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2008年2月27日 本会議 中森辰一議員の議案討論

 日本共産党市会議員団を代表して議案に対する討論を行います。
 上程された議案のうち、第165号議案、一般会計補正予算案について、全体として賛成しますが、意見を付しておきます。



 教育費のうち特別支援学校、元の広島市立養護学校の整備事業費500万円、これは特別支援学校建て替えの基本計画をつくるための予算ですが、これをそのまま繰越明許費としての認定を求めるものがあります。この500万円は、昨年度、一昨年度と2ヵ年にわたって計上されながら、建設用地を決められなかったということで、その都度、予算を流してきたものです。

 しかし今年度は、秋葉市長が県知事とのトップ会談で「特別支援学校の建設用地として出島地区を正式に要請した」ことを受けて、出島埋立地のメッセコンベンション施設用地内の一部に特別支援学校を建設することとし、来年度中に広島県と港湾計画変更の調整をつけて、基本計画をつくることにした。そこで、減額補正で予算を流すことをせず、繰越明許費で処理する、つまり、来年度中にこの500万円の予算を執行することにしたものです。

 しかし、この3年の間、肝心の保護者・市民、学校関係者、この問題に関わってきた関係者には用地に関する情報提供は一切せず、どういう用地にすべきかなどの意見も聞かずに、市と教育委員会の勝手な判断と都合で用地を決めてしまうことは大変問題です。

 保護者・市民への説明は、今から行うと言いますが、これまで早期建て替えを求めてきた方々は「撤回を」との声を上げておられます。

 その理由は、出島埋立地は南区の一番はずれにあり、交通の便が悪く、周辺は工場地帯で民家もなく地域社会とのコミュニケーションは困難。医療施設もなく、文化的な資源もない。その上、産業廃棄物処分場の建設地のすぐそばで、台風などの災害にも一番さらされやすいことなども考えれば、安心・安全には程遠く、子どもの学校施設としては一番厳しい条件です。

 立地条件、環境に一番配慮が必要な障害児の学校が、なぜ一番条件の悪いところなんでしょうか。教育委員会は、「与えられた条件」の中で建設するしかないので、建設用地は出島埋立地しかないといいますが、市のいう「与えられた条件」とは、広島市が持っている土地を活用する、つまり新たな用地代を必要としないところというものです。

 これは、財政難を理由とした単なるお金の出し渋りでしかありません。障害児のための学校用地には、お金は出せないということでしょうか。

 しかし、市民が税金のムダ使いというだけでなく、環境を破壊する、地盤沈下で土地・建物に被害を及ぼす、防災上深刻な問題があると、中止を求めている高速5号線は何が何でも建設しようとしていますが、そのために計画の採算割れを補うために、およそ700億円もの税金をつぎ込もうとしているではありませんか。

 ムダな高速5号線の建設のためには、700億円もの税金をつぎ込むことも「よし」としながら、障害児の教育を保障する特別支援学校に最適な用地を確保するためには、新たにお金は出せないというのでは、あまりにも税金の使い方がおかしいと言わざるをえません。造る必要がなく、造るべきでもない、環境と市民生活を破壊する高速道路ではなく、より豊かな障害児教育のために税金を使うべきです。

 保護者・関係者への説明会も、先に出島埋立地への建設ありきでは、市民の理解は得がたいと考えます。候補地の選定について、改めて保護者を始めとする関係者に説明し、理解と合意を得た上で、建て替えを進められるように要望し、意見とします。

 他のすべての議案は賛成です。

 以上で、討論を終わります。

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