2002年第2回定例会(6月議会)
広島市出資法人の経営状況の報告(報告第7号)に対する中森辰一議員の質問と市当局の答弁(6月21日)

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土地開発公社保有の未利用地について1年間で増えた利息について
二葉の里の土地の活用策検討状況について
東広島駅貨物ヤード跡地の活用策検討状況について
総合リハビリセンター予定地の暫定活用検討状況について
都市整備公社が行なう建築・土木工事の入札・契約の公正性について
都市整備公社が行なう建築・土木工事の2001年度の落札率について
特定優良賃貸住宅に空家があることによる損失について
特定優良賃貸住宅の空家解消策・有効活用について
市当局の答弁をうけての中森議員の再発言


土地開発公社保有の未利用地について1年間で増えた利息について

【中森議員】2月に市議会に提出された、包括外部監査報告で出資法人について様々な監査の意見がなされている。その中で、土地開発公社が保有する、いわゆる大規模未利用地について、その有効活用のあり方について指摘が行なわれている。
この問題は、日本共産党市議団としても以前から指摘し、早急な活用の検討を求め、市民から要望の強い特別養護老人ホームの増設や、政令市の平均より6千戸も少ない市営住宅の建設用地として活用するなどの具体的な提案も行なってきた。しかし、なお活用方策が決まらないまま、
いたずらに利息の積み増しをしているのが現状である。
これは、どのような活用を行なうにしても、すべて市民の税金で埋め合わせをしなければならない。当初の再取得期限を過ぎても、活用できていない未利用地について、この1年間に増えた利息の総額はどれだけになるか。

【財政局長】土地開発公社保有地のうち、平成14年4月1日現在で当初見込んでいた買取り予定時期を超えているものに係る借入金の利息は、
平成13年度1年間で1億8千356万2千円である。

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二葉の里の土地の活用策検討状況について

【中森議員】包括外部監査では、特に二葉の里の土地について、積極的な売却の推進を提言している。この土地は、すでに利息だけで用地費に並ぶほど巨額に膨れ上がっている。売却となれば、この利息額を超える損失が出るのは確実だと思われるが、この損失について、特に期限を過ぎて以降の12年間について、市民に十分な説明が求められる。
こうしたことも含めて、包括外部監査の提言について、どのような検討が行なわれているのか。

【教育長】二葉の里用地は、昭和58年10月に牛田小学校を分離新設することに決定し、昭和62年11月に当該地に位置決定し、昭和63年7月から用地取得を始めたが、隣接する国有林部分の用地取得が難航して分離開校予定時期から長期間経過したこと、また、その間、牛田小学校の児童数が減少に転じたことなどから、平成10年6月に建設中止を決定した。
その後、教育委員会内部で検討委員会を設置し、他の教育施設としての活用方策について検討を行なってきた。また、他の公共施設としての活用方策について、他の部局にも照会するなど検討してきたが、具体的な活用策の決定までには至っていない状況である。その間、土地の有効活用を図るため、暫定的に地域・各種団体等のスポーツ、レクリエーション等の場として市民の利用に供している。現在、新たな公共施設としての活用策を、市内部で検討するとともに、県教育委員会とも協議を行なっている。

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東広島駅貨物ヤード跡地の活用策検討状況について

【中森議員】包括外部監査では、東広島駅跡地の暫定的な有効活用策の早急な検討を求めているが、検討状況はどうか。

【都市計画局長】貨物ヤード跡地の活用策については、現在のところ、出来るだけ事業着手を早期に図り、「暫定的利用の時期」が少なく済むよう全力で取り組んでいる。しかし、その間であっても、可能な限り有効な活用が求められることは、指摘のとおりである。
これまでも、臨時駐車場やマンションのモデルルーム用地などとして貸し付けるとともに、地域のとんど祭りやフリーマーケット等のイベント会場としても活用してきた。広島駅に近いという立地優位性を最大限に活用し、関係部局と一体となって、更に有効な利用が図られるよう努めていく。

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総合リハビリセンター予定地の暫定活用検討状況について

【中森議員】包括外部監査では、総合リハビリセンター予定地についても、利息の負担などの軽減のために有償貸付等の有効活用の検討を求めている。これらについての検討状況はどうか。

【社会局長】総合リハビリテーションセンターの整備については、今年3月の県保健医療計画の見直しにより、病院開設許可取得の可能性が出てきたことから、現在、平成8年度に作成した基本設計を見直しながら、病院開設許可取得に向けて準備を行なうなど、早期開設に向けて努力している。
従って、用地については、この施設の整備計画と整合を図る必要があることから、長期的な有償貸付等は困難であるが、広島広域公園利用者の駐車場など、可能な範囲で有効活用を考えていく。

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都市整備公社が行なう建築・土木工事の入札・契約の公正性について

【中森議員】都市整備公社についてだが、公社は公益事業として、あるいは受託事業として様々な建築工事、土木工事を行なっている。その規模は毎年数十億円の規模になっている。これらは、市が行なう公共工事であり、民間業者に発注するにあたっては、当然、公正な入札と契約が行なわれなければならない。これらはどのように行なわれているか。

