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2006年2月28日 本会議 中原ひろみ議員の05年度関係議案討論


地下街開発(紙屋町シャレオ) 後世にツケまわす経営改善策は認められない
  ・ 銀行は自らの責任自覚して対応するべき
  ・ 第2の借金と言われる債務負担行為を一層増やすことに
  ・ 市が貸した67億円の返済開始は54年先 33億円もの利息収入も失う
  ・ 破たん状態の地下街構想に市を巻き込んだ民間8社の責任明確にすべき
  ・ 少しでも市民負担減らす最善の努力を
「国民保護計画」  戦争への道につながる動きには一切賛成できない
  ・ 「国民保護計画」は「戦争できる国」への地ならし
  ・ 核攻撃想定した避難計画は“ヒロシマ”の心を踏みにじる
  ・ 50人の協議会メンバーに114万市民の安全を一任することに
一般会計補正予算および運動広場・街区公園の指定管理者指定議案
  ・ 市立養護学校建て替え 早急に用地決めて分離新設を
  ・ 新火葬場整備 新たに土地購入するのでなく未利用地の活用を
  ・ 指定管理者制度 最終的な責任は市が持つことを明確に



  日本共産党市会議員団を代表して、上程された議案について討論をおこないます。
  反対の議案は、第393号、399号、400号、407号の4議案です。
  意見を付けて賛成する議案は、第386号議案(一般会計補正予算)と、運動広場の指定管理者を指定する第410号議案から第412号議案、街区公園の指定管理者を指定する第417号から第441号です。
  残りの議案には賛成です。



地下街開発(紙屋町シャレオ) 後世にツケまわす経営改善策は認められない

  まず、第393号議案、平成17年度広島市開発事業特別会計補正予算(第2号)と、第407号議案、権利の放棄について反対理由を述べます。

  この議案は、昨年9月の中間決算で、地下街開発株式会社が「減損会計」の適用を受け、開業5年目にして64億円もの債務超過に陥ったことから、地下街開発株式会社の破産を回避し、経営を継続させる為の改善策です。
  中身は、@民間都市開発推進機構(NTT融資)82億円、市中銀行融資48億円、敷金・保証金返済資金借入金の43億円、合わせて173億円を市が債務補償する A市の貸付金67億円の返済開始を平成72年まで先送りする B市の貸付金の金利を1%から0.1%へと引き下げる―というものです。

銀行は自らの責任自覚して対応するべき
  今回の改善策は、昨年資金ショートした南口開発株式会社とは異なり、銀行6行による追加資金融資や金利引下げ、返済期間の延長などの支援がされ、一定の評価はできますが、銀行が新たに最大76億円の貸付けをするのも、広島市が保証人になる事が条件になっている訳で、シャレオが万が一倒産しても、銀行は債権の回収は確実にでき、損はしません。
  とどのつまり、市民が血税で最後の後始末をさせられるという構図です。銀行はこれまでも、、折半となっていた出資をせず、広島市ばかりに負担をさせてきました。今度は銀行がリスクを背負う番です。
  今回の改善策は、市中銀行が債務補償していた民間都市開発推進機構からの借入まで広島市が補償することになっていますが、これでは、シャレオの経営改善に対して、銀行はこれまで以上に無責任で良いという事になります。銀行は、その責任を自覚し、市の債務補償なしでも新たな貸付に応じるべきです。

第2の借金と言われる債務負担行為を一層増やすことに
  20年後、30年後がどうなるか、先の見通しは全く見えない中で、54年間、173億円の債務補償、債務負担行為を認めることは、市民にとって大変に危険な綱渡りです。
  債務負担行為は、将来の歳出の内容を拘束し、財政硬直化の重大な要因となりかねず、第二の借金とも言えます。
  広島市の平成16年度決算では、債務負担行為総額は2,199億円、そのうち債務補償は1,900億円にもなっています。聞けば、債務負担行為の規模は、標準財政規模の1割程度までが目安とされていますが、広島市は今でも6倍近い規模に膨らんでいます。この債務負担行為額を新たに173億円も膨らませる事に賛成はできかねます。

