トップ議会情報・議員の発言2011年第5回 12月定例会 議員発言 >一般質問・村上あつ子議員


2011年12月12日 本会議 一般質問 村上あつ子議員

     ●TPPについて
     ●エネルギー政策について
        ・再生エネルギーの普及で地域おこしを
     ●事務・事業の見直し検討について
        ・寝具乾燥消毒事業について
        ・高齢者公共交通機関利用助成について
     ●高速5号線について
     ●基町県営住宅の廃止について
     ●「黒い雨」について
     ●どの子にもゆきとどいた教育・支援を
        ・通級指導教室について
        ・スクールカウンセラーについて
     ―(再質問)―
        ・高速5号線について
        ・基町県営住宅について



 日本共産党市会議員団を代表して一般質問をおこないます。
 2009年の総選挙で国民が政権交代に託したものは「政治を変えてほしい」というものでした。ところが、3代目の野田首相が選んだ道は、子ども手当廃止、高校授業料無償化見直しなど、総選挙の「看板政策」を全て投げ捨て、民主・自民・公明の3党体制の下、アメリカ・財界の顔色をうかがい、その一言一句を忠実に実行する「使い走り」政権であります。



●TPPについて

(村上あつ子議員)
 この野田政権が日本を「亡国の道」へと突き進めている、TPP参加について質問します。
全国のTPP参加反対の党派をこえた世論にもかかわらず、野田内閣は、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議でTPP参加にむけて各国と協議すると表明しました。

 TPPが農産物をはじめとする物品の関税を撤廃するだけでなく、保険や医療の規制、国境を越えた労働力の移動など、いわゆる非関税障壁の撤廃まで含んでいることから、農林漁業だけでなく、医療・金融・保険・官公需・公共事業の発注・労働など、地域経済や国民の暮らしに大きな影響を与えることが日増しに明らかになっています。広島市にとってけっして無関係ではありません。

 経済産業省は、TPPに参加しないと81万人の雇用減になるとしていますが、農水省は参加した場合の雇用減を農業やその関連産業などを合わせて340万人としています。
失業者が増え、家計と消費、内需が冷え込むのは目に見えているではありませんか。

 また、TPPでは「政府調達」も対象になっています。国や自治体の公共事業や備品購入などで「地元業者優先」などが「障壁」とされ、「規制緩和」がすすむならば、地域の建設業者はますます減少することになります。学校給食の食材の地産地消の取り組みさえ、外国製の食品の参入を阻むとして、問題視されかねません。

 議会は、9月定例会で、地元中小企業への優先発注で地元経済振興をすすめるという決議をあげたところです。さらに、広島市も入札参加条件として営業所の所在地要件を市内本店業者という地域要件をつけて受注機会の拡大を図るといった取り組みをおこなっています。
TPP参加でこのような措置は続けていけるのか、大変心配するところです。

 地域を支える建設業者が小規模でも営業が継続できるためには、官公需の分離分割と「地元優先発注」の徹底、また、下請け工事の場合でも、下請け業者が適切な賃金を支払い事業継続ができる適正な請負額確保のために、「公正な契約」を義務付ける自治体の「公契約条例」の制定が求められます。これまでTPP参加の問題点を縷々述べてまいりましたが、市として、TPPへの参加交渉をやめるよう、国に対して申し入れるお考えはありませんか。お答えください。

(経済局長)
 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、「交渉参加に向けて関係国との協議に入る」との野田総理の表明を受け、各界で様々な議論がされているところです。
 本市としては、TPPへの交渉参加についての国民的議論や国の動向を注視しながら、適切に対応してまいります。



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●エネルギー政策について

 ・再生エネルギーの普及で地域おこしを

(村上あつ子議員)
 福島原発事故から丸9カ月が経とうとしています。野田首相は所信表明演説では、「原発事故の収束は『国家の挑戦』、「福島の再生なくして日本の信頼回復はありえない」とし、事故収束、賠償、健康被害防止と大規模汚染にとりくむとのべました。ところが、九月下旬の国連において、「福島原発が突き付けた挑戦を必ずや克服する」「原発の安全性を世界最高水準に高める」と、原発活用、輸出継続を明確にする演説を行いました。この演説は、「フクシマを繰り返してはいけない」と原発に依存しないエネルギーと経済の仕組みづくりにむけ動き出している世界の流れや被災地を始め多くの国民の願いに逆らうものです。
国民世論は「もう原発はやめなければ」と言っている中で、再生可能エネルギーのとりくみをすすめている自治体が注目されています。

 高知県梼原町は、1997年前町長就任から自然にある、風、光、水、森を活かす取り組みが進められ、現在、町内28%の電気が自然エネルギーで賄われており、2050年までに100%自給をめざすとしています。
 1999年に町営で設置した風力発電所は年間3,000万円〜4,000万円の売電料を「環境基金」にして住民に還元しています。今後8基の増設をめざしているということです。太陽光パネルは22の公共施設に設置、一般住宅への設置は全体の約6%で全国でもトップクラスとなっています。河川改修でできた段差を利用して水力発電にとりくみ、昼間は小・中学校、夜間は町内の街路灯に使用。町と森林組合・民間業者の三者が出資して開業した「森林価値創造工場」で生産された木質ペレットは、特養施設・障害者施設・町内に1つあるホテルや学校寄宿舎の冷暖房に使用しています。2006年に建て替えられた二階建ての町役場は、町内産のスギとひのきがふんだんに使われたぬくもりのある建物になっています。屋上に太陽光発電装置を設置し、外部空気を取り込み地下に蓄え冷暖房に使用しています。環境に配慮したまちづくりにも感動したところです。

