トップ議会情報・議会報告2007年第6回 12月定例会 議会報告 > 一般質問


2007年12月10日 本会議 村上あつ子議員の一般質問

次期財政健全化計画及び来年度予算編成について
岩国米軍基地再編問題について
高齢者医療について
未来の主権者である子どもたちがすこやかに成長していくため大人の責任でとりくむべきことついて
  子どもの権利条例について

  留守家庭子ども会について
  くりが丘保育園について
  障害者自立支援法について
青年の雇用について
住民が安心して住み続けられるまちづくりをすすめるために
  耐震改修について

  高速1号線福木トンネル工事による地盤沈下問題について
  中山踏み切りの改良について
  「暴走族追放条例」の改正について

次期財政健全化計画及び来年度予算編成について
 次期財政健全化計画及び来年度予算編成の基本についてお伺いします。
 広島市の財政を建て直す基本的立場について、これまで、日本共産党市議団は、
@住民の福祉を守るという地方自治本来の立場を貫くこと。
A「土木偏重」の過去の「負の遺産」を清算して市政運営をすすめることを秋葉市政に求めてきました。
 こうした中で、これまで取り組まれてきた、広島市の財政健全化計画では、公共事業全体の見直しがおこなわれ、そのなかで、税金のムダ使いといわれる大型開発事業にもメスが入れられ、市財政の建て直しに大きな役割を果たしてきました。が、同時に、「改革には犠牲も伴う」と、市職員と市民に多大な痛みを求めてきました。

 市財政の建て直しは、多くの市民の支持と共感がなくてはできません。しかし、これまで、市民に痛みを求めるときに、どれだけ市民に納得できる説明をされてきたでしょうか。例えば、毎年毎年おこなわれてきた、何百件という事務事業の見直しの中に国民健康保険料の減免制度の見直しがありました。これは高い国保料に苦しむ中小零細業者や高齢者への救済制度として、他都市に見られない広島市独自の減免制度として、多くの市民に喜ばれてきた制度ですが、この制度を実質廃止に近い大幅な見直しがされました。なぜそこまでやる必要があったのか、多くの市民は未だに納得していません。
 また、私たちの行なった市民アンケートで、回答者の7割が「中止又は凍結すべき」と答えている高速5号線事業についても納得できる説明はおこなわれていません。高速道路が、必要か、必要でないかは市民が判断することではないのでしょうか。

 来年度からは、次期財政健全化計画の下での市政運営がスタートしますが、今後の財政健全化を進めていく上で、日本共産党市議団は、次の点を市長に強く求めます。
 まず第一は、自民・公明の政府は「三位一体改革」と言いながら、「財政健全化法」を始め、新たな法制度化の下で、地方財政へのしめつけと関与を今後ますます強めようとしており、地方自治体が苦しい財政の中で、本来の仕事である住民の福祉・くらしを削らざるを得ない状況に追い込もうとしています。
 こうした地方自治を破壊する国の言いなりにならず、あくまで、地方自治の本旨である、住民のくらし・福祉を守る立場を貫くことを求めます。
 また、今年度から行なわれた県による乱暴な福祉補助金カットに対しては、その理不尽さを広く市民に訴え、市民世論とともに、県のやり方を改めさせることを求めます。

(市長)
 本市では、この4年間の財政健全化の取組により、財政破綻を防ぐことができました。
 それは、議員や市民の皆さんの御理解と御協力、そして職員の努力と献身によって達成できたものと考えております。
 取組の中で、大規模プロジェクトなどの公共事業については、公共事業見直し委員会の報告を踏まえ、大幅な見直しを行いました。
 また、その他の事務事業についても、既成概念や既存の予算にとらわれることなく、徹底した見直しを図ってきました。

 一方、こうした中にあっても、福祉や教育など市民生活に関わりの深い予算については、
(1) 障害者自立支援法の施行など、国の制度見直しに際し、
@ 低所得者の負担の増加をできる限り軽減する
A これまで利用できたサービスが引き続き利用できるように配慮する。
 といった考え方に基づき、本市独自の負担軽減措置などを講じました。
(2) また、次代を担う人材を育成するため、少人数教育の推進やひろしま型カリキュラムの導入など、教育の充実に積極的に取り組んできました。

 本市の財政は、本年9月に公表した平成20年度(2008年度)以降の中期財政収支見通しによると、年平均で約150億円の赤字が生じ、4年間の累積赤字見込が596億円となるなど、依然として厳しい状況にあります。
 このため、来年度予算編成に当たっても、事務事業の厳しい選択や市民ニーズを踏まえた真に必要な施策への投資の重点化、自主財源のより一層の充実などに取り組んでいく必要があります。また、引き続き予算要求のシーリングを設定せざるを得ない状況にあります。
 しかしながら、こうした中にあっても、行政評価において「これまで以上に力を入れる。」と判断した施策についてはシーリングを緩め、予算要求に当たって配慮をしています。さらに来年度予算要求では、都市として積極的に取り組まなければならない地球温暖化問題やエネルギー問題に配慮した施策をシーリング対象外としました。また、扶助費などの義務的経費については、従来からシーリングの対象外としています。

