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2015年10月13日 全体会議 中原ひろみ議員の総括質疑(大要)

  ●事務・事業の見直しについて
  ●国保について
  ●収納率について
  ●財政運営方針について
  ●迎える平和について
  ●対話・ビジョン・実行の市政運営について


●事務・事業の見直しについて
平成26年度は松井市長の一期目の最後の締めくくりの年でした。一期の4年目は松井市長の市政運営の色合い、松井カラーが色濃く出てきました。総括的に一期目を振り返り、「生命と財産を守る」自治体の役割が果たせたか、被爆地ヒロシマの役割が果たせたか、市民と合意をはかりながら市政運営が行われたか、三つの角度から質疑し、問題点を指摘したいと思います。

@ 平成24年度に発表された事務事業の見直しの目的と、これまでの削減総額、平成26年度の削減額をお聞きする。

A 事務・事業見直しの内、平成25年7月に廃止となった高齢者の公共施設利用料減免制度の見直しが市民生活に大きな影響を与えている。区スポーツセンターと映像文化ライブラリー事業について高齢者の利用者数の変化と増収額はいくらですか。

B 平成26年度から小・中学生の文化施設観覧料を無料化し、子ども料金が予算ベースで2330万円収入減となっています。子どもたちが文化・歴史・自然・芸術を学ぶ環境を整えたこと
は評価するが、高齢者に冷たすぎる。高齢者だって、戦後の日本と広島の復興のために頑張
ってきた皆さんである。元気で高齢期を過ごすために市が支援することは不公平ではない。公共施設の利用者が減少することは、市として歓迎されることなのですか。

C 次にサービス打ち切りとなった3つの事業の影響についてお聞きします。
最初は、障害児の食費負担助成についてです。障がい児通園施設利用者の食費負担助成の見直しは、所得に応じて、無料もしくは、一日200円に軽減する助成がされてきました。見直しにより、平成26年3月31日までの入園決定者には卒園まで食事負担助成が続くものの、平成26年4月1日以降の入園者の「食費負担の助成」が廃止となりました。このため、障がい児通園施設では、食費負担のある利用者と負担のない利用者とが混在することになり、とても「不公平」観があるとの声が届いている。全ての利用者に食費負担助成をすべきである。
平成26年3月31日までの入園児が卒園する平成28年度末以降は市の持ち出しが「ゼロ」となる。平成26年度の決算では「食費負担助成」にいくら使ったのか。助成対象者数は何人か。

平成28年度からは約160万円の支出を市は減らすことになる。重箱の隅をつつくような削減となっている。

D 次に乳幼児・ひとり親・重度心身障害者療養援護金についてお聞きします。見直しにより、障がいのある市民が月に15日以上入院した場合に支援されてきた月1万円の入院援護費が廃止されました。この削減額と対象人数はどうか。

1000人程度の弱い市民の予算を削る必要性があるのか。市長が大切にしたい事業は何なのか。自治体の役割が問われている。

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●国保について
最後は、国保の窓口一部負担減免制度についてお聞きします。
E 国保の窓口一部負担減免制度の見直しにより、医療費減免が最長で6ヶ月しか利用できなくなり、それまで「慢性疾患」で治療をしてきた低所得世帯の市民は、今年の1月1日以降は、減免制度がなくなり、医療費の支払いができなければ病院にいけず、治療を断念せざるを得ない市民が出ている。何人の市民が打ち切りになったのか。減免に幾ら使っていたのか。

91名の市民の病気は今年になったら突然に治癒したのか。「お金の切れ目が命の切れ目」のような市民の命を切り捨てる「冷たい市政」」で「世界に誇れるヒロシマ」にはなれない。
ある市民から相談を受けました。「60代の夫婦です。複数の疾患のある方です。これまでは窓口一部負担減免制度のおかげで、治療を続けてきたが、今年の1月から治療を受けるにはお金がいるようになるからと、「無料定額診療」を実施している病院への転院を検討しましたが、
「診療」の継続性が難しいとのことで「無料定額診療」をしている病院からも断られ、もう、治療はできないと話されていました。
国保の一部負担減免制度は「命を守る」命綱の事業です。年間に約3000万円の一般財源からの繰り入れが「効率的な財政運営」に影響があるというなら、「市民の命と引き換えに市がやりたい事業が何か」を市民に示すべきです。
高齢・病気・障がいなどで働けなくなっても、安心して治療を受け、生きていけるようにすることが自治体の役割であり、予算の使い方を「命を守る」ことに最優先で振り向けるべきだ。
低所得者で継続した治療が必要な人が安心して治療を受けられるようにするには、約3000万円あればできるではないか。

