トップ議会情報・議員の発言2008年第 2回 6月定例会 議員の発言 > 副市長の選任討論


2008年6月26日 本会議
中森辰一議員の副市長の選任についての討論

 日本共産党市議団を代表して、3人目の副市長として女性を選任する議案ついて討論を行います。この議案には賛成しますが、意見がありますので述べておきます。

 日本共産党は、社会のあらゆる分野で男女共同参画を進めていくべきだと主張してきました。広島市の男女共同参画基本計画には、「男女の人権が尊重され、男女が対等なパートナーとして責任を分かち合い、個性や能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現を目標とします」と述べてあります。
 その具体化のひとつとして、政策・方針決定過程への女性の参画を拡大することを通じて、男女共同参画を推進することは必要です。そうした意味で、女性が副市長に就任することは大事なことであり、賛成するものです。

 基本計画で目標として述べられたことを実現するためには、単に行政として市の様々なレベルの役職に女性を登用するだけではなく、そうしたポストで力を発揮できるために、女性であるがゆえに特別な努力や周囲の協力が必要であったり、ポストにつくために女性であるがゆえに特別な努力をしなければならなかったり、そうしたことが必要ない社会にしていく必要があります。
 広島市として、そうした課題にも大いに挑戦し、男女共同参画社会づくりに大いに取り組まれるよう期待します。

 同時に、当局の説明に対して懸念もあります。3人目の副市長は最高情報責任者を兼務すると説明されています。
 広島市の行政システムの情報通信技術の高度化は必要なことだと考えますし、市長が説明された市民生活にかかわる情報通信技術の高度かも必要だと考えます。そして、市民全体がその恩恵を受けられるようにしていく必要があります。
 市のシステムを再構築するにあたって、将来の方向を見極めて最も適切なシステムになるように取り組むことや、経費面についても、専門家として事業者側と対等以上に交渉ができるようにすることも必要なことだと考えます。
 そのことによって6億円程度の財源効果が期待できると説明されましたが、ぜひ、そうなるようにしていただきたいし、その財源は市民生活や教育などの施策に生かされるよう求めておきます。
 しかし同時に、当局の説明によると、今後、府中町、海田町、坂町、熊野町の安芸郡4町との間で、共同したIT業務のアウトソーシング、外注化に取り組む、そのために双方の業務の標準化を進め、それを通じて円滑な合併の推進に役立つようにするとしています。

 要するに、合併の地ならしをしようということで、その任に新しい副市長をあてるとしています。また、国の職員から登用する理由として、地方分権改革や道州制等に的確に対応するためと説明しています。
 合併は、それぞれの地域社会としてのまとまりや歴史、住民にとっての必要性を十分に議論した上で、双方の住民が合意して行うべきものです。広島市の行政が他の自治体を合併したいから、そこの住民の意向とはかかわりなく、外堀を埋めるようなやり方で、合併を推進しようという考え方には賛成できません。
 合併をしようとするなら真正面から双方の住民に提起し、十分で慎重な議論を行える条件を整えて進めるべきであるし、住民の多数の賛成を確認できるやり方で進めるべきです。
 現状の地方分権改革と言われるものは、地方の願いとは違って国が地方の財源を削る手段となっており、その結果、広域合併が強行的に推進され、むしろ住民サービスの低下を招き、地方の衰退が深刻化しています。

 これらは、道州制の導入を前提に進められてきたものです。安倍前内閣のもとで設置された「道州制ビジョン懇談会」が今年3月24日に発表した中間報告では、「自己決定・自己責任の原則」、「国民に自助と自立の精神」を引き起こすと強調しています。
 道州制導入によって、福祉、医療、教育などの大幅な切り下げと住民の負担増がこれまで以上にすすむことは明らかです。

 市民生活に責任を負う市としては、的確な対応というよりも、全国の責任ある自治体と共同で、ニセの地方分権改革や、住民の暮らしに一層の困難をもたらす道州制をやめさせるために努力するべきだと考えます。
 以上の意見を述べて討論とします。



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