2002年9月定例会 皆川恵史議員の議案質疑 9月27日(金)
失敗のツケを市民にまわす3セク時代は終わりにし
自治体本来の仕事を

【皆川恵史議員】
 第96号議案は、今年3月末に倒産した広島リバークルーズ株式会社に対する請求権を放棄しようとする議案だが、市が出資した第3セクターの倒産という初めてのケースである。
 市民がこうむった損害金の大小にかかわらず、今後のためにも、この際、問題点をはっきりさせる必要がある。そういう立場で質問する。
 わが党は、川を生かした観光事業に反対するものではないが、この第3セクターの設立に当たっては、採算性が不明確という立場から、棄権をした経過がある。
 この第3セクター設立当時、1989年「海と島の博覧会」開催に合わせて、広島商工会議所から川を生かした定期遊覧船事業をおこすことが広島市に提言され、市がそれに乗っかって設立したわけだが、その必要性や採算性について当初から議会でも多くの疑問や問題点が指摘されていたにもかかわらず、市は「大丈夫、大丈夫」とそれを押し切った形で設立したものである。
 ところが、いざスタートしてみると、乗客数が予定していたより半分も乗らず、半年もたたないうちにズサンな計画が議会で問題になり、当時の経済局長が「誠に申し訳ない」と謝っている。
 ところが、その後も10数年間、同じような経営状況が続き、ついに負債が試算の100倍を越えて、この3月に倒産したわけである。

税金投入し役員まで送り込んだ市の責任については言明せず
経済局長「残念であり申し訳ない」


【皆川恵史議員】
 そこで、まず、聞きたいのは、第1に、なぜこうなるまで、ずるずると経営を続けてきたのか、最初から借金返済のメドがないことは分かっていたのに、なぜもっと早く決断できなかったのか、という点。普通の会社ではとても考えられない。はっきり答えてほしい。
 第2に、会社を倒産させた経営責任は、一体誰が負うのか、また、議会の慎重意見に対して、「赤字がはっきりしたものに、市は、手を出さない」などと言って、2500万円、23%の出資金を出し、「経営にも積極的に参加する」と表明して、役員を送り込んできた広島市の責任をどう考えているのか、はっきりしてほしい。

【長谷川順経済局長】
 河川遊覧船事業は、広島の特性である川を活用して市民や観光客が都市の魅力を楽しむことのできるものであり、本市の都市型観光を推進するための有意義な事業であると認識している。
 このため、事業の継続・発展を図るため、これまでにも広島リバークルーズ(株)および瀬戸内海汽船(株)等と協議しながら、乗船客の増加策や経営の効率化策等を講じてきた。
 具体的には、増収策として、遊覧船については密閉式の窓を川風に当たることができるよう開閉式に改造する、市民からデザイン画を募集して選対を塗り替える、レストランについても入口に看板代わりの日除けテントを設けるなど対策を講じてきた。
 また、乗船客を増やすため、レストハウスや広島駅の観光案内所でのチラシの配布とか、ポスターへの掲載、観光PRビデオやチラシでの紹介などPRに努めた。
 さらに、経費の削減策として、2隻の遊覧船のうち1隻を瀬戸内海汽船(株)に売却し、傭船に切り替えることにより、船の維持管理費の節減を図るとともに、売却益を累積損失の削減に充当した。また、遊覧船の船長2人およびガイド2人を正社員からアルバイトに切り替え、元安橋乗り場に設置している切符売り場の無人化、経理等の事務処理を瀬戸内海汽船(株)に委託して、事務員を2人削減したことにより、経費の削減に努めてきた。
 このように遊覧船事業を継続・発展させていくため、種々経営改善策を実施してきたが、本年1月15日に開催された広島リバークルーズ(株)の取締役会において、「現状のスキームでは事業採算性が見込めず、再建は困難」との結論に達し、やむを得ず本年3月31日に会社を解散せざるを得なかったものである。
 このようなことは残念に思うとともに、申し訳ないと考えている。

いい加減な収支計画をなぜ市は信用したのか
「見込みが甘かった」と局長答弁

【皆川恵史議員】
 第3に、当初の収支計画では、利用者が、平和資料館入場者の6%、修学旅行生の0・1%、一般市民の1%とみて、年間7万2400人を見込んでいたが、結果は、その3分の1以下の2万人前後と、計画自体が全く机上の空論だったことが判明した。
 一体、こんないい加減な数字を誰がはじいたのか。また、市はなぜそんな数字を信用したのか、うかがいたい。

【長谷川順経済局長】
 広島リバークルーズ(株)の当初収支計画は、平成元年7月に開催された「海と島の博覧会」、これの前年の昭和63年に官民一体となって設立した「太田川定期遊覧船事業推進協議会」によって立てられたものであるが、他都市の事例等を参考に、修学旅行生を除く平和記念資料館入館者の6%と修学旅行生の0.1%および一般市民の2%、合計7万2,400人と見込んでいた。
 また、事業の開始にあたっては、観光関連事業者等と連携をとりながら乗船客を増加させていくことで利用見込みを算定していた。
 PR不足や観光関連事業者等との連携が弱かったこと等により、結果としては当初見込みが甘かったと考えている。

広島リバークルーズ以外にも経営の危ない3セクがある

【皆川恵史議員】
 第4に、広島市出資の第三セクターが倒産したのは今回がはじめてのケースだが、しかし、同じような経営状況にある3セクは他にもある。
 最近、ある民間のシンクタンクが県下の第3セクターの2000年度経営状況をまとめた報告書によると、赤字の会社が35%、責務超過の会社が10%となっている。ちなみに、広島市が25%以上出資している株式会社の2001年度会計では、赤字、債務超過が、それぞれ何社あるのか。