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●収納率について
F 事業見直しで負担増・サービス切り捨てとなった市民の暮らしがどんな状況なのか暮らしの実態を決算資料で分析しみたい。この五年間の介護保険料・後期高齢者医療保険料の収入未済額・国保料の収入率はどのように推移しているか。

どれも収入未済額が右肩上がりに毎年増加している。国保は、行政改革で決めた目標収納率を4.5%も下回る。前年度比較では収納率は1%低下し、8億2343万円もの保険料が滞納となっている。不能欠損額も前年度と比較して6457万円増えている。
市民は、「ガマンの生活」から「生活の質を落とす」生活を余儀なくされている。2015年7月2日に厚生労働省が発表した「平成26年国民生活基礎調査では、「高齢者の生活意識 苦しい62.4%・大変苦しい 29.7%・やや苦しい 32.7%で、10年前の調査と比較すると苦しいとの回答は10%も増えている。これは、平成26年4月から実施された消費税の8%増税や年金の支給額の減額、円安による物価高が、市民の暮らしを脅かし、とりわけ高齢者世帯には生活苦となっている。
G そのような状況のもとで、広島市は、国保料の算定見直しにより大幅に国保料を引き上げるとともに、算定ミスまで引き起こした。国保料は市民税方式から所得方式に変更となり、保険料が4倍にもなったと抗議が殺到したが、何件の抗議があったのか。

ある市民の場合、4人世帯で子どもは3人だが、市民税方式のときは所得215万円で19万円の国保料で負担率は8.8%。所得方式になり、所得308万円で50万円16.2%もの負担率に引きあがった。高すぎて払えないという市民の声は当然である。

H 市議会も平成26年7月1日付で決議案第10号により、議会決議を出した。「13%もの国保料の滞納を軽減する」「国民健康保険事業への信頼を失わせないために更なる激減緩和措置を求める」という内容だが、市の国保料の軽減策は、市議会の決議の目的を果せたのか。

I 軽減策を検討するなかで34億円もの過誤徴収があったことが明らかとなった。これは国保への信頼、行政への信頼を失わせた。市民からの抗議や議会の決議がなければ、自ら調査もせず、ミスに気が付かずに決算を迎えることになったのではないのか。その点の反省はないのか。

J 市は、激減緩和措置で保険料が1.5倍以上の世帯のみを緩和措置の対象とされたが、軽減
措置として一般会計からいくら繰り入れたのか。

K 国保料の激減緩和措置の財源を、平成26年度は一般会計から繰り入れたが、今年度27年度は保険料で賄われている「こちらを下げれば、一方が上がる」と、国保加入者間で軽減分を負担し合うのでなく、「税の再配分」という機能を発揮し「命を守る」という自治体の使命を果たすためにも、市がきちんと一般会計から手立てすべきだがどう考えているか。

市独自に恒常的な低所得者へ保険料軽減措置を復活すべきだ。

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●財政運営方針について
L 収支不足は24億円、財政調整基金は43億円が計画を上回ったということだが、市債残高は、1兆833億円で財政運営方針の計画を55億円も上回った。市債残高が目標を達成できていないことは問題だ。市債残高が目標を達成できなかった理由は何か。

M 土地開発公社の解散による第三セクター債発行を市債残高が増えた理由にしているが、第三セクター等改革推進債はいくら発行したのか。発第三セクター債の償還は何年で行うのか。毎年いくら返済しているのか。

将来世代に負担を先延ばしさせないため発行せざるを得なかった第三セクター債だとしても、これを別枠扱いし、市債残高が目標を達成しなかった理由にするすることは問題だ。第三セクター債も含めて計画を達成できようにすべきである。
不要な土地を買いあさった過去の悪しき市政運営により11円億円の新たな返済義務が発生した。その分、市民サービスが削られることになる。「ツケ」が、市民生活に影響を及ぼしている。
市民に謝罪が必要である。
なぜ、収支不足になるのか、なぜ、市民の大切な事業を削ることになるのか。使い道の自由度が高い一般財源がどこに使われているのか「扶助費」と「公債費」で比較して見てみました。