【都市計画局長】都市整備公社の建築、土木等の工事については、市と同様に、入札・契約に関して市民の疑惑を招くことがないよう、客観性・透明性が確保された入札手続きと、業者間の適正な競争の下で、発注者と受注者の対等性を確保しながら発注を行う必要がある。
このため、都市整備公社における建設工事の入札・契約については、競争入札参加資格、競争入札の方法、契約の締結方法、入札・契約に係る情報の公表等において、市に準じた方法で行っている。

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都市整備公社が行なう建築・土木工事の2001年度の落札率について

【中森議員】入札の結果の落札率は、2001年度はどうであったのか。そのうち1億円以上の発注の落札率はどうか。

【都市計画局長】都市整備公社が平成13年度に行った建設工事等については、公益事業及び受託事業で入札を行った全ての工事等の落札率は、設計金額総額47億7千7百万円に対し、落札金額総額43億8千3百万円で、落札率91.8%となっている。
そのうち、1億円以上の発注は2件あり、黄金山児童館(仮称)新築工事が、設計金額1億537万円に対し、落札金額1億395万円で、落札率98.6%、大塚第二小学校(仮称)校舎新築その他工事が、設計金額12億1,530万円に対し、落札金額11億8,860万円で、落札率97.8%である。

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特定優良賃貸住宅に空家があることによる損失について

【中森議員】都市整備公社は特定優良賃貸住宅供給事業特別会計を持っているが、現在の特賃住宅戸数と空家戸数、2001年度における空家があることによる損失はどれだけか。

【都市計画局長】特定優良賃貸住宅制度は、民間の土地所有者等が建設する優良な賃貸住宅に、建設費補助や家賃減額補助を行うことにより、中堅所得者向けに優良な賃貸住宅を供給するものである。
平成13年度末における本市の特定優良賃貸住宅の管理戸数は、13団地232戸、空家戸数40戸で(財)広島市都市整備公社において、一括借上方式により管理を行っている。平成13年度に空家があったことによる、広島市都市整備公社の損失は約1,500万円である。

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特定優良賃貸住宅の空家解消策・有効活用について

【中森議員】現実には特賃住宅において、たくさんの空家があると思うが、この問題は、これまでも繰り返し改善を求めてきた。市営住宅では募集が少なくて、いつも高い競争倍率になっている。こうした中で制度が違うとはいえ、税金で建設したものに変わりはないわけだから、空家になったままというのは市民の批判は免れない。
資料を見ると、空家は一部の建物に偏っているようだが、これもまた、市民要望に応じた有効活用が急がれている。他都市では、高齢者用の住宅が足りないということで市が家賃補助をして高齢者に貸し出したりしていると聞く。
空家にしたままでは何も生まない。他都市も参考にして、今年度中などの期限を決めて、具体策を決めるべきだと思うが、どのような対策をとるつもりか。

【都市計画局長】これまでに、入居促進策として、市の広報紙である「市民と市政」への入居者募集記事の掲載、不動産業者等仲介業者・住宅情報誌の活用及び新聞へのチラシの折り込みをはじめ、インターネットでのホームページの開設など賃貸住宅を探している市民に対して広く周知を図ってきた。
特に平成14年度については まず近隣の同程度の民間賃貸住宅の家賃と均衡を失する団地について家主の協力を得て、家賃の値下げを実施している。
また、特優賃住宅の入居者の家賃負担額は管理開始時は低く設定し、翌年度から毎年3.5%づつ上昇し概ね10年で近隣の同程度の民間賃貸住宅の家賃に到達する仕組みとなっている。このため、途中入居者は管理開始時に比べて高い家賃を負担することとなることから、空家率の高い団地について入居者家賃負担額を管理開始時と同額になるよう引き下げた。
これらの施策の実施に伴い、平成14年6月20日現在の空家戸数は、30戸となっている。今後、これらの実施状況を見極めながら、入居率の向上に努めていく。

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市当局の答弁をうけての中森議員の再発言

決算の時には、よく独自財源の確保ということが言われる。今回具体的にあげた以外のところも含めて、
大規模未利用地の問題は、毎年無駄な税金を使いつづけているという問題。答弁ではこの1年間に1億8千万円もの税金が無駄に使われていることが明らかになった。これがなければ、別なところに貴重な税金を有効活用できる。
とりわけいま、財政当局は来年度は大幅な財源不足の可能性を報告しているし、政府は地方交付税の縮減など、とんでもないことを言い始めている。いまはそういう情勢である。
そういうときだけに、こういう使わない土地のために、できるだけ余分な負担を掛けないように、各部局が積極的に考えていただきたい。
特に、二葉の里の土地は、売らずに活用するほうがいいのが当然だが、今年度以内などの期限を決めて、思い切った方策を直ちに検討してもらいたい。
都市整備公社の受託工事の入札結果は、全体の平均で91.8%。これは高いと思う。1億以上の大きな工事は98%で、相変わらず高止まりだ。これでは談合の疑いを持たざるをえない。公正な競争入札が行われるように、努力を求めておく。
特賃住宅の問題は、当局が努力しておられることはわかったが、空家がなお残っているのは事実で、市民感情から言っても空家が全部埋まるよう引き続き努力を求めておく。

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