もその重要な一つでした。
 福島第二保育園は、25年前に、公立保育園として、近くの広島市の土地に移転建て替えをすることを決めて市の事業計画に掲げ、予算まで組んでいた。
 ところが、一部団体から悪臭を出す工場が移転しない間は移転建て替えを認めないとの意見があげられ、地域で営々と活動してきた地元住民とは何ら調整することもなく、勝手に事業を凍結したそういう経緯があります。
 しかし、その後も、公立保育園として移転建て替えする方針は堅持されていました。そのことは折々の地元住民団体とのやり取りで確認されてきています。
 ところが、一部団体から、福島第二保育園は廃園にして民間保育園を建ててもらいたい、その際はここにと、特定の法人名も指定した文書が市に2回提出されました。秋葉市政の終わりごろだ。ところが、6年前に突然、広島市が福島第二保育園廃園方針と民間保育園建設の方針を打ち出した。
 青天の霹靂だった地元住民たちは、市の担当部局と交渉を始めたが、そこで大きな問題になったのは、この問題の窓口は、あくまでもその一部団体で、その他の住民や住民団体などと話はするが聞き置くだけで市の方針に反映することはしないという、一方的な対応でした。地元住民の声は聴くだけだと市の当局は述べたわけです。これは本当に憤慨されました。
 一部団体というのは、実態は福島2丁目の町内会長の集まりで、住民の総意を代表するものではない。ですから市の方針がその団体、町内会を通じて住民に伝えられることはなかったわけです。そのために、保育園廃園の方針を伝えるチラシを、わざわざ市の担当課長が自ら配布する羽目にもなりました。
 住民の運動があったために、特定の法人に新しい民間保育園をやらせることにはならず、公募になりましたが、地元の住民は、それでも特定の法人になるのではないかと注目し、監視していました。それほど市に対する不信感が募っていたということです。
 そして、福島第二保育園の廃園方針の期日があと2年というところに来ているわけです。
 ところで、広島市は公立保育園の民間移管という形の民営化を進めている。そそういう中でこの問題が起きているわけですけれども、様々な問題があってこの民間移管方針自体は進んでいません。
こういう中で出てきている福島第二保育園廃園・代わりに市の土地に民間保育園を建てるというのは、まさに、広島市の公立保育園民営化の第1号ということになります。私どもが先ず心配したのは、市がこれを先行事例として、このやり方で、公立保育園の民営化を進めていこうということがあるのではないのかという懸念が非常に強く出ていたわけですけれども、この点についてあるのか・ないのかお答えください。

(保育企画課長)
 福島第二保育園につきましては、先ほど答弁したように騒音問題とする過去の地元との経緯がありまして、加えて建物の老朽化等の課題がありまして、閉園することとしたものです。

(中森辰一委員)
 ということは、そういうものに繋がっていくわけではないということですね。もう一度答弁お願いします。

(保育企画課長)
 繰り返しになりますが、福島第二保育園につきましては先ほどの経緯がありまして、閉園することとしたこととございまして、福島第二保育園のある地区における多様なニーズに対応するために民間保育園を旧食肉市場跡地に開園することとしたものでございます。

(中森辰一委員)
 そういうことを聞いたのではない。同じことを答えないでください。先行事例になるのではないかということを確認したいのです。イエスかノーで答えてください。

(保育企画課長)
 先ほどから委員指摘の民間移管につきましては、平成20年に公立保育園のあり方を策定しまして、民間移管対象園9園を公表して取り組みを進めていたものです。この取り組みにつきましては、社会福祉法人の不正経理問題がございまして、一旦は中止をしているものでございまして、この福島第二保育園の閉園と民間保育園の開園につきましては、先ほど申し上げました民間移管の延長線上のものではございません。

(中森辰一委員)
 子どもたちの声が騒音だというのが大きな理由になっているが、この廃園方針が出された7年前に、本当にそうなのかということで実際に地元住民に聞いて回りました。そうすると、そこの住民はうるさいことはない、子どもの声が聞こえなくなるのは非常に寂しい、存続してもらいたいという声がほとんどだったわけです。
 子どもの声がうるさいという、騒音という問題は、最初の移転時にはあったかもしれませんが、改めて建て替えをしようとなった時に、その時点での理由には成り立たないことになっていて、それを今になっても繰り返すというのは違うと思います。
 広島市の保育需要との関係でも、引き続き大事な保育園だとこの間もずっと議論してきているわけですけれども、改めてそれを確認したいと思います。
 この2月1日時点の、福島第二保育園と近隣に新しくつくられた「みどりの森みらい保育園」この二つの保育園の定員と入所状況はどうなっていますか。

