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2006年2月23日 本会議 皆川けいし議員の05年度関係議案質疑


地下街開発株式会社(紙屋町シャレオ運営)への支援策について (再質問)
  ・ 元々は民間がつくった「地下街構想」
  ・ 最初から破たんの危機
  ・ バブル期の過剰投資、過大な売上目標ひきずるズサンな収支計画
国民保護計画関連条例について (再質問)
  ・ 「国民保護計画」の位置づけ
  ・ 「軍事行動」と「市民の避難」 どちらが優先か
  ・ 唯一の被爆国政府が核攻撃を想定
  ・ 114万市民の「避難計画」が議会で審議されない問題
街区公園の指定管理者について



地下街開発株式会社(紙屋町シャレオ運営)への支援策について

  まず、地下街開発の経過を見た場合、この問題ではっきりさせなければならないことが2つあります。

元々は民間がつくった「地下街構想」
  1つは、元々、「地下街構想」は広島市が計画したものではなく、民間の会社がつくった構想に広島市が乗っかってスタートしたものだということです。
  平成2年12月に、広銀、日本興業銀行、NTT中国、広島そごう、ダイイチなど紙屋町周辺の民間8団体が資本金1千万円で設立した広島地下街開発株式会社に、2年後の平成4年5月に市および県が資本参加して新たに第3セクターとして発足したものです。
  元々、広島市の計画にはアストラムの駅と駅を結ぶ「地下歩道」計画はあったが、「地下街」にしようという構想はありませんでした。そこに店舗をはりつけ、東西にも伸ばして地下街をつくろうと言い出したのは、広銀など民間が計画したものでした。その構想のあとで県・市が乗っかって3セクとなったものです。
  なぜ広島市が資本参加したのか。当時、この計画の旗振り役であった橋口広銀会頭から、「地下街をつくるには公共が参加しないとできない。ぜひ参加してほしい」と、当時の荒木市長に市の資本参加への強力な働きかけがおこなわれました。
  そこで、公共として資本参加すべきかどうか、市の内部で検討された経過があります。「採算が大変だから乗るべきではない」という意見が多くありました。そこに平成3年2月、市長選挙があって、商工会議所副会頭だった平岡さんが市長になられました。平岡市長は、「できない理由を考えるより、できる理由を考えろ」と発想の転換を求めました。結局、この新市長の鶴の一声で市の資本参加が決まった。こういう経過があります。
  元々市の構想にはなかったのに、民間が言い出した計画だということがまず第一点。ですから、下から議論を積み上げたものは何もなかった。もちろん議会での議論は何もなかった。議論もないまま、いきなり乗っかった。ですから、「公共性」「必要性」「採算性」はあとからつくられました。

最初から破たんの危機
  下から積み上げたものではないから、「採算性」には当然無理があったのです。机上の計算だけで帳尻を合わせた収支計画だったため、最初から破たんの危険性がありました。これが二つ目の問題です。
  ところが、当時はアジア大会に向けて「行け行けドンドン」の空気が議会でも支配的で、こんないい加減な計画が議会でもすんなり通ってしましました。当時、「必要性や採算性もはっきりしない事業に参入すべきでない」と反対したのは日本共産党市議団だけでした。
  その後、わが党の指摘したとおり、事業費はさらに膨らみ、開業を一年後に控えた時点で早くも資金ショートし、市は新たに75億円の公金を投入せざるを得なくなったのです。ちょうど、秋葉市長が当選した直後の平成11年3月のことです。
  このとき市議会は、「進むも地獄、止めるも地獄」というギリギリの政策の分かれ目の選択に立たされました。「元々民間が考えたもので、民間がもっと責任を持つべきだ。先の見通しのないものに、これ以上、市が公金を投入すべきではない」として75億円の追加投入に反対したのは日本共産党だけでした。
  許せないのは、この地下街構想の旗を振り、市を抱き込んだ張本人の広銀の橋口会頭はさっさと広銀を引退し、抱き込まれた平岡市長も市長を辞めてしまったことです。地下街に一番責任を持たなければならない人が二人とも辞めてしまったあとを引き受けてしまったのが秋葉市長であり、秋葉市長には気の毒というほかありません。

