トップ2006年第4回9月定例会 議会報告 > 藤井とし子議員の一般質問


2006年9月29日 本会議 藤井とし子議員の一般質問


市長の政治姿勢について
  ●アンケートに寄せられた市民の声
  ●国の悪政が市の施策に連動
国民健康保険料の減免について
介護保険について
生活保護と生活困窮者支援について
障害者自立支援法について
小児夜間救急医療体制について
公共事業の見直しついて
  ●市営住宅の整備と抽選方法
  ●高速5号線の必要性
被爆者行政について
国民保護計画について

再質問
  ・福祉用具の機械的な取り上げはしないように
  ・孤独死をなくすための庁内対策チームを



市長の政治姿勢について

  日本共産党の藤井とし子です。会派を代表して一般質問を行います。
  質問に入る前に、先日の台風13号の影響による大雨災害で亡くなられた方、また被害に遭われた地域の皆さんに、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧のために県と市が全力を挙げられますよう強く要望しておきます。

  さて、憲法と教育基本法の改悪を前面に押し出し、日本の進路と子どもの未来を危うくする安倍新内閣が発足しました。
  弱者切り捨ての「痛みを伴う小泉改革」で、この5年間で格差と貧困が拡大したことは今や誰の目にも明らかです。広島市でも生活保護世帯がこの5年間で1.7倍と急増し、働いても働いても貧困から抜け出せないワーキングプアが深刻ですが、安倍新総理はこれまでの小泉構造改革を引き継ぐと表明しています。安倍氏本人が中心になって決めた骨太方針2006も、今後10年間さらに社会保障を削減するとしています。
  国が社会保障の責任を放棄すること自体許せませんが、こうした中でこそ地方自治体が市民の命と暮らしを守る防波堤となるかどうかが問われます。

●アンケートに寄せられた市民の声
  私たちは市民が行政に何を一番求めているのか広く市民にアンケートをお願いして、今までに約3千通の回答が返っています。
  小泉内閣になって暮らしぶりはどうなったかという質問では、「悪くなった」が61%、「良くなった」はわずか5%程度です。60代の女性からは「住民税も国保料も介護保険料もいっぺんに上がり、年寄りは早く死ぬのが国のためといわれているようで生きていくのがつらくなる」、また30代の女性は「今の仕事を辞めて、夫の稼ぎだけで1、2年もやっていけるとは思えません。怖くて、子どもは産みたいけど産みません」「国民が守られているという気がしない」と、どれも政治への激しい怒りの声と将来への不安の大きさに圧倒されるものばかりです。
  「市政に望むことは?」で1番多かったのは、高齢者の介護や国保、医療、次に子育て支援、教育、公共事業の見直しと続きます。公立保育園の民間移管については、「民間移管すべき」が8%程度、28%の人は「移管すべきでない」と答え、35%の人が「保護者や市民の意見を聞くべき」と答えています。移管反対の理由に「コストを下げようとすれば質が落ちる」「こどもは国民、市民の宝。経費の削減をこういうところに求めるべきではない」と民営化の本質を見抜く意見が目立っています。
  市長にはすでにお渡ししておりますが、こういった市民の声をどう受け止められたのかお聞かせください。

●国の悪政が市の施策に連動
  特に、2年前の国の税制改革は高齢者に深刻な影響を与えています。昨年から所得税、今年から住民税、来年は定率減税全廃で三重の大増税です。65歳以上の住民税の非課税措置の廃止は、国保料や介護保険料をはじめ、他の制度にも連動して負担が雪だるま式に増えていく重大な問題です。
  すでに広島市として負担軽減措置をとった障害者施策を除いても、「市営住宅の入居基準」や「高齢者の公共交通利用助成」など20を超える制度で適用から外れたり、負担が増えます。
  国の悪政が市民生活に深刻な影響を及ぼしていることについて、政府に改善を求めるとともに、市として一定の財政支出を行ってでも市民生活を守るべきだと思います。広島市として、それぞれ連動した影響が出ないようにすべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。以上お答えください。

≪市長≫
  わが国においては、少子高齢化の急速な進行や雇用の不安定化などにより、社会保障を取り巻く環境が大きく変化しています。このため、保健・医療・福祉の分野においては、すべての市民が健康で幸せに暮らせる社会を実現することが重要な課題であると認識しています。
  こうした中、国においては、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するため、2004年度(平成16年度)に年金制度の改正、2005年度(平成17年度)に介護保険制度の改正及び障害者自立支援法の制定、2006年度(平成18年度)に医療保険制度の改正が行われました。
  一方、税負担における世代間及び高齢者間の公平を図る等の点から、2004年度(平成16年度)には公的年金等控除の見直しや老齢者控除の廃止、2005年度(平成17年度)には65歳以上の方に対する非課税措置の廃止や定率減税の縮小などの税制改正が行われました。
  こうした国による社会保障制度の改正により、高齢者や障害者といった福祉サービスを受ける方の負担が増えたり、また、税制改正により、収入に変化がなくとも非課税から課税になることにより、福祉サービスの利用者負担が増えたり、制度を利用できなくなるといった事態が生じました。
  これまでも、本市においては、様々な国の制度改正に際し、市民生活に与える影響を十分に考慮して他の政令市等と連携し、必要に応じて国に制度の改善を要望するなどの対応をとってまいりました。
  さらに、厳しい財政状況のなかではありますが、国の制度改正に伴う市民の負担の増加を軽減するため、次のような措置を講じました。