 8月26日、通常国会において、「再生可能エネルギー固定価格買取法案」が成立しました。太陽光・風力・中小水力・地熱・バイオマス等を用いて発電された電気について電気事業者に対し、国が定める一定期間・価格で買い取りを義務付けるもので、自然エネルギーの爆発的な普及にむけた仕組みが出来たという点では一歩前進です。一方、買い取りに要した費用を「賦課金」として電気代に転嫁されるため、買い取り量が増えれば増えるほど負担も増大することは問題です。

 実は、私たちはすでに毎月の電気代で、1Kwh当たり0.59円の「原発付加金」を支払わされています。これは電気料金の明細書には記載されていません。原発のコストは「ブラックボックス」にしておいて、今年の4月から住宅用太陽光発電の余剰電力買い取りコストを電気代から徴収するシステムをスタートしたことは、再生可能エネルギーのコストの高さのみを喧伝するやり方であり、ただすべきです。

 この仕組みを改め、現在、主として原発関連に充当してきた「電源開発促進税」の使途から原発を除外し、発電コストの高い太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電に充当して、電気料金の値上げを抑えるよう、国に対して申し入れるお考えはありませんか。お答えください。

(市長)
 再生可能エネルギーの普及についてのご質問がございましたので、その基本的な考え方などについて、私の方からお答えします。
 地峡温暖化対策を進めていく上で、太陽光発電などの再生可能エネルギーの利用拡大を図っていくことは大変重要であると考えています。
 このため、本市では住宅用太陽光発電システムの支援制度を設けるなどその普及に努めており、同システムの設置戸数は年々大幅に増加しています。
 今後とも、これまでの施策の費用対効果なども十分考慮しながら、着実に取り組みを進めてまいります。
 また、東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故により、現在、国においてはエネルギー政策の見直しが行われており、その中で市民生活や経済活動への影響なども含めてエネルギー政策の望ましいあり方が議論されています。
 今後、こうした国における見直しの結果やそれに基づく施策なども踏まえ、例えば議員ご提案の再生可能エネルギーの活用による地域の仕事おこしの可能性などについても検討してまいりたいと考えています。


(エネルギー・温暖化対策担当局長)
 国民生活や経済活動に大きな影響を与える電気料金が低く抑えられることが望ましいことは当然です。
 電気料金を抑えるやり方として、議員ご指摘の方法が国民生活や経済活動において適切かどうかについては、現在、国においてエネルギー基本計画の見直しの中で検討されることとなっているため、その動向を見守りたいと考えています。


(村上あつ子議員)
 さて、自然エネルギーの活用は、地域の建設業のみなさんを含めて仕事おこしに結び付けていくことができ、産業として多くの可能性を持っています。
 各都道府県別の日照時間平均値ランキングでは、広島県は2042.3時間で、上から12位。本市は県内で3番目に日照時間が多い地域です。太陽光発電に向いており、爆発的普及が期待できます。
 本市においては、2030年までに太陽光発電を戸建て住宅の半数にあたる10万件、2050年には戸建て住宅のほぼすべてに太陽光発電を普及する目標を立てていますが、長期目標だけでなく、年度毎の目標実現にむけた普及計画を持つべきですがどうなっていますか。公共施設においても新設に限らず、本庁舎や各区役所はじめ、既存施設への設置をすすめるべきですが、お考えを伺います。

(エネルギー・温暖化対策担当局長)
 本市施設については平成21年度に策定した「市有建築物省エネ仕様」に基づき、新築の施設のみならず、既存の施設であっても増築、改築の際には、原則として太陽光発電システムを設置することとしています。
 議員ご指摘の既存施設への太陽光発電の設置については、厳しい財政状況を踏まえながらも、平成24年度から開始される予定の再生可能エネルギーの全量買取制度の動向を十分に見定めた上で、検討していく必要があると考えています。


(村上あつ子議員)
 前述の梼原町では、住宅用太陽光発電の設置に1kw当たり20万円、上限80万円の助成をおこなっています。東京都港区では、経費の四分の1、上限額30万円の支援制度を実施しています。広島市の一律5万円の補助金制度の見直しが必要ではありませんか。

(エネルギー・温暖化対策担当局長)
 太陽光発電システムの設置補助については、今年度においても昨年度を上回るペースで申請があり、太陽光発電システムの普及は着実に進んでいると思いますので、現時点で補助制度を見直すことは考えていません。

(村上あつ子議員)
 また、太陽光発電にとどまらず、川の多いことや市域の62%を森林が占めている本市の自然を活かし、木質バイオマス、小水力発電等の再生可能エネルギーの普及を真剣に取り組み、梼原町のように広島市でも、市と地域住民や地元事業者が一緒にこうした自然エネルギーを活用して、いかに地域の仕事起こしにつなげるか検討を始められてはいかがですか。お答ください。

(エネルギー・温暖化対策担当局長)
 住宅用太陽光発電システムについては、その設置費が高額であるため、平成20年度から助成制度を設け、普及を図ることとしており、年々設置件数は大幅に増加してきています。
 このため、現在の補助制度を着実に運用することを当面の目標としてまいります。