バブル期の過剰投資、過大な売上目標ひきずるズサンな収支計画
  その後、歴代の経営陣が色々努力されましたが、土台がバブル時代の過剰投資をひきずったままですから、少々努力してもうまく行くはずがありません。つまり、売り上げが伸びなかったのが問題ではなく、そいういうことが想定できたにもかかわらず、過大な売上目標にもとづいたいい加減な収支計画でスタートしたこと自体が問題だったのです。そして今日の事態です。
  こうした経過を振り返ると、これだけ市民に多大な負担を強いることになった責任は、まず第一に、最初に地下街構想をぶちあげた広銀はじめ民間8社です。その次に、その尻馬にのって経営参加を決めた当時の市長以下の市の幹部であり、第3に、それを認めてきた市議会です。
  平成11年の時は、リスクは市=市民が全部かぶりました。しかし今度はそうはいきません。今度は広銀はじめ民間がリスクを負う番です。提案されているような返済延長や利子を見直すくらいではすみません。思い切った借金の棒引き(借金放棄)、あるいは無利子の融資をしてでも、自ら立ち上げた会社の再建に自ら責任を負うべきです。それが経営責任というものです。

  まず、民間の経営責任とリスク責任について、民間はどう責任を感じているのかお伺いしたい。元々、3セクを立ち上げる時点で、このようなリスクの分担について、覚書きがあってしかるべきですがどうなっていますか。

≪都市整備局長≫
  リスク分担に関する覚書というようなものは、結んでおりません。


  これまで、銀行および市がこの3セクに貸し付けてきた融資の総額と保証人、および負担はどうなっていますか。

≪都市整備局長≫
  市および金融機関は、店舗や設備など、広島地下街開発(株)の資産に対し抵当権を設定しておりますので、保証人はおりません。


  元々、東西南北、そして地下駐車場という、従来の地下街のスキームを守ったままでの再建策には限界があるのではないですか。思い切った規模縮小計画も考えるべきではないかと思いますが、そういう選択肢は考えていませんか。

≪都市整備局長≫
  資産の全部を売却する場合、破産処理と同じように、地下街の運営は営利企業に委ねられることになりますが、これまで答弁しましたように、地下街が統一性のない雑居ビルのようになりはしないか、そうしたことの周辺商業施設への悪影響や、都心の活性化を進める上での大きな支障となりはしないか、という懸念があります。
  なお、施設の一部を売却することについては、紙屋町地下街が一体的で有機的につながっている施設であるため困難です。なお、地下駐車場は、国土交通省の施設であり、国が管理しております。


  現在示されている再建スキームは、破産寸前の3セク法人に、長期に渡る損失保障するものですが、これは公金の不正流用ということになりかねません。
  有名な関釜フェリー事件、破産寸前の3セクに下関市が補助金を出したのは公金の不正流用だとして市長が訴えられた事件ですが、これは議会の承認を得て支出したということで、何とか最高裁で無罪となったようですが、1審、2審では有罪となっており、裏を返したら承認した議会も同罪ということになりかねません。それと同じように、もし、市民から訴えられたら、勝つ自信はありますか。

≪都市整備局長≫
  今回の金利引下げおよび損失補償により、地下街開発(株)は金利負担や資金繰りが改善され、経営が安定化することから、破綻することはないと考えております。したがって、本市が金利引下げおよび損失補償をおこなうことについては、適切な予算執行と考えております。


−−−再質問(要約)−−−

  本来の責任者はやめている。しかし、誰かが今後は責任を明確にしなければならない。170億円を何十年もかけて返さないといけない。手術をしたが「命」が助かるかどうかが問題だ。市長は、「責任を持つ」と言わなければならない。

≪市長≫
  経緯の点で、最初から重病で、手術でしか命をとりとめる方法なはい。ケネディ大統領の引用だが、どの世代においても前の世代からの重荷を背負わされており、そういう問題も責任を負わないといけない。損失補償や経営スキームにおいても、全力で責任を果たすために提案している。