  @ 障害者自立支援法の施行により、利用者負担が原則してサービス費用の1割となり、サービス利用者の大半を占める市民税非課税等の低所得者の負担が増えることになります。こうした障害者の負担を軽減するため、独自に低所得者を対象として利用者負担の上限月額を3年間で段階的に引き上げることにしました。

  A 高齢者等の社会参加を促進するために、市内のバス・電車などの利用券を交付する「高齢者及び障害者の公共交通機関利用助成」事業については、これまで利用券を受けていた方が、税制改正によって不交付になることのないようにしました。

  B さらに、昨日、議決をいただきましたが、このたびの医療保険制度の改正により、70歳以上で療養病床に入院されている方の負担が増えるため、激変緩和措置として療養援護金制度を改正し、重度心身障害者医療費補助受給者の自己負担の軽減を図りました。

  今後とも、福祉サービスを受ける方々の声を聴き、必要に応じて国への要望や本市独自の措置をとることなどを通じて、すべての市民が健康で幸せに暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいります。


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国民健康保険料の減免について

  今回の増税に連動して最も影響が大きかったのが高齢者に対する国民健康保険料です。また、広島市では昨年から最も配慮すべき低所得者への減免制度が廃止になりました。
  今年の国保料を見ると、現役世代の保険料が10%あまり引き下げられた代わりに、増税が集中した高齢者世帯は、所得によっては最大で2倍あまりになっています。2年間の激変緩和措置があるとはいえ、住民税増税に連動して介護保険料も上がったうえに国保料まで、まさに三重苦を押し付けられるのはあまりにもひどすぎます。まず、この点の市長のお考えをお聞かせください。

≪社会局長≫
  平成18年度に実施された年金課税等の見直しに係る税制改正は、少子高齢社会へ対応するため、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から行われており、国民健康保険においても、この趣旨を踏まえて応分の保険料を負担していただくことが必要であると考えております。
  なお、この税制改正により国民健康保険料が増加する65歳以上の高齢者については、新たな負担増に配慮して、国において、平成18年度及び平成19年度の2か年、保険料を軽減する経過措置を講じております。


  さらに、今年から市独自の国保料の減免制度が、前の年より収入が3割以上減少した時だけの1年限りの制度となり、低所得者への減免制度というしくみは完全に廃止されました。しかし、格差が拡大している今だからこそ低所得者への減免制度が重要です。
  国民健康保険料は低所得でも高額の保険料がかかります。たとえば小学校、中学校の2人の子どもを持つ生活保護基準相当の所得しかない自営業の4人家族の場合、住民税が約8万2千円のうえに国保料は33万円以上にもなり、このうえに所得税も取られます。一体、生計費非課税の原則はどこにいったのでしょうか。
  憲法25条に沿った最低限度の生活をしようとすれば、とても払い続けていくのは困難です。昨年3月までの市独自の減免制度は、こういった世帯がなんとか滞納せずに保険料を納めることができていました。これをなくしてしまったのは明らかに失政だったと考えます。
  社会局は法定軽減制度があると言ってきましたが、それで払える水準まで引き下げられるのは生活保護基準よりはるかに少ない所得です。また、払っている人との公平性が問題だといってきましたが、それは資産があって払えるか、借金をして払ったか、生活保護基準以下の生活に切り下げて払ったか、いずれかです。
  憲法25条がある国で、こんなことは許されるべきではありません。元の制度に戻すか、名古屋市のようにさまざまな形で所得の状況に応じて払える水準の保険料になるような、独自の減免制度を新たにつくるべきだと考えますが市長のお考えを伺います。

≪社会局長≫
  国民健康保険料の減免制度は、災害等による生活困窮者や失業等による所得減少者のように、前年の所得に基づく保険料額のままでは納付が困難な方を救済することを目的としています。
  このため、本市の減免制度のより適正な運用を図る観点から、平成17年度において、法定軽減制度の拡充による低所得世帯に対する保険料の引き下げとあわせ、減免制度の見直しを行いました。
  具体的には、失業や事業休廃止などにより、当該年度所得見込み額が前年中の所得額に比べて3割以上減少している世帯を減免対象とし、さらに、傷病や借金などに係る一時的な支出額が、前年所得の3割以上増加している世帯も減免対象としています。
  今後とも、低所得者等で保険料の納付が困難な方につきましては、法定軽減制度及び減免制度の適切な運用により、対応していきたいと考えています。


