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2009年5月15日 基本構想・基本計画特別委員会 皆川けいし議員

オバマ大統領プラハ演説
内部被爆
黒い雨
自動車使用抑制
リサイクルにおける生産者責任
医療・介護・福祉の高齢者、障害者の経済的負担軽減
区役所機能の充実
郊外住宅団地の高齢化への対応
子どもの貧困



オバマ大統領プラハ演説

(皆川けいし議員)
 30分ちょっとで、約8点について質問というか要望を踏まえて発言したいと思います。最初に、すり合わせしていなかったので、これは要望ということで聞いていただければというふうに思いますが、パートナー・モデルを導入するということが、基本構想の中に書いてあります。
 広島市の目指す都市像は国際平和文化都市、都市づくりの方向は、平和と希望の象徴として世界のモデル都市をめざすと、これは特に異論はありませんが、それをやっていく上での基本的な指針として、パートナー・モデルを導入するという言葉が出てきますが、ちょっと私もパートナー・モデルという言葉はあまり聞きなれた言葉ではありません。何となくわかるような気がしますが、後半の文章を読んでおりましたら、このパートナー・モデルに対置して支配・非支配モデルという言葉も出てきておりますので、支配・非支配の関係ではなくて、共に認めあうとか、共に生きるとかそういうことを言っているのだろうなとイメージは湧かないことはないんですが、できたらもっと分りやすい言葉にした方がいいんじゃないかと。共生や共存とか、どういう言葉がいいのか分りませんが、まあ、どうしてもこういう言葉にしっくりくるような日本語がないというのであれば、後半の用語解説のところに、先ほど答弁にもありましたけれども、そういう考え方ですよ、という説明があった方がいいんではないかというふうに思います。これは是非御検討いただければと思います。

 それでは、まず総則の部分について、6ページの第2章で世界及び我が国社会における環境の変化等に対応した都市づくりの視点というのがあります。1核兵器をめぐる世界情勢への対応ということが書いてあります。それから8ページにも、この分野別計画の第1節の最初にも、これはもっとふくらました現状と課題という分析がここで行われていますが、あの核兵器を巡る世界情勢という点では、このつい数か月間で、大きい変化がありました。NPT体制が崩壊の危機に瀕するなど国レベルの交渉が行き詰まりを見せているという表現でこれは終わっています。けれども、あの4月5日のオバマ大統領のプラハ演説を契機にして、核兵器廃絶にむけての国際的な世論が新たに広がってきているのは事実です。こういう中で今月のはじめに国連本部でありましたNPTの準備会議では、来年行われるNPT再検討会議で、前々回合意した核兵器の全面廃絶に対する核保有国の明確な約束、これはこの文章の中にも出てきますけれども、この前々回の合意した文書を改めて来年のNPTでは議題にしようということが、全会一致で新たに合意されました。しかもですね、この準備会議にメッセージを寄せたアメリカのオバマ大統領はその中で、アメリカもNPTの約束を果たすと、こういうようにはっきりと表明しております。前々回の合意文書がなぜ棚上げされたかと、その一番の元凶はアメリカのブッシュ大統領がこういう合意文書は守らんとアメリカは、そういう態度を取ってきたから、これはいかされてなかったわけです。今度は180度アメリカ大統領の立場が変わってNPTの合意がなされたら、 アメリカはその約束を果たすと、こういうようにはっきり表明をされたわけであります。そういう点で、こういう新しい情勢の変化も反映した表現に是非書き直すべきではないかと。書き直すといいますか、今の世界情勢について、改めて触れる必要があるのではないかというふうに思っておりますが、この点ではいかがでしょうか。

(国際平和推進部長)
 委員ご提案のように、オバマ米国大統領のプラハ演説は、核兵器をめぐる世界情勢を大きく好転させる可能性があり、本市としても非常に高く評価しておりますし、まあ大きな期待も寄せているところでございます。また、NPT再検討会議準備委員会での検討状況を見ても、核兵器廃絶に向けた世界情勢は大きな転換点に差しかかっているというふうに認識しております。
 しかしながら、基本構想・基本計画は今後10年を見据えた長期の計画であることから、今まさに動いている世界情勢の一面をとらえ、評価して、それを盛り込むことはまあ少し難しいというか、あの基本計画には少し馴染みにくいんかなというような気がしております。