 議員ご指摘の、市民のくらしに直接かかわる福祉・教育の充実については、極めて重要な行政課題であると認識しております。同時に、本市にとっては、都市の活力と魅力の向上を図ることや、都市として地球環境問題に取り組むことなども重要であると考えています。
 財政状況が厳しい中でも、これらのバランスをみながら、限られた財源を有効に活用し、メリハリをつけた予算を編成したいと考えています。

 また、国による地方交付税の削減や、県による合理的な理由のない補助金の削減に対しては、これまでも、あらゆる機会を捉えて要望等を行ってきました。
 地方交付税の削減に関しては、指定都市と共同して、「指定都市を狙い撃ちにした削減や国の歳出削減のみを目的とした根拠のない削減は決して行わないこと」を強く訴えています。
 県の補助金削減については、昨年一方的に福祉医療費補助の削減が通告されました。これに対し、本市としては、「広島市に在住する県民は、県内の他市町民と同様に県民税を納付しており、合理的な理由なく差をつけた対応は承服できない。」と強く訴えています。

 こうした事実については、財政問題講演会の開催などを通じて、私自ら広く市民に情報を公開し、支持を訴え続けています
 今後もあらゅる機会を捉えて補助の継続等を強く求めていきます。

 第二は、「全分野一律カット」方式と福祉教育分野への「スクラップ&ビルド」方式を止めることを求めます。これまでのように「お金がないから」と、市民や市職員に更なる負担を求めないこと。高速道路事業を始め、公共事業見直し委員会が「一旦中止」すべきとした事業や、駅前再開発事業など、多大な予算を伴う事業をもう一度、徹底して見直し、市民生活への影響を最小限にして投資的経費の削減に重点をおいた長期的計画を立てること。
 第三は、新たな税収を増やすために、市内にある大企業にも応分の負担を求めることを要望します。いま多くの自治体がこの点で、知恵を絞り、新たな制度を模索していますが、宮城県は、来年度から資本金1億円以上の県内の大企業の法人事業税を制限税率いっぱいの税率にして、5%アップすることを決めています。

(財政局長)
 法人市民税の法人税割りについて、本市は、資本金が1億円を超える法人や法人税額が240万円を超える法人に対して、税率の上限である14.7パーセントを適用し、他の多くの政令市と同様、超過課税を実施しています。
 また、均等割りについて、政令市の中では、福岡市が昭和34年度(1959年度)から地下鉄延伸等の工事費用に充てるため、また、北九州市が昭和51年度(1976年度)から都市高速道路等の工事費用に充てるため、超過課税を実施しています。
 均等割りについても、超過課税を実施するかどうかは、本市の特段の財政需要の有無や、本市を取り巻く経済動向なども考慮しながら、引き続き慎重に検討していきたいと考えています。

 また、多重債務相談をおこなうなかで、本人の生活再建と税金や国保料の滞納整理に充てるなど、積極的に取り組んでいる自治体が増えています。これらを参考にしながら、税収を増やすために知恵を絞るべきです。市長のお考えをお伺いします。
 なお、今年2月の本議会において、多重債務対策として、常設の相談窓口の設置、市民団体との連携等求めて質問しました。6月議会で、政府決定の「多重債務問題プログラム」を受け、庁内関係部局の連携を図っていくと同時に弁護士会や司法書士会との連携体制を構築していくとの答弁がありました。その後の進捗状況もあわせてお答えください。

(市民局長)
 現在、本市では国の「多重債務問題改善プログラム」を受け、債務整理や生活再建のための相談体制の強化を図るため、
@ 消費生活センターが相談窓口となることについての周知徹底
A 収納・相談窓口等、市の関係部局における多重債務者の発見と消費生活センターへの誘導
B 消費生活センターでの債務状況、生活状況等の丁寧な聴き取りと弁護士等法律専門家への確実な引継ぎ
などを重点に取り組んでいます。
 これまで、多重債務者対策の推進のため、収納・相談窓口や福祉部局の関係課長で構成する連絡会議を設置し、9月から2回会議を開催し、関係課における連携等について協議を行っています。
 また、収納・相談窓口の担当者用の多重債務者対応マニュアルを作成するとともに、近々、消費生活センター相談員への弁護士による専門研修を実施することとしています。
 さらに、消費生活センターから弁護士等法律専門家に確実に引き継ぐ体制をつくるよう、広島県とも連携を図りながら、弁護士会等と調整を行っています。
 こうした取組により、これまで消費生活センターが行ってきた弁護士会等の専門相談窓口の紹介のみに比べ、より一層充実した相談業務が実施できるものと考えています。

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岩国米軍基地再編問題について
 先日12月1日には、錦帯橋河原で1万1千人がつどい、米空母艦載機部隊の移転に反対する岩国市に対して、政府が新庁舎の建設補助金をカットする異常なやり方に抗議しました。
 「これ以上の爆音被害や米軍による事故や犯罪は受け入れられない」が岩国市民だけではなく広島市民、県民の思いです。米軍基地の存在そのものが平和のうちに生きる生存権を脅かすものであり、ましてやお金で平和と人権を売り渡すことなど決して許されません。
 質問ですが、
@国のやり方に住民がノーと言ったら、補助金をカットするという国のやり方は、政府による乱暴な地方自治への介入です。地方自治体として、強く抗議すべきではないでしょうか。