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介護保険について

  次に介護保険についてです。まず、介護保険制度が始まって7年、安心できる介護どころかますます不安になるばかりです。保険料は引き上げられ、特別養護老人ホームも待機者が多くて入れない、高い有料老人ホームばかりできてもお金がなくては入れません。しかも、在宅は4月から介護認定が厳しくなり、ある方は「手で這ってしか移動できず、これまで要介護1だったのが、今回の更新で要支援1に認定され、これまでのサービスが受けられなくなった」と失望と怒りが広がっています。
  特に4月からは要介護1と要支援になった人は、原則として車椅子や介護ベッドなどの貸与が受けられなくなり、従来からの利用者への経過措置も9月末が期限とされ,高齢者の不安は高まっています。ベッドがあるから家でなんとか起き上がり、夜中でもトイレに一人で行くことができていたのです。特に起き上がり、立ちあがりをしやすくするためにベッドはなくてはならないものです。買い取りもレンタル費用も払えない人からはベッドを取り上げる、まさに容赦ない「貸しはがし」が現場で起こっています。
  東京都港区や豊島区では、いち早く低所得の人に対し、区が指定した高さ調整付きベッドの貸与費用の一部を区が負担することを決めました。そこで伺います。

  広島市で、要支援1と2、要介護1となって、特殊ベッドの貸与が受けられなくなる対象者は何人ですか。

≪社会局長≫
  6月末現在、特殊寝台を利用している要介護1以下の方で、9月末の経過措置期間満了後、保険給付の対象外になると見込まれる方は2,351人です。


  市民税非課税や生活保護の人など、低所得の人のうち、ベッド利用が望ましい人や希望者には引き続き利用できるよう、市として何らかの対策を考えるべきではないですか。

≪社会局長≫
  このたびの国における福祉用具貸与の制度見直しは、軽度者が自立した日常生活を営むことができるよう支援する趣旨から、介護度が要介護1以下の方について、特殊寝台や車いすなどの貸与を原則、保険給付の対象外としたものです。
  本市としては、こうした改正の趣旨を踏まえ、国が全国一律に定めている基準に従い、軽度者に対する特殊寝台等の貸与を保険給付の対象外としているものであり、これらの方に対する福祉用具貸与の利用助成等は、要介護者の自立支援を推進する観点からできないものと考えています。
  今回の改正は、担当ケアマネージャーなどを通じ、今回の制度改正の趣旨を周知するとともに、利用者の皆様に十分御理解いただき、円滑に制度改正に対応できるよう努めています。


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生活保護と生活困窮者支援について

  次に、生活保護と生活困窮者支援について伺います。国は生活保護費の抑制をねらい、老齢加算や母子加算も廃止し、保護基準そのものまで切り下げました。さらに、国は窓口で保護の申請をできるだけ受け付けないよう、指導を一層強めています。
  こうしたなか、北九州市では申請を受け付けられず男性が餓死した事件、秋田では抗議の自殺者が出るなど、生活保護行政や生活困窮者支援のあり方が問われています。
  広島市でも8月に東区で二人暮らしの高齢者が衰弱死して発見されるという大変痛ましい事件が起こりました。電気・ガスは止められ、銀行口座には200円しかなく、相次いで力尽きて亡くなられたと推測されています。区役所の目と鼻の先で起こったこの事件、生活課に相談していなかったから仕方がないといえるでしょうか。改めて高齢者の見守りのあり方を見直すべきです。そこでお聞きします。

  ほとんどの都市は孤独死の実態を把握していますが、広島市ではここ数年間の孤独死の件数を把握していますか。

≪社会局長≫
  広島県警資料によりますと、広島市内における65歳以上のひとり暮らし高齢者の「孤独死」件数は、平成14年が154人、平成15年が168人、平成16年が186人、平成17年が198人となっています。また、平成18年は9月1日現在で141人となっています。


  市長は「市民と市政」の市長日記の中で、「生活に困っている方は、区役所の生活課においでください。申請書類を出していただいた上で、ケースワーカーが生活実態等を確認し、すべての条件がクリアーされれば支給の運びになります」と書かれていますが、実際の窓口では申請を希望しても申請用紙そのものをなかなか渡さないということがおこっています。
  一昨日、広島高裁で東広島市が保護要件があるのに、保護辞退届けを強要したことは違法という判決が出されました。憲法25条に基づく生活保護の申請権や受給権が阻害されることがないよう窓口指導を徹底し、生活保護の周知と申請書を窓口に置くなど改善が必要と考えますがいかがですか。

≪社会局長≫
  福祉事務所の窓口では、生活相談に来られた方には、まず、お困りの事情をお聞きし、相談等の結果、生活保護の必要な方には、生活保護制度の趣旨や仕組みについて説明したうえで、生活保護の申請をしていただいております。
  この場合、申請手続きについて適切な援助指導を行うよう、従来から福祉事務所に対して指導しています。
  また、生活保護制度の周知については、従来より、市民向けのパンフレット「生活保護のしおり」を作成し、福祉事務所の窓口に添えつけているほか、各区役所の総合案内に常備されている「区民暮らしのガイド」や社会局ホームページにおいて、生活保護制度を紹介しています。


