政策と活動

2020年02月06日

旧陸軍被服支廠の全棟耐震保存・活用を求める申し入れ

市議団と大平よしのぶ前衆議院議員は5日、広島県が昨年12月、被爆建物「旧陸軍被服支廠」(広島市南区)を解体する方針を発表したことについて、全棟を耐震保存・活用するよう、財務省中国財務局に申し入れをしました。


財務省中国財務局 御中
2020年2月5日
日本共産党 前衆議院議員  大平 喜信
日本共産党 広島県議会議員 辻  恒雄
日本共産党広島市議団 団長 中原ひろみ

旧陸軍被服支廠の全棟耐震保存・活用を求める申し入れ

 広島県は昨年12月、被爆建物「旧陸軍被服支廠」(広島市南区)の、所有する1~3号棟について、地震による倒壊の恐れがあることと、3棟の耐震化には多額の費用を要することを理由として、1号棟のみ外観保存し、2、3号棟は解体・撤去する方針を示しました。財務省中国財務局が管理する4号棟についても、解体を含めて検討中と聞いています。

 旧陸軍被服支廠は、1913年に建造された国内最古級の鉄筋コンクリート造で、当時の高い技術を用いた建築的価値を持つものです。また、旧陸軍の軍服や軍靴などを製造していた施設であり、L字型に残る4棟は、軍都であった広島の歴史を物語るものです。そして、被爆時には救護所となり、多くの被爆者がここで息を引き取りました。被爆者が横たえられた床と、最期に見た天井が、当時のまま残っている他にない被爆建物です。
戦後は学生寮や物流倉庫として活用され、1993年には広島市の被爆建物台帳に登録されました。
文化財に詳しい専門家は「原爆ドーム以上に価値があり、国の重要文化財に指定し、世界遺産として追加登録すべきだ」と話しています。

 これまで何のメンテナンスも施さず放置しておきながら、倒壊の危険を理由に解体するという広島県の方針に多くの市民が驚き、「被爆の記憶を消すべきではない」と署名が広がり、現地を訪れる方も増えています。

 今年は被爆75周年、被爆建物の保存は被爆地と被爆国の責任です。
 国におかれましても解体方針を見直し、全棟保存・活用にむけて県を指導するとともに財政面でも力を発揮していただくよう申し入れます。

以上