(企画総務局長)
 議員ご指摘の、厚木基地機能を岩国基地に移転する問題に象徴されるように、補助金を材料に国の方針を地方自治体に強制するようなことは、民主国家のやることではなく、地方自治の本旨に反する行為であると考えています。

 また、このような国と地方自治体との関係は、我が国だけの問題でなく、世界においても、国が毎年多額の予算を戦争や他の軍事費に費やす一方で、市民生活に基本的に求められるサービスを提供するために地方自治体が必要としている予算を年々削減しているという事実があります。
 このような中、市民の安全と福祉を守る立場にある地方自治体としては、こうした状況を創り出している国家の責任を問い、強く反省を求めていかなければならないと考えています。

 こうした考えに基づき、本年2月、本市を含む広島県内の関係自治体で構成する「岩国基地増強計画反対広島県連絡会議」が、国に対し、今回の補助金の問題について、「国と地方の信頼関係を損なうもので、隣県自治体としても到底座視できない問題であり、強く再考を求める」旨の要請書を提出いたしました。

A10月14日未明に発生した、岩国海兵隊員による女性暴行事件後、市長は日米両政府に対して、抗議と要請行動をされましたが、これまでも、市内で米兵による犯罪があったと思いますが実態を把握されていますか。

(企画総務局長)
 広島県警に問い合わせたところ、刑法犯として検挙された件数は、過去3年間で、広島県内においては、平成16年(2004年)に2件、平成17年(2005年)に0件、平成18年(2006年)に1件の、計3件となっています。

B2004年3月18日深夜、市内上空を米軍機が低空飛行を行ない、今年11月21日も広島市上空で目撃情報が相次ぎ、そして、12月7日、先週の金曜日には、午後1時過ぎ、西区、中区、東区、安佐南区の上空1千メートル以下の低空を米軍機数機が爆音を伴って通過しています。私どものところに住民から通報がありましたが、市へも通報や問い合わせがあったと思います。
 基地が強化されれば、被爆地ヒロシマの上空は、今でさえ問題になっている米軍機の低空飛行であらされ、広島市民への影響はさけられないと思いますが、市の認識をお聞きします。

(企画総務局長)
 本市としては、この問題を含め、岩国基地の増強について、これまでも市民生活への影響を懸念し反対の意思表示をしてきており、今後とも、岩国市や広島県内の関係自治体と共同し、反対の意思表示を行っていきたいと考えています。

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高齢者医療について
 去る11月30日の広島県後期高齢者医療広域連合議会で、来年4月からのスタートに向けて条例及び保険料が決められました。
 この制度は、9月議会でも指摘したところですが、高額の保険料を年金天引きし高齢者の生存権をおびやかすものであり、保険証のとりあげや包括医療の導入で、「金のないものは医療が受けられない」というものです。全国的にも各方面から問題視する声も上がり、「平成のうばすて山」と痛烈に批判されている制度の中止・撤回を求める声はいっそう大きくなっています。

 いくつか市当局のお考えと取り組みについてお伺いします。
1.月額1万5千円以上の年金から保険料を天引きすることになっていますが、そもそも月に1万5千円しかない収入からも保険料をとること自体が深刻な矛盾です。ヨーロッパでは保険料なしで医療費は無料という国がたくさんあります。最大都市の広島市がイニシアティブを発揮して、県と市町の拠出金を財源として生活保護制度との整合性に配慮した保険料減免制度をつくるようにするべきです。そうならないなら広島市独自につくるべきだと思いますが、どうお考えでしょうか。

(社会局長)
 広島県後期高齢者医療広域連合では、去る11月30日に、広域連合会議の議決を得て、「後期高齢者医療に関わる条例」を制定しており、この中で、災害や収入の著しい減少などにより、保険料を納付することができないと認められる場合には、保険料を減免する制度が設けられています。
 今後、この減免制度の具体的な運用基準について、広域連合においては、県内各市町とも協議しながら定める予定ときいておりますので、具体的な運用基準を定めるに当たっては、本市の国民健康保険での取扱いと大きな差異が生じることのないよう、広域連合に要請していきたいと考えています。

2.75歳以上の保険料滞納者に対して、「資格証明書を出すべきではない」ということは、先日の広域連合議員からも指摘がありました。市としても、「広域連合としてこれまでの老人保健法と同じく資格証明書は出さない」と、明言するよう働きかけていただきたい。また、広島市の窓口として1年以上滞納していることを理由とした資格証明書の発行はしないことを明らかにするべきですが、どのようにされるのでしょうか。

(社会局長)
 後期高齢者医療制度では、「高齢者の医療の確保に関する法律」等の規定を受けて、原爆被爆者医療や自立支援医療などの公費負担医療の対象者を除き、保険料を納付することができないと認められる災害等の特別な事情がない場合には、滞納発生後1年を経過した被保険者に対して、広域連合が被保険者証の返還を求め、資格証明書を交付することになっています。
 この資格証明書の交付決定については、広域連合が定める基準により行われることになるため、本市のこれまでの国民健康保険における取扱いと大きな差異が生じることのないよう、広域連合に要請していきたいと考えています。