(村上あつ子議員)
 広島市は1997年に、高層化するマンションの増加に伴い多発する日照権などに関するトラブルの解決のために、「広島市中高層建築物の建設に係る紛争の予防及び調整に関する条例」を施行し、出来る限り、トラブルにならないようにするため行政上の規制や救済措置を実施してきました。今後、太陽光発電の普及がすすめば、高層ビルに日照権を奪われ、太陽光パネルの発電能力が下がるという経済的なトラブルの増加が予想されます。付近に太陽光発電パネルが存在する場合は、今まで通り、建築基準法を遵守しているから大丈夫といった理屈は通用しないのではないでしょうか。今後増えるであろうトラブルを回避するための対応策はないのか、お考えをお伺いします。

(都市整備局指導担当局長)
 太陽光発電システムは、設置する地区によっては設置後、近隣に高層ビルが建てられ、そのビルの日影の影響により発電量が減少し、トラブルになることが考えられます。
 こうしたトラブルは、太陽光発電システムの設置者が、近隣におけるビルの建築動向を見通せないなかで発生すると考えられます。
 そのため本市では、「広島市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例」に基づき、ビルの建築主に対して、近隣住民に建築計画や日照の影響等について説明を行うよう義務付けているとともに、トラブルが発生した場合は、近隣住民からの申し出により、あっせんや調停ができるようにしています。
 本市としては、この条例を効果的に運用するなかで、トラブル回避に向けて努めてまいります。


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●事務・事業の見直し検討について 

(村上あつ子議員)
 まず、このほど、中間報告のあった65の事務・事業の選定根拠はなにか、今後の見直し検討はどうなるのか、お聞きします。
 今年度で「廃止」の方向性がだされた21事業のなかには、私ども日本共産党市会議員団が主張してきた中工場の灰溶融炉の廃止が提案されていることは大いに歓迎するものですが、市民生活に重要な施策が削られることは問題です。

(財政局長)
 事務・事業の見直しについては、全ての事務・事業を対象に、(1)事業目的に照らした事業の妥当性・必要性、(2)事業手法の有効性・効率性、(3)事業に対する市の関与のあり方、という主に3つ観点から見直しを行い、現時点で見直しの方向性が得られた65事業について、先月中間報告を行いました。
 今後は、この中間報告を基本に議会の議論等を踏まえながら、さらに検討を加え、平成24年度の当初予算等に反映していきます。
 また、今回の見直しにおいて方向性が得られなかった事務・事業についても、引き続き検討を加えていくこととしています。



 ・寝具乾燥消毒事業について

(村上あつ子議員)
 そのひとつに、高齢者・障害者への寝具の乾燥消毒事業です。廃止の理由として、「利用者が年々減少している」ことをあげ、「ヘルパーが布団干しをしたらいい」とも言われています。仮にヘルパーが布団を干したとしても1時間もすればヘルパーは帰ってしまいます。誰が布団を降ろすのでしょうか。制度の周知徹底はどのようにされているのでしょうか。制度を知らない事業者があることをどのようにお考えでしょうか。

(健康福祉局長)
 高齢者及び障害者を対象にした寝具の乾燥消毒は、寝具の品質向上等により寝具の乾燥消毒の必要性が低下していること、介護保険サービスの福祉用具貸与やホームヘルパーによる布団干しが代替サービスとして利用可能であることなどから、平成23年度をもって事業を廃止することを検討しています。
 おたずねのホームヘルパーによる布団干しについては、ホームヘルパーが利用者宅を訪問した際に、まず、布団を干し、掃除等のその他のサービスを終えて帰る前に取り込んでいると聞いており、新たに利用される場合も同様の対応になると考えています。
 寝具乾燥消毒事業の周知については、これまで、事業案内のパンフレットを各区役所厚生部や地域包括支援センターの窓口に置くほか、民生委員や居宅介護支援事業所、障害者相談支援事業所に配布して必要な人に事業を紹介してきました。
 利用者の減少は、事業者への周知が足らなかったということではなく、寝具の乾燥消毒の必要性が低下したことによるものと認識しています。



 ・高齢者公共交通機関利用助成について

(村上あつ子議員)
 つぎに、来年度以降、抜本的な見直しを検討するとしている、「高齢者公共交通機関利用助成」についてお聞きします。
 この事業は、高齢者が家に閉じこもることなく外出するきっかけづくりとして公共交通機関の利用に要する経費を助成するものですが、
 「日常生活を送る上で必要となる外出の費用軽減としても使われており、目的に則った使われ方になっていない」というのが見直しの理由です。

(健康福祉局長) 
 本事業の目的は、「高齢者の社会参加への意欲を具体的な活動に結び付けるきっかけとして、公共交通機関利用に要する費用の一部を助成し、高齢者の社会参加を促進するとともに、生きがいづくりを推進する」というものです。


(村上あつ子議員)
 お聞きしますが、市が言われる「外出」とは何を指しているのですか。通院や買い物も高齢者にとっては外出する大事なきっかけではないのでしょうか。交通費の助成は「日常生活の支援」ではないのでしょうか。

(健康福祉局長) 
 ここでいう「社会参加」のための外出とは、「通院、食料品の買物等の日常生活を送る上でどうしても必要となる外出」ではなく、「講演会や学習会、趣味のサークル、ボランティア活動、健康・スポーツ活動等への参加など、社会や他者との係わりを通じて、高齢者の生きがいづくりの推進に直結する外出」を意味しています。
 その意味からすれば、日常生活を送る上でどうしても必要となる外出の費用軽減として使われることは、事業の目的に即した使われ方ではないと考えています。