(皆川けいし議員)
 一面をとらえて、と、この文章を読みましたら、その時点での大切な節目、節目に当たるような問題はちゃんと触れてきておるんです。単なる一面じゃないと思うんです。こういう動きの経過の中で、新しい状況が、今好転という言葉が使われましたが、好転するかどうかは今後の取組にかかってきていると思うんですけれども、これは単なる一面をとらえた評価というようにとらえるんではなくて、今の新しい情勢を踏まえた表現に改めるようにすべきではないかと思うんです。これは、恐らく審議会のときは3月末ですから、こういうオバマ演説はなどもまだ行われていませんでした。審議会でもそういう意見は当然あっても然るべきだと思うんですが、是非そういう意見があったということを反映していただければと思います。それ以上の答弁はもう今日はできませんね。どうですか。局長どうですか。

(国際平和推進部長)
 先ほどと少し繰り返しになりますが、あの、核を巡る情勢、非常にいい方に動きつつある、そういう世論が盛り上がっていくことが、あの大きな期待はされている。期待は大きいと思いますが、そういう状況の現時点で、基本計画に盛り込むというのは難しさがあるのかなという気はしております。


(皆川けいし議員)
 分りました。今は、そういう表現だと。答弁だということで受け止めておきますが、是非これは、再検討をしていただきたいと思います。しかるべきところで。

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内部被爆

(皆川けいし議員)
 原爆被災調査の推進というのが71ページにあります。71ページ原爆被災調査の推進それからその下に被爆実態に関する調査・研究というのがありますが、一つは一連のこの間の被爆者の裁判で、内部被曝についても議論がされております。非常に重要な問題なので、広島市としても、その解明に取り組む旨の表現を加えるべきであると思います。71ページの(2)のアのところに、原爆放射線の身体的影響や遺伝的影響云々というのが書いてありますけれども、ここの部分ですね、内部被曝を含め、といったそういった表現を入れてはどうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

(調査部長)
 委員ご指摘のとおり、内部被曝につきましては、原爆症認定訴訟等において、その影響を幅広く認定する判決が出されております。基本計画の素案にございます原爆放射線の身体的影響には、内部被曝によるなどの低線量被曝による身体的影響も含むことから、そうした調査・研究の必要性について関係機関に働き掛けたいと考えており、表現の仕方になりますけれども、委員の御意見については検討させていただきたいと存じます。

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黒い雨

(皆川けいし議員)
 黒い雨の問題ですが、これは古くて新しい問題です。降雨地域の問題もあります。どの範囲で降ったのかと、依然としてこれが未解明のままです。降雨地域の全域を指定拡大という意味合いのことが、ここに書いてありますけれど、これでは宇田雨域、いわゆる卵型に降ったと、こういう雨域だけを示すと考える人がいるんではないかと思います。宇田雨域以外でも多くの証言があるわけですから、降雨地域の実態の解明を進めるという文言も入れるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

(調査課長)
 本市では、原爆被害の実態解明等を目標といたしました原子爆弾被爆実態調査研究を実施しております。この一環として、昨年度実施しました原爆被爆体験者等健康意識調査の中で、黒い雨の体験等につきましても質問を行っております。また、これと並行いたしまして、原爆による放射性下降物等の実態解明に向けた新たな知見に関する情報収集等も行っておるところでございます。 こうした調査研究を行いながら、今後も引き続き、黒い雨の実態解明に向けた取組を進めていきたいと考えており、委員の御意見については検討させていただきたいと存じます。

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自動車使用抑制

(皆川けいし議員)
 自動車使用の抑制に向けた取組の促進と、16ページ3、自動車使用の抑制に向けた取組の促進というので、(1)交通需要マネジメント施策の推進、ここで「マイカー乗るまぁデー」からいきなり文章が始まっておりますが、実は原案のところには、この前半にですね、自動車に過度に依存する交通体系を見直し云々という言葉が入っておりました。どうしてなくなったんだろうかと思っておりましたら、49ページにはですね、そういう表現がちゃんと載ってあるんですね。総合的な都市交通対策の展開、(1)交通需要マネジメント施策の推進で、ア自動車に過度に依存する交通体系や交通行動を見直し、環境負荷の小さい公共交通や徒歩・自転車へシフトさせる取組として、「マイカー乗るまぁデー」云々とそういうふうに続いている訳です。そういう点では、まあ落とされた理由は何かということと、49ページのこの文章にありますように、私は単に標題に書いたからだぶるから省いたというのは良くないと思うんです。わずか短いですけれども、自動車に過度に依存する交通体系を見直しというところに力点があるんじゃなくて、今後の都市交通対策の基本的な方向としては、公共交通等を自転車にシフトさせていきたいと、ここのところが一番の眼目ではないかと思いますので、是非こういう表現は、きっちりと最初のところでも触れておくべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

