2002年第2回定例会(6月議会)
経済環境委員会(7月2日) 中原ひろみ議員

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身近なところから環境問題の啓発を/HIROSHIMA紙について
観光コンベンションビューローについて
市民の立場にたった検討を/産廃処分場アセスについて
住民が納得できる調査と報告を/粉塵被害について
先進事例に学べ/ゼロエミッションとポイ捨て条例について
市民の安全確保を第一に/林道と森林育成について


身近なところから環境問題の啓発を/HIROSHIMA紙について

環境事業公社は、広島市役所、区役所、市立大学と民間事業所から発生する「秘密文書」を回収し、兵庫にある製紙メーカーに運搬、トイレットペーパーへと再生し、民間事業所に販売する収益事業を実施しています。
「HIROSHIMA紙」と名づけられ、市役所でも使用されているこのトイレットペーパーには芯もなく最後まで使えます。中原議員は、リサイクルの身近な手本として広く市民に知らせ、環境問題の啓発の一助にすべきとの立場から価格と流通先を質問しました。

【市答弁】秘密文書再生トイレットペーパーは1ロール130メートル。公共施設への販売単価は57円75銭、民間への販売単価は64円16銭。
318の公共施設に38万ロールが納品されており、小学校は136校中73校、中学校は60校中34校、高校は7校中6校、児童館は99館のうち56館、保育園は87園すべてで使用され、市の外郭団体を含めて33事業所に17万ロールを販売。収益は98万円。

中原議員は、リサイクル商品を優先的に使用するグリーン購入を、行政が率先してすすめるべきだと強調し、すべての公共施設に普及することを求めました。

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観光コンベンションビューローについて

この法人は、プロパーの職員が12名、市からの派遣職員が9名、民間からの派遣職員が6名、嘱託員が1名の計28名で構成され、会議などを広島に誘致する事業をしています。
中原議員は予算の全額が、広島市の補助金で経営されていることから、誘致実績とその経済効果について質問しました。


【市答弁】昨年度はスイスのジュネーブやアメリカのシカゴにでかけ、国際色素モールディングマグネシウム会議など4件を誘致。13年度は国際会議1件、国内会議11件、ツアー3件の38万人が来広。一人当たりの消費額は39,800円というアンケート調査結果で試算し、243億円の経済波及効果があると思われる。14年度は国際会議が4件、社会科研究全国会議など26件の国内会議を誘致済み。

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市民の立場にたった検討を/産廃処分場アセスについて

県は、7月中には評価書を提出しようと関係地域で説明会を実施しています。しかし、この説明会が市長意見で出された大方の合意の「アリバイづくり」にされかねないとの市民の声を紹介。中原議員は、県がどのようにして大方の合意を確認したのか、市はどうやって判断するのか質問しました。

【市答弁】評価書に合意をいかに取り付けたのかという記述がない場合は、県に対して確認する

【中原議員】すでに開かれた説明会で、「処分場は永久的に安全ではない。子供たちにきれいな瀬戸内海の自然を残したい」「海の玄関に危険な物をいれないで、無害化してほしい」という声が市民からあがってきている。
宇品の町内会長の判断だけで決められる問題ではない。説明会には何人参加したのか、そしてどんな意見や質問がでたのか、市も把握すべきである。

【市答弁】評価書に市長意見が反映されているか検討し、市民の立場に立ち主体的に対応する。

中原議員は、住民との合意、信頼感を強めるには既存施設の五日市処分場の成分検査こそ必要だと迫りました。

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住民が納得できる調査と報告を/粉塵被害について

中原議員は、県が4月から一年間かけて実施している、風向、風速調査は、強風が年間に1.6日しか吹かないという自らのアセスのいい加減さを示していると指摘。しかも、調査結果は、廃棄物処分場建設に関るアセスとは無関係という県の態度は問題だと追求しました。

【中原議員】市が独自に元宇品のマンションと市役所の屋上で三日間、浮遊物質を採取したデータ分析はいつごろ完了するのか。また、地元住民にはどのように報告するのか。

【市答弁】分析完了は7月末の見込み。結果は地元に出かけて報告する。

中原議員は、結果次第では具体的な対応が必要であり、地元住民が納得できるよう市民の声に耳を傾けてほしいと要望しました。

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先進事例に学べ/ゼロエミッションとポイ捨て条例について

中原議員は、ポイ捨て条例を作るという市に対して、とうかさんでの写真を示し、まるで「ポイ捨て推進条例」のような現実があることを指摘。
また、山口県の「きらら博覧会」に学び、イベントごみの減量・リサイクル100%を目指してすぐに取り組みを始めるべきだとのべ、今年の胡講からでも、行政が本気で取り組んで、イベントごみ減量に挑戦してみてはどうかと提案しました。

これに対し、市は来年のフラワーフェスティバルへ向けて減量、分別への対策を検討すると答弁しました。ちなみに、過去3年間のフラワーフェスティバルの平均ごみ量は、91トンにものぼります。

学ぼう! きらら博覧会での取り組み
会場内にリサイクルBOXを設置し、9種類の分別でリサイクル100%を目指した。「マイカップ」「マイバッグ」の普及促進、過剰包装禁止、使い捨て食器の使用制限、ペットボトル、トレイの洗浄など、環境ボランティアによる分別指導を実施した。

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市民の安全確保を第一に/林道と森林育成について

中原議員は、定期監査および行政監査結果報告書が指摘した、林道の未登記について質問しました。

未登記林道とは、寄付を受けた民有地を林道に整備したにもかかわらず、広島市への所有権移転登記がされていない林道で、平成14年度3月現在では、155路線、延長133q(約48%)が未登記です。
昭和62年から未登記林道解消にむけ、毎年1000万円の予算を確保していますが、このペースで進むと全ての林道を登記するには100年かかることが明らかとなりました。

また、安佐北区白木三田の大椿林道沿いの山林、3か所(一つの谷)が、業者によって残土捨て場になっており、森林の育成管理、効率的な林業経営など林道を整備した目的と違うことに林道が利用されている事実を告発。
しかも、この大椿林道は寄付でなく、市の買い取りになっており、14年度の予算では700万円が計上されています。

市が税金を使って整備した林道が目的以外に使われ、しかも谷のふもとには白木グリーンヒルズ団地があり、住民からも災害の危険性が指摘されています。

中原議員は、これらの地域で過去に土石流が発生しており、市民の安全確保を第一に考え、開発許可を簡単に出す県の責任を問いながらも、市も業者を厳しく監視して対策をとるよう指導すべきと迫りました。


【市答弁】県に対し、開発区域のそれぞれが1ha以内だとしても、1つの谷であることから一体に指導することを申し入れた。また、1か所については業者名が違うのに社長は同一人物であったことから1haを超えるとして、開発行為を中止し今後の対応を県と協議するように指導している。

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