  電気、ガス、水道または電話などライフラインが止められる場合、空き家でなければ事業所が福祉事務所に知らせるなど、連携をもっと強化させる考えはありますか。

≪社会局長≫
  電気、ガスの民間会社に対しては、生活困窮から料金を滞納している方が、福祉事務所に気軽に相談できるよう、福祉事務所等の連絡先を記載したお知らせ文を関係窓口に備え付けること等について、従前から協力依頼を行っておりましたが、今回の東区の事件を踏まえ、再度、周知していただくよう、お願いしております。
  また、水道局についても、「生活保護のしおり」を関係窓口に備え付けること等について協力依頼するとともに、水道料金の滞納折衝の際に、生活に困窮している方に対しては、福祉事務所への相談の働きかけを行う等の連携強化について、現在、協議を行っています。


  2年前、一人暮らしの高齢者の見守り相談事業が廃止されました。当時の社会局長は、議会で廃止する理由を「もう制度の役割は終わった」と答弁されています。
  しかし、その後も孤独死は後を絶ちません。事業の廃止後、どういった総括をされていますか。少なくとも一人暮らし高齢者の安否確認について行政の責任を明らかにすべきだと思いますがどうお考えですか。

≪社会局長≫
  「ひとり暮らし老人巡回相談事業」は平成15年度末をもって廃止しました。廃止にあたっては、民生委員の日常活動を中心に、地域全体で高齢者の安否確認・見守り体制づくりを進めることにしたものです。
  現在、具体的な取り組みとして本市においては、緊急通報できる「あんしん電話」の貸与、高齢者を対象に昼食または夕食を配達する際、安否確認を行う配食サービスなどを行っています。
  一方、民生委員は、生活困窮者や一人暮らし高齢者の見守りや相談などを行っており、本年からは各民生委員が担当区域内の高齢者や見守るべき高齢者数を把握するための実態調査を行っています。
  社会福祉協議会においては、「近隣ミニネットワーク事業」を実施しています。加えて、本市では、「広島市地域福祉計画」に基づき、「地域全体で高齢者を支える仕組みづくり」(中区広瀬地区)などの取り組みを進めています。
  今後とも、関係団体とも十分連携を図り、ひとり暮らし高齢者が安心して暮らすことができる体制づくりに努めてまいります。


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障害者自立支援法について

  子どもの療育に応益負担はなじまないのは明らかです。国も障害児の入所や通園施設の利用料については、当初示した基準より軽減すると見直しました。
  広島市は他市に先駆けて軽減措置を図りましたが、この国の見直しにより、軽減措置にかかわる財政負担は軽くなるはずです。それを財源として、さらに軽減を拡充すべきと考えますがどうですか。6月議会でもあと6百万円で今までどおりの負担ですむことは市も認めています。国の見直しにより、広島市では当初よりいくら軽減が見込まれるのかあわせてお答えください。

≪社会局長≫
  本年8月末、国において、利用者が負担する食費や光熱水費などの実費部分について、新たに軽減措置を実施することが示されました。
  これに伴い、本市が利用者負担軽減のために措置していた経費のうち、3百万円程度の執行残が出る見込みです。この執行残を財源として、さらに負担軽減を図る考えはないかというご提案ですが、今後のサービス利用状況等を踏まえながら、本市としての対応を検討していきたいと考えています。


  自立支援法によって、障害者が福祉サービスを受けるのに1割の利用料負担がいるようになり、広島市は独自に3年間の激変緩和措置をとりました。1年目は国基準の4分の1に上限設定され、大きな負担増は回避されています。しかし、来年は2倍、再来年3倍となります。
  障害者の収入が1年で良くなるわけではありません。来年以降も同じ軽減率を維持するよう予算措置をとるお考えはありませんか。

≪社会局長≫
  障害者自立支援法においては、原則サービス費用の1割負担としたうえで、収入に応じた上限月額を設定するなど、低所得者への負担軽減措置が講じられています。
  しかし、こうした負担軽減措置を講じても、特に低所得者については、利用者負担の増加額が著しいことから、本市では独自に平成21年度までの3年間、急激な負担増とならないよう、激変緩和措置を講じているものです。
  今後は、法施行後のサービス利用状況を踏まえた上で、改善すべき点があれば、国に対して要望していきたいと考えています。また、必要な場合には、本市としての対応も検討していきたいと考えています。


  障害者授産施設は今回の自立支援法への移行で、報酬の計算が月額から日割りになったため大幅減収になり、どこも人件費を削減せざるを得なくなっています。福祉を支える職場がパートばかりで障害者の人権や発達を保障できるでしょうか。
  また、自立支援になって利用料の1割負担で退所するケースも出ています。また利用者や家族の協力を得て、今まで休みだった土曜日まで作業するようになり、生活リズムが乱れ、体調を崩す利用者も出るなどの影響も出ています。
  このままでは施設はやっていけないと悲鳴が上がっています。せめて土曜日出勤をしなくてもすむように助成を検討すべきと考えますがどうですか。お答えください。