3.給付費総額を抑制するために、病気の種類によって保険が使える範囲を制限するいわゆる包括医療の導入で、かえって病気を悪化させたり、命をおびやかすことになりかねないとの不安があります。別建ての診療報酬制度の内容は、未だ明らかにされていませんが、医師が必要と判断した医療が行えるよう、給付の上乗せをする独自の制度をつくることを、広島市として広域連合に働きかけていただきたいが、いかがでしょうか。

(社会局長)
 後期高齢者の心身の特性等を考慮した新たな診療報酬体系については、社会保障審議会の「後期高齢者医療の在り方に関する特別部会」において、10月10日にその骨子が取りまとめた段階であり、現在、これを踏まえて中央社会保険医療協議会で具体的な診療報酬の改定案が審議されていると聞いています。
 このように、現段階では、診療報酬の改定内容の詳細が判明していないため、本市としても、今後の動向を見守っていきたいと考えています。

4.制度導入まで4ヶ月を切りました。しかし、大多数の市民は、制度が始まることすら知っていないのが実態です。75歳以上の高齢者はもちろんですが、現役世代も財源を支えるのですから、負担も増えてきます。
 すべての対象者に、一刻も早く制度について周知すべきです。『市民と市政』やホームページでの広報ではなく、親切で分かりやすい「お知らせ」を発送すること必要です。どうされますか。

(社会局長)
 平成20年度(2008年度)からの後期高齢者医療制度の実施に当たっては、市民の皆さんに分かりやすく広報していくことが重要と考えています。
 この後期高齢者医療制度の運営主体となる広域連合では、現在、制度の実施に向け諸準備を進めていますが、制度の全体が確定するのは来年2月頃になると聞いています。
 そのため、本市においては、この内容を踏まえ、3月には各区ごとの説明会を開催し、市民の皆さんに正しく理解していただけるよう、詳しく制度の内容を説明させていただくことにしています。
 それまでの間は、準備状況に応じて、適宜、広報させていただくことにしており、本年10月には、まず「市民と市政」に制度の概要を紹介する第1回目の広報記事を掲載しました。
 また、この度、広島県後期高齢者医療広域連合において、来年度の保険料率等が決定されましたので、今月15日号の「市民と市政」において第2回目の広報を行うことにしています。
 さらに、来年2月にも、改めて「市民と市政」による第3回目の広報を行い、制度周知の徹底を図ることにしています。
 なお、広域連合においても、すべての被保険者に被保険者証を送付(平成20年(2008年)3月)する際に、後期高齢者医療制度について説明した小冊子を同封し、制度の周知を図ることを予定していると聞いています。

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未来の主権者である子どもたちがすこやかに成長していくため大人の責任でとりくむべきことついて
子どもの権利条例について
 1994年日本政府は、子どもの権利条約を批准し、条約を守り、子どもにとって1番いいことは何かを常に考えることを約束しました。しかし、この条約の精神が、学校や地域に根ざしてきたかといえば、けっしてそうとは言えないのではないでしょうか。政府自体、学力向上や数値目標の達成に主眼を置き、不登校、学級崩壊等の問題の対応で、権利条約どころではないとの観も否めません。しかし、これらの問題と権利条約の問題は、どれも根底で深くつながっている問題です。どの子にもわかる楽しい授業の保障は、子どもの基礎学力にもつながります。

 また、「子どもに権利なんか与えたらわがままになるだけだ」という否定的な意見も根強くあります。これは、本能的に今の社会を子どもに明け渡したくない、大人のエゴではないでしょうか。
 「権利条例なんて作らなくても、青少年育成条例があるではないか」との声もあります。「健全育成」とは、大人が理想像を作り、それに子どもを近づけていくもので、大人の価値観を強制していくものです。「子どもの権利条例」は、子どもに関わる問題を決めるときは、子どもを中心に置き、何が最善なのか、子どもの意見に耳を傾け努力しようということです。

 中国地方弁護士会は、広島市内における子ども・大人の「子どもの権利」状況をめぐる実態や意識を調査されました。それによると、子どもの権利条約の認知度は、12.6%しかありません。名前だけ知っている33.3%、全く知らないが54%、と半数を越え、小学生では59%、中学生は67%が、大人でも41%が全く知らないと応え、大人も子どもも半数以上に全く認知されていないという結果が明らかになりました。この事実をどう受け止められていますか。

(市民局長)
 中国地方弁護士会が実施し、小学校6年生から高校3年生までの子ども373人、その保護者360人から回答を得た調査の中の、子どもの権利条約の認知度が低いという結果に対する受け止めについてですが、子どもの権利条約の認知度を高めるため、より一層、啓発に努める必要があると受け止めています。