  手術をするのは市長。執刀医として市長が「命」を助けるなら、市長が「責任を持つ」と言わなければならない。今後も、その時期その時期で担当者が責任を明確にすべき。
  これまで、責任の所在をはっきりさせなかったからこうなった。(他会派からのヤジに対し)認めた議会にも責任がある。理事者もエリをただすべきだ。事業を提案した民間8団体の責任者に来てもらい、市民に謝罪してほしい。特別委員会でも開いて連れてきてほしい。

≪都市整備局長≫
  設立当初の話し。発起人として出資をして立ち上げられ、そのあと3セクになった。3セクは出資の範囲の責任と考えている。


  設立の経過をしっかり調べるべき。市だけに論議させ、民間は知らん顔というのはおかしい。もっと真剣に考えて、民間8社を連れてきてほしい。

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国民保護計画関連条例について

  次に、日本有事の際の市民の生命、財産を守るための「国民保護計画」を策定するための協議会を設置する条例と、その「国民保護計画」に基づいて有事の際に対処する対策本部を設置する条例案についてです。

「国民保護計画」の位置づけ
  国民保護法は、「日本が有事の際に国民を守るための法律」とされていますが、実際は、そんな生易しいものではありません。平成15年から16年に制定された有事関連10法の構造は、日本本土への攻撃が発生した場合とともに、アメリカがアジア太平洋地域で戦争をする場合からなっています。
  しかし、日本単独への攻撃など空論であり、日本自体を敵国だといって攻撃してくる国はないと政府も認めています。日本本土への攻撃があるとすれば、それはアメリカが戦争する相手国が、日本にある米国基地を攻撃する結果、発生する事態でしかありません。
  つまり、有事法制の狙いは、アメリカが戦争をすれば「日本全土がそれに備え、自治体も国民も動員される」というのが有事法制の仕組みです。
  そこで改めてお伺いしますが、有事関連10法のそれぞれの位置づけと、その中での国民保護法の位置づけについて説明してください。

≪消防局長≫
  有事法制とは、わが国が武力攻撃を受けた場合の対処についての基本的な方針、国民の保護や自衛隊と米軍との協力のあり方など、有事の際にいかに対応するかを定めた種々の法律です。有事法制全体の中核として「武力攻撃事態対処法」が制定され、わが国への武力攻撃の際などにとる手続きや関連法整備の方針を定めています。
  関連法のうち、主に武力攻撃排除のための法律としては、自衛隊による物資・役務の提供等により米軍の行動を円滑化することを目的とした「米軍行動措置法」、私有地や家屋の強制使用、私有地の緊急通行を認めるなど、自衛隊の行動を円滑化することや、米軍との物品・役務の相互提供の手続きを規定することを目的とした「改正自衛隊法」、敵国への武器などの海上輸送阻止のための臨検を可能とすることを目的とした「外国軍用品等海上輸送規正法」、港湾・空港などを自衛隊や米軍、避難民のどちらが優先利用するかを調整することを目的とした「特定公共施設等利用法」があります。
  また、主に国民保護のための法律としては、国民の避難・救援の手続きや、国民の協力のあり方を規定することを目的とした「国民保護法」、国際人道法に規定する重大な違反行為に対する罰則として、重要な文化財を破壊する罪等を定めることを目的とした「国際人道法違反行為処罰法」があり、国民保護法は国民保護のための法律の中心となるものです。


  国民保護法のおおもとは、武力攻撃事態対処法にあるということです。この武力攻撃事態対処法は、第2条で日本への「武力攻撃」について次の3点を規定しています。(1)武力攻撃は、わが国に対する外部からの武力攻撃をいう。(2)武力攻撃事態は、武力攻撃が発生した事態、又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいう。(3)武力攻撃予測事態は、武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう。
  問題は、この3番目の武力攻撃予測事態です。政府は、アメリカが海外で起こす「周辺事態」と、この「武力攻撃予測事態」が同時に起こることを認めています。つまり、海外で「周辺事態」が起こったら、日本が有事になっていなくても「武力攻撃予測事態」と政府が判断したら、ただちに有事法制は発動される。これから広島市が策定しようとしている「国民保護計画」も発効されるというのが政府の解釈となっていますが間違いありませんか。

