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2011年10月17日 分科会・建設関係 村上あつ子議員の質問(大要)

   ●西風館外構植栽工事について
     ・植栽・造園二つの工事の入札の奇妙な経緯
     ・「農業用のもの」で「永年作物の緑地では使用効果がない」とも言われる土壌改良剤をナゼ?
   ●安心・安全な住環境を整備することについて
     ・防犯灯の設置について
     ・舗装道のポケット(穴ぼこ)補修について
     ・側溝改良について
     ・カーブミラーの設置について
     ・信号機の設置について
   ●市営住宅のストック計画について
     ・エレベーター設置について
     ・建替えについて
     ・維持保全について



●西風館外構植栽工事について

植栽・造園二つの工事の入札の奇妙な経緯

(村上あつ子議員)
 西風館の外回りの植栽工事についてお伺いするのですが、質問に入る前にこの工事の入札について触れておきます。
 ここに2枚の入札調書がありますが、1枚は昨年7月に入札が行われた植栽工事です。もう1枚は9月に入札の西風館の外回りの造園工事のです。7月の植栽工事には20社の入札の参加があり61.2%の低入で落札されました。入札金額が最も高かったものでも74.8%でしたが、何と20社のうち8社が同額でした。
 2番目に高い額で2社が同額。最低制限価格以下で低入無効が3社ありました。落札した業者もじつは同額入札でもう1社あってくじ引きで決まりました。
 9月の造園工事を落札した業者は、このくじ引きにはずれた業者です。つまり二つの工事を同じ業者が同額入札で、くじ引きで分け合ったということです。さらに、造園工事の方ですが、16社が入札に参加し、2社が低入無効に。それも金額は最低制限価格より19円、また20円足らなくて無効になっています。60.7%の低入ですが、落札金額は最低制限価格より60銭高かったため2社が同額で落札しました。こちらの方もほかに同額入札が3社ありました。こんな偶然というか、奇妙というか、興味深い入札結果だと見ております。


「農業用のもの」で、「永年作物の緑地では使用効果がない」とも言われる
土壌改良剤をナゼ?

(村上あつ子議員)
 さて、7月に入札のあった西風館の植栽工事についての質問に入りますが、この工事において、契約書に記載がなく、一般的に知られていない土壌改良剤が採用されていますが、これはどういうことなのでしょうか。

(公園整備課長)
 工事に使用する材料は、設計図書に示す規格に適合したもの、またはこれと同等以上の品質を有するものであることとされています。
 発注者である(財)広島市動植物園・公園協会に確認したところ、今回の工事では契約書に土壌改良に使用する資材の一つとして、下水汚泥発酵肥料である「タテヤマユーキ(顆粒)相当品」を使用するよう定めておりましたが、発注後、請負者から「タテヤマユーキ(顆粒)」に相当する広島県産の下水発酵汚泥肥料を使用したいと申し出があったものです。
 請負者は、工事に使用する材料の品質を証明する資料を監督職員に提出することになっており、申し出のあった資材の成分を記載した計量報告書により品質が「タテヤマユーキ(顆粒)」と同等以上であることと確認し、使用承認したものです。


(村上議員)
 そもそも資材の変更の必要性があったのでしょうか。

(公園整備課長)
 契約書では、「タテヤマユーキ(顆粒)」の使用を指定しておらず、「タテヤマユーキ(顆粒)」の相当品であれば、別の銘柄を使ってもよいことになっております。


(村上議員)
 「相当品」としているから別のものでもよいということですが、1枚の報告書があれば、認めるのでしょうか。第三者のチェックはかけられなかったのでしょうか。

(公園整備課長)
 協会によると、提出された計量報告書は、計量証明事業者として登録された業者が作成したものであり、有資格者により検査が行われていることから、問題ないと判断したものです。


(村上議員)
 有資格者が作成しものだから問題ないと判断されたということですが、変更された資材は、公共緑化工事で豊富な実績があるものなのでしょうか。

(公園整備課長)
 今回の工事で協会が承認した資材は、広島県産で下水汚泥を発酵させた有機系の肥料です。約10年前から製品としてはありましたが、本格的に販売が始まったのは、1年ほど前であると聞いています。
 さる9月7日に広島県登録リサイクル製品に登録されたところであり、公共工事での実績はほとんどないと認識しています。


(村上議員)
 実績はないということなんですね。10年ほど前から製品としてはあるが、県の製品として登録されたのは、今年の9月と言われましたか?ついこの間ということです。
 10年前からあったけれども出回ってはおらず、この9月に県の登録に至ったということ。これは、市のこの工事を請け負ったことが登録につながったのかなという思いもしているわけですが、成分比較はされたのでしょうか。