 次に、子どもの権利条約の市民への周知についてですが、これまで、条約の要旨を含めて子どもの権利にかかる市民の理解を深めるため、毎年、人権啓発広報紙「しあわせ」を作成し、新聞6紙の折り込みによる各家庭への配布や、PTA向けの人権学習資料「一人ひとりをたいせつに」を作成し、小・中学校の新1年生の全保護者への配布を行っています。
 また、子どもの権利条約の条文などを入れた人権啓発カレンダーを作成し、公共施設に掲出するほか、小学校4学年から、中学校、高校の全教室分を広島市域内にあるすべての小、中、高校に配布し、児童・生徒への周知を図っています。
 さらに、本年度は、人権啓発パンフレット「市民と人権」の中に、新たに子どもの権利条約の全条文を掲載しました。このパンフレットは、民生委員・児童委員、町内会・自治会などの団体に配布するとともに、公民館などの公共施設に対し利用者への配布を依頼するなど、条約の周知に努めています。

 今後とも、人権啓発広報誌やパンフレット等の作成・配布事業に積極的に取り組むとともに、保護者、地域団体、企業等の行う研修会や本市職員の研修の場など、あらゆる機会を捉えて啓発に努め、広く市民に対し「子どもの権利条約」の周知を図ってまいります。

 子どもの権利は子ども自身だけでは充足できません。子どもに関わる人達、親・保育者・教師・社会の人々の人権が保障されていないと、子どもの権利も守られないのです。子どもの発達し学ぶ権利を保障することは、大人の権利の保障にも不可欠なのです。条例制定を急ぐ前に、子どもも大人も、まずこの子どもの権利条約を理解できるように学校においては学習の場を保障し、社会全体にもこの条約が広く周知されるよう、行政として啓発、取り組むことが、ます゛必要ではないでしょうか。考えをお聞きします。

(教育長)
 児童の権利に関する条例については、児童生徒へ条約の趣旨及び内容を広く周知するために、児童生徒向け啓発用パンフレットを平成14年(2002年)5月に作成・配布するとともに、平成17年(2005年)3月には教職員用指導資料を作成・配布し、そのパンフレットの活用方法について指導してきています。
 各学校では、児童生徒の発達段階に応じて、社会科や道徳、特別活動の時間などで、学習資料としてパンフレットを活用し、児童生徒が条約の内容を理解するよう取組を進めています。 今後とも、各学校の取組が一層充実するよう、引き続き指導に努めていきたいと考えています。

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留守家庭子ども会について
 広島市の留守家庭子ども会は、@登録制で、A専用の部屋に、B専任の指導員がいる、この3つの条件が堅持され、全国に誇れる学童保育がおこなわれています。
 昨今、母親の就労形態が変化する中、「夕方6時までみてほしい」と、開館時間の延長を求める声があります。当局にも再三の要望があり承知されていると思いますが、どうされますか。

(教育長)
 留守家庭子ども会の開設時間延長については、子育て支援を積極的に推進するうえで、重要かつ喫緊の課題であると認識しており、現在、「総合的放課後対策あり方検討委員会」において検討しています。

 留守家庭子ども会への入会を望む子どもたちは、全て、留守家庭で安心して放課後を過ごせるようにすべきですが、国は、放課後クラブガイドラインのなかで、スペースの確保として児童一人当たり1.65u以上の面積を確保することが望ましいとしています。広島市でも定員を40名として運営していますが、このガイドラインに沿ったものになっているでしょうか。 また、40人を超えて登録のある留守家庭では、登録している全ての子どもたちが毎日利用できていますか。

(教育長)
 国(厚生労働省)は本年10月に留守家庭子ども会の運営について望ましい方向を示すものとして「放課後児童クラブガイドライン」を策定しました。そのなかで、子どもが生活するスペースは1人あたり概ね1.65u以上の面積を確保することが望ましいとしています。
 本市の留守家庭子ども会は、概ね60uの面積の部屋に40人の定員を標準としており、1人あたりの面積は概ね1.5uとなっています。

 受け入れる児童数が定員を上回る場合には、学校の余裕教室を利用するなどして適正面積の確保に努めており、登録されている児童全員が毎日利用できる態勢をとっています。

 ある母子世帯では、一日分の収入が減っては生活できないと、子どもが熱を出しても、母親は休まず働いています。このような低賃金のパート労働の母親が増えるなか、1000円のおやつ代も払えない世帯があると言います。
 経済的な格差、貧困により子どもの健全育成に格差を生じさせてはなりません。そのためにも、これまで以上に、広島市が責任をもって、3つの条件を堅持し、公設・公営・無料で子どもたちの放課後にしっかり向き合う事が必要だと考えます。

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くりが丘保育園について
 保育園が乳幼児の教育・保育を総合的に提供する場所であると同時に、地域のコミュニティーの場であることは、論を俟ちません。市は10月唐突に、今年度をもってくりが丘保育園の廃園を示唆しました。園児は3人います。そんな状況で今年度で廃園ということがありうるのでしょうか。お答えください。