平成26年度の一般会計の総額は5778億円。目的別にみると、民生費が1887億円33%・公債費711億円12.4%となっており、民生費が公債費の倍以上となっています。しかし、性質別にみると、扶助費は、例えば生活保護費は4分の3、原爆被害者対策費はほぼ全額、子ども手当も全額国からの財源で賄われており、扶助費に使われている一般財源は約600億円程度で、一般財源の2040億円の約三割程度です。711億円という公債費への支出ほうが多いのです。借金の返済に711億円を充てることは、市民の血税が毎日、毎日1億9000万円ずつ借金返済に消えているということであり、この財源が市民の暮らしのために使えたら、どんなことができるだろうかと考えずにはおれない。過去の巨大開発に使われた多額の借金の返済が大きく現役世代にのしかかっています。

N 過去の開発による公債費増大が財政硬直化の最大の要因だと考えるが市の認識はどうか。

O 事務・事業の見直しで、実際に見直しされたのは、市民が長年の要求で実現してきた切実な事業ばかりだ。このまま高速五号線建設・南口再開発・新球場へのペデストリアンデッキ・アストラムライン延伸など、不要不急の大型開発を実施すれば、広島市の借金は大幅に増加していくばかりだ。市債残高が財政運営方針で掲げた目標を達成する範囲に収まるようにするには、巨大開発こそしっかり見なおすべきではないのか。

広島市は実質公債費比率も将来負担比率も政令市の中で高い。この状態を改善し、将来世代に負担をかぶせないためには、不要・不急の巨大開発を見直す以外に達成できない。
憲法を暮らしに生かす立場を貫くなら、税金は市民の命守るために最優先で使うべきだ。命を削りながら巨大開発をすすめるべきではない。切り捨てられた事業を復活するとともに、パスピー廃止・留守家庭の負担増・子どもの医療費補助制度の負担増など、これ以上の市民サービスの切り捨ては止めるべきだ。

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●迎える平和について
次は、被爆地ヒロシマの役割が果たせてきたか、という角度から質疑します。
市長は「迎える平和」というが、2015年1月29日に、日本イコモス国内委員会から松井市長宛に「世界遺産原爆ドーム バッファゾーン内におけるかき舟移動設置への懸念表明」が提出された。この懸念表明は、「原爆ドームは、人類の悲惨な歴史を語り継ぎ、恒久平和を祈念する場として、ポーランドのアウシュビッツと同じく、評価基準だけで世界遺産に登録された特別な性格を持つ人類共通の遺産である。そのバッファゾーンは、単に資産周辺の景観を規制し整えるゾーンというだけでなく、この遺産のもつ鎮魂と平和への祈念の意味との深い繋がりをもったエリアとして認識されるべきである。バッファゾーンの中でも、カキ船が原爆ドームに近づくこと、平和公園の横に位置すること、多くの慰霊碑が設置されていることを考えれば、もっと多くの市民の方々や被爆者の方々を交えての徹底的な議論が必要と考える」と、意見が述べられている。さらに、「平和をテーマとして情報発信と観光は世界的に高く評価されているとしながら、それだけに世界的な視野での広い考え方と多角的な国際感覚が必要とされる」と、市に国際感覚にもとづいた再考を求めている。
@ この意見に対し、市長は、「単なるセンス・趣味、ある意味個人的な価値観で判断されるのであれば、相当恣意的になる」と記者会見でのべられているが、市長はイコモスの懸念表明を恣意的と考えておられるのか、バッファゾーン内への「かき舟」の移転新設は平和都市の価値を下げるものではないのか、認識を伺う。

世界遺産原爆ドームと平和公園一帯のバッファゾーンは広島市のものではない、管理は市が行っているが、世界遺産になった時から人類のものである。よって、広島市の判断だけでなく、世界的なレベルで物事を考え決めることが必要だ。バッファゾーンは、登録資産を保護するためにその周囲に設けられる利用制限区域である。そのような認識が市にないというのは、世界的にみて、恥ずかしいことだ。

A そもそも平和記念公園・河岸緑地の景観はどのようにして作り出されたのか市は知っているか。

河岸緑地は一般私有地だった。被爆前は恵まれた立地を利用して旅館などあった。そのような場所を戦後の復興で公的な場所とするため、換地により一般私人の土地所有者の移転を促し整備したことで現在の河岸緑地ができた。当然、抵抗は大きく、最終的には強制的に換地が行われた経緯もあったようだ。そのような中でも、当該緑地を公的な場所として整備できたのは、「広島平和都市建設法」により「広島市を恒久の平和を誠実に実現する理想の象徴として平和記念都市として建設する」としたからである。このような歴史と経緯のある場所を、市がその管理をまかされているというだけで、一私企業に独占させ、激しく変形ざることは、管理の在り方においても妥当性を欠くものだ。
 