(公園整備課長)
 使用材料の承諾時に有害物質や肥料成分について比較検討し、同等品以上であることを協会において確認しています。


(村上議員)
 協会において確認したということですが、では変更を認めたときに単価チェックはされたのでしょうか。

(公園整備課長)
 資材の単価は購入する数量により変動いたしますが、協会において、契約書に記載している下水汚泥発酵肥料の単価と、請負者から使用承諾の申し出があった下水汚泥発酵肥料の単価が、同じであることを製造販売元の見積書により確認しています。


(村上議員)
 金額は同等であったと確認したということですね。しかし、市場に出回ってはいないものなので、そういうことからすれば、値段はどうにでもつけられるのではないかと思います。
 先ほどは単価は同じだったと言われましたが、もし安かったとすれば、単価の安いものがあることがわかったわけですから、次の工事を計画する際の積算に反映させるのでしょうか。

(公園整備課長)
 材料の品質が優れ、かつ、市場性のあるものであれば、原則3者以上から見積もりを取り、その最低価格を採用して積算することになります。


(村上議員)
 本来、使用される材料は公的品質証明のあるものが望ましいとされ、商品名や規格、価格は財団が出している「建設物価」で公表されています。答弁では、価格は変わらないといわれましたが、市場に出回っていないものなのですから単価はどうにでもなるのではないかと思います。
 また、成分はどうなのか、これが重要だと考えます。実は、成分については調査された方がありまして、その方が言われたのは、「ここに使用する資材は石灰系下水汚泥がふさわしく、緑化用が好ましいが、実際に使用されたものは、下水汚泥100%ではなく農業用のもの」で、同等品とは言えないと分析されています。
 「永年作物の緑地では使用効果がない」とも言われています。そういう意味では、今は緑が茂っていても数年後はどうなるか注意したいところです。
 いずれにしても不可解なことの多い工事だということを指摘しておきたいと思います。


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●安心・安全な住環境を整備することについて

(村上あつ子議員)
 つぎに、安心・安全な住環境を整備することについてですが、市民が安心・安全の住みやすいまちづくりを進めていくため全庁あげて取り組んでいかなくてはいけませんが、今日は、数点の項目をあげて実績等を伺っていきたいと思います。


防犯灯の設置について

(村上あつ子議員)
 防犯灯設置の直近3か年の実績はどうなっていますか。

(道路課長)
 防犯灯の直近3年間の実績でございますが、H20年度、1,060万1千円。H21年度、1,371万2千円。H22年度、1,162万4千円となっております。


(村上あつ子議員)
 住民から設置の要望があったものはどの程度設置に至っているのでしょうか。設置にあたって「条件」というようなものがあればそれもお答ください。

(道路課長)
 防犯灯につきましては、町内等からの要望を受けまして設置しておりますが、ある程度の設置灯数をまとめて設計積算し、工事発注することにしています。したがって、要望を受けて直ちに設置できるものではありませんが、今後ともできるだけ速やかに対応していきます。
 防犯等の設置に当たっては、通学路に指定されている場所や犯罪又は事故が発生する恐れのある場所などで本市が管理する道路に設置しています。また、設置後のトラブル回避のため、防犯灯を設置する場所の地先の同意が得られていることを前提としています。


(村上あつ子議員)
 設置を要望する場所の地先の同意があれば、遅れてでも防犯灯は設置されており、ほぼ要望どおり設置されていると理解しました。


舗装道のポケット(穴ぼこ)補修について

(村上あつ子議員)
 舗装道のポケット(穴ぼこ)補修についてH20年度からの3年間の実績をお聞きします。

(道路課長)
 道路のポケット(穴ぼこ)補修につきましての直近3ヵ年の実績は、H20年度、10億6,426万9千円。H21年度、8億6,241万7千円。H22年度、9億994万9千円となっております。



側溝改良について

(村上あつ子議員)
 側溝改良についてH20年度からの3年間の実績はどうなっているかお聞きします。

(道路課長)
 側溝改良は、H20年度は8,978万2千円。H21年度は1億2,524万7千円。H22年度、1億7,722万9千円でございます。



カーブミラーの設置について

(村上あつ子議員)
 カーブミラーの設置について同様に3年間の実績をお願いします。

(道路課長)
 カーブミラーの設置につきましては、H20年度、2,333万2千円。H21年度、971万1千円。H22年度は1,848万4千円でございます。



信号機の設置について

(村上あつ子議員)
 最後に、これは県警の管轄になりますが、信号機の設置状況はどうなっていますか。

(道路課長)
 信号機につきましては、交通管理者であります広島県公安委員会が設置しております。市域内における3年間の実績を広島県公安委員会に確認しましたところ、H20年度は13交差点、H21年度は11交差点に、H22年度は4交差点にそれぞれ信号機を設置しているところでございます。