(子育て支援担当局長)
 くりが丘保育園は安佐北区安佐町小河内にある定員30人の保育園ですが、児童福祉法に定める「保育所」ではなく、国の要綱に基づく、「へき地保育所」として、本市が設置運営しています。
 入園児童数は現在、5歳児1人、4歳児3人、合計4人となっており、国の交付金基準である10人を下回っています。
 今後これまで以上の入園児童数が見込めない状況では、児童の発達にとって良好な保育環境とは言い難いことや、効果的な運営ができないことから、本年度を持って廃園する方向で、保護者や地域の関係者と協議してきました。
 この協議において、多くの保護者や地域の方から、在園者がいる間の運営の継続や地域の過疎化を防ぐための保育園の存続といった意見・要望が出されました。このような意見・要望に配慮し、平成20年度(2008年度)末までは運営を行いたいと考えています。

 この地域は、人口の50%が65歳以上の高齢者で占め、集落の自治、生活道路の管理、冠婚葬祭など、社会的共同生活の維持が困難になったいわゆる「限界集落」に当たります。放置すればやがて消滅してしまうとされています。
 この1−2年前に、くりが丘保育園があるからと、若夫婦が地元にUターンし、2年先の入園を待っていると聞いています。親子は地域の人たちの大歓迎を受けました。行政が保育園を廃止し、過疎化を助長するようなことをすべきではなく、むしろ若い世代の人口が増える対策こそ進んでやるべきだと考えます。市の認識をお伺いします。

(計画担当局長)
 過疎化が進んでいる地域のまちづくりは重要な課題です。
 このため、本市では、学区集会所の設置や地域福祉課計画・区の魅力づくり事業の推進、「食料・農業・農村ビジョン」や「森林(もり)づくりプラン21」による農林業の振興など、コミュニティの振興と地域の活性化につながる各種の取組を進めていきます。
 こうした中、本市では、基本構想及び基本計画の改定に着手しました。今後、総合計画審議会での審議や各区まちづくり懇談会、地区別ワークショップの開催などを通じ、過疎化が進む地域の中・長期的なまちづくりの方策を検討していきたいと考えています。

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障害者自立支援法について
 障害者自立支援法の施行にあたって、広島市は多くの当事者や関係者の要望を受けて、いち早く負担軽減制度をつくりました。多くの自治体が追随し、さらに国も、あまりにひどいという世論の怒りに押されて、来年度までの負担軽減措置をとりました。
 しかし、軽減措置が行なわれても、障害が重くなるほどに負担が重くなる応益負担の最大の問題は解消せず、障害者と家族の暮らしに深刻な影響を及ぼしています。
 11月の初めに、障害児を持つお母さん方が市当局に対して様々な要望を行いました。その訴えは、障害者自立支援法がいかに障害者やその家族を苦しめているかをあらためて強く感じるものでした。

 その1例を紹介します。
 療育センターに通う、入園2年目の重複障害をもつ男児は、センターでの保育士や友だちとのかかわりの中で、母親を認識し、父や兄弟、近所の子どもたちにも目が向くようになったとわが子の成長をよろこび、「センターに入園していなければこれほどの成長はなかった」と、センターの役割を強調されました。そして、「どこに住んでいても、どこでも選ぶことができ、同じ療育を受けて、同じ料金であるべきだ」と要望されました。
 障害の程度は同じなのに施設によって利用料が違い、住んでいる場所によっても料金が異なるというのは、どの子も平等に療育を受けることにはなりません。さらに、市からの助成がある現在でも、以前の措置費よりも利用料が増加している世帯が多いことも強調されていました。

 障害者や、障害児を抱える家族の怒りと不安はいっそう深刻です。国が応益負担をなくすべきなのは当然で、市として国への働きかけをいっそう強力に進めていただきたい。
 同時に、こうした市民が安心して人間らしく暮らし、自立に向けた発達を保障されるために、広島市長として、改めて「今後法律がどのようになろうと、応益負担のために人間らしい暮らしを妨げられたり、障害を持つ子どもたちが発達の可能性を摘み取られることがないように必要な施策を行なう。」と宣言をし、そのための施策に取り組んでいただきたい、とお願いするものです。その際、今年9月に、外務大臣が署名した障害者の権利に関する条約の原則を踏まえたものであるべきだと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。

(社会局長)
 障害者自立支援法の施行に伴い、利用者負担が原則としてサービス費用の1割に変更されました。
 このため、本市では「すべての人が互いに尊重しあい、住みなれた地域において安心して暮らせる社会の実現」という考えのもと、特に低所得者の障害者などに配慮して、厳しい財政状況の中ではありますが、障害福祉サービスなどの利用者負担の軽減措置を講じ、利用者が必要なサービスを適切に利用できるようにしました。
 一方、国に対しては、指定都市と共同して、十分な負担軽減措置を実施することなどについて要望し、その結果、国においては、平成19年度(2007年度)と平成20年度(2008年度)の2年間、利用者負担の軽減措置も含めた特別対策を実施することになりました。

 現在、国においては、利用者負担も含めた抜本的な見直しについて、検討を進めていると聞いていますが、本市では、指定都市と共同して、国の責任において、低所得者に配慮し、必要なサービスを安心して利用できる分かりやすい制度にすることなどについて要望しています。
 今後は、国の動向を見極めながら、必要な対応について検討していきたいと考えています。

