政策と活動

2020年05月15日

新型コロナ対策に関する要望書

市議団は15日、新型コロナウイルス感染拡大について取り組んでいるアンケートなどで寄せられた実態をもとに、市長あてに申し入れをしました。財政局長が対応しました。6回目の申し入れです。


広島市長 松井 一實 様
日本共産党広島市議団

新型コロナ対策に関する要望書

 新型コロナウイルス感染対策に日夜取り組まれていることに敬意を表します。
 政府の緊急事態宣言は解除される見通しですが、未知のウイルスへの不安とともに国や行政からの営業の自粛や休業要請により経済と市民生活が大きなダメージをうけたままです。市民からは、国や自治体の取り組みが遅いという苛立ちの声が多く寄せられており、具体的な対策を早急に実施していただくように重ねてお願いするものです。

1.今後の感染拡大に対応できる医療体制の確立について
① 重症者の増加に対応できるよう、病床の確保と併せて、感染者用の集中治療室を増やすこと、人工呼吸器などの医療器械の整備を行うこと、マスクだけでなく、ガウンやゴーグルなど医療者を守るための防護資材を十分に確保すること。
② 感染者受け入れる病院に対して、待機する病床への補償を行うこと。
③ 一定の区域ごとに、発熱外来を設置し、市民に広報することで、一般の医療機関を守り、症状のある人がスムーズに受診できる体制をつくること。発熱外来には、必要な防護資材を十分に確保すること。
④ 感染者の治療を行っている市立の病院には、市が責任を持って十分な防護資材を確保すること。
⑤ 感染病棟で最前線で奮闘している医療従事者には、大阪の1日3000円などの例を参考にしながら、思い切った危険手当を支給すること。また、自宅で感染の不安を持つことなく勤務できるように、希望者には専用の宿泊施設を提供すること。
⑥ 今回の感染拡大で、特に公立病院、公的病院の重要性と病床数の余裕が必要であることが明らかになった。政府が進める公立・公的の424病院の統廃合方針に断固反対を表明されること。

2.検査体制の抜本的な拡充について
① マンパワー不足と業務過重によりパンク状態になっている保健所を通さずにPCR検査を進める体制を整備すること。それにより、保健所は、感染拡大防止やクラスター対策に専念できるようにすること。
② もっと短時間で結果が出る検査キットの導入に取り組み、抗体検査を推進すること。

3.自粛や休業により減収となった事業者への支援について
① 商工関係者・業者団体と協力して、市内事業者の実情を調査すること
② 固定費のうち、最低限、家賃の補助を行うこと。
損失や収入減少を少しでも補てんできる制度をつくり、収束後に経済活動が再開できるようにすること。
③ 感染収束後に文化活動を再開できるように、発表の場がなくなった文化活動関係者、イベント関係者に対して、生活支援や活動支援を行うこと。
④ 飲食店がテイクアウト・宅配に参入する場合や新商品開発すすめるための経費を補助すること
⑤ 雇用調整助成金の複雑な手続きの相談に応じる窓口を設置し、社会保険労務士など専門家を配置すること。
⑥ 持続化給付金などの申請などの対応に困っている高齢の中小事業者に対して、相談や支援を行う窓口を設置すること。
⑦ 政府の持続化給付金は1年以上事業をしていることや、5割以上の減収などの条件があるが、新規事業者や減収が5割に満たない事業者を対象とした給付金制度を独自の創設すること。
⑧ 政策金融公庫の融資事務について、緊急事態にふさわしい迅速な融資実行を行うよう国に要請すること
⑨ 指定管理施設の予約解除料金の還付金を負担するなど指定管理事業者の損失を補てんすること

4.縮小する経済活動の中での市民のくらしの支援について
① 税金の減免、や国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の保険料と窓口負担の減免を行うこと
② 市独自に、自営業者も国民健康保険の傷病手当金支給の対象にすること。
③ ひとり親家庭の多くが不安定な就労である中、学校の休業で給食が提供されず、子ども食堂も休止しているため、家計の支出が増加している。こうした世帯への特別の支援金を支給すること。
④ アルバイトがなくなり苦境に立たされた学生に対する市立大学独自の支援策に対して広島市として補助を行うこと。また、新型コロナの影響で休学を希望する学生について、 休学を認めること。合わせて休学中の授業料は免除すること。
  アルバイトを失った学生を支援するため、臨時雇用すること。
⑤ 中小企業での派遣切りが始まっていると報じられる中、国の通知をふまえて積極的に生活保護を決定し、当面の生活の安定を図って近い将来の自立に備えること。
⑥ 生活保護利用者への特別定額給付金は、手続きをしなくても、保護費に上乗せして支給すること。

5.命とくらしを保障する一般医療、介護事業、障がい者福祉事業活動への支援について
① 学校や医療機関、社会福祉事業所への感染防止資器材を緊急配布(マスク、アルコール・  防護服など)すること。入所施設、通所・訪問事業所を問わず、感染防止にガウンが必要であり、十分な量を確保し配布すること。
② 高齢者・障害者のデイサービスの代替えとして、利用者への訪問活動する場合の経費(人件費を含む)を助成すること。合わせて感染忌避による利用者の減少で大幅な収入減が見込まれる中、事業を継続できるように補助をおこなうこと。
③ 感染弱者といわれる高齢者・障害者・子ども等の社会福祉・保育施設で、感染の危険の中で使命感をもって働いている従事者に特別手当を支給すること。
  特に、入所者、従事者ともに感染者を出しながら、感染者の世話をしている見真学園の従事者には、体制上の支援とともに早急な手当てを行うこと。
④ より感染防止が求められる要医療ケア障がい児を在宅で見ている家庭を支援すること。
  医療的ケア児が感染した場合は、母子同伴の入院ができるようにしておくこと。

6.その他
① 保護者が感染した時の児童の緊急一時保護ができるようにすること。
② 指定避難所へのマスク・消毒液の備蓄をすすめること。
  感染防止に配慮した避難ができるよう避難所のあり方について、検討し早急な対策に取り組むこと。
③ 休校による授業の遅れを取り戻すために、夏休み中も授業を行うことが予測されているが、その場合、夏休み期間中も給食の提供が必要となる。しかし、スポットクーラー設備しかない給食調理室で調理作業をする給食調理員は過酷な環境での調理を強いられ、熱中症が頻発する危険性がある。給食調理室に早急に冷房設備を整備すること。
④ 感染の危険を承知で業務に従事しているごみ収集の現場作業員を守るため、必要な防護資材を確保し配布するとともに、事業者には従事者への必要で十分な対策を行うよう指導すること。

以上