 ここでいう「社会参加」のための外出とは、「通院、食料品の買物等の日常生活を送る上でどうしても必要となる外出」ではなく、「講演会や学習会、趣味のサークル、ボランティア活動、健康・スポーツ活動等への参加など、社会や他者との係わりを通じて、高齢者の生きがいづくりの推進に直結する外出」を意味しています。
 その意味からすれば、日常生活を送る上でどうしても必要となる外出の費用軽減として使われることは、事業の目的に即した使われ方ではないと考えています。


(村上あつ子議員)
 高齢者にとって「市から送られて来る通知で唯一楽しみにしているものがこの利用助成の通知だ」と喜ばれている事業です。
 また、今年からバスカードの廃止に伴いパスピーに変わったため大混乱がおこりましたが、「やっとの思いで申請できたのに廃止になるのか」と不安の声もあります。助成額を増やすことはあっても「廃止」する事業ではありません。
 
 また、この制度は、地域交通を継続するためのかけがえのない制度としても喜ばれています。見直しによって地域交通の存続に打撃を与えかねません。お考えをお聞きします。

(健康福祉局長) 
 しかしながら、所得の低い高齢者にとっては、実態として、日常生活の支援の一つになっているということは考慮しなければならないと考えています。
 こうした現状等を踏まえながら、限られた財源をより効果的に活用するという観点に立って、今後、現行制度の運用状況を検証し、そのあり方について抜本的な見直しの検討を始めたいと考えています。

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●高速5号線について

−高速5号線計画の中止こそ最大の見直し効果−

(村上あつ子議員)
 11月27日、第6回「広島高速5号線トンネル安全検討委員会」(以下「安全検討委員会」)が開催されました。この「安全検討委員会」は二葉山トンネルを掘ることにより地盤沈下や土砂災害を危惧、いのちや財産が奪われかねないと、計画の白紙撤回を求める声が大きくなる中、県、市が「地域の住民生活等の安全性を確認すること」を目的に設置した委員会です。16人の学識経験者が公正・中立に科学的検証を行い、そのとりまとめを受けて、県と市があらためて事業を進めるかどうかを決めることになっています。ところが、松井市長は、安全検討委員会の取りまとめが出ないうちから記者会見等で事業の推進を公言されていることは、これまでの経緯を無視した、住民合意を踏みにじるものであり、問題です。これでは、住民が「建設ありきの追加調査だ」と言ってボーリング調査に反対するのは当然です。「安全検討委員会の検証を得て事業の判断をする」ことに間違いないのか、市長の答弁を求めます。

(道路交通局長)
 高速5号線については、広島高速5号線トンネル安全検討委員会の結果を踏まえ、県・市において適切に事業判断をしていきます。

(村上あつ子議員)
 そもそも、住民の不安が募ったのは、高速1号線福木トンネルで大規模な地盤沈下が発生し、4号線西風トンネルでも被害が発生しているからです。なぜ想定外の沈下が起こったのか、この検証が報告されない限り二葉山のトンネル掘削はありえません。しかも、この被害の原因は解明されていないものもあるのです。第6回安全検討委員会で、委員長は「1号線や4号線の検討が必要であれば、別途、行政が判断すべき」との見解を示しています。関係住民の不安を取り除くうえでも、市は即刻検証作業に入るべきです。市長のご所見をお伺いします。

(道路交通局長)
 高速1号線の福木トンネル建設における地表面沈下については、平成15年5月に設置した学識経験者、請負業者等で構成する「安芸府中トンネル技術検討会」において、そのメカニズムは解明されています。
 また、高速4号線の西風トンネルについては、開通から6年経過した平成20年2月に家屋等の損傷の申し出があったことから、広島高速道路公社において、現地測量や専門家からの意見聴取、申出者への聞き取り調査を実施した結果、トンネル工事との因果関係はないと判断しています。
 このように、高速1号線・4号線の事例については、公社において必要な検証はなされているものと考えており、こうした検証結果等について、関係住民の皆さまから要請があれば、説明したいと考えています。


(村上あつ子議員)
 福島第1原発事故を受けて原発の「安全神話」が崩れた今、トンネル建設にも「想定外」があってはならないのです。
 大震災・原発事故以後、情勢は大きく変わってきました。今、あらためて、安全性、必要性を問い直すべきです。広島空港までわずか7分短縮するために必要だとしていますが、リムジンバスは、採算面から24便減便され、山陽道の渋滞等で今年のゴールデンウィークの期間中は241便が欠便している実態があり、市の言う「必要性」はなくなっているのではありませんか。

 さらに、高速5号線は料金収入だけでは建設費が回収できないとして一般財源を投入する道路です。これまで市が実施したトンネル工事において、当初の計画通り完了した事業はありません。どの事業も「掘ってみないとわからない」として終わってみれば2倍以上に事業費が膨らんでいます。

 はたしてこの5号線についてはどのくらいの建設費になるのでしょうか。市長の英断で5号線計画はきっぱり、「中止」すべきです。
 
 そもそも、今後4年間で約600億円の赤字を試算している市財政において一体どこに5号線に着手できる財源があるというのでしょうか。加えて、人口の減少はすすみ、マイカーから公共交通にシフトするという世界の流れから逆行しています。高速道路事業こそ事務・事業見直しの第一候補ではありませんか。ここにメスを入れずに市の財政再建はありえません。当局の認識をお伺います。 