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青年の雇用について
 自公政治がすすめてきた弱肉強食の「構造改革」路線によって、収入が生活保護水準にも満たない貧困と格差が社会を覆う深刻な事態をつり出しています。年収200万円以下の低賃金労働者は、1000万人を越しており、働く貧困層であるワーキングプアは400万から500万世帯にもなり大きな社会問題になっています。とりわけ、派遣、パート、契約など、非正規社員の急増と低賃金は、若い世代の雇用と労働条件を深刻にし、 若者が経済的に自立できない事態に追い込んでいます。

 大企業でも、派遣や業務請負で働く若者が増え続け、24歳以下では、二人に一人にまでなっています。その多くが、年収200万円以下の低賃金で働かされ、「ネットカフェ」利用で住居費を節約するなど、いびつな生活を余儀なくされています。世界では当たり前の「全国一律最低賃金制」の実現が求められますが、そもそも、派遣とか契約など、雇用形態の違いだけで、差別し、待遇に格差をつけることは許されません。
 厚生労働省も、パートなど非正規社員と正社員との均等待遇をはかるという指針を示していますが、生活保護水準よりも低い最低賃金や、パート労働者の時給が正社員の50.3%という大きな賃金格差は、早急に見直すべきです。若者が経済的に自立しにくい社会は、少子化問題の悪化や社会の荒廃をまねくなど、日本の未来をも左右する大問題です。

 そこでお聞きしますが、まず、市として、年齢別の雇用者数、労働時間、派遣やパートなど非正規社員の数と労働条件などの青年の実態調査を行なう考えはありませんか。 また、雇用状況の情報を企業に公開するよう、その基準や枠組みをつくるべきではないですか。

(市民局長)
 年齢別の雇用者数、労働時間、派遣やパートなど非正規社員の数や労働条件については、毎月行われる総務省の「労働力調査」、年1回行われる厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」などで全国や都道府県の数値が公表されていますが、広島市を範囲とした調査としては実施されておらず、市内分の数値はありません。
 現状では、労働行政は、基本的には国、都道府県の所管に関わるものであり、本市に財源も措置されていないことから、独自に調査を行うことは難しいと考えています。
 しかしながら、市内の雇用実態を把握することは大切なことと考えており、国の保有する労働関係調査の市域分のデータを開示するよう国に要望することについて、他の政令指定都市と協議していきたい。
 また、個々の企業の正規社員・非正規社員の人数など雇用状況を公開することについては、企業の理解が得られるかどうか等の問題があり、実施することは困難であると考えています。

 さらに、東京都が実施を決めたような、ネットカフェ難民に対し、アパートの敷金や生活資金の自立を支援する取り組みか必要だと考えますが、そのお考えはありませんか。

(市民局長)
 本市では、若者が安定した職に就き経済的に自立するためには、若者の労働意欲を引き出し、将来を見据えた職業生活設計を若者自身が行うことができるように支援することが重要と考え、広島ワークサテライトにおいて、若者就職相談窓口を設置して職業選択・職業能力開発に関する相談を行うとともに、勤労青少年ホームにおいて、若者のキャリア形成のための相談事業を行っています。
 議員ご指摘の、東京都が実施を検討している、いわゆる「ネットカフェ難民」への生活資金融資等については、今後、本市の実態把握や、東京都の取り組み状況を踏まえて、実施すべきかどうか検討してまいりたいと考えています。

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住民が安心して住み続けられるまちづくりをすすめるために
耐震改修について
 阪神、淡路大震災による約6400人の死亡者のうち88%は、家屋の倒壊による窒息や圧死が原因でした。しかも、検視によると、「直接死」の約60%は地震から15分以内に絶命した「即死」とみなされています。その後の2度の新潟中越地震によっても、耐震化の遅れを打開することの重要性がいっそう明らかになっています。

 消防庁消防研究センターの所長は新聞の取材で「住宅が倒壊すれば、避難経路をふさぐなど周辺の人にも危険を及ぼす。耐震補強は公共性があり、高齢者福祉でもある。政府や自治体はもっと積極的に負担軽減策を打ち出すべきだ」と指摘しています。震災に強い街づくりは緊急の課題です。広島市においては昨年から住宅の耐震診断への補助制度が実現しました。聞けば、制度の申請件数は増えているものの耐震工事にいたるケースはまだまだ少ないのが実態のようです。
 「改修したいが費用かかる」というのが理由です。部分改修するだけでも住宅の耐震化効果は大きく、全壊、半壊を未然に防ぐことが人的被害を最小限に食い止めることにつながります。

 横浜市では2階建て以下の木造住宅を対象に、無料で耐震診断士を派遣。耐震改修工事が必要と判断された場合に、一般世帯150万円、非課税世帯は225万円を上限に補助しています。2006年度の助成実績は153件、助成額約1億円、8年間で累計829件と着実に耐震化が進んでいます。東京、墨田区、足立区、神戸市、長岡市など震災弱者のセーフティネットとして「簡易補強工事」に対する補助実施に踏み切る自治体もが増えています。
 広島市でも耐震診断補助制度の拡充を進めるとともに、この制度をより有効的にするために、改修工事への助成を検討すべきだと考えますが。当局のお考えを伺います。