≪消防局長≫
  武力攻撃事態および武力攻撃予測事態の認定は、武力攻撃事態対処法に基づき、国において、国際情勢、相手国の意図、軍事的行動等を総合的に勘案して判断されるものです。
  武力攻撃事態等の認定は、武力攻撃事態等に至ったときに、政府がその対処に関して定める基本的な方針である「対処基本方針」に記載することとされていますが、この対処基本方針は、内閣総理大臣の諮問を受けて安全保障会議が審議をした後、閣議において決定し、国会の承認を得ることとされています。
  これらの手続きにより、議員が例示されたような事態が、国において武力攻撃予測事態と認定された場合には、国民保護法などの有事法制が発効することとなります。


  もっとわかりやすく言うと、もし、アメリカが海外で戦争を起こした場合、日本の米軍基地からもそれに出撃する。そうすると、相手国にしてみれば、当然、日本の米軍基地が攻撃の対象となる。そこで日本政府は、日本への武力攻撃が予測される事態として有事法制を発効する。米軍は日本攻撃の元をたたいて攻撃を未然に防いでくれる。
  つまり、日本への攻撃を「排除する」行動だから日本が支援するのは当然だとして、地方自治体と国民に、米軍、自衛隊への協力義務が課せられる。そのための法律が「米軍支援法」です。

「軍事行動」と「市民の避難」 どちらが優先か
  そこでお伺いしますが、もし、このような「予測事態」の下で、米軍が岩国基地だけでは足らないとして、西飛行場や出島の港湾の接収を広島県に要請してきたら、法律上、広島県はそれに協力義務があるのか。また同様に、米軍秋月弾薬庫から、大量の弾薬輸送等の運輸会社への協力要請があった場合、運輸会社はこれを拒否できるのか。政府を通じて、地方自治体が発令する土地・家屋の収用に対して、市民はこれを拒否できるのか。

≪消防局長≫
  「米軍行動措置法」は、合衆国軍隊から国の機関を通じて、港湾施設や飛行場施設の利用について協力を要請された場合は、「要請に応じるよう努めるものとする」と規定されており、広島西飛行場および広島港の両施設の管理者である広島県は、必ずしも協議に応じる義務はないとされています。
  しかし、これら施設については、広島県が避難や救援などの国民保護措置の実施のために利用する計画がある場合は、利用が競合することが考えられます。こうした場合は、「特定公共施設利用法」に基づき、国が県の意見を聴いて調整が行われることになります。
  また、弾薬輸送等について、運送会社が協力を要請された場合は、同法において事業者は、その要請に応じるよう努めるものとすると規定されていますが、必ずしも応じる必要はなく、これに反した場合の罰則も規定されていません。


  これから市が策定しようとする「国民保護計画」は、このような事態を想定して、114万市民の避難および救援計画を立てるものですが、問題は、平時の避難ではなく、米軍や自衛隊の軍事行動がおこなわれる騒然とした状態のもとでの避難、救援活動です。
  このようななかで、米軍や自衛隊の軍事行動と国民保護は、一体どちらが優先されるのですか。例えば、200トンもの重量のある戦車が道路を走り回る中で、避難路の確保はどうなりますか。

≪消防局長≫
  武力攻撃事態等における避難住民の誘導や救援は、地方公共団体の重要な役割であり、最優先で取り組む必要があります。
  しかしながら、住民避難に伴う道路、港湾施設、飛行場施設等における利用のニーズが、自衛隊や米軍の行動と競合するような場合には、「武力攻撃事態対処法」に基づき、地方公共団体は、国の武力攻撃事態等対策本部に対し総合調整の要請をおこない、国において、避難の現状、施設の利用の必要性や緊急性等について勘案し、解決策を示すことになります。