B かき舟の移転・新設問題で広島市の内部として、どのような協議をしてきたのか。かき舟の移転・新設問題の責任部署はどこか?平和推進部には、いつ相談があったか。どのような意見を述べたのか。

平和推進部は、河川法、都市公園法・広島市公園条例、原爆ドーム及び平和記念公園周辺建築物等美観形成要綱などの「関係法令に適合すればよい」と、意見を述べたというが、法令を守ればよいと言うだけではだめだ。バッファゾーンは利用制限区域であるとの世界的感覚から外れており、迎える平和とはいえない。

C 広島市の国際的な感覚が疑われる事例がある。ここに「かき舟の移転について」という広島市が作成した資料があるが、これは、何の目的で作成されたのか。

「かき舟の移転について」の資料のなかには、かき船事業者の平和発信の取組として、「平和記念資料館の展示資料である被爆した小学生の焼け焦げたお弁当箱(しげる君のお弁当箱)のメニューを再現し、修学旅行生に提供すると明記してある。これは、原爆で亡くなった方を儲けの道具にし、被爆者を愚弄するものである。許しがたきことだが、これを広島市が文書にしてイコモスや住民団体への説明につかうなど、恥ずかしい限りである。
 このような内容の説明では納得どころか、広島市が恥をかくだけだ。

D カキ船の移転・新設にかんしては、イコモスだけでなく地元から反対の声が届いているが、どのような方たちからどんな意見があるのか。

イコモスの懸念表明・被爆者の声・地域の声を無視して、世界遺産原爆ドームのバッファゾーンの景観を損なわせ、国に占用使用許可を出させた経緯が、いかに「恣意的」であったかを指摘したい。
E 国土交通省河川局が作成した「太田川水系の流域及び河川の概要」は、元安橋東詰め南側を「原爆ドームや広島平和公園など被爆地ヒロシマをイメージする特別の空間」としています。
しかし、国土交通省中国整備局では「その重要性」を検討した形跡がありません。なぜか?
2013年9月19日に行われた広島市と太田川河川事務所の協議において、広島市が「原爆ドームのバッファゾーンの場合は、重要な事項に該当するため景観審議会に諮るべきだと判断している」との考えを示したことから、景観問題はその後、市と国の間で議題となっていないと聞いた。この経緯は事実か? どんな協議を国としたのか。

F 国は、カキ船の占用使用許可の前提として、広島市が景観審議会で協議するものだと認識していたということだが、景観審議会は開かれたのか。

太田川河川事務所が、かき舟がバッファゾーン内に移転新設することについて、広島市が景観審議会を開いていないということを知ったのは、2015年の2月である。国は、景観審議会が開かれていない事を知らないままに占用許可を出したという事だ。国は、市の景観審議会を信頼していたと思うが、市にうまく騙されたということではないか。

G 広島市が作成した「広島市景観計画」では、景観の定義がされており、「景観は人の目に映る視覚的なまちの姿だけでなく、地域の歴史文化、風土も入るとし、心理的なものも含めて景観が定義されている。市は、法律・条例・要綱に適合したというが、景観計画で重点地区にされている「Aゾーン」に、これまで存在していない建築物が出現することは、景観が変わったということだ。広島市にとって、元安橋東詰南側の景観は何も変わっていないのか

カキ船の新設は、景観の大きな変更であり、景観条例に基づき景観審議会を開き住民の意見を反映することが必要な手続きである。広島市の恣意的な判断により、広島市景観条例が無視されていると言わねばならない。

平成18年3月29日施行された広島市景観条例は、次のように市民の意見の反映を求めている。
・第2条2項は「本市の責務」において、「市民及び事業者の意見を反映させる」としている。
・第7条1項「景観計画の策定手続き」では、「景観計画の案を2週間公衆の縦覧」にかける。
・第7条2項「景観計画に係る区域の住民及び利害関係者は、縦覧開始の日から3週間の間、
市長に意見書を提出できる」となっている。
・第7条3項「景観計画を定めるときは、市長は、前項の規定より提出された住民の意見の要
旨を添えて、広島市景観審議会の意見を聴く」とし、
・第7条4項 景観計画の変更についても「7条3項を準用する」としている。