(都市整備局次長)
 本市では、昨年度、戸建木造住宅及びマンションの耐震診断費用の一部を助成する住宅耐震診断補助制度を創設しました。本年度は、マンションに対する補助限度額を増額するとともに、補助対象要件を緩和しています。
 議員ご指摘のように住宅の耐震化の促進は重要な課題であると認識していますが、財政状況が厳しいことから、診断補助制度のさらなる充実と改修工事への助成については、今後の検討課題と考えています。

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高速1号線福木トンネル工事による地盤沈下問題について
 大規模な地盤沈下が生じた馬木地域のみなさんの一番の要望は、「トンネルを掘る前の状態に戻してほしい」ことです。自宅の地盤が一体どうなっているのか。道路が陥没するのではないのか。こういった不安は日に日に募るばかりです。住民の不安を解消し、安心してすみ続けられるために、地盤調査は不可欠です。
 これまでの地元説明会で、家屋の基礎部分も補償することを約束しました。それで間違いありませんか。約束を忠実に守るのであれば地盤がどうなっているのか調査するのは当然です。どのようにされましか。この場ではっきりと、お答えください。

(道路交通局長)
 福木トンネルの工事に伴う地盤沈下により被害を受けられた家屋の基礎部分への補償については、基礎を含めた床下等の詳細調査結果等を踏まえ、一級建築士等専門家の意見を聞くことにしています。その上で、トンネル工事に起因して建物に構造的損傷を与えるような基礎の傾きや沈下が発生したと認められる場合には、その修復に要する費用を金銭で補償します。

 公社は、地元住民からのご要望を受け、沈下が発生した地域の地盤状況を確認するため、3箇所でボーリング調査を実施しました。
 調査の結果、地下に空洞の存在は認められないこと、地盤の強度は工事前と比較して変化していないこと、などが確認され、こうした内容について、11月11日に開催した地元説明会で説明を行いました。
 説明会では、住民の方々から個々の宅地の安全性についても調査をして欲しいとの要望が出されたため、公社としては、住民の皆様の不安を解消できるよう、地盤調査を実施することで土地所有者と協議を行っていると聞いています。

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中山踏み切りの改良について
 慢性的渋滞を起こしている中山踏切の改善は、地元の皆さんはもとより、住民が切望しているところです。毎日のようにここを通っている人でさえ、いつも怖い思いをして通行しています。できることなら避けたいところですが迂回路はなく、立体交差で改善する以外ありません。どうされるのでしょうか、市の対応と合わせて、過去5年間での人身事故件数をお聞かせ下さい。

(道路交通局長)
 中山踏切の立体化については、高速5号線の整備に合わせて一体的に行う計画でしたが、平成16年度(2004年度)に行った広島高速道路の整備プログラムの見直しにおいて、関連道路事業も含めた広島高速道路全体の徹底的なスリム化を検討した結果、整備を先送りすることにしました。
 しかしながら、当該踏切は、横断する交通量が市内の踏切の中で最も多く、また踏切と交差点が隣接する構造となっており、信号機も設置されていないことから、過去5年間で、人身事故が33件発生するなど、交通安全上、大きな課題があり、何らかの対策が必要な箇所であると認識しています。
 このため、今後、踏切の立体化を含め、どういった対策が効果的で、また経済的か、検討したいと考えています。

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「暴走族追放条例」の改正について
 去る9月18日、最高裁判所は、「広島市暴走族追放条例違反」事件について、被告人の上告を棄却し、被告人を有罪とした一審判決を支持する判決を下しました。
 しかし、判決文の内容は決して単純なものではなく、市の暴走族追放条例の条文が憲法違反の可能性があることをも示唆する重大な中身となっています。

 最高裁判決は、条例は、「暴走族の定義」、「禁止行為の対象」及び、「市長の中止・退去命令の対象」が、その文言どおりに適用されることになると、規制の対象が広範囲に及び、憲法21条1項の表現の自由及び31条の罪刑法定主義の観点で問題があるとし、5人のうち2人の裁判官は、明確に憲法違反と反対意見を述べ、5人のうち3人の賛成でも「限定解釈」をしてはじめて合憲判断をしています。まともに解釈したら憲法違反であり、いろいろ条件をつけないと憲法に沿ったものでないという判断だということです。

 これらの問題点は、条例が論議された平成14年(2002年)当時から、広島弁護士会等からも指摘され、日本共産党市議団も他会派と共同で、あいまいさを残さないために「何人も」という文言を修正するなどの条例修正案を提案してきました。
 また、今回の最高裁判決を受けて、11月16日付で広島弁護士会からも、市長・議長に対して、条例の速やかな改正を求める要望書も提出されています。今回の判決でも、「条例改正は技術的に困難なことではない」と指摘して以上のような経緯からも、最高裁判決で憲法に反する恐れがあると指摘された点を真摯に受け止めて、広島市として「暴走族追放条例」を速やかに改正すべきだということを強く要望しておきます。
 以上で終わります。

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トップ議会情報・議会報告2007年第6回 12月定例会 議会報告 > 一般質問
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