≪社会局長≫
  4月からの障害者自立支援法の施行に伴い、障害者施設に対する報酬は、月額払いから、利用者の利用日数に応じた日額払いに変更されました。
  通所施設においては、体調を崩しやすい障害者もおられ、その日の状況で急に休むことがあるため、制度改正前に比べて収入が減少していると施設関係者から聞いています。
  こうした声を受けて、本市では、市内の施設を対象に、利用者の動向や施設の運営状況の調査を実施しています。
  国においては、日額払いに変更したことによる収入減少を緩和するため、本年10月から、新たな利用者の受け入れを可能とする観点から、定員の1割増までの利用を認めるなどの改善を図ることにしています。
  このため、制度変更にともなう施設収入への影響については、今しばらく動向を見守っていく必要があると考えていますが、本市としては、調査結果を取りまとめた上で、施設関係者からも実態を聞き、必要に応じて、施設運営が適切に行われるよう、必要な対応を国に要望していきたいと考えています。


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小児夜間救急医療体制について

  広島市の総人口の34%を占める安佐南区、安佐北区は、全市的に子どもの人口が減少しているなか、この5年間で子どもの人口が31%から35%と子どもの数が急増している地域です。小児の夜間診療体制は待ったなしです。
  現在、舟入病院の受診者は、10年前に2万人だったのが昨年度は4万人と膨れあがり診療能力を超えています。風邪の流行期には救急で行っても2時間3時間待ちです。
  先日も請願にこられた2人の子どものお母さんは、「子どもが熱と嘔吐で、一晩中抱っこをして看病し、翌朝、病院に連れて行ったら即入院になった。子どもが一番しんどい思いをしています」と訴えられました。
  現在、舟入病院が医師会の協力も得ながら24時間受け入れ、北部では安佐市民病院が日曜日の準夜帯のみ診療で、医師やスタッフの献身的な努力でなんとか維持されています。しかし、国の医療費抑制化政策のもと、一般診療と一次救急から三次救急まで受ける病院の小児科医は、あまりの激務に耐え切れず過労自殺に追い込まれる事態も起きています。
  病院の小児科は経営効率が悪く、診療報酬上、採算がとれないため、全国では、90年に4119あった病院の小児科が、98年には399まで約10分の1に減少したそうで、真っ先に小児科が切り捨てられています。「小児科医が昼夜を問わず、初期診療と救急医療と専門医療の三役を担う日本の診療スタイルが続く限り、病院の小児科の閉鎖の流れを断つことはできない」と専門家も指摘しています。
  市としても、今後、小児科医を確保しながら市全体の小児夜間医療体制の充実が求められます。そこで伺います。

  舟入病院の小児の救急医療の機能を維持させるためにも、特に安佐地域に小児の夜間救急医療体制の確立が求められますが、今後どういった展望をお持ちですか。

≪社会局長≫
  舟入病院における小児の夜間救急患者のうち、安佐地域から来院する患者は、年間約8千人で、年間患者数4万人の2割を占めています。
  安佐地域の小児救急患者の多くが舟入病院で受診している現状を踏まえ、安佐市民病院においては、二次救急の病院群輪番病院としての機能に加え、初期救急医療として日曜日の準夜帯に小児救急外来診療を行っています。
  安佐地域の小児救急医療の充実を図っていくためには、小児科医が不足している中での小児科医の確保や診療場所の問題など、解決すべき課題があります。このため、広島市連合地区地域保健対策協議会や地元医師会等の関係者と協議を行いながら、小児夜間診療の充実について検討していきたいと考えています。


  専門のこども病院を持つことは、小児科医の養成をすすめ、小児医療水準を引きあげます。難病の子を抱える親がわざわざ県外まで行かなくてもすみます。この点での展望もお聞かせください。

≪社会局長≫
  こども病院の設置についてですが、本市の小児医療体制に関して、平成11年度から14年度にかけ、広島市連合地区地域保健対策協議会、さらに、本市が設けた小児医療充実基本計画策定委員会において、それぞれ専門的立場から検討していただきました。
  こうした検討の結果、市内の医療資源は相当のレベルにあることから、こども病院の新設ではなく、本市に不足している救急医療やこどもの心の問題を扱う医療等の充実を図るべきとの報告をいただきました。
  これを受け、舟入病院において平成14年10月に、24時間365日小児救急医療体制を整えました。また、平成16年度から、「こどもの精神科」を新設しました。さらに、「こどもの皮膚科」を木曜日の午後に開設するとともに、土曜日の準夜帯には、耳鼻咽喉科、眼科の初期救急診療を開始するなど、舟入病院の診療体制の充実を図っています。


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公共事業の見直しついて

  さて、財政再建の中で民生費予算を確保するためにも、一層の公共事業の見直しが求められています。借金をあてにした不要不急の大型公共事業を凍結中止し、地元経済の活性化のためにも地域密着の公共事業への切り替えが望まれます。

●市営住宅の整備と抽選方法
  広島市は他都市と比較して公営住宅の総戸数が少なく、供給住宅戸数を増やす事が急務です。住宅の新築をしなくても、民間アパートや企業が使用しなくなった社宅を市が借り上げ、公営住宅として市民に安価な家賃で提供し、市民生活の基盤を支えるべきです。
  市営住宅の供給戸数は足りているとお考えなのか伺います。また、2005年度の市営住宅の募集戸数と申し込みの延べ数、応募倍率を教えてください。