(道路交通局長)
 高速5号線は、現段階で、全体事業費739億円のうちこれまでに約569億円を執行し、残事業費は約170億円となっています。
 今後の事業続行に要する費用については、安全検討委員会でのトンネル工法や地表面沈下の程度等についての検証結果を踏まえた後に、算定してまいります。
 市の財政事情が厳しい状況にあることは、議員ご指摘のとおりであり、事業続行が決まった場合には、市の事務・事業全般について更なる洗い直しを行い、必要な財源の確保に努める必要があると考えています。

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●基町県営住宅の廃止について 

(村上あつ子議員)
  9月29日付の地元新聞で、突然県営住宅再編5か年計画が発表され、13棟300戸の基町県営取り壊しが住民に知らされ衝撃がはしりました。 地元の代表は、10月におこなわれた町民運動会の開会式のあいさつで、今回の計画は、「基町団地の存亡にかかわる一大事だ」と危機感を表明されています。
 3,253世帯の基町団地の約1割の世帯がなくなるというのですから、地元の不安や怒りは当然です。団地商店街のお店は、「商売が続けていけるか」と不安を募らせておられます。小学校あってこその団地だと基町小学校を守りたいと願う方々は、「児童数減少で基町小学校統廃合計画に拍車がかかるのではないか」と懸念されています。

 NHKテレビでも、戦後の復興の象徴といわれた基町県営住宅廃止と大きく取り上げました。なぜ、復興の象徴といわれるのか。
 そもそも、基町団地は、この地の改良なくして戦後は終わらないと国や県と市によって建設され、国際平和都市ヒロシマの復興とともに歩んだ町であるためです。1968年に基町地区再開発計画(基町再開発事業)が立案され、10年の歳月をかけて現在のような基町団地が完成したのです。
  戦後のヒロシマの復興は、核廃絶を世界に訴える崇高な平和都市としての理念と公営住宅の整備を進める住民福祉の理念が、一体となって実現されてきたのです。まさにその象徴が基町団地であるといえるのではないでしょうか。
 
今回の県営住宅廃止は、戦後のヒロシマのあゆみを顧みず、基町団地建設への公的責任を放棄するもので、容認できるものではありません。
 市は、県からいつ、どのように、廃止計画を聞かれましたか。基町団地再生の取り組みに背を向けるこうした広島県の身勝手な姿勢や進め方を市としてどのようにお考えですか。

(都市整備局長)
 広島県住宅課から本年8月23日付けで「県営住宅再編5箇年計画」の素案の照会があり、その中で平成23年度〜27年度の5年間に、用途廃止に事業着手する見込みの団地の一つとして、県営基町住宅が挙げられていたことで知りました。
 当該計画は、県営住宅の責任を負う広島県が、中長期の展望に立って、当面必要な住宅施策として取りまとめられたものであると理解しています。

(村上あつ子議員)
 国(中国財務局)の担当者は、「国有地を返還してほしいといったことはない。跡地をどう活用するのか大きな問題になる。」と困惑気味にこたえています。
 跡地の利用については、県・市と共同で、国に土地の無償貸与を求めるなど、今後の基町団地のあり方に対して協議を進めていくべきではありませんか。

(都市整備局長)
 広島県は、平成27年度までに県営基町住宅の廃止に着手し、その後解体した上で、敷地を国に返還する方針であると聞いており、現時点では、県の責任において対処されるべきものと考えています。


(村上あつ子議員)
 また、住宅は人権・住民福祉であるという点で重大な問題があります。報道では、基町県営住宅は、家賃収入2000万円に対して国有地への借地料が3400万円かかり、赤字が廃止理由であるとしています。
 しかし、県営住宅特別会計の中では、支出のわずか1.3%にすぎません。それどころか、独立採算制をとり、一般財源からの繰入金もなく、維持修繕費も住宅課の職員人件費(3億円)も入居者の家賃で負担するという仕組みになっています。
 広島市のように、人件費を一般会計でみれば300戸もの住宅を取り壊さなくてもすむはずです。
 公営住宅法では、『住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与する』とその目的を明記しています。一つの団地単位で家賃収入と維持管理費を天秤にかけ、採算性から改廃を決めるような考え方は、公営住宅法の主旨ではないと考えますが、どのように思われますか。

(都市整備局長)
 議員ご指摘の公営住宅法の主旨は存じていますが、今回、広島県が平成27年度までに県営基町住宅を廃止するという考え方を打ち出された具体的な経緯等を十分承知しているわけではないので、この法律の主旨との関係についてのコメントは差し控えたいと考えています。


(村上あつ子議員)
 自治会のみなさんは、「県営住宅廃止の十分な説明もなく、引っ越し先の話ばかり」「高齢者の精神的・身体的負担をどう考えているのか」「基町に住み続けたい」という思いで県に質問状を出されました。
 その回答書の中で、「市営住宅への移転については、市と協議した結果、難しいとの回答を受けた」とあります。市は、市営住宅への移転を断ったのでしょうか。お答えください。
 県の勝手な都合で、立ち退きを迫られている住民の声を真剣に受け止めて、安心して暮らせるための対策が早急に求められています。市長は、私どもの要望に対して、「市としても前向きに検討したい」と言われました。市営住宅への移転について具体的にどのように考えられておられますか。お答えください。