市が貸した67億円の返済開始は54年先 33億円もの利息収入も失う
  市が貸し付けた元金67億円は、平成72年の返済開始まで、54年間という半世紀以上もの長い間、一円も返済されないというのは、「差し上げる」に等しいと言わねばなりません。
  さらに、金利の引き下げで年間6千万円、返済が完了する平成99年までの82年間の累積利息を計算すると、33億円もの権利を市民に放棄させるものです。
  平成15年に非常事態宣言を発表した広島市が、173億円もの保証人になり、利息も減らし、ここまで支援する妥当性があるのでしょうか。後世に「ツケ」を回す改善スキームは、市長の政治理念とも相反するものです。
  銀行も利率引下げで利息分の73億円もうけが減るから、広島市が負担するのは「当たり前」だと言わんばかりの改善策は、テナントの立場を考え、シャレオの倒産を避けて経営を存続させるためには一定の負担は仕方ないとしても、このような過度の市民負担は、やはり認められません。

破たん状態の地下街構想に市を巻き込んだ民間8社の責任明確にすべき
  質疑のなかで、市長が、「開業当時に減損会計が適用されていれば、スタート時点からシャレオは債務超過になっていた」と発言されたように、改めてこの地下街開発事業が、採算を度外視したずさんな事業であることが明らかになりました。
  最初から破綻状態の地下街開発構想に市を巻き込んだ民間8社の責任を棚上げしたままで、市民だけにツケを回すことは許されません。今後、広島市ばかりがシャレオに追加の資金融資や債務保証をしなくていいように、この時点で責任範囲をはっきりさせるべきです。
  ここの責任を明らかにしないと、またシャレオが経営難に陥いるような事態になったら、今度は全面的に市民が税金で穴埋めすることになってしまいます。社長と常務取締役2人が退任、経営陣の交代だけで解決する問題ではありません。

少しでも市民負担減らす最善の努力を
  平成15年12月、総務省は、第3セクターを取り巻く社会経済情勢の大きな変化に対応するためにと、「第3セクターに関する指針の改定について」との通知を自治体に出し、経営改善が極めて困難だが、何らかの形で事業を存続させる必要がある場合は、出資の範囲内の負担、損失補償契約に基づく負担を負うのが原則であり、自治体が過度の負担を負うことのないようにすべきとしています。
  さらに、完全民営化を含めた既存団体の見直しを積極的に進め、問題を先送りすることなく、法的整理の実施等も判断すべきとしています。
  広島市は、特定調停に関して、関係者全員の同意が必要だから無理だとされているが、実際に関係者に支援を求めて本気で交渉されてはいません。
  地下街開発株式会社を設立した民間8社を含め、株主、関係者に、今一度、支援を粘り強く求めることや、長期融資分の48億円を銀行に債権放棄させるなど、少しでも市民の負担が軽減されるように最善の努力をつくすべきです。

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「国民保護計画」 戦争への道につながる動きには一切賛成できない

  次に、第399号議案、広島市国民保護対策本部および広島市緊急対処事態対策本部条例の制定について、ならびに400号議案、広島市国民保護協議会条例の制定について反対の理由を述べます。

  この度の条例は、2003年6月に成立した「武力攻撃事態法」に基き、2004年6月成立した「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」、いわゆる「国民保護法」により、「日本有事」の際の住民避難計画など「国民保護計画」の策定を、国が自治体に義務付けたものです。

「国民保護計画」は「戦争できる国」への地ならし
  「武力攻撃事態法」は、日本がどこかの国から攻められていなくても、政府が「予測事態」と見なせば、国民を統制・管理・総動員して米軍の戦争を支援する体制をつくるものであり、「国民保護法」は、国民を保護するものではなく、イラク戦争のような無法な戦争に、国民・自治体・民間を強制的に総動員するものと言わねばなりません。
  今回、国が自治体に策定を求めている「国民保護計画」は、国民の保護に関する計画策定を義務付けることを通じて、「平時の有事化」を進行させ、「訓練」を通じて戦争遂行を可能にする「国民」や「自治体」をつくり出すことに狙いがあります。
  「テロ対策」を口実に、「戦争に備えるのは当然」という戦争意識を国民に持たせる、大掛かりなイデオロギー統制の仕掛けづくりであり、「戦争できる国」への地ならしに他なりません。