(村上あつ子議員)
 これまでずっと数字をお聞きしましたが、側溝の改良については、一般整備費のくくりの中で実施されていますが、道路の一般整備費はこの3年間横ばいです。
 その中で側溝の改良はずっと増えていることがわかりました。また、ポケット補修についてですが、これは、H20年度からH21年度も22年度も減ってきています。
 実は、道路の維持補修費の全体も減っています。減っている中でポケット補修に使った割合はH21年度もH22年度も42%で同じなんですね。つまり維持されてきており、この点ではよくがんばっておられると思います。
 信号機の設置については、昨年度は4交差点の設置にとどまっております。公安委員会の全体予算の中で信号機の割合がどうなっているのかわかりませんが、要望は県警(公安委員会)にするわけですが、市としても対応していただけるのでしょうか。

(道路交通企画課長)
 市民からの信号機の設置につきましては、基本的には、各区役所の区政振興課で要望を承っております。その他私ども、道路交通企画課でも要望は承っていります。要望がございましたら、そのつど所轄の警察署に要望を届け、その結果を報告することとしております。


(村上あつ子議員)
 いま、それぞれの実績をお聞きしましたが、どれも地域から要望されているもので、よく頑張ってもらっていると評価できると思います。そのうえで、気になるのは直接住民と対応する各区役所の土木課の体制ですが、職員数はどうなっていますか。増えていますか。

(道路課長)
 職員数につきましては、正確な数字を今持ち合わせていませんが、ここ数年、一部組織改正等がありまして昨年から今年度にかけては若干、区の土木の職員としては増えていると思います。


 (村上あつ子議員)
 組織改正で若干増えているということですが、職員も増やしていただくことと生活密着型の予算を引き続きしっかり増やすよう要望してください。


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●市営住宅のストック計画について

エレベーター設置について

(村上あつ子議員)
 まず、階段室型の中層住宅へのエレベーター設置については、2009年度から設置が始まっていますが、これまでの設置数は何棟で何基の設置になっていますか。

(住宅整備課長)
 H21年度は3棟に8基、H22年度は4棟に8基、合計で7棟に16基でございます。


(村上あつ子議員)
 計画通り順調に進んでいるという認識でいいのでしょうか。入居者の了承を得ながら進めておられると思いますが、説明をしていく中で出された疑問や意見があればお答えください。

(住宅整備課長)
 現在のところ計画通り、年間3棟から4棟を整備しております。それから、入居者への説明会では、主に足腰が弱ってきたので「ぜひエレベーターを設置してほしい」と言う意見とか、エレベーターを設置した場合の毎月の電気代、単純平均しますと1戸当たりだいたい500円くらいになりますけれども、これが負担だというご意見をいただいております。


(村上あつ子議員)
 入居者からは、電気代の負担が増えるという意見など出ているが、説明を重ねて理解を得ながら設置していると理解しました。
 計画では45棟の住宅に設置されることになっていますが、設置が完了するのはいつ頃になるのでしょうか。

(住宅整備課長)
 毎年3棟から4棟のペースでエレベーターを設置しておりますことから完了までには10年から15年くらいかかるかと見込まれます。


(村上あつ子議員)
 10年から15年かかる、随分かかるわけです。これはもう少し速く、計画を前倒しで行っていただきたいと思うわけです。
 階段室型の住宅は371棟あり、そのなかで45棟だけがエレベーターが設置される計画です。スペースの問題があって設置可能なのが45棟という説明を受けているわけですが、倉庫や駐輪場などを移動してスペースを確保することも考えられるわけです。45棟に設置しながら「難しい」としている住宅への設置のための研究をされるおつもりはありませんか。

(住宅整備課長)
 階段室型住宅へのエレベーター設置つきましては、H21年度から取り組み始めたばかりでありまして、従いまして、45棟以外の住宅で倉庫や駐輪場等の移設を伴うものへのエレベーター設置については現時点では予定しておりません。


(村上あつ子議員)
 現時点では検討していないけれども、今後も検討する予定はないということなのでしょうか。

(住宅整備課長)
 取り組み始めたばかりですので、今は当面、年間3棟から4棟という整備をしております。そのなかで予定しているものの方をやっていくと、今はそのように考えております。


