2001年12月定例会 議案質疑 

決算の討論 石川武彦議員  2001年12月6日

水道料金9.6%値上げは許せない 4年間で79億円!

 
日本共産党を代表して2000年度(H12年度)決算について討論します。
反対の討論は、決算第1号、第7号、第8号、第13号、第16号、第17号の6議案です。
意見を付して賛成する議案は第2、第3号、第10ないし12号と第15号の6議案。その他6つの議案には賛成します。

政令市平均より200億円も上回った土木費

 反対の議案のうち、まず第1号の一般会計と7号の都市開発資金、特別会計、17号、開発特別会計については、一括して理由を述べます。
 2000年度(H12年度)予算は、底なしの不況が続き、市民のくらしが大打撃を受けている中で執行されました。
 私どもは、この予算を決めるときも、また去る11月の決算特別委員会でも大型プロジェクトにはほとんどこれまでと変わらぬ予算をつけばがら、民生、福祉の予算があまりにも少ない財政構造、数字とグラフを示して問題にし、改善を求めてきました。
 今回、決算書によると、広島市民一人当たりの土木費は13万円。他の政令市の平均12万8000円と、ほぼ同じくらいに抑制されたかにみえます。しかし、よくみるとこの土木費の平均は、大阪市が人口1人当たり18万9000円、北九州が17万7000円と政令市の中でも異常に突出した使い方をしていますから、この2つの突出した市を除いて計算すると、1人当たりの土木費は11万2700円となり、広島市の「1人当たり13万円」はこれより1万7000円以上大きくなり、土木費の年間総額では195億円、約200億円も平均を上回っています。

民生費は280億円も少ない予算

 一方、広島市の民生費は、人口1人当たり7万8000円ですが、これは民生費がずばぬけて多い大阪を除いて低めに出した平均額、1人あたり9万7000円より1万9000円も少ない。大阪を入れると2万5000円も少ない。民生費総額にすると広島市は年間215億から280億も少ない予算で民生、福祉を運営してきた。これがH12年度決算。丁度、土木費が多い分だけ民生費が落ち込んでいますが、この財政構造は十年以上も全く変わっていません。どの政令市も大型開発偏重、福祉あとまわしの予算が問題になっていますが、その平均と比べても広島市の財政のゆがみはあまりにもひどいと言わざるを得ません。
 この問題について11年度の決算特別委員長報告は、財政当局への要望事項の一つとして、「大型公共事業の見直しと進度調整を検討すること」とはっきり注文をつけましたが、これに対する財政当局は「財政健全化計画のフレームとの整合を図りつつ整理する」と全くつかみ所のないことを述べるに止まっています。
 だから、わが党の村上あつこ議員が総括質疑で「一体、どの予算を見直し、どの事業の進度を調整したのか。わかるように言ってほしい」と質問したのですが、これに対しても具体的に分かる答弁はありませんでした。私どもが知る限りでは、見直して削られたのは街路事業や区役所の土木費です。進度調整で遅くさせたのは原爆特養や児童館、学校の大規模改修などです。

老人医療費助成、小児医療無料制度も予算額は他都市平均の半分以下

 そして不採用の可能性が高い外貿コンテナふ頭整備と緊急度の乏しい東部線の中止を求めた質問にも「船と貨物確保に努力する」というだけでした。コンテナふ頭については採算度の別れ目である10万個のコンテナ確保はおろか、15年度の4万個すらおぼつかない現状ですが、普通の企業ならここで計画をいったん中止し、採算がとれる見通しが立ってから事業再開というのが常識です。不採算の恐れが強いのに祖の予算や決算が大手を振ってまかり通ることに、根本的な疑問を持ちます。「東部線」が何をさておいてもやるべき緊急事業とは到底思えません。それよりも、緊急性が高い事業は福祉分野にたくさんあります。民生費を見ると市長や職員の努力で保育料据え置き、小児医療の一歳引き上げなど改善されたことは評価しますが、予算総額が平均より220億円も低いため、老人医療助成も老人の無料乗車助成も小児医療無料制度も予算額は他都市平均の半分以下、順番は2番目、3番目に低迷したままです。
 市民のくらしを守りつつ、財政を再建する困難な大事業に挑戦するためには、採算性・緊急性がない大型事業に英断をもってメスを入れ、あまりにもゆがんだ財政構造を正す以外にありません。そうしない限り、広島市長はいつまでたっても他都市並みの福祉を受けることさえできません。このゆがみを是正して、ほとんど手をつけていない第1号議案とそれに関する7号、8号、17号議案には反対です。
 

とくに17号議案のなかには
紙屋長地下街建設への追加貸付として市の土地を売って得たお金51億7000万円が支出されています。当初の資金計画では広銀、NTT、中電などの民間企業が出すはずたっだ51億円あまりのお金を、これら企業が不況を口実にして出し渋ったのを簡単にきめ、突然市が肩代わりしたのは、契約上の不備だったのか、地下街株式会社の役員会ではどんな論議があったのか、何も示されず、市民1人当たり4200円の負担になるお金を貸し付けています。不透明きわまる話です。この問題の責任の所在を明らかにする関係書類の全面公開を求めるものです。

 第13号は、競輪事業特別会計ですが、公営もギャンブルは反対です。

 16号は有料道路特別会計ですが、早期に無料化すべきであり、有料のままにするのは反対です。

 意見をつけて賛成する6議案についてですが、第2号は住宅資金貸付特別会計です。多額の貸付金が未回収です。調整額に対する収入  比率は35%で、収入未  が1億8500万円もあります。この額は本年度市長以下全職員の給料、手当てを削って財源をつくった1億数千万円に匹敵する額です。個別に審査をきちんとして回収する必要があります。第3号は母子寡婦福祉資金ですが、不況が長期化する中で、この制度がもっと活用されるよう宣伝と手続きの改善を求めます。第10号は、老人保険特別会計ですが、70歳以上の高齢者への差別医療を正すためのあらゆる努力を強く求めたいとおもいます。

 第11号は、介護保険特別会計です。この制度の準備から今日まで、関係職員は苦労の敬意を表しますが、現状は、政府の冷たい  により、庚額所得者は介護の負担が軽くなったけれど、圧倒的多数の所得が少ない高齢者には、保険料と利用料の負担が重くのしかかって、決められた限度額のサービスの2〜3割しか受けられない人が多数でています。今後は保険料が払えないため介護が打ち切られる人が出てくることさえ予想されています。
 この保険料、利用料の改善、特別養護老人ホームなど老人施設の拡充。介護保険のサービスだけでは在宅生活が困難な人への対策がなければ、安心出来る介護保障制度とは思えません。これらについては九人への要望をさらにさらに強めることとともに、市独自の温かい施策をぜひ検討していただきたい。

 第12号は国民健康保険会計です。一般会計からの借り入れが政令市中、最下位いう状況をただちに改善し、市長負担の軽減に努力してください。

 第15号は、特別会計ですが、負担軽減に努力されることを求めます。

 その他の6議案には賛成します。

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