広島市景観審議会は、景観の形成に関する重要な事項について市長の諮問に応じて調査し審議する事が目的であり、これまでには、平和公園内のトイレまで審議されている。トイレも重要な景観の一つだが、トイレ以上にカキ船は景観に影響を及ぼすものである。元安橋東詰南側にカキ船を建設する行為は「景観の重大な変更」であり、「景観計画の変更」であり、広島市景観条例に基づき、景観審議会を開き住民の意見を聴くことが当然の手続きであり、住民の意見を聴かずに進めたことは広島市景観条例に違反するということを申しげる。まさに、恣意的である。

H 次に、国土交通省が平成23年3月8日に改定した「河川敷地占用許可準則」により、河川占用が公共性・公益性を有するものに限定した方針から、「営業活動を行う事業者」にも河川敷地の利用が可能になったが、国土交通省の河川局長は、「地域の意見を十分に反映することが重要」だとする通達を1999年8月に出している。これは、今も生きているか。

広島市は、水の都ヒロシマ推進協議会の承認を得たことで、地域の合意が図れたとしているが、準則では、「地域の合意が確認できる幅広い手法によることができる」としている。景観審議会には、市民代表が委員になっているが、水の都ヒロシマ推進協議会には地元代表や被爆者団体の代表者はいない。水の都推進協議会は、いかにして賑わいをつくるかを協議する場であり、バッファゾーンという利用制限区域のされた地区に関して、「待った」をかける役割はもってない。「河川専用許可準則」は、地域の移行を踏まえつつ、適正な河川管理を推進することを目的とすると定めており、水の都ヒロシマ推進協議会の承認だけで、地域の合意を図ったとは言えない。
 広島市が自ら制定した広島市景観条例を無視したことは大きな可視であるということを指摘しておきます。

I 市は、カキ船は「建物でなく舟だ」としているが、船なら動くはずだが、この船はスクリューなどの駆動装置をもっていない。「随時」に動かせるというが、随時とは「いつでも」ということだが、24時間、水面に浮いて移動可能なのか。

だれかに引いてもらわないと動けないようなものは舟ではない。誰が見てもカキ船は3階建ての建物だ。公務員は公僕であり、全体の奉仕者であるべきだが、カキ船の移転新設は、一私企業のために広島市が便宜を図り、一企業を優遇した悪しき行政の典型である。市が市民も国をも騙したということを申しあげておく。

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●対話・ビジョン・実行の市政運営について
最後は、市民と合意をはかりながら市政運営が行われたか、検証します。
@ 市長は所信表明で「対話・ビジョン・実行」オーケストラの指揮者が調和した音楽をかなでるように、市長として調和のとれた市政を追求する」と述べたが、広島市長とは指揮者なのですか?

市長は、憲法を暮らしに生かす為に市民の暮らしの実態・声に耳を傾け、市民の命と財産を守るために施策を講じ、国に対し市民生活を守る立場から言うべきことをいうことではないのか。昨年の8.20土石流災害で75人もの死者を出した広島市の最高責任者として「軽すぎる」発言ではないかと感じる。

A 対話・ビジョン・実行というが、実際には、この一年間市民の声を聴かない市政が強められた。例えば、かき舟の新設移転における住民合意はない。障害児通園施設利用者の負担(児童発達支援センター利用者には合わない。国保料の事務処理ミスも、保険料は高いものだと決めつけ、市民から苦情が来なかったら、議会が決議をあげなかったら自ら気づいていない。安佐市民病院の移転建て替え問題では区民の対立を引き起こす。佐伯区の給食センターの廃止・民間丸投げも保護者には説明がされていないのに強行された。8.20の豪雨災害時に、「寝たり起きたり」という状況は、最高責任者としての自覚がないというべきである。市長はこれらの市政運営について、どのように自己分析しておられるのか。

市長は、二期目に当選されましたが、「当選したら、何をやってよい」ということにはなりません。一期目を振り返り、反省すべきところは反省し、市民との合意をはかりながら市政運営をしていただきたい。今後は、「ハコモノ白書」の具体化により公民館など公共施設の統廃合を巡り、これまで以上に地域住民との話し合いが不可欠になってくる。「まちづくり復興ビジョン」も被災者の声に耳を傾けることが成功の鍵です。
民主主義の原点は、「ものごとを自分たちの手でつくる」という手作りの精神です。憲法99条には公務員に憲法順守義務を明記しています。憲法を暮らしに生かす立場で、対話・ビジョン・実行をすすめることが、世界に誇れる広島になる基本であるということをお伝えしておきます。

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