(道路交通局次長)
 委員御指摘のとおり、本年1月の特別委員会の提出資料では、16ページに先ほど委員がおっしゃいました、自動車に過度に依存するという文言を記載しておりました。
 この、自動車使用の抑制に向けた取組の促進につきましては、地球温暖化・エネルギー対策の推進に向けて、14ページの基本方針の3に掲げている通り、交通需要マネジメント施策を推進するとともに公共交通機関の利用促進と機能強化に取り組むこと、また、徒歩・自転車で移動する環境づくりを推進することなど、具体的な抑制策について記述しております。
 従いまして、先ほどの自動車に過度に依存するといった以前記載しておりました文言を記載しなくても、その趣旨は理解されるというふうに考えまして、省いたものでございますけども、委員の御指摘の趣旨も踏まえまして、再度検討したいと考えております。

(皆川けいし議員)
 施策の重要な方向性を示す文言だというふうに思いますので、是非取り入れていただきたいと存じます。

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リサイクルにおける生産者責任


(皆川けいし議員)
 次に20ページのリサイクルの推進についてお伺いします。19ページから20ページにかけて書いてある訳ですけれども、この中で、事業者の拡大生産者責任について触れているところが、そういう言葉も出てきません。物を最初に作るところの責任と、いわゆる事業者の拡大生産者責任に対する国の制度が甘い。結局、その尻拭いが全部自治体に来て、莫大な労力が今必要になっているわけですが、まあ、市はこれまでも国にその責任の徹底を求めてこられました。物を最初に作ることが、持続可能な循環型社会を実現するための最初の出発点です。ここの出発点のところで、きちっとした責任が果たされなければ循環型社会は実現しません。いわばそういう社会を作る根本、根幹に関わる問題でもありますので、国だろうと地方だろうと関係ない。この問題に一言も触れないというのは、いかがかと思います。どこかできちっと触れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

(環境政策課長)
 委員御指摘の国への働き掛けについてでございますけれども、市民、事業者、行政が一体となって、ごみ減量、リサイクルに取り組むための目標と具体的行動を取りまとめました、ゼロエミッションシティ広島を目指す減量プログラム、こちらの方に記載しております。
 そして、これに基づきまして、既に国に働きかけを他の政令市と共同して行っておりますため、特にこの基本計画の素案には記載してございませんけれども、委員より御提案をいただきましたので、検討させていただきます。


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医療・介護・福祉の高齢者、障害者の経済的負担軽減

(皆川けいし議員)
 次に58ページ。第5章保健・医療・福祉の充実、この中の第1節は健康づくりが中心となっておりますが、第2、第3は、高齢者、障害者対策がかかれております。高齢者、障害者の経済的負担の軽減について、こういう項目立てがいるんではないかと私は思うんですが、社会全体の経済状況が悪くなっている中で、高齢者、障害者は経済的に厳しくなっております。医療・介護・福祉について、低所得者対策として、経済的負担の軽減というのは、いくつか具体的な施策の中でありますけれども、高齢者、障害者全体の経済的負担の軽減という視点がいるのではないかというふうに思います。同じようにですね、子育て支援の、57ページのところにはちゃんと「子育て家庭の経済的負担の軽減」というのが(2)で項立てがしてありますので、同様の趣旨を高齢者や障害者のところでも、ちゃんと触れるべきではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

(健康福祉企画課長)
 高齢者、障害者の方が、医療・介護・福祉といった様々なサービスの提供を受けるに当たりまして適切な負担となるように努めることが重要であるというふうに考えております。委員からもいくつかのご指摘がありましたけれども、現在の基本計画の素案では、例えば介護保険制度の関係につきましては64ページ、それから障害者につきましては68ページにそれぞれ低所得者に対する利用者負担の軽減について記載をしております。それから、まあそういった制度ごとの記載ではなくて、高齢者、障害者、それからひとり親家庭などを含めまして、まあ所得の低い方への支援ということで、生活福祉資金の貸付ですとか、福祉医療に対する補助といったものを記載しております。基本的には、こうした所得の低い方への対応ということで、考えております。高齢者、障害者の方の利用に支障が生じないように、十分配慮はしてまいりたいと考えております。以上です。