  武力攻撃事態下での国民の自由と権利の制限についてですが、政府の「国民の保護に関する基本指針」では、「物資の収用及び保管命令」「土地、家屋および物資の使用」「警戒区域の設定による退去命令等」の実施にあたって、国民の自由と権利に制限を加える場合は、「必要最小限のものとする」とありますが、必要最小限の基準とは一体どういう基準でしょうか。

≪消防局長≫
  国民の保護のための措置の実施にあたっては、基本的人権を尊重することとし、(1)救援のための物資の収用及び保管命令 (2)救援のための土地、家屋及び物資の使用 (3)警戒区域の設定による退去命令―などの実施にあたって、国民の自由と権利に制限が加えられる場合は、個々のケースに応じて最も適切な制限とする必要があるため、あらかじめ基準は設けられていません。
  また、制限についての規定は、市民の生命、身体および財産を保護するために、公正かつ適正な手続きのもとにおこなわれるものであり、必要な措置と考えています。


  広島がまだ攻撃もされていない「予測事態」下でも、消防は真っ先に、その体制下に組みこまれることになりますが、そうしたなかでの火災や交通事故等の救急活動は一体どうなるのか。後回しにされるおそれはありませんか。

≪消防局長≫
  武力攻撃等による災害が発生した場合には、消防は、武力攻撃に伴う被害を最小化するため、国民保護法のほか、消防組織法、消防法およびその他の関係する法令に基づき、消火、救助および救急活動を実施する責任を有します。
  加えて、警報の発令や避難の指示がおこなわれた場合、国民保護計画に基づき、関係機関と連携し、その内容を市民に伝達するとともに、避難の誘導などをおこなうこととなります。


  仮に、市の職員がアメリカの戦争協力に反対する意見をもって、土地・家屋の収用等の「公用命書」の執行を拒否した場合、この職員は処分の対象となるのか。

≪消防局長≫
  武力攻撃事態等が発生した場合においては、市町村は国民保護法に基づき、市民の避難、救援、武力攻撃被害の最小化に伴う措置などを実施することが責務として定められています。
  公用令書の交付事務は、土地や建物の使用、物資の収用等にあたりおこなうものですが、この業務は職務命令によりおこなわれるものであり、これに従わない場合は、地方公務員法に基づき、処分の対象となりえます。


唯一の被爆国政府が核攻撃を想定
  政府は、武力攻撃予測事態の際に、米軍部隊が公海上で攻撃されれば、日本が攻撃されたものとみなして、アメリカの艦隊を自衛隊が防衛することも可能と答弁していますが、もし、このような米軍支援をおこなえば、その結果として、日本に対する攻撃、すなわち、日本有事を「呼び込む」ことになるのは明らかです。
  そうなることを想定して、政府の「国民保護に関する基本指針」では、日本が弾道ミサイルや核攻撃を受けた場合の対応まで地方自治体に求めています。
  つまり、核攻撃を受けたら、「風下を避け、手袋、帽子、雨ガッパ等によって放射性降下物による外部被ばくを抑制するほか、口および鼻を、汚染されていないタオル等で保護することや、汚染された疑いのある水や食べ物の摂取を避けるとともに、安定ヨウ素剤の服用等により内部被ばくの低減に努める」「避難の際には、できるだけ近傍のコンクリート造りの堅ろうな施設や建築物の地階、地下街、地下駅舎等の地下施設に避難させるものとする」。
  ここまできたら、全く狂気の沙汰としか言いようがありません。これが、世界で唯一、原爆による被害を受けた国の政府のやることなのか。怒りと情けなさがこみ上げてきます。
  核戦争を想定した、こんな国民保護計画を策定するよりも、核兵器のない、核戦争のない世界の恒久平和のために全力をつくすことこそ、国民の願い、ヒロシマ市民の願いではありませんか。核戦争まで想定した計画をすすんでつくる職員は、広島市には一人もいないと思います。少なくとも、広島市だけは、市の目指すものと相容れない核攻撃を認めるような避難計画だけはつくらないようにしていただきたいことを強く求めます。