(都市整備局長)
 広島県は、県営基町住宅について、10月下旬から11月中旬にかけて、住宅の廃止に伴う移転に関する説明会を開催しています。
 入居者の移転等については、今後、所管している県においてしかるべく対応されるものと聞いており、市としてはその動向を見守りたいと考えています。
 なお、市として、市営住宅への入居をお断りした事実はございません。

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●「黒い雨」について 

(村上あつ子議員)
  11月8日、長崎県保険医協会は、日米共同の研究機関「放射線影響研究所」(放影研)が広島・長崎で放射性物質を含んだ「黒い雨」の人体影響に関する1万3000件のデータを保管していることがわかったと発表し、放影研もその事実を認めました。
 
 このデータをもとにした報告書では「黒い雨を浴びたことで発熱、下痢、脱毛などの被爆後の急性症状が高い率で認められた」としており、これが事実ならこれまで国がとってきた「黒い雨による人体影響はない」とする立場を覆す貴重なデータといえます。 現在、広島県、広島市の調査結果をもとに、国において検討が行われていますが、被災者の立場に立った検討が行われるためにも、国に対して、現在設置されている黒い雨の「検討会」にデータを提出するよう求めるべきですがどうされますか。
 
 また、市としても放影研に対し、早急にデータを公開するよう求めるべきと考えますがお考えをお聞きします。

(健康福祉局長)
 おたずねの放射線影響研究所が保有するデータについてですが、先月行われた放影研の記者会見によると、「何らかの科学的な解析ができるのかをこれから検討する」とし、また、黒い雨を浴びた場所等のデータを発表できるか検討されると聞いています。
 なお、このデータは、最近入力が終わり、現在は、事務レベルで整理を行っている段階で、まだ内容の点検が終わっていないとも聞いています。
 本市が国に求めている被爆地域の拡大に影響があるかどうかは分かりませんが、本市としては、放影研において、早急にデータの点検作業等を行ったうえで、発表していただくことが望ましいと考えており、その旨を放影研に伝えています。
 また、このデータが発表され、被爆地域の拡大に影響があるものであれば、データの取り扱いについて、国の検討会で適切な判断をしていただけるものと考えています。


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●どの子にもゆきとどいた教育・支援を 

 ・通級指導教室について

(村上あつ子議員)
 発達障害の受け皿として、情緒に弱さをもつ子に、マンツーマンで指導する「情緒障害通級指導教室」は、本市においては、小学校で5校7教室、中学校では、今年4月に西区に整備され2校2教室、という整備状況です。通常の学級の授業を抜けて通級指導教室にかようわけですから通学に時間がかかることは授業時間をいっそう削っています。小学校は原則保護者が同伴することも「通級指導教室」への通学を遠ざけています。
 また、他県から転居してきた保護者が「通級」を希望したところ、学校から「どうして知っているのか」と不思議がられたということも聞きます。「通級指導教室」での教育が本当に必要な子どもが、必要な時間を保障されているのか、大変心配するところです。
 質問ですが、1校に最低1教室の通級指導教室の整備が必要と考えますが、市はこれまで、「県教委と協議したうえで」と市単独では決められないと答弁されています。これでは広島市の子どもたちに責任を持つことにはなりません。通級指導教室の増設と専門的な指導のできる教員の養成について市で計画的におこなうべきです。どうされますか。

(教育長)
 情緒障害通級指導教室は、児童生徒の障害の状況や保護者のニーズ等を踏まえ、平成7年から順次計画的に設置してきており、現在5区に設置しています。
 今後も教員定数の配当権限を有する県教育委員会と協議を行いながら、まずは小学校において全区への通級指導教室の設置に向けて取り組みたいと考えています。
 また、担当教員の養成については、中核的リーダーを対象に大学院への長期派遣研修を行い、初任者等を対象に教育センターで専門研修を行うなど計画的に実施しており、今後も引き続き取り組んでまいります。


(村上あつ子議員)
 発達に弱さをもつ子どもの入学時は重要な節目であり、子どもにとっても親にとっても大切です。そのため、「就学相談」での的確な検査の実施や専門職の配置等、相談員の専門性の向上を図ることが必要と考えます。どうされますか。

(教育長)
 就学相談に携わる相談員については、特別支援教育に関する経験豊かな退職校長及び心理学等の専門性を有する者を配置するとともに、計画的に子どもの発達の実態を把握するための諸検査等の研修を実施しています。
 今後も、相談員の専門性の向上に努め、保護者の意向やニーズを受け止めながら、きめ細かな相談を行ってまいります。


(村上あつ子議員)
 公立高校に入学した発達障害のある生徒への指導・支援も充実させていくべきです。どのように図っていこうとされていますか。

(教育長)
 現在、市立高等学校においては、特別支援教育コーディネーターを中心に、校長、教頭や学年主任、担任等で構成する校内委員会を組織し、支援を行っています。
 さらに、教育委員会としても、適切な指導・支援が行えるよう大学教授や医師、臨床心理士等の専門家チームによる巡回相談指導を行うとともに、教職員を対象とした研修会を開催しています。
 発達障害のある生徒が充実した高等学校生活を送るためには、学習面、行動面、対人関係面など、それぞれの場面において発達障害の特性に配慮した指導・支援が必要であり、今後ともこうした取組を継続していきます。


(村上あつ子議員)
 青年期、社会に出てからの就労をめぐる問題も深刻です。発達障害者支援センターの就労 支援の充実とあわせて、東京都中野区の事例にあるように市の施設を提供するなど、発達障 害に理解のある民間業者と連携して、「就労支援に力をいれてほしい」という親のねがいに応 えるべきと考えますが、お考えを伺います。