≪都市整備局長≫
  平成17年度の定期公募の募集戸数403戸に対し、申込み延べ人数は8,877人、応募倍率は約22倍です。


  12年前、広島市の市営住宅は12政令市の中で人口百人当たりの整備率が8番目でした。当時、(わが党の)石川議員の質問に対し、助役は「高齢者、障害者向け賃貸住宅など、今後とも借り上げ住宅など新たな方向付けも含め最善の努力をしていきたい」と答弁されています。12年たった今、整備状況と今後の整備計画はどうなっていますか。

≪都市整備局長≫
  高齢者や障害者に配慮してバリアフリー化した住宅は、全体の管理戸数15,234戸のうち2,232戸で、全戸数の14.7%です。また、借り上げ公営住宅は、現在ありません。
  今後の市営住宅の整備については、現在の厳しい財政状況を踏まえ、現存ストックの有効活用を図ることとし、まずは迅速に空家改修を行うとともに、バリアフリー化を推進します。


  広島市は、公営住宅の入居については公平・公正さを重視するとして、申し込み回数に応じて持ち玉の数を増やしていますが、このやり方が市民から見て「公平」と言えるのか疑問です。
  アンケートでは「20回ほど申し込んだが、ずっと抽選にもれている。何とかして欲しい」という声がありました。定期公募は一年間に4回しかないので、20回も申し込むには丸々5年間の歳月が必要です。毎年、毎年、なんとか市営住宅に入居したいとの強い思いで諦めずに申し込みをされている市民を、抽選だから仕方ないと、いつまでも冷たく切り捨てるやり方は「公平」とは言えません。
  伺いますが、同じ人が何回、入居を申し込んでいるか実態を掴んでいるのなら、最多の申し込み回数と10回以上の申し込みをしている人数を教えてください。

≪都市整備局長≫
  平成17年度の年4回の定期公募において、これまで申込み回数が最も多かった方の回数は30回で、10回以上申し込みをされた方は平均で335人です。


  大阪市では、11回以上抽選に外れた人を登録し、指定する空家住宅に優先的に斡旋しています。京都市では多回数落選者優先住宅という住宅を確保し、11回以上落選している世帯は優先して申し込みができます。
  広島の場合、11回の申し込みで抽選できる持ち玉が3個あるだけです。他都市と比べ、長期間の住宅困窮者に冷たいと言わざるを得ません。広島市も他都市を参考に抽選のやり方を見直してはどうでしょうか。

≪都市整備局長≫
  申込み回数の多い方への配慮として、抽選時において回数に応じた「持ち玉制」による優遇措置を講じています。なお、住宅毎の応募倍率の実績や応募がなかった住宅の情報を、本庁と区役所の窓口で提供していますので、入居を希望される方は参考にしていただきたいと考えています。


●高速5号線の必要性
  高速5号線の必要性について、わが党市議団は「空港までわずか7分間の時間短縮のために1千億円もの巨費を投ずる必要はない。こんなムダ遣いはただちにやめるべき」と一貫して主張してきました。
  これに対し、市がこの5号線が必要という論拠はいまや崩れ去っています。
  まず、「高速道路のネットワーク化のために必要」とのことですが、本線から盲腸のようにつき出した道路は普通ネットワークとはいいません。仮に、これを将来都心部を通って3号線につなぐ南北線構想というものを前提にしているのなら、まったく無責任きわまりない考え方です。
  なぜなら南北線というのは、地図の上に勝手に線を引いただけで、それができるのかどうか、今のところ誰もわからない構想です。こんなものを前提に「ネットワーク化」と言うこと自体、将来世代に責任を負わない無責任行政といわねばなりません。
  2つ目に、「都心部と空港や県東部との間の高速性、定時性を確保するために必要」だといってきましたが、仮に5号線に乗ったとしても空港までの時間短縮はわずか7分です。
  「7分が惜しいのなら10分早く起きればいい」というのが大方の市民の感想です。わずか7分のために914億円も投入する価値が一体どこにあるのでしょう。この点についても市民を納得させる説明ができないままです。
  3つ目は、「県道尾長線など、温品、中山地区の高速5号線と並行する一般道路の渋滞緩和にも貢献できる」といってきましたが、この道路を走っている車の大半は、通勤や仕事など地区内に用がある地区内交通です。わざわざ遠回りして有料道路を使う人などいないことはわかっているのに、なぜ渋滞緩和といえるのでしょう。どれぐらい緩和するのかいまだに数字すらあがっていません。そこで伺います。

  この5号線については、公共事業見直し委員会が「道路ごとに費用便益分析すること」と指摘していますが分析されましたか。お答えください。

≪道路交通局長≫
  広島高速道路については、広島高速道路5号線と関連道路全体で、供用開始後40年間の費用便益分析を行い、平成15年度の公共事業見直し委員会にその結果を提出しています。
  その内容は、便益(B)が1兆5,482億円、費用(C)が6,956億円であり、費用便益比(B/C)は2.2という結果となっています。