【平野隆財政局長】
 本市が4分の1以上出資している株式会社は7社ある。
 このうち、平成13年度決算ベースで言うと、単年度赤字は3社、債務超過(借金が資産を上回る)となっているのは2社。

リバークルーズ倒産から学ぶべき教訓は
「住民の福祉や暮らしを守る」自治体本来の役割に立ち返ること

【皆川恵史議員】
 最後に、これまで、自治体として、本来やるべき住民の福祉、くらしを守る仕事を二の次にして、まるで「開発会社」のように、採算もはっきりしない事業に手を出してきたツケが来たと言わざるを得ない。
 そういう時代は、もう終わりにすべきである。今こそ、自治体として本来やるべき仕事に立ち返る、原点に立ち返るべき。これが、リバークルーズ倒産から学ぶべき最大の教訓だと思うが、市は、その点をどう受け止めているか。
 今後は、必要性、採算性、緊急性のない事業には手を出さないと、はっきり表明していただきたいが、いかがか。

【長谷川順経済局長】
 地方公共団体は、今後とも地域活性化を主導する主体として幅広い取り組みを期待されている。そのため、民間の持つ経営ノウハウを活かし、機動的・弾力的に行政目標を達成する手段として、第3セクターという方法を選択することも必要と考えている。
 しかしながら、この度の広島リバークルーズの解散から学んだことは、こうした事業を実施するにあたっては、
1.合理的かつ現実的な事業計画になっているか
2.事業の採算性は厳密に見込んであるか
3.公民の相互依存的な経営体質になっていないか
4.事業展開の全局面においてリスク負担が明確になっているか
などを十分に点検評価しておく必要があるということである。


財政局長「落札率の是非は言えない」
市のこの姿勢が高止まりを助長している


【皆川恵史議員】
 次に、100号、101号、102号の契約について予定価格に対する落札率をそれぞれ伺う。

【平野隆財政局長】
 100号議案は物品に関するものであるが、物品については落札率を公表すると来年度の予定価格の推測が可能となり、契約金額が高止まりになるおそれがあることから、落札率を公表していない。
 101号議案の西部療育センター(仮称)新築工事の落札率は97.0%、102号議案の西風新都外環状線(6-2工区)道路新設工事(その2)は97.4%。

【皆川恵史議員】
 これまで、いろんな議員から、落札率が高いと指摘されてきたわけだが、今回も高止まりとなっているのではないか。市の大型公共事業の平均落札率が、95%以上と一向に下がらないのはなぜか。

【平野隆財政局長】
 入札は、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申し込みをした者を契約の相手方とするものであり、原則として、最低価格が落札価格になるから、その落札価格の予定価格に対する割合である落札率について、入札を行っている側が是非等を論ずることはできない。
 本市としては、公共工事の入札・契約制度について、従来から入札手続の客観性・透明性や業者間の適正な競争性の確保等のため、一般競争入札および公募型指名競争入札の対象範囲の拡大、設計金額事前公表の対象範囲の拡大、指名競争入札における選定業者数の増加などの改善を行っている。
 5億円以上の工事に関しては、例えば平成12年度から設計金額の事前公表を導入、平成13年度には設計金額10億円以上であった一般競争入札の対象を5億円以上に拡大し、さらに平成14年度には3億円以上に拡大している。

【皆川恵史議員】
 予定価格を事前公表しても、その傾向が改まらないのは、談合がおこなわれているとしか考えられない。落札率を抑えれば、即、経費の節減につながるわけで、市として、談合防止にもっと強気で臨む必要があると思うが、どう考えているのか。
 また、この際、物品購入の入札も透明性が確保されるよう、見直すことを強く求める。

【平野隆財政局長】
 談合防止につながる対策としては、指名業者があらかじめ一堂に会する現場説明会の廃止、入札執行前の参加業者名の公表の取りやめ、履行保証・保険制度の全面的導入による工事完成保証人制度の廃止などを行っている。
 今後とも、公共工事の入札・契約制度の改善に努めるとともに、発注者として可能な範囲で談合防止について適切に対応していく。


西風新都外環状線道路新設工事について

【皆川恵史議員】
 更に、102号については、次の点を伺う。
 これは、西風新都外環状線の道路新設工事だが、総事業費5億3550万円の財源の内訳、および破産し整理中の中国そごうの開発者負担分はいくらか。中国そごうに、その資力はあるのか。

【米神健都市整備局長】
 西風新都外環状線(6-2工区)道路新設工事(その2)の仮契約金額5億3,550万円の財源の内訳としては、国庫補助金が1億5,974万6千円、起債が7,100万円、一般財源が8,874万6,541円、開発者負担金が2億1,600万7,459円となっている。
 この開発者負担金のうち、(株)中国そごう都市開発破産管財人の負担分は1億2,470万1,106円であり、この負担金は既に本市に入金済みである。(8月30日入金)

【皆川恵史議員】
 掘削した土砂は、同じ開発地内で処分すると聞いているが、その残土処理費用は、他の処分場と比べてどうなるのか。

【米神健都市整備局長】
 掘削した土砂は、(株)中国そごう都市開発破産管財人と(株)エヌケーエフとで所有している近隣の土地に搬入・処理することにしており、これに要する費用は1立方メートル当たり約1,300円となっている。
 仮に五日市埋立処分場で処理するとした場合は、約2,100円となり、1立方メートル当たり800円ほど安くなると考えられる。

↑上に戻る
主な議案に対する各党・各会派の態度(一覧)へ

議会報告メニューへ戻る