(こども未来局長)
 発達障害者支援センターにおける就労支援の取組としては、就職活動の方向性についての助言・指導、履歴書の書き方や面接の受け方の練習、ハローワークへの同行訪問をするとともに、就労後も、面談による就労状況等の聴き取りや、仕事を継続していく上での必要な助言、指導などのフォローアップを行っています。
 また、本年度は、発達障害者が民間事業所において実習を行う発達障害者就労準備支援事業に取り組んでいます。
 今後はこうした事業をさらに充実させながら、発達障害者に対する就労支援に取り組んでいきたいと考えています。


(村上あつ子議員)
 最後に、高校に発達障害のある生徒の受け皿をつくるべき時期にきていると考えます。今後、具体化に向けて検討をすすめていただくことを強く要望しておきます。

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 ・スクールカウンセラーについて

(村上あつ子議員)
 思春期は心の状態が不安定になりやすく、内面にストレスや不満を抱え込んだ子どもたちが、暴力行為やいじめ、不登校など多くの問題に苦しんでいます。それらを解決するため広島市では、2001年度から児童生徒の臨床心理に関して高度な知識・経験を有する者を「スクールカウンセラー」として配置し、学校内の教育相談体制の整備を進めてこられました。
 2006年度からは、市立全ての中・高等学校に、今年度は特別支援学校に配置され、現在は71校に63人のスクールカウンセラーが配置されています。この5年間でカウンセラーは増員されていますが、生徒指導課がとりまとめた2010年度の「不登校・いじめ・暴力行為の状況」の速報値を見ると、不登校は1,165人で横ばい、いじめは73件の増加で233件・暴力行為は134件も増加し723件にも上っています。
 このような状況のもとで、スクールカウンセラーへの相談件数は増えていると思いますが、どのような状況ですか。2006年度と比較したスクールカウンセラーへの相談件数をお聞きします。1人のカウンセラーが何人の相談を受けておられることになりますか。

(教育長)
 児童生徒の問題行動等の未然防止や早期発見・早期解決及び学校における教育相談の 充実のため、スクールカウンセラーをすべての市立中・高等学校及び特別支援学校に配置し、小学校においては、中学校に配置しているスクールカウンセラーを派遣しています。
 スクールカウンセラーへの相談件数は、平成18年度は小・中・高等学校合わせて15,038件、平成22年度は20,703件になっており、5年間で約1.4倍に増加しています。
 また、一人当たりの相談件数は、平成18年度が259件、平成22年度 が334になっており、約1.3倍に増加しています。


(村上あつ子議員)
 ある保護者からスクールカウンセラーに相談したいと思っても、なかなか予約の時間がとれず相談できないという声を聞いています。教室に入れない子ども達が保健室に登校するケースが増え、保健室がいっぱいになるため「保健室の1時間ルール」がつくられた学校もあると聞いています。
 スクールカウンセラーは、中学校では週に6時間、年に210時間、高等学校と特別支援学校は、週に8時間、年に280時間の配置しかなく、現行の週1回、金曜日だけの相談日となっています。これで、1人ひとりの相談に十分に対応できるのでしょうか。継続的な相談効果や校内の一体的、組織的な相談体制の確保は困難です。保護者や子どもたちの求めにきちんと対応できているとお考えですか。市の認識を伺います。

(教育長) 
 各学校では、スクールカウンセラーとの連絡調整を行う担当教員を校内組織に位置付け、児童生徒や保護者からスクールカウンセラーへの相談の希望が寄せられたときには、この担当教員が速やかにスクールカウンセラーへの相談につながるように努めています。また、相談日については、状況に応じて曜日や時間を変更するなど柔軟な対応を行っています。
 今後も保護者や子どもの要望を受けとめながら、スクールカウンセラーと教職員との連携により適切に対応してまいります。


(村上あつ子議員)
 スクールカウンセラーの業務は、児童生徒に対する相談のほか、保護者及び教職員に対する相談、教職員等への研修、事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケアなど、ますます多岐にわたっており、学校の教育相談体制に大きな役割を果たしていると思いますが、市の認識はどうですか。その効果についてお聞きしておきます。

(教育長)
 スクールカウンセラーによる専門的なカウンセリングを受けることで、児童生徒にとっては精神的な安定が図られ、意欲的に生活ができるようになったり、「ふれあいひろば」や教室に登校できるようになっています。
 保護者にとっては、子どもへの理解や接し方等の助言が得られることで、安心感が増し、子どもへの適切な声かけ等の援助が行えるようになっています。
 また、教職員にとっては、校内研修会等でスクールカウンセラーから指導・助言を受けることで児童生徒理解が深まり、児童生徒に効果的な支援ができるようになっています。
 このように、スクールカウンセラーは、児童生徒や保護者からの相談はもとより、教職員の資質の向上に大変重要な役割を果たしていると考えています。


(村上あつ子議員) 
 スクールカウンセラーを学校における相談体制の一員として位置づけ、児童生徒に関する状況や悩みに関して、児童生徒やその保護者のプライバシーに配慮しつつ、適切な連携の観点から、必要な情報の共有を行うことが大切です。教員がスクールカウンセラーから専門的な助言を得たり、お互いの情報交換が可能となるような学校運営上の工夫(職員室にスクールカウンセラーの机を置くなど)が求められますが、広島市では、どのようにしていますか。