  市は、「いろんな意見がありますので、その実現に当たっては慎重に検討するところはしていきたい」などといっていますが、それなら5号線が必要かどうか、改めて市民の意見を聞かれてはどうでしょう。
  私たちが行ったアンケートでは、5号線を「急いでやるべき」と答えた人はわずか10%しかおらず、逆に「凍結、中止すべき」が62%、「わからない」が28%でした。62%の市民が「凍結、中止すべき」だと答えているんです。
  先般の滋賀県知事選では、新幹線駅は「もったいない」という候補が圧勝しましたが、このときの世論調査でも新幹線駅に反対は61%だったといいます。それを上回る市民が税金のムダ遣いになる5号線の中止を求めています。今ならまだ間に合います。秋葉市長は、この市民の世論をどう受け止めておられますか。

≪道路交通局長≫
  この度、実施されたアンケートによると、高速5号線の必要性について、必ずしも市民の理解が十分得られているとは言えない結果となっています。
  こうした市民の意見は大切だと認識していますが、高速5号線は、高速1号線と連携して、広島駅と広島空港や県中央部以東の地域とを連絡するとともに、温品・中山地区の交通渋滞の緩和や広島駅新幹線口地区の開発促進を図る上でも重要な路線であり、円滑に事業が進められるよう沿線住民の方々に説明を行い、理解を求めていきたいと考えています。


  馬木トンネルの地盤沈下の最大の原因は、地下水位の低下による影響を誰もが「起こるはずはない」と過小評価していたところにあったと事故報告書は述べています。5号線については、1号線を踏まえて慎重な調査を行うべきですが、どのような調査を行っていますか。

≪道路交通局長≫
  高速5号線については、これまでに調査の同意を得られていない一部の地区を除き、地盤の硬さや種類を把握するためのボーリング調査等の地質調査、また、地下水位の変動を把握するための水文調査を実施しています。


  先般、9月6日の牛田東三丁目の地元住民説明会では、住民からどういった意見が出ていますか。

≪道路交通局長≫
  牛田東三丁目の東園(あずまえん)団地での説明会において、住民の皆様からは様々な意見が出されました。
  これらを要約すると、高速5号線そのものの必要性を疑問視する意見、トンネルが二葉山の自然や水脈に与える影響を不安視する意見、暫定整備により対面交通となるトンネルの安全性を疑問視する意見などです。


  二葉山には日本一のシリブカガシが群落する森があり、牛田山と共に鳥獣保護区となっています。聞けば、開発行為を行う際、届出の必要はないということですが、シリブカガシの植生や鳥獣など生態系に影響はないと断言できるのかお答えください。

≪道路交通局長≫
  高速道路公社が平成12年12月に設置した、学識経験者等で構成する「二葉山自然環境保全対策委員会」の調査では、シリブカガシの根は最大で深さ3メートル程度と想定され、その生育は地下水に依存しているのではなく、雨水を起源とする表層水によるものと考えられることから、仮にトンネルによる地下水の流れが変わったとしても、シリフカガシ群落等の植生への影響は軽微であると報告されています。
  また、高速5号線は、二葉山をトンネル構造で通過するため、トンネル坑口周辺部を除き、鳥獣への影響はないものと考えています。トンネル坑口周辺部については、緑化により保全することで鳥獣への影響を極力抑えることとしています。


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被爆者行政について

  去る8月4日、61回目の原爆忌を前に、「自分の病気が原爆によるものだということを国に認めてほしい」と広島の41人が提訴していた原爆症認定訴訟で、広島地方裁判所は大阪地裁に続いて原告側全員の勝訴という画期的な判決を言い渡しました。
  「いずれの原告も原子爆弾の放射線の影響を認める」とした判決は、厚生労働省が審査に使っている「原因確率」を「様々な限界や弱点がある」と指摘し、残留放射線による外部被ばく・内部被ばくの影響は別途慎重に検討しなければならないとしています。
  国は、これまで一貫して今の認定基準は国際的に承認された基準だと主張してきましたが、この基準は原爆症の発症について原爆が爆発した時だけの直接被爆しか認めていないことを明らかにしました。
  世界で唯一の被爆国であるわが国の政府には、二度と核兵器の惨害を引き起こさないために、61年経っても放射線被害に苦しめられているという被害の実相を明らかにし、世界に示す責任があり、なかでも広島、長崎の役割は重大です。
  多くの科学者が自らの科学者としての良心に基づいて、その努力をいまなお続けています。被爆後61年たって困難な面も当然ありますが、科学技術の発達でそれを乗り越える可能性もあります。しかし、原爆の被害を体験し証言できる被爆者には時間的な制限があります。政府は、被爆者が証言できるうちに証言による調査を最大限かつ急いで行うべきです。
  今回の判決は、広島市が直面する2つの問題でも重要だと考えます。
  広島市が政府に求めている黒い雨地域を被爆地域として拡大する問題では、佐伯区のほうで黒い雨だけでなく、大量の灰が降ってきたとの証言もあります。放射性物質が皮膚に付着することによる被爆や内部被ばくによる重大な健康影響の可能性を考えれば、卵形の狭い地域に限定されている黒い雨地域の早期拡大は喫緊の課題です。
  広島市として政府による大規模な調査を求めると同時に、市自らも県に要請し、改めて当時、黒い雨が降った地域に住んでいたすべての人を対象とした聞き取り調査に取り組むべきだと思いますが、当局のお考えを伺います。

