2002年第2回定例会(6月議会)一般質問 6月26日(水)
暴走族について

【中原ひろみ議員】
 「暴走族追放条例」施行から2ヶ月、罰則適用から1ヶ月が経った。改めて、条例制定後の取り組みと条例の効果について、どのように受けとめているか。

【秋葉広島市長】
 暴走族の反社会的な活動を防止することにより、市民生活の安全と安心が確保される地域社会の実現を図ることを目的とした広島市暴走族追放条例を、41日に施行した。
 条例施工後の取り組みとしては、同日付で教育委員会事務局に暴走族対策室を設置するとともに、私が広島市暴走族対策推進本部の本部長に就任した。
 また、418日に開催した、広島市暴走族対策推進本部会議において、条例に基づき、暴走族追放に係る啓発活動及び市民意識の高揚、暴走行為をさせない環境づくりなどの柱に沿って、暴走族追放の基本計画を策定することを決定した。

 暴走族の集会対策としては、46日以降、関係職員で毎週土曜日の夜、西新天地公共広場、中央公園のハノーバー庭園南側広場等において条例の周知活動や集会の注意活動を実施している。
 また、フラワーフェスティバルやとうかさんなどに、地元住民、青少年指導員、関係職員とともに私も参加し、暴走族に「声かけ」を行うなど条例の周知活動を実施した。
 次に、条例制定の効果としては、袋町公園でのい集・集会がなくなり、フラワーフェスティバル、とうかさんに、特攻服を着用した暴走族が現れなかったことや暴走族追放の市民意識が高まったことなどが考えられる。

 しかし、依然として、特攻服を誇示する暴走族の実態があり、今後も、市民や関係職員による注意活動を根気強く継続することが必要だと考えている。
 暴走族の解決には、ただ単に集会を防止するだけでなく、暴走族からの離脱の促進や加入の防止、居場所づくりなど、総合的な施策の実施が重要であり、秋頃をめどに広島市暴走族追放基本計画(仮称)の策定を積極的に進めていく。

【中原ひろみ議員】
 私ども日本共産党市議団も、アリスガーデンを中心とした現地に出向き、市の職員と共に状況を見守ってきた。
 確かに、アリスガーデンに集まる暴走族は減ったように見えるが、そのかわりハノーバー庭園南側広場や平和公園が新たな「い集」場所となり、深夜、対応する市の職員も大変である。
 公園から暴走族を追放するだけでは何の解決にもならない。暴走族をなくすためには、暴走族や同世代の青少年の声を聴くことから始めることが必要である。
 私どもは、先日、暴走族のOBといわれる18歳から19歳の青年たちの話しを聴く機会があった。「やりたいことも見つからず、仲間ほしさとカッコ良さ」で暴走族に入ったが、今は「ちゃんとした仕事について経済的に安定したい」「今、考えたら恥ずかしい事だった」と反省もできる青年達だった。
 一方、「市の暴走族追放条例は、暴走族の姿を市民や観光客から隠すことしか考えていない。これでは子供は、心を開かない」「何故、暴走族に入るのか,何を求めているのか知ってほしい」という意見も返ってきた。

 青少年の非行の原因は,決して単純なものではない。大人だけの発想でなく、青少年と一緒になって解決していく姿勢が今、大切である。
 その点で、7月に行われる暴走族問題のシンポジウムに、青少年がたくさん参加できるように知恵を発揮していただきたいが、どのように取り組まれるのか。

【市民局長】
 このシンポジウムは、条例の趣旨を理解してもらい、暴走族追放に向けて市民の気運をさらに醸成することを目的として、720日に開催することとしている。
 このことから、できるだけ多くの市民に参加いただきたいと考えており、区役所、公民館、青少年センター等市民が利用される公共施設でチラシを配布するほか、市内小・中・高等学校やPTA、青少年関係団体等にチラシを送付し、広く参加を呼びかけている。
 このシンポジウムの意義を深めるためにも、より多くの青少年に参加いただくよう、広報を行っていきたい。

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