(皆川けいし議員)
 低所得者であろうと、ある程度余裕のあるいいますか、低所得者の部類に入らない人であろうと今もう障害者や高齢者の全体として負担感がすごい現実に増えているわけです。負担が軽いと思っている人はいないと言っても過言じゃないと思いますので、そこはちょっと表現でも工夫できたら、された方がいいんじゃないかというふうに思います。

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区役所機能の充実

(皆川けいし議員)
 200ページ、区役所機能の充実というところがあります。これは、議会でもですね、区役所にもっと権限と予算を与えられんのかということが、これまでもいろんな方々から意見もあげましたが、あがっておりますが、私も同様の趣旨で、この区役所機能の強化という表現でなくて、区役所機能の権限強化とか、区役所権限の強化とか、権限やら予算というのを強化というところにやっぱり分かるような表現にした方がいいんじゃないかというふうに思うんです。理由を言います、例えば「災害に強いまちづくりプラン」というのがやっぱり区の計画の中では、反映されていないのではないかと。また、この災害だけの問題ではなくて、まあ、南区には認知症の高齢者施設が全くありません。こういう事実を解消する区の特別の努力というのがあってもいいんじゃないかと思うんですが、そういうのは触れられていない。また、郊外住宅団地の高齢化等への対策というのは、今回、新規で出てまいりますが、そういう点では、大広島が発展してくる過程で最初にこういう大規模な団地がどこにできたかというと安佐南区です。ここの安佐南区のあの斜面にはりついた団地群が、いずれも高齢化して大変な深刻な状況が広がっています。ところが安佐南区の計画を見ましたら、コミュニティを活性化していくという程度しか、この問題は語られていないんです。これは、区の計画を不十分というよりも、区役所ではそういう発想が生まれてこないと。そういう点でもっと区役所が、独自の施策が思い切って打てるような、権限と予算をもっと拡大してもいいではないかというふうに思うんですが。そういう点ではいかがですか。

(総務課長)
 区役所の機能強化につきましては、区役所への権限移譲などの取組を記述しておりますけども、先ほどの委員の御指摘を踏まえまして、区役所の果たすべき役割について、どのような記述ができるか検討していきたいと考えております。


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郊外住宅団地の高齢化への対応

(皆川けいし議員)
 この、団地の問題が出ましたので、ついでに触れておきますが、47、48ページに、郊外住宅団地の高齢化への対応というので、文章が4行ぐらいありますが、これ読んだらちょっと分かりにくいんです。特に、住み替えの促進というのは、団地から人が平地の方へ住む、そういう移住を促進するんだろうか、それとも、空き家の増えた団地に人を呼び込むためのものだろうかと、ちょっととらえ方がよく分らんのですが。誤解を生まないためにもここらはちょっと表現をちゃんとした方がいいんじゃないかと思うんですが。いかがですか。

(住宅部長)
 ライフスタイルに応じた円滑な住み替えの促進という表現でございますが、これは、都心部などの利便性の高い地域の住宅に住み替えを希望する郊外の持家に住んでいる高齢者世帯や、郊外のゆとりある居住環境を望む子育て期のファミリー世帯の円滑な住み替えの促進に取り組んでいくと、そういうことを示しています。
 今後、基本計画案の取りまとめ作業の中で、より内容が的確に伝わる表現への修正について検討してまいりたいと思います。


(皆川けいし委員)
 今、高齢者が取り残されて、交通の便も悪いから、息子のところに移りたいと、ところが家が空き家にしたくないと、そういう家を今度は若年層でなかなか住宅ローンを考えたら手が出ないといった方々に安く斡旋するというような、そういう仕組みはどうも最近検討されているようですが、まあ、そういうことを言うんです、と説明を聞いて初めて分ったんですがね。あの、もうちょっと分かりやすい表現にされた方がいいんじゃないかと思います。