核攻撃想定した避難計画は“ヒロシマ”の心を踏みにじる
  政府の「国民保護に関する基本方針」では、日本が核弾道ミサイルや核攻撃を受けた場合の対応まで自治体に求めていますが、60年前に核兵器の犠牲になった被爆国の政府が、核攻撃を想定した避難計画を策定させること自体に憤りを覚えます。
  国は、広島の悲劇と核兵器の恐ろしさを、全く理解していないと言わねばなりません。
  核攻撃を想定した避難計画を広島がつくること自体、核兵器廃絶を願う広島の心を否定するものです。ヒロシマは、二度と核兵器を使わない、戦争しない道を求めています。国民保護の名による戦争協力でなく、戦争しない国づくり、軍事同盟の撤廃こそ、「安心・安全」の最大の保障です。

50人の協議会メンバーに114万市民の安全を一任することに
  これから策定される「国民保護計画」は、50人の協議会メンバーが策定し、内容について議会は報告を受け、意見を述べるだけで議決権はありません。114万市民の命と安全と財産という重大問題を協議会に一任するというのですから、これも大問題です。
  侵略戦争に命がけで反対した唯一の党の市会議員団として、「戦争への道」につながるあらゆる動きには、一切賛成できません。

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一般会計補正予算および運動広場・街区公園の指定管理者指定議案

  次に、意見を付す議案について述べます。

市立養護学校建て替え 早急に用地決めて分離新設を
  まず、第386号議案、一般会計補正予算ですが、このなかで、市立養護学校の建て替え基本計画の予算500万円を減額するものがあります。これは、建て替えの用地の決定ができなかったので基本計画をつくることができず、予算が未執行となったものです。
  しかし、現状の養護学校は、老朽化し、児童生徒数の増加で極限状態になっており、建設が1年遅れることは極限状態を一層悪化させることになります。必ず来年度で用地を決めるとともに、スタートの遅れを取り戻す計画にされることを求めます。
  さらに、健常児より条件の厳しい障害児たちの通学時間を考えると、来年度で必ず用地を決めるためには、複数に分離することを決意する以外になく、この点は基本構想にこだわることなく早急に検討されるよう求めておきます。

新火葬場整備 新たに土地購入するのでなく未利用地の活用を
  また、新火葬場整備事業は、地元と地権者との交渉に日時がかかったということで、実施設計費が来年度以降に繰り延べになっていますが、新火葬場の建設場所について地元住民から、あまりに焼却場と隣接しており、環境への影響を心配する声が出ています。
  財政健全化であらゆる事業について見直しをするということなら、あえて、新たに民間の土地を21億円もかけて購入しなくても、市立大学の横にある充分な広さの未利用地を活用することを考えるべきではなかったのでしょうか。
  購入予定地の地権者とは訴訟になり、いまだ契約に至っていません。市の財政状況を真剣に考えるなら、西風新都の用途見直しをおこなうことも含めて、用地の選定をやり直すべきではないかとの意見を付しておきます。

指定管理者制度 最終的な責任は市が持つことを明確に
  最後に、運動広場と街区公園の指定管理者に地域の町内会などを指定する議案についてです。
  これまでも、地元の町内会などは清掃等報奨金団体として実績をもたれており、今後は、よりきめ細かなサービスの向上や地域のコミュニティーの場になることが期待されますが、万が一、事故が発生した場合、管理者が身近な町内会だと言いたい事も言えなかったり、市と町内会との間で責任のなすりあいなど、これまで築いてきた地域の輪が崩れてしまわないかと危惧をせずにおれません。
  市は、リスクを分担して、指定管理者がおこなう日常の維持管理に起因するものは、指定管理者である町内会等が責任を負うとして、指定管理者に施設賠償責任保険への加入を義務づけますが、死亡など最悪の重大事故が発生した場合には対応できる保障規模ではありません。最終的な責任は広島市が持つことを明確にされることを求めておきます。

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