(教育長)
 スクールカウンセラーと教職員が連携をとりやすい環境を構築するため、各学校では職員室にスクールカウンセラーの机を置く、スクールカウンセラー担当教員を位置づける、スクールカウンセラーが学年会や生徒指導に関する会議等に出席するなど、学校運営上の工夫を行っています。


(村上あつ子議員)
 スクールカウンセラーを待つ児童生徒の心にしっかりと応えていくためにも、可能な限り、週当たりの相談時間の増加や相談日数の増加が必要です。とりわけ、小学校への配置の拡大は、中学校において増加する問題行動等の未然防止といった観点からも大切です。今後、スクールカウンセラーの増員や相談体制を強化・充実するお考えはありませんか。

(教育長)
 スクールカウンセラーの配置については計画的に拡充を図っており、平成18年度から、全ての市立中・高等学校に配置し、本年度は、特別支援学校にも配置しました。
 児童生徒の問題が多様化・複雑化する中、スクールカウンセラーをはじめ、不登校児童生徒への支援をおこなうための「ふれあいひろば推進員」、児童生徒の家庭環境を福祉面からサポートする「スクールソーシャルワーカー」などの多様な人的支援を行っています。
 問題の早期解決に向けては、様々な視点から児童生徒へ支援を行っていくことが重要であり、今後とも、こうした人材を活用して教育相談体制の充実を図っていきたいと考えています。 


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 ―(再質問)―

高速5号線について

(村上あつ子議員)
 高速5号線問題については、安全検討委員会の検証結果を受けて事業の判断をするということを確認させていただきました。しかし、これは市長自ら答弁をしていただきたかったと思います。
 6回の検討委員会が終わって、追加ボーリング調査をすることが決まって地元では大変混乱が起きています。土曜日、一昨日の10日の土曜日も日付が変わるまで住民の皆さんといろいろ話し合いが行われたんですが、行政としては、断固、ボーリング調査をするという姿勢を崩しておりませんでした。
 なぜボーリング調査を今反対しているのか。これはボーリング調査そのものを反対されているのではなく、その前に1号線、4号線の検証をしてほしいと、順番が違うのではないかと言われているんです。
 答弁では1号、4号の検証は済んだと言われましたが、住宅被害があったと申請、申出をされている方のところは全面的に解決しているわけではありません。調査をせずに一方的にトンネルと因果関係はないと打ち切っている、こういう姿勢に対しても不信感が出ているわけで、そこの認識を改めていただきたいと思います。
 一点だけ確認させてください。検討委員会でボーリング調査が必要と言う話が出たわけですが、住民の合意なしで強引に調査をしてほしいということが安全検討委員会で確認されたのでしょうか。誰が強引に進めようとしているのかお答えください。

(道路交通局長)
 安全検討委員会で昨年11月までの5回の検討委員会の審議の中で、追加の調査が必要であると決められたところです。そして先月の27日に開催されました第6回の安全検討委員会で、改めて追加調査の必要性が確認されたということで、委員会からもボーリングの調査が必要だと強い要請を受けました。
 こうした状況を踏まえ、今月上旬から地区町内会、あるいは住民団体に調査実施の通知を行いまして、牛田東一丁目全戸に調査着手のお知らせ文を配布するなど必要な手順を踏んだ上で、追加の地質調査の着手をしているものでございます。


(村上あつ子議員)
 追加調査のことですが、必要な手続きを踏んだということなんですが、夜陰にまぎれてポストに通知をしているというやり方であり、そういうやり方でしかできなかったのかと。やり方自体もこれまで市がやってきたような強引さを感じます。このまま住民の方々の思い、意見を全く聞かずに強引に追加調査をされるのでしょうか。
 確かに検討委員会では必要性が議論され確認されました。しかし、その検討委員会で確認されたことは3つありました。ボーリング調査と植生の調査、そして1号・4号の検証です。それらの優先順位は検討委員会のなかでは確認されていません。そういう状況のなかで、ボーリング調査を強引に進めていくのか。もう住民との話し合いは持たないのか、その点を最後に質問します。

(道路交通局長)
 住民に対しては、先程言いましたような手順を踏んだお知らせと、ボーリングをする周辺の方々にも個別に説明をして理解を求めるという形で進めさせていただいております。
 今回のボーリングをするということは、いわゆる住民の方々が、トンネルを掘るということで安全性が阻害されるのではないかと心配されているわけですが、逆にあのボーリング調査は、そういうことが起きるかどうかということを検証するために行うわけですから、決して住民の方が今言われていることに反することではないんじゃないかと思っています。その辺はよく理解していただいたうえで、やっていきたいと思います。できるだけ、まずデータを出して、影響があるのかどうかを審議してもらうことが最も大切だと考えています。


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基町県営住宅について

(村上あつ子議員)
 基町県営住宅の問題で、市営住宅への入居は市として断った事実はないと答弁されましたが、では、入居希望があれば市営住宅への入居を受け入れるのか、そこを確認させてください。

(都市整備局長)
 県から要望があった場合に、市としてどう対応するかということについてお答えします。
 今後、県が行う住民との具体的な移転先の交渉過程において、県から求めがあれば、市としても必要な協議に応じていきたいと考えています。


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トップ議会情報・議員の発言2011年第5回 12月定例会 議員発言 >一般質問・村上あつ子議員
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