(村上あつ子議員)
 「目の前のハエを追わないと次のことは考えられない」ということなのでしょうか。
 かつて、新潟に視察に行ったのですが、そこは駐輪場を移設してエレベーターを設置されていました。こういった他都市の事例を研究しながら、計画しているエレベーターの設置を行いながら、一方で、スペースの確保を研究していくことを同時進行でできないことはないと考えます。ぜひ検討を始めていただきたいと思います。


建替えについて

(村上あつ子議員)
 つぎに、ストック計画にある建替えについてですが、計画では、8団地43を建て替えるとしていますが、昨年度の取り組みをお答えください。

(住宅政策課長)
 H27年度までに建替えに着手する住宅につきましては、中区の吉島ブロック住宅及び吉島アパート、南区の京橋住宅、西区の高須ブロック住宅及び高須アパート、南観音ブロック住宅と安佐北区の台住宅の8団地を位置づけております。
 そのうち中区の吉島ブロック住宅および吉島アパートについては、PFI事業によります手法で、本年に実施方針を公表いたしました。
 また、京橋住宅については、本年3月に市街地再開発事業の都市計画決定を行いました。このほかの住宅における取り組みにつきましては未着手でございます。


(村上あつ子議員)
 吉島住宅の建替えついてですが、特定事業という事業決定が遅れたと聞いていますが、どういう理由だったのでしょうか。

(住宅政策課長)
 吉島住宅の更新につきましては、今年度補正予算に計上する予定で準備を進めておりましたが、補正予算については必要最小限の事業にとどめ、来年度当初予算の編成において検討することになったため、スケジュールを延期することになりました。


(村上あつ子議員)
 吉島住宅の更新については、「福祉と環境に配慮した暮らしやすいまちづくり」をコンセプトに高齢者や障害者、子育て世代が安心して暮らせるまちづくりを目的に事業者を選定していくと聞いています。手法として取り入れたPFI方式でどのようにして、市の意向を反映させていかれるのでしょうか。

(住宅政策課長)
 PFI方式では、民間事業者の提案につきまして価格と性能の両面から総合的に評価することとしております。このなかで、福祉と環境に配慮した暮らしやすいまちづくりという本事業のコンセプトに合致する提案がより高く評価されることによりまして、本市の意向が反映された事業計画が提案されることを期待しております。


(村上あつ子議員)
 周辺の住民の皆さん、社協や町内会の皆さんへの説明、また要望を聞く、こういった機会は設置されているのでしょうか。

(住宅政策課長)
 H20年度から市営吉島住宅自治会の代表の方々と定期的に打ち合わせを行っております。また、入居者全体の説明会をこれまでに2回開催をしております。


(村上あつ子議員)
 「実施方針」の選定スケジュールは遅れていると思うのですが、今後のスケジュールを簡単に説明して下さい。

(住宅政策課長)
 現在、来年度、H24年度当初予算に計上することを目標に取り組んでおりまして、予算が認めていただければ、来年12月末を目途にPFI事業者の選考、事業契約の締結というスケジュールで進めていきたいと考えております。


(村上あつ子議員)
 入居者への説明は適宜行っておられると思いますがどうでしょうか。

(住宅政策課長)
 吉島住宅全体の入居者への説明会におきまして、スケジュールのことも説明いたしております。



維持保全について

(村上あつ子議員)
 97団地478棟の住宅は「維持保全」しながら活用していくという計画になっておりますが、建物は年々老朽化する一方ですから、ここには手厚い予算が必要なわけですが、H20年度からこの3年間の修繕費をお答えください。

(住宅政策課長)
 市営住宅の修繕費は、H20年度は、4億4,681万2千円。H21年度は3億8,569万4千円。H22年度は、3億9,806万8千円で、概ね4億円前後で推移しております。


(村上あつ子議員)
 大体4億円前後で推移しておりますが、県営住宅にお住まいの方からも私の方に修繕の要望が届いているわけですが、県営住宅が修繕に予算をつけていないことを思うと広島市は頑張っていると思います。しかし、市営住宅にも未だに鉄枠の窓で開け閉めに一人暮らしの高齢者は開け閉めに大変苦心されております。
 建て替えもせず、あらたに戸数も増やす計画の無いなかで、いかに住宅を長持ちさせていこうということですから、修繕・改修にはしっかり予算要望して下さい。来年度はぜひ5億円近くの修繕費が確保されるよう要望をして終わります。


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