トップ議会情報・議員の発言2011年第1回 2月定例会・予算特別委員会 議員発言 > 修正案


2011年3月8日 予算特別委員会 一般会計予算案修正案の趣旨説明 中森辰一議員

 ●オリンピック招致について
 ●広島西飛行場の市営化について
 ●広島駅自由通路等整備について



 日本共産党市議団を代表して、2011年度一般会計予算案に対する修正案について趣旨説明を行います。



●オリンピック招致について

<修正する内容>
 2020年オリンピック招致検討事業の経費全額を削除します。

<削除する理由>
 2020年オリンピックを広島に招致しようという秋葉市長の提案に対して、賛否両論がありました。そういう中で、とにかく、どのように実現性があるのか検討する材料が必要だという考えで、基本計画をつくるための予算には賛成しました。
 その後、基本計画が市民の前に示され、説明会が行われ、マスメディアもその内容を報道しました。しかし、市長や担当者が実現可能性を説明しても市民の賛同の声は増えず、マスメディアの調査では逆に反対が増えていきました。
 広島市ではアジア大会を経験しましたが、この成功は一重に市民挙げて協力したことによるものです。つまり、市民多数の賛同がなくては実施不可能です。市民が賛成しない招致計画をIOCが選ぶことはあり得ないと考えます。
 しかも、オリンピック招致を構想し推進してきた秋葉市長本人が、市長を退任するとなると、最大の推進力がなくなるわけで、オリンピック招致計画は事実上白紙になったと言えます。
 にもかかわらず、少額とはいえ、新年度予算案にオリンピック招致推進の予算を組みこんでいるのは、秋葉市長退任後もオリンピック招致を推進しようということであり、認めることはできません。
 なお、オリンピック招致を中止するとなれば、招致検討委員会そのものの開催が必要なく、中止を説明するための会議は別の名目で可能だと考えます。また、JOCとの特別の協議も必要ないと考えます。

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広島西飛行場の市営化について

<修正する内容>
 広島西飛行場の市営化の事業費のうち、広島シティ空港の整備計画策定等の1億3千万円を削除します。その他の経費は、4月からすぐに飛行場機能をなくすことはできないことと、過年度整備分償還金、周辺環境整備費は必要であるので、削減対象から外します。

<削除する理由>
 そもそも西飛行場は、広島空港が今の三原市に移った時に廃港、空港を廃止することになっていて、それが長年にわたって迷惑をかけてきた地元への約束でした。
 ところが、一部からの要求でその約束を反故にして小型機が離発着する空港として残し、東京便復活への望みをつないできました。そのために、毎年数億円の税金が投入され続けてきました。
 東京便の復活は羽田空港の発着枠を確保できる可能性があるというだけで、いまなお確たる見通しも示せないままです。ところが、高速道路の橋梁を建設することとの時期的な問題もあるとはいえ、東京便復活のために巨額の先行投資をしようという予算が組まれています。
 仮に東京便が復活しても、1日にたかだか数百人が出入りするだけの空港が地域を活性化させうるかとなると、なかなか想像できないことだと言わねばなりません。市営化したら着陸料は大きく引き下げると言っていますので採算性はますます悪くなり、今よりつぎ込む税金は増えるのではないでしょうか。
 最初から採算性は無視、可能性の小さい東京便が復活しなければ、まったくの無駄な投資になるような事業をやる余裕は広島市にはないと考えます。
 最初に地域に約束した通り飛行場は廃止するべきであり、関係予算を認めることはできません。

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広島駅自由通路等整備について

<修正する内容>
 広島駅自由通路等整備の推進の事業費のうち、自由通路等の工事費、及びペデストリアンデッキ・新幹線口広場実施設計等、合わせて4億8462万円を削除します。自由通路実施設計等は、過年度に債務負担行為を議決しているので、今回は削除対象から外します。

<削除する理由>
 自由通路は、あれば便利でしょうが、厳しい財政状況で、いまなお財政健全化を進めている広島市が、あえて巨額の予算をつぎ込んで急いでつくらなければならないものではありません。
 しかも、自由通路を建設するために、各ホームをつなぐ跨線橋を取り壊し、新たに西側に建設、しかも改札口などまで追加でつくるものになっています。
 さらに、自由通路の両側にはJRが運営する店舗スペースが建設されます。店舗部分の事業費はJRが負担しますが、これらは一体のものです。自由通路がなければ店舗の建設もあり得ません。
 自由通路の建設と言いながら、実態は新しいJR施設を建設するものになっているわけです。自由通路そのものは、確かに市民の利便施設ですが、同時に、自由通路の両側にはJRの店舗がつくられるわけですから、JRが利益を増やすのに役立つ施設です。
 実態はJRの新しい施設を建設するものであるにもかかわらず、店舗部分を除くとはいえ、その他は全て広島市の公共事業で建設する、JRの負担は1割のみというのは全く筋が通らないことです。
 「JRの利益になる施設だから、JRがつくろうと思うが市に1割補助してくれ」というなら話はわかりますが、事態は逆になっています。このような筋の通らないことを認めることはできません。
 また、これと一体で整備されるペデストリアンデッキ、高架歩道橋の建設や駅前広場の再整備などの計画も、厳しい財政状況の折であり、急いでやるべきことではありません。学校の耐震化など本当に急ぐべきことはいくらでもあるわけで、こちらを優先させるべきです。

 以上の理由で、3点の事業に関する予算を削除修正する必要がありますので、修正案を提案します。委員の皆さんのご賛同をお願いし、提案理由説明を終わります。

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