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子どもの貧困

(皆川けいし委員)
 最後に、子どもの貧困の問題について、これは、52ページの第4章、子どもの未来の創造と、第4章。それから、あと教育のところで、そこに共通して関わる問題提起をさせていただきたいと思うんですが、子どもが置かれている現状をどう見るかという点で、教育分野の計画もこの子どもの分野の計画の現状と課題というところを見ましても、子どもの貧困という視点が、どこにも出てきていないんです。それで、これは最近特に、大きい社会問題になってきております。例えばユニセフが05年の発表した子どもの貧困についてのレポートというのが、国際的に大きい、注目されております。これは、2000年時点での、国際的な比較がされておるわけですから、今から約10年前の数字ですが、日本の子どもの貧困状況は、全体の子どもの14.3%。先進国26か国中で10番目に高いということになっております。ところが、問題は、各国の政府の子どもの貧困に対する取組の姿勢ということろで、際立って差が出てきておりまして、子どもの貧困化率の上昇率という点でいったら、この10年間の上昇率は日本が著しく高くなっておりまして、他の先進国は子どもの貧困の問題に正面から取り組んできたために、軒並み貧困率は落ちていると、こういう統計になっております。これは皆さん方、そういう認識は恐らく持っておられると思うんですが、外国では政府の介入によって、子どもの貧困化率を下げてきておるわけです。ところが日本では、逆に非正規切り、派遣切りというようなこともありまして、格差と貧困というのが、2000年から今日までの間、逆に非常に広がっている。恐らく子どもの貧困率も上がってきている。まあ、政府の同じ介入によって、子どもの貧困率を下げている。これは、イギリス、フランスなどがそうです。ところが、日本では逆に貧困率が相当深刻になってきています。10年前に14.3%ですから、今はもっと高くなっていることは間違いないと思います。問題は、貧困は単なる狭い意味での貧困だけに終わらない。子どもたちへの影響というのが、非常に深刻になってきております。これはまあ、言ったらキリがありませんが、これはもう無視できないところまで来ているんじゃないかというふうに思います。今、専門家の間でも、子どもの置かれている状況を直視した政策が今本当に大事になってきている。これまではどっちか言いましたら、親や家庭に的をしぼった子育て支援対策というところが中心となっていました。これは、親が働きやすいように保育所をもっと造る、あるいは、延長保育を充実する、一時保育をつくる、いうようなところが言われてきたけど、やはり保育料の問題とかです、あるいは生活保護の母子加算が廃止をされましたけれども、これも母子家庭の就労支援をするという理由で導入されたわけですけども。そうじゃなくて、やっぱりどの子も同じ子どもと、家庭の貧困で子どもたちの人生のスタートを差をつけてはいけないと、そういう点で、やっぱり子どもの貧困には独自の対策が必要なんじゃないかということが、今言われております。現にそういう努力をして、先進諸国は子どもの貧困を独自の課題として取りあげて貧困化率を下げてきております。まあ、そういう背景があるもんですからね、そういう点では、子どもの貧困という視点を、この現状と課題というところで、やっぱり触れる必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。

(こども未来企画課長)
 本市におきましても、小中学校の就学援助認定数や児童扶養手当受給者が年々増加しているという状況がありまして、子どもを持つ帯にも経済的に厳しい世帯が増えている傾向があると認識しております。子どもの貧困という言葉が、最近新聞報道などで使われるようになっておりますが、経済協t力開発機構、OECDの調査によりますと、標準的な所得の半分しかない世帯を貧困と定義したうえで、わが国は、世界の経済先進国の中で子どもの貧困率が高い国の一つであるとされております。また、例えば、子どもが修学旅行にいけない、高校に進学できないなど、ほとんどの人が享受できることが金銭的な問題でできない状態を貧困とするという考え方もありまして、昨今の雇用環境の悪化などから、このような状況に置かれる子どもの増加が懸念されております。
 このため、第5次広島市基本計画の部門計画となります子どもに関する施策の新しい総合的な計画の策定に当たりまして、その基本的な視点の一つといたしまして、子どもの貧困への対応の視点を掲げております。子どもの貧困の問題への対応につきましては、委員の御指摘にありましたように国を挙げて取り組むべき問題であると考えておりますが、地方自治体である広島市における取組につきましても、検討していきたいというふうに考えております。 委員ご提案の現状と課題に子どもの貧困についての記述を加えることにつきましては、今後、基本計画案の事務局案を作成する際に検討させていただきたいと考えております。


(皆川けいし議員)
 これは新しい課題でありますし、個々の施策にすぐに反映するというのは、できるものもあろうし難しいものもあろうと思いますので、あえて質問させていただきました。ちょうど時間になりましたので、以上です。ありがとうございました。

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