≪社会局長≫
  被爆地域の拡大に関しては、昨日倉本議員にご答弁申し上げましたとおり、本市では、黒い雨降雨地域全体を被爆地域に指定していただくよう、様々な機会をとらえて国に要望してきました。
  これに対して国は、被爆地域の指定は、科学的・合理的な根拠のある場合に限定するものとし、平成16年1月に、本市が黒い雨体験者に精神的影響があったと報告した「広島市原子爆弾被爆実態調査研究報告書」についても、「調査方法等が不十分であり、国において検討を進めることはできない」との回答があったところです。
  本市としては、黒い雨降雨地域関係者の高齢化等から、早急な対応が必要であると認識しており、現在、専門家等から意見を聞きながら、今後の取り組み方針について検討を行っています。


  被爆者の救護に関わった人たちの被爆認定の問題が裁判所に持ち込まれていますが、被爆者10人以上に関わったかどうかを基準にしていること自体、放射性物質の皮膚への付着や体内への吸入による内部被ばくを無視したものです。
  大勢の被爆者が介護を受けていた救護所内に、そうした放射性物質が浮遊していたであろうことは容易に想像できます。そうした中で寝ている被爆者の間を行き来していた人が放射性物質を吸入したり、皮膚に付着させたりしていたのかもしれません。そうしたことを否定する根拠はないと考えます。
  イラクで使用された劣化ウラン弾やチェルノブイリの原発事故後、癌や白血病の患者がいまだに増え続けています。アメリカでの原子力発電所の半径500キロメートル以内の地域とそうした範囲に入っていない地域とでは、乳がん死亡率に明らかに地域差があるという調査もあり、浮遊する放射性物質の影響を否定し去ることはできないと考えます。そこで質問します。

  10人以上という基準は、いつ、どこで決まったのですか。

≪社会局長≫
  被爆者援護法第1条第3号には、その具体的な要件は定められておりません。このため、広島県においては、昭和43年9月に国と協議の上、1日あたり10人以上の被爆者の救護・看護等に従事された方などを「被爆者の定義」という形で定められました。
  本市におきましても、昭和48年8月に広島県と同一内容で「被爆者の定義」を定めているところです。


  10人以上は自治体の統一基準となっているのですか。

≪社会局長≫
  先ほどご答弁しましたとおり、1日当たり10人以上の被爆者の救護・看護等に従事された方などを3号の被爆者とした「被爆者の定義」は、本市が昭和48年に広島県と同一内容により定めたものであり、全国の統一的な基準となっているものではありません。


  なぜ、10人以上でないといけないのか科学的根拠を示さないと説明責任を果たしたといえません。科学的根拠をお示しください。裁判で争われている問題であっても、いま現に救護被ばくで手帳申請があれば、10人以上を基準に判断しようとされるわけですから、そうである以上は判断の根拠を明確にする「説明責任」があります。明確にお示しください。

≪社会局長≫
  広島県において、昭和43年、3号被爆者の認定の基準を定めるにあたり、どれくらいの人数や期間、被爆者の救護・看護等を行えば放射能の影響があるのかについて、放射線医学の専門家に意見を求めました。
  その結果、専門家から「50名位を数日間行えば影響があると思われる」との意見を得たことから、画一的、統一的な基準としても誤りが生じない最低線として、「1日あたり10名以上」という基準を定められたものです。


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国民保護計画について

  最後に、国民保護計画について一言述べておきます。
  市長は、6月の議会答弁で「国民保護計画策定の中で、核兵器による惨劇と被害を明らかにしていく」とおっしゃいましたが、こういう考え方では、核戦争を想定した国づくりを認めることにつながるのではないでしょうか。
  「核攻撃に備えた国民保護計画は、広島はつくることはできない」と、国にきっぱり言うべきです。それが被爆地広島の使命だと思います。

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再質問

  介護保険制度のベッドの貸与ですが、ベッドがあるからなんとかなっている高齢者も多いのが現実です。機械的な取り上げはしないよう確認したいと思います。
  また、孤独死が年々増えていることが先ほどの答弁で明らかになりましたが、これに対する対策をとっているとは感じられません。新宿区がしているように、孤独死をなくす対策チームを庁内につくるなどしてはどうでしょうか。

≪社会局長≫
  介護保険における要介護1以下のベッドの貸与だが、基本的には自ら起き上がれない、寝返りをうてない人が要介護1以下でも受けられるということで、それ以外の方は10月から保険対象外ということでやらざるを得ないと考えています。

  孤独死については、対策をとるチームをつくったり行政がリードしてほしいということですが、我々も孤独死については心配し、民生委員、福祉事務所、福祉協議会などに協力をお願いしており、今回新たに水道局にお願いしています。
  水道は最後のライフラインであり、それを止めるという段階になったら水道局は本人と面談して最終的に決定するということを聞いておりますので、経済的に困っているのであれば、本人の了解はいりますが、福祉事務所に相談することなどを本人に勧めることなど、いろいろ協議しています。どんなことができるか、さらに考えていきたいと思います。


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