(保育企画課長)
 福島第二保育園とみどりの森みらい保育園の二つを合わせた人数を申しますと、定員が192人、入園児童数が203人、入園待ち児童数が11人となっております。

(中森辰一委員)
 このほぼ同じ所に建っている二つの保育園ですが、待ち児童も今11人あるという状況になっています。
 年度の当初と今の年度終わりという状況では、随分と状況が変わってくるわけですが、私たちはこの今の時点での待ち児童がいるということが非常に大事にしなければならないと思っているわけです。
 この二つの保育園があることで、この地域の保育需要がまかなわれていることがわかるし、実際は入れなくて待っている子どもも11人います。
 2年後に、福島第二保育園分の、90人もの保育需要がなくなるという確定的な見通しはあるのか。

(保育企画課長)
 福島第二保育園につきましては、31年度末でございますので、平成32年3月末に閉園といたしますけれども、閉園にあたりましては在園時を含めまして、周辺地域に待機児童が生じないよう同園の入園状況でありますとか、周辺の需給状況、あるいは将来の保育需要の伸びを踏まえて、必要な受け入れ枠については確保してまいります。

(中森辰一委員)
 いや、その確保してまいりますと。それは当然そうなるでしょう。だけれども、現実に今これだけ保育需要があって埋まっているのに、この福島第二保育園の92人ですよ。
 この保育園の定員は。この92人の保育需要という。現実に二つの保育園で11人上回っているわけです。
 しかもこれは、定員超過をしたうえでさらに11人となっているわけです。これだけの保育需要がなくなるというそういう見通しはあるのかということを聞いたのです。

(保育企画課長)
 現状では推計をしてみないと正確なことは申し上げられないが、仮に平成32年4月1日現在で周辺の需給状況でありますとか、福島第二保育園、あるいはみどりの森みらい保育園の入園状況を踏まえて、受け入れ枠が足りないようであれば、その分はしっかりと確保してまいりたいと考えております。

(中森辰一委員)
 見通しを持っているわけではないと思うのですけれども、来年度予算案の中には、17か所の小規模保育事業所の新設が計画されています。この中には観音地区1か所がある。
 小規模保育所ではあるが、なぜ、ここに新しい保育所を設置しようということになったのか。

(保育指導課長)
 平成31年4月におけます観音地区の保育需要の推計を正視に行ったうえで、3歳未満児の受け入れ枠の不足が見込まれるということになりましたので、31年4月までの整備が必要な地区として観音地区を小規模保育事業所の新設をして計上したものです。

(中森辰一委員)
 この間ですね、広島市はこの福島第二保育園の廃園にあたって観音中学校区でもう必要がなくなるのだということをしきりに言っていました。
 しかし、現実に観音中学校区の中で新たに19人の定員を増やす。そのために保育園をつくらないといけない。ということになっているわけです。通勤の関係で言えば、福島保育園まで含めて選択肢に入るわけですけれども、そういう位置づけの中では重要な保育園ということは変わらないと思います。
 新たに需要があって、プラスをしないと足りなくなるそういう見通しになったからこそ、観音中学校区内に新たな保育園をつくらないといけないということになったではないですか。
 いま現に、電車やバスの便が便利な福島2丁目の2つの保育園です。区役所からも近く、電車の停留所もあるし、バスの停留所もあります。非常に西の方から都心の方へ通勤される方にとっては、地元で難しければこういうところでという、そういう選択肢にもなったと思うのですけれども、この保育需要というのが後2年で消滅するということなどあり得ないというふうに思います。
 自分たちの子どもの教育環境をよりよくしたいとがんばってきた、その点では広島市の行政施策の前進に大きな役割を果たしてきた地域住民の思いを一切無視して、聞くけれども、市の施策には一切取り入れない。こんな傲慢なことも言って、しかも、現に保育需要があるにもかかわらず、決めた方針だからと頑なに見直そうとしない、こういうことでは、市民との共同作業で広島市政を発展させていく、こんなことなどできるわけないと思います。
 改めて、この保育需要があると思います。90人の需要が今から2年後に消滅する。そんなことは絶対ない。新たに11人の保育需要があるからこそ、定員19人の小規模保育所をつくらなければならないということになったではないですか。
 そういう中で、福島第二保育園を廃園するということはあり得ない。広島市の今の待機児童の実態からみてもあり得ないと思うので、これは是非、どうしてもこの廃園撤回を撤回してもらいたい。あと2年間あるわけですから。その間に方針転換するように強く求めておきます。

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