114万市民の「避難計画」が議会で審議されない問題
  これから策定されようとする「国民保護計画」は、想定されるそれぞれの攻撃に対する住民の避難計画、救援計画、攻撃への対処措置、市民生活の安定に関する措置、武力攻撃災害の復旧に関する措置、緊急対処事態への対処等、膨大な計画を立てることになります。いわば、114万市民の命と安全と財産がかかった計画です。
  ところが、これほど重大な中身に対して市がきちんとした指針を示さないまま、わずか50人の協議会に丸投げして、議会のチェックも受けないというのは大問題です。
  国民保護計画は、議会の議決事項でないというのなら、なおさら市の基本指針をまずはっきり示すべきです。そして、議会で十分審議をすべきです。それなしに、あとは協議会に丸投げというのは、事の重大性に照らしてもあまりにも無責任と言わざるをえません。
  今回の条例は、一旦撤回して、まず議会に市の基本的考えを示し、十分審議してから再提案すべきだと思いますがいかがですか。

≪消防局長≫
  本市が国民保護計画を策定するにあたっては、(1)本市は中国四国地方の中枢管理都市として、人口や行政機能、経済機能が集中していること (2)広島湾沿岸部には、自動車産業などを中心とした工場が立地していること (3)人類史上初の被爆都市であること (4)本市を中心に30〜40キロメートルの圏内には、自衛隊や米軍の基地があること―など、地域特性を考慮した計画づくりが必要であると考えています。
  本市が策定する国民保護計画は、国民保護法に基づき国民保護協議会に諮問し、審議をおこなっていただくことにしています。策定後は速やかに議会へ報告し、市民へ公表することになっています。
  なお、計画の策定にあたっては、可能な限り、市民や市議会から意見を反映させていきたいと考えており、計画の骨子案や素案を作成した段階など、時宜をとらえ、市民意見の募集をおこなうとともに、特別委員会や常任委員会を通じて議会への説明をおこない、意見をいただき計画に反映させたいと考えています。


−−−再質問(要約)−−−

  国民保護計画は、議会の承認事項にならない。協議会の50人ばかりの審議委員で114万市民の国民保護計画がつくられていくのか。これだけ重大な問題なのに、議会で論議ができないのはとんでもない。
  非常事態のときに、ある特定の地域の住民の逃げる方向や場所など全部を、50人の協議会の方だけで決めるのか。少なくとも消防局で話し合い、基本的指針をもって説明すべき。
  条例案だけでは(保護計画の中身は)わからない。今回の質問でも、国民保護計画にふれた議員はおられない。条例案を一旦ひっこめて論議し、改めて方針を示すようにしてほしい。

≪消防局長≫
  適宜、市民や議会に説明して政策決定に反映させたい。


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街区公園の指定管理者について

  町内会等が指定管理者となった場合のメリットは何でしょうか。

≪都市計画局長≫
  街区公園の指定管理者は、公園を身近に利用され、清掃等報奨金団体として実績のある地元町内会等を非公募で選定するものです。
  町内会等が指定管理者となるメリットは、苦情への迅速な対応や、きめ細やかな樹木剪定などのサービス向上に加え、管理経費においても縮減が図られることです。


  市は、申請受付時に、町内会等の総意として申請されているかを確認していますか。後々のトラブルのもととならないよう、町内会等の総意のもとに実施するよう基本協定書の中に明記すべきだと思いますがいかがですか。

≪都市計画局長≫
  今回の指定管理者制度に関する説明会において、団体内で十分協議した上で申請するよう説明しており、町内会等は団体として十分協議された上で申請されたと考えています。
  また、この業務を円滑に進めていくためには、住民の方々へも制度趣旨の徹底を図る必要があることから、住民へ周知するよう基本協定書に盛り込むなどの対応を考えています。


  もし、公園内で事故が生じた場合、市と指定管理者とのリスク負担はどうなっていますか。

≪都市計画局長≫
  事故が生じた場合のリスク分担については、施設そのものに起因するものは、設置した市が責任を負い、指定管理者がおこなう日常の維持管理に起因するものは、指定管理者である町内会等が責任を負うことになります。
  このため、指定管理者となるすべての町内会等には、リスクへの対応策として、施設賠償損害保険に